島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ東洲斎写楽の正体に迫った歴史ミステリー。
鎖国であった当時の江戸文化の様子、歌麿や京伝、そんな絵師などを取り仕切る蔦屋重三郎たちの交流の様子がとても良く伝わって来る。
そして描き出される写楽の正体。
「閉じた国の幻」まさのこの副題の通り、閉じられかつ規制された不満が高まっていた時代に、蔦重を中心に国内外関わった全ての者たちが紡ぎ出した幻こそが写楽だったのだろう。
と面白かったのはこの作中にある「江戸編」まで。
正直「現代編」はいらない、江戸編の合間に解説があるだけで良かった。
説明を兼ねているが物語にしてしまったために冗長過ぎてわかりずらい。
回転ドア事件も風化させてはいけないと -
Posted by ブクログ
御手洗潔シリーズ、9作目。
今作も大長編。しかも、挿話の部分が相当長く、御手洗が出てくるのは何と1000ページ近くある文章の中で最後の200ページほど。しかしながら、前半の挿話部分の大半を占めるエリザベート・バートリィーの話は興味深く読めてしまう。相当にエグい話なのであるが、妙な魅力に惹きつけられてしまうのも事実。「水晶の~」といい、挿話部分がなかなか読み応えのある作品。その余韻に引き摺られてか、現代で起きた数々の残虐事件が尽くレオナの手によってなされたように見える展開が続き、もしかして本当に?なんてハラハラしっぱなし。漸く御手洗が出てきたときには正直ホッとした。雰囲気もガラッと変わり、解決 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性の美への執念が招く殺戮のはなし。
前半は14世紀におけるエリーザベト・バートリの所業と現代における奇怪な殺人者の出現、レオナの奇行に、二人の現地刑事が翻弄される。
暗闇坂から主要サブキャラとして定着しているレオナの、狂人のごとき言動にハラハラ。
海外ロケ地での不可解な殺人事件で窮地に陥るレオナと監督を救うためになんだかんだ探偵が奔走する展開、前世紀の死者が現代に甦ったかのよう見せる謎かけはピラミッドを踏襲。そういえば今回は友人に出番なしでした。
複線用ではあるけどバートリのパートが一番恐ろしくもおもしろかった。前世紀、現在NY、現在エジプトそれぞれでひと悶着描かれるのでやはり長い!笑
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Posted by ブクログ
ネタバレ縁あって久しぶりにしまだそーじ作品を読んだんですが、正直きつかった(汗)
社会に対する怒りとかも分かるんだけど、そこを踏まえて一段上まで行って欲しかったつーか。いや、今でもこういうタイプの人がいっぱいいることは分かってるんだけど、思考レベルにおいてはすでに考慮された前提だと思うのよねん・・・。
とりあえず傘を折る女は、バス会社の運転手、女のことばらしたらアカンやろ、とそこを一番に思うっす。怒りを感じてたなら、それこそ被害者家族にばらすよりも週刊誌に売れよ・・・。
そして事件を隠蔽しようとしてそこまでがんばって画策するのも納得いかんつーか・・・。まあ、テンパってたから冷静な判断できなかったのヨ、