島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ『溺れる人魚』
ミュンヘン・オリンピック水泳で4つの金メダルを獲得したアディーノ・シルヴァ。オリンピック後コーチ・ブルーノ・ヴァレと結婚した彼女の転落。性的な興奮を抑えられないアディーノ。麻薬、暴力など問題行動も増え、ロボトミー手術に踏み切るブルーノ。彼女に間違った診断を下しのうのうと生きるコスタ教授。彼のテレビ出演ご自殺したアディーノ。同時刻同じ拳銃で射殺されたコスタ教授。ハインリッヒがたどりついた事件の真相。
『人魚兵器』
御手洗潔シリーズ
ヤン・ユックが持ち込んだ人魚のミイラと言われる置物の正体を解析した御手洗。その過程で聞いたクリミア半島にすむ老人の持つ焼けた人魚の写真の謎の真相に挑む。
『耳の光る児』
御手洗潔シリーズ
ロシア各所で発見された耳の光る子供。紫外線を当てると光る謎の耳。母親には無い共通点。「インぺリット」に隠された秘密。
『海と毒薬』
御手洗潔シリーズ
石岡君から御手洗への手紙。石岡君が出会った女性からの手紙。男に騙され転落した女性の人生。 -
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読んだのはこれで二度目。
研究室から一歩も出ずに、一冊の本と一人の記憶とネットのつながったパソコンと、それらをもとにした推理だけで三十年も昔の事件を解決する。御手洗潔は安楽椅子探偵もできるんだな。
結構厚い本だけど、それのほぼ全編が解決編のように思われた。
実際には、過去に殺人事件が起こったと判明するまででページの半分を使っているんだけど、でもそこまでも推理でたどり着いているから。
それから、うんちくが正直長く感じられた。うんちくは嫌いじゃないけど、あれだけこまごまいろいろ挟まっていると、「いいから核心を早く言ってくれ!」っていう気分になる。
そのうんちくも推理には必要なんだけれども…
それと、真犯人の彼はルネスがつかまったのを知ってからも長く放っておき過ぎではないか…?
「何度も自白してルネスを助けようとしたけどどうしても怖かったんだ」みたいな一言でもあればよかったんだけど。
あれじゃあ、この人もしかしたら御手洗潔が真相を見破らなければ自白しなかったかも、と思えてしまう… -
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御手洗シリーズ。
例によって御手洗のところに妙な依頼が持ち込まれ、それがとある事件に発展し、ただ御手洗は何となく釈然としない(でも一応は筋の通っている)解決を示してさっさと謎解きを切り上げる。
その事件の真相は――?
島田的作中作「手記」がこの作品のすべて。よくもわるくも、「ああ島荘」。
っていうかぶっちゃけ、御手洗出す必要ないよね。
御手洗が客寄せパンダすぎて萎える。でも御手洗が喋ってるというだけで読めてしまう。読んでしまう。まんまと踊らされることよ…。
初出時発売日に読んだはずだけど途中まで内容すっかり忘れてた。
物語的にはその程度。 -
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幼稚園児の潔君という設定に驚いた。そして、また順番を飛ばして御手洗シリーズを読んでしまったことに気がついた。やれやれ。これは外伝的なものだからまあ、いいのかなあ。最初の話は、うーんという感じで、ガラス瓶を全部割るかね。と思ってしまった。あと、バーの女とはいえ昔の旦那もちの女性はもっと貞操が固かったのでは、などと思ってしまった。すずらんの毒って私も知っていたけれど、昔はそれほどメジャーではなかったのだろうか?Pの密室も、子どもの絵を赤に塗りたくるのは大変そうだなあ。と思った。グロテスクな感じが必要だったのかな。部屋の面積のトリックをどうしても使いたくて、それに合うような話を作ったのかしら。でも、母と子の幸せを脅かすかのようなものが近づいてくるところで終わるラストが感傷的だけれど、好きだなあと思った。
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うー・・ん・・?
前編、違う話、後編、っていうなかなか斬新な試み
なのですが後編気になりすぎて間の話(ジャングルの虫たち)飛ばして読みました
帝都衛星軌道の話は後ろのあらすじを読んだだけでビリビリミステリ好き魂を刺激されるような謎の話。
たった15万円の息子誘拐の身代金、山手線に乗ることを要求してくる犯人の鮮やかな手口・・。
確かに読んでる時はそれでそれで!!???って思うけど、謎が解かれてしまうと、ああ、そうですか・・・としか言いようがないですね。
私が子供なのか、美代子さんが裁判で夫より姉の言いなりになってしまったところとかがよくわからんかったとです。美代子さんと姉たちの仲は悪かったのでは。
妹夫婦は殺してるくらいだしさ。
つまりあれですか。今更になって殺人犯になるのが怖くなってってことですか。
人間らしい心理だとは思うけれども唾棄すべき感情ですね。
ただこの話最後がほんとーーーに良くて、国吉が貞三に話す、東京の地下鉄の真相、のあたりからの流れが凄い。
皇居を囲むように地下鉄は出来ている、(皇居が太陽でその周りを走る平民)とか、戦前要塞だとか、地下が発達した都市東京ならではのロマンをうまく使ってきてますよね。
実際都市伝説でも、東京の地下に秘密があるっていうのは腐るほど聞いたことがあるし、好きな題材です。
そんでもってその『環』の話をした後に、「輪廻」を感じさせるラスト。きれいです。きれいに落ちてます。
『ジャングルの虫たち』。
端的に言うと好きじゃないです。でも島田さんは、東京っていう都市に対してものすごく強い執念、みたいなものを抱いてるんだろうなあ、と感じる作品。
確かご本人は外国在住ですよね。
この人の書く東京はなんだかごちゃごちゃしてて、やたら華やかな皮一枚下では人と人が騙しあう、傷と汚れが交錯する場所、のような印象があります。
なんかさ・・古くないか・・そういうステレオタイプな東京・・・
もっと引いて!引いて見て!と思ってしまう。ただ単に小説の題材にするには闇の部分が面白いだけなのかもしんないですけど。
知識があれば騙されることもないんだよな、と、なんだか特に主題でもなかろうに思ってしまった短編でもあります。
☆は3.5で。そのうち0.5は表題作のラストの点数で。 -
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島田作品は知ってる割に、読んだ冊数はとても少ないのよね。
2編の短編集。
内臓を抜き取られた女優が不可解な謎を残して、上高地で殺された。
そこで、御手洗さんがい外国から、石岡くんが送ったFAX原稿だけでスパッと快刀乱麻に名推理してくれる!
『添付ファイル』やら『デジカメ』警察署長にある『テレビ電話』やら、最近に近いものが描かれてるなぁと思ってみたら、2005年上梓かぁ。
やっぱり。
御手洗さんもこの時代を生きているのかと思うと、何だか不思議(笑)
この女優さんのお話は、大病院の経営者の息子が憧れの女優さんを死姦してしまうんだけど、殺人は犯していない。
真犯人は、実は父親の方だった!って話ね。
これはすごく面白いってわけじゃない。
2編目の『山手の幽霊』
こちらの方が面白かったな。
山手にある、高大にある、地下シェルターのついた呪われた家のお話。
真っ暗な、小さな箱(核シェルター)に、思いもがけず閉じ込められるというのはとてもつらいでしょう。
想像を絶します。そこで餓死しちゃうなんて・・。
動機も病気の娘を巡ってだし悲しい。
最後が犯人(父親)の手記というところがこの作品をぴりりと締めていて良かった!
ただね、この本の表紙が戴けない。
センスが感じられない。
表題作の話の、内臓を抜き取られて代わりに石が入ってるっていうのを表現したいのはわかるんだけど、
「明らか合成です」ってかんじだし^^;
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ネタバレ【本書紹介文より】1985年4月、国鉄が誇る<水晶特急(クリスタル・エクスプレス)>が、上野から酒田まで、マスコミ関係者を乗せて処女旅行に出発した。その直後、列車強奪に遭う。犯人は大物代議士・加灘耕平の旧悪告白を要求し、人質の中の週刊誌記者・蓬田夜片子に、マスコミ公表の役目を命じた。だが、驀進する列車は人質もろとも突然消失した!?奇想天外な大トリックを駆使し、華麗に描く傑作ミステリー。
鉄道ミステリであることと、豪華列車が<クリスタル・エクスプレス>という、田中康夫のデビュー作『なんとなくクリスタル』を思い出させるネーミング。この作品が出た当時、そのどちらもが人気だったのではないか。
この作品は、それらの流行も取り入れつつ、アッと驚く大掛かりなトリックに挑戦した意欲作である。初めて読んだときは単純に面白かった。なにしろ、大きな列車が消えてしまうのだから。ヘリコプターで捜索しても見つからない。各駅に問い合わせれば、間違いなく通過したと答えるし。いったいどうなっているんだと。
しかし、10年以上経った今回の再読では、やはり完成度の低さを感じずにはいられなかった。単に、ネタが割れている再読だから初読より面白さがダウンした、というわけではない。昔はただ受身の読書。今は頭の体操も兼ねて、考えながら読むようになったことが大きいからだと思う。その上、今はトリック以外にも、社会問題や、人間を追究する文学性もほしいと思っているので、なおさらである。本作はこの部分が弱い。本格ミステリだから仕方ないのだが。
ところで、鉄道マニアの人々を、駅や跨線橋などで見かけるようになったのは、いつ頃からだろう。列車を撮ろうと、カメラを構えている人をよく見かける。この小説の列車は、集客を狙った超豪華展望車を持つ。最後尾の<パノラマ・ラウンジ>は天井から床まで全面ガラス張りの設計。壁はプリント合板ではなく、本物の木材が使われ、高級なソファーが並べられている。カウンター・バーに、ダンス・フロアを備える。こんな列車が走るとなれば、鉄道ファンはどんな反応をするのだろう? 垂涎の的となるのは確かでは。すると、もし通過地点のあちこちにカメラを構えた人たちが出没したら・・・・・・
私は鉄道のことにまったく興味がないのでわからないが、当時はそういう鉄道ファンはいなかったのだろうか?