島田荘司のレビュー一覧
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猟奇殺人の犯人が捕まり、アルカトラズの牢獄に入れられる。そこで脱獄に巻き込まれ…と、気になる展開でワクワク。
その後の展開が突然ファンタジーでなかなかついていけず。
最後まで読んで、え、ああ…そういうこと?となるが、あんまりすっきり腑には落ちなかった。すこし、無理やりだったような?
解説は伊坂幸太郎。何がいるのかわからないジャングルの中に放り投げられたうえ、どこからか物凄い磁石の力で、ぐいぐい引っ張られるような…とあるが、その感覚はなんとなくわかる。
展開が読めない。展開どころか現状も読めない。でも最後は繋がる。その繋がり方に不満はあったけどね。。
でも、面白かった! -
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古代エジプトの悲恋、タイタニック号の悲劇、そしてメキシコ湾の孤島に出現した巨大なピラミッドで起こる殺人事件!
三つの時代、三人の語り手によって語られる悲劇が、探偵・御手洗潔によって完結する!
というわけで、本作も島田先生の十八番・「全然関係ない話に無理くり関係性持たせちゃう」スキルがいかんなく発揮されております(めっちゃ褒めてる)。
牽強付会も甚だしくない?と眉をひそめる向きもあるでしょうが、現代に出現した怪物が零したある人物の名前にまんまと慄然させられた私は、結局は島田先生の掌で転がされてるんだなと思いました(作文)。
古代エジプトで生き埋めにされたはずの人物が、現代のアメリカに異形 -
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ネタバレ序盤にして彼の正体は察せられていた。
だからこそ透明人間という言葉の喩えるところもぴんときた。
語り手の周囲の人間関係もわかりやすかった。
が、人間消失のトリックがどうしてもわからなかった。
が! トリックなんてなかった!
これは物理トリック得意の島田先生にしては大いに肩すかし。
以上は大人の読み物として。
子供の読後感を想像すれば、ここまで興醒めで現実べったりな犯行理由に、何と思えばいいのか。
御大は現実の社会情勢を作品に反映させることを信条としている。
小説は具体的なもの、という特性を活かした、訴え、だ。
そして日常生活に潜む暴力性を題材とする点において、村上春樹と通じるとも思う。
が -
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丁度旅+歴史のクイズ番組でやってたのですよね。
そして私は行ってたのですよね。ドゥブロヴニク。
クロアチアやスロベニア。アドリア海。
と、色々懐かしくてしかも御手洗と言うことで購入。
そしてそしてネトゲな要素もあるとかないとか。
買うに決まってるじゃないのですか。
ドゥブロヴニクのお話に関しては、情景が、本当にあの町が蘇って来て、写真出して見てしまう程。
史実にはなかった創作だったそうなのですけど、ありそうありそう。
確かに民主国家で独立してたっぽかったし、ふしぎ発見でもそんな事言ってたし。
もう一つのお話に関しても、RMTの仕組みは分かっていたし、海外の……と言うかほぼ中国だと思って -
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石岡くんのドジっ子ポジションは愛さずにはいられない( ˘ω˘ )
と思っていた私ですが、どうやらその認識は少し改めなければいけない時が来たようです。
石岡くんねェ…女々しすぎ!(今更感)
自分の娘でもおかしくない年齢の女性の、存在しない男の影に嫉妬するとか、かなり痛いよ!!
御手洗が日本にいた頃は、石岡くんにこれでもかとどSな愛のムチを言葉で振るっていたからこのウジウジ感は許せてたんだなァ。
「そこまで言わんでもええやん御手洗様…」
と読者を誘導する御手洗様は、本当に石岡くんのガーディアンであると思いました(作文)。
事件そのものは小粒感です()。
まあ解決する御手洗様がちんまい頃 -
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下巻まで完了してから上巻の感想を振り返ると
全体を通した作品の粗さ・構想の甘さが上巻に出てきていて
下巻の面白さを考えると、もったいない印象を持った。
一番大きなところは、
上巻における現代編の致命的なまでのつまらなさ。
登場人物が揃って魅力に欠ける人物で、
ストーリーとしても陰鬱で面白みにかける上に、
ひたすらに主人公と片桐教授、常世田との会話による
写楽の説明に終止していて、閉口する。
会話も、「***」「そうですわね」
「***」「ふーん」「***」「そうです」
みたいな感じの素人のような会話文による説明が
延々と続いていて、つまらない上に
物語としてストーリーが動いていかない。