あらすじ
1986年冬。「私」はパリ=ダカールラリーが終了したばかりのフランスで、不思議な女に出逢った。職業は不明、バーではウインクひとつで支払いが済み、大きな家に一人で住み、おまけに大変な美人ときている。パトロンでもいるのだろうか?(「見えない女」) 車好きの著者ならではのひねりをきかせ、人間のナゾに焦点を当てた、異色のトラベル・ミステリー。
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Posted by ブクログ
光文社による裏表紙の紹介文によると本書は「異色の旅行推理集」となっている。
確かに“異色”である。
収録された3編全てにおいて主人公は名前すらない男で、しかも「早見優」、「カトリーヌ・ドヌーブ」といった実在の人物が出てくるあたり、実話のような錯覚を憶える。
だが“推理集”というのは些か大袈裟だろう。確かに各編において謎はある。しかし本書は異国での恋を主体にした短編集であると私は認識した。
恋愛にはある程度謎はつきものである。ここに収められている謎はその範疇を超えるものではないし、ミステリへと昇華しているものでもない。
従って私は「異色の旅行恋愛集」と呼びたい。
翻って内容について述べると、ほとんど実体験に基づいたエッセイに近く、それに現地女性との交流を絡めた恋愛短編集といった感。
3編全てに共通するのは『異邦の騎士』に脈絡するある種の喪失感。この作家、根っからのロマンティストらしい。
Posted by ブクログ
ミステリですが、別に殺人事件とかがおきる訳ではなく、各国に旅行した各主人公が各国で各ミステリアスな女性と出会い、各印象的なストーリーが展開され、最後しっかりまとめてくれる、秀作ナリ。
少し古い作品ですが、ソコは気にならないんで、古本屋の100円コーナーで手軽に手にとって読んでみて欲しいナリ。
(舞台となる国に詳しい人とかは、多少「この場所は今はアレなんだよ」とかあるかもしれませんが、ミーは海外行った事無いしね。)