島田荘司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレさすが島田荘司!
巧みなストーリー構成で怪奇事件の謎解きにとどまらず、
事件が起きた根深い背景を歴史嫌いな私にもじわーっとわからせてくれる。
舞台は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナで起きた怪奇事件。前編、後編の間(中編)では、日本で起きた怪奇事件を御手洗潔がさらっと解きます。
どちらも民族紛争を題材にしている。
1980年代までユーゴスラビアは、模範的な社会主義国と言われていた。しかし、社会主義国崩壊後に起きた内戦で、正教徒のセルビア人、カトリックのクロアチア人、イスラム教徒のモスリム人のスラブ系民族同士が三つ巴の殺し合いが行われた。
強烈な印象に残ったのは「民族浄化」。「穢れた血を薄める」。人 -
Posted by ブクログ
民族紛争という主題そのものが、平和ボケした島国に暮らす日本人にはどうしても理解が難しいなあ、ていうことが第一印象。知識としてすら知らないことが多いからなあ…。
表題作に関しては、創作寓話と絡めたトリックが相変わらず島田荘司らしい説得力で読ませます。その状況にどう現実味持たせるのよ?!てとこに見事に現実感をこじつける手腕が絶品。まさか臓器を抜いたのが××××ことを隠す為とは…。難を挙げれば、RPGを絡めたせいでページの割りに詰め込みすぎた感があることでしょうか。どうせならもう少し軽い扱い方でも良かった気がしますが、島田先生はこの世界が書きたかったんでしょう。仕方ない…。
「クロアチア人の手」 -
Posted by ブクログ
御手洗シリーズ短編集。
4編収録ですが、うち2編は事件は起こらず、番外編的な話です。
御手洗シリーズはやはり長編が好きです。短編だと御手洗がどうしてそういう考えに至ったのかというところがよくわからないままスピード解決してしまうのが残念。
シリーズが進んで御手洗がどんどん超人化するのに従い、最初の頃の御手洗にあった人懐っこさや魅力が薄れていっている気がする。年をとって落ち着いたといえばそうなんだけどちょっと寂しい。逆に石岡君はいつの間にこんな情けないおいちゃんになってしまったんだ。
「さらば遠い輝き」は同人誌みたいだと思ったらアンソロ収録と知って納得。
そのアンソロも買ってあるのでいずれ読もうと -
Posted by ブクログ
御手洗シリーズなんだけど、御手洗はあんまりでないという。。。。
四つの短編なんだけど、三篇は歴史もの?
ロボトミー、生体実験、遺伝子組み換え、モンゴル。。。。
まだまだ知らないことが多いな。
もっと勉強したい。
仕事に時間取られ過ぎだよ。
四編目の「海と毒薬」も横浜の歴史ものではあるけど、
どちらかというと石岡君ものっていった方がしっくりくる。
御手洗は魅力的なんだけど、やはり石岡君の方が好きなんだよな。
御手洗と石岡君との出会いを描いた「異邦の騎士」がキーなんだけど、
よくよく考えると、自分がミステリの方が文学よりも可能性がありそう
って思ったのも「異邦の騎士」だった気がする。
短 -
Posted by ブクログ
御手洗シリーズはあまり読み込んでないんだけど、御手洗の一人称ってかなり珍しい?
いつもは嫌みな名探偵も、今回は衒学披露も控えめで、突飛な推理展開以外は別人のような大人しさでした^^
横書きと縦書きで童話世界と現実世界を差別化した点、最後の解決章だけは童話世界と書き方を統一した点が構成の妙…何でしょうか。←
解決章がこうなる意図が良く分からなかったのは、やっぱりいつものように読み込みが足りないからなのか…(pд・。)ウウ…
不可解すぎる謎の割に、ネタはかなりシンプル。容疑者もほとんどいないし、フーダニットと言うよりはワイダニットが主眼です。
「何故、殺人犯は被害者の首を切断し、そこにネジ -
Posted by ブクログ
流石大御所、とんでもない風呂敷広げても、しっかり畳んでしまう天晴れな手腕を見せ付けてくれました。
御手洗&石岡コンビも、相変わらずの絶妙なホームズ&ワトソンぶり。
思わせぶりな探偵とちょっとお馬鹿な助手って嫌みにならずに書ききるのは難しいんだな、と最近は辟易する小説ばかり読んでたので、久しぶりの安定感のある2人に大満足(*^v^*)
しかし、御手洗の神がかった推理力…本家もビックリな突飛さは健在ですが、全体的にスケールがこぢんまりとした印象は拭えません。中編だから?
表題作よりも「傘を折る女」の方が、読者にも割と親切で興味深い謎かけだったように思います。「傘を折る」っていう行為から、殺人