島田荘司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレうーん、御手洗が登場する作品としてはイマイチだった作品。
著者が後書きで解説しているように、
・ユーゴスラビア紛争という民族紛争が生んだ悲劇
・医学的知識に基づいた血液型トリック
・日本のオンラインゲームで取引されるRMT
・ドゥブロブニクという自治都市を舞台に展開される「リベルタス」という寓話
これらの要素が複雑に絡み合いながら
物語が展開していくわけだけど、
それに成功しているとは言い難く、
物語として引き込まれないまま終わってしまった。
セルビア人の民兵組織が、活動資金を稼ぐために
日本のRMTで荒稼ぎしているという設定も
リアリティにかけるし
(韓国人組織とか中国の華僑とかだったら説得力あるが)、
血液型トリックも最後のほうにチラッと出て終わった
オマケ感が強い。
物語の構成として、
・リベルタスの寓話(前篇)
・クロアチア人の手
・リベルタスの寓話(後編)
の3部構成になっているが、
途中に「クロアチア人の手」が挟まれる必然性が薄く、
興が冷めがちになってしまうのも痛かった。
ただ、挿話の巧さは衰えがなく、
「リベルタス」という寓話は非常に面白かった。
史実を参考に虚構を交えたものということだけど、
読ませる話だった。 -
Posted by ブクログ
民族紛争という主題そのものが、平和ボケした島国に暮らす日本人にはどうしても理解が難しいなあ、ていうことが第一印象。知識としてすら知らないことが多いからなあ…。
表題作に関しては、創作寓話と絡めたトリックが相変わらず島田荘司らしい説得力で読ませます。その状況にどう現実味持たせるのよ?!てとこに見事に現実感をこじつける手腕が絶品。まさか臓器を抜いたのが××××ことを隠す為とは…。難を挙げれば、RPGを絡めたせいでページの割りに詰め込みすぎた感があることでしょうか。どうせならもう少し軽い扱い方でも良かった気がしますが、島田先生はこの世界が書きたかったんでしょう。仕方ない…。
「クロアチア人の手」は名探偵不在の助手活躍譚ということで期待大だわ〜(*^ω^*)ガンバレ石岡くん!で読み始めたんですが…部屋入れ替わってたりピラニアに食べられてたりの不可解性も文句無しなのですが…
そ の ト リ ッ ク 厳 し く な い で す か 島 田 先 生 !!
これは昔からの島田ファンも唖然としたと思います。絵的には面白そうだけど。
●リベルタスの寓話…心臓以外の臓器が取り出され、電球や携帯電話、ホースなどが詰め込まれた死体がボスニア・ヘルツェゴビナで発見された。
その死体の周囲には、敵対する民族の死体が並び、それらは性器が切り取られていた。しかし、最重要容疑者には絶対のアリバイがあった…。
●クロアチア人の手…一旦施錠されれば外からは出入り不可能な部屋の中、水槽に顔を突っ込んだ溺死体が発見された。同時刻、死体の友人は車に跳ねられた衝撃で爆死するという不可解な事件。御手洗が不在の中、助手の石岡は助言を請いながら解決に乗り出すが…。 -
Posted by ブクログ
御手洗シリーズ短編集。
4編収録ですが、うち2編は事件は起こらず、番外編的な話です。
御手洗シリーズはやはり長編が好きです。短編だと御手洗がどうしてそういう考えに至ったのかというところがよくわからないままスピード解決してしまうのが残念。
シリーズが進んで御手洗がどんどん超人化するのに従い、最初の頃の御手洗にあった人懐っこさや魅力が薄れていっている気がする。年をとって落ち着いたといえばそうなんだけどちょっと寂しい。逆に石岡君はいつの間にこんな情けないおいちゃんになってしまったんだ。
「さらば遠い輝き」は同人誌みたいだと思ったらアンソロ収録と知って納得。
そのアンソロも買ってあるのでいずれ読もうと思います。 -
Posted by ブクログ
御手洗シリーズなんだけど、御手洗はあんまりでないという。。。。
四つの短編なんだけど、三篇は歴史もの?
ロボトミー、生体実験、遺伝子組み換え、モンゴル。。。。
まだまだ知らないことが多いな。
もっと勉強したい。
仕事に時間取られ過ぎだよ。
四編目の「海と毒薬」も横浜の歴史ものではあるけど、
どちらかというと石岡君ものっていった方がしっくりくる。
御手洗は魅力的なんだけど、やはり石岡君の方が好きなんだよな。
御手洗と石岡君との出会いを描いた「異邦の騎士」がキーなんだけど、
よくよく考えると、自分がミステリの方が文学よりも可能性がありそう
って思ったのも「異邦の騎士」だった気がする。
短編もいいけど、はやく御手洗、石岡コンビの長編が読みたいな。 -
Posted by ブクログ
御手洗シリーズはあまり読み込んでないんだけど、御手洗の一人称ってかなり珍しい?
いつもは嫌みな名探偵も、今回は衒学披露も控えめで、突飛な推理展開以外は別人のような大人しさでした^^
横書きと縦書きで童話世界と現実世界を差別化した点、最後の解決章だけは童話世界と書き方を統一した点が構成の妙…何でしょうか。←
解決章がこうなる意図が良く分からなかったのは、やっぱりいつものように読み込みが足りないからなのか…(pд・。)ウウ…
不可解すぎる謎の割に、ネタはかなりシンプル。容疑者もほとんどいないし、フーダニットと言うよりはワイダニットが主眼です。
「何故、殺人犯は被害者の首を切断し、そこにネジを装着したのか」
これを一編の童話から推測していくんだから…(呆然)。
泥酔した目撃者の証言内容にどれくらい信憑性があるのかしら〜とか、推測の上に展開される推測の上に推測を重ねて更に推測を〜〜が延々続く推理って、どれくらい信頼性があるのかしら〜、てな疑問は浮かんでは消えますが、最終的には読み応えもあって大満足なミステリィです(笑)。
この手のミステリィって、相当の筆力と構成力が無いと忽ち破綻するよなあ…と考えると、島田荘司恐るべし…!と改めて巨人の才能にひれ伏す凡人なのでした^^
記憶に障害を持つ男エゴン・マッカートが書いた物語。そこには、蜜柑の樹の上の国、ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機などが描かれていた。御手洗潔がそのファンタジーを読んだ時、エゴンの過去と物語に隠された驚愕の真実が浮かびあがる!圧倒的スケールと複合的な謎の傑作長編ミステリー。 -
Posted by ブクログ
流石大御所、とんでもない風呂敷広げても、しっかり畳んでしまう天晴れな手腕を見せ付けてくれました。
御手洗&石岡コンビも、相変わらずの絶妙なホームズ&ワトソンぶり。
思わせぶりな探偵とちょっとお馬鹿な助手って嫌みにならずに書ききるのは難しいんだな、と最近は辟易する小説ばかり読んでたので、久しぶりの安定感のある2人に大満足(*^v^*)
しかし、御手洗の神がかった推理力…本家もビックリな突飛さは健在ですが、全体的にスケールがこぢんまりとした印象は拭えません。中編だから?
表題作よりも「傘を折る女」の方が、読者にも割と親切で興味深い謎かけだったように思います。「傘を折る」っていう行為から、殺人事件にまで推理が発展するのは、作り込みすぎでしょ!と突っ込みつつも、読んでて唸らされる論理展開。
これこれ…古臭いと言われようが、私はこういう本格推理小説が好きなのよ…うん。
大満足(*^o^*)←二回目