感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年03月10日
旅先で読むことになり、読みやすい薄さにも関わらず時間をかなり費やしてしまった。
梗概にも書かれてあったが本作は島田作品の中でも異色の物で、作者本人でさえあとがきで全く予想外に生まれた副産物であると述べている。内容的にはミステリではなく云うなれば幻想小説のテイストを含んだ中間小説とでもなるだろうか、不...続きを読む思議な読後感の残る作品である。
そして私はこのような作品に弱い。
島田ミステリに通底する弱者への真心とロマンシズム、これが一貫して物語のBGMとして流れ、進んでいく。最後には珍しく悲劇的な結末で無機質に締められ、読者の心には冤罪に対してのほろ苦さが色濃く残る。
最後に門脇春男は救われたのか、それは判らないが不幸な者がここにいるということを強く教えられた。
Posted by ブクログ 2011年11月02日
冤罪での死刑執行から奇跡的に生き延びた男。
九州の元炭鉱での情緒あふれる風景と、
そこで出会った少女との交流を回想する。
オチが突拍子も無いです。
びっくりする。
社会派小説なんだろう、これは。
Posted by ブクログ 2012年01月27日
読み始めてすぐに違和感を感じた。
その違和感を書くと重大なネタバレになってしまうので控えるが、その奥歯にものが挟まったような状態のままずっと読み進めていくと、紐がほどける結末が待っていた。
島田荘司さんと聞いて、つい推理小説を思い浮かべていたけれど、ミステリー的な要素はほぼない。
こう...続きを読むいう小説はちょっと読んだことがなくて、新鮮だった。
Posted by ブクログ 2013年10月02日
冤罪を扱った作品です。
読み出したら止まらなくて、一日で読んでしまいました。
島田荘司の冤罪についてのメッセージがとても良く伝わってきました。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ラストの凄いあっけなさが多分一番重要なのだと思う。「秋好事件」に関わってきた島田荘司だから書けたのかもしれない物語。ミステリのような面白さは無いが、死(死刑)が何を奪うのかを訴えているように、個人的には思う。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
推理・ミステリと云うよりも、幻想的で、寂しく物哀しい小説。けれども、島田氏の、『死刑』と云うものに対してのメッセージがキチンと組み込まれています。星や蛍と云った儚げで小さな光が、このお話の世界観を美しくしています。沢山集まることにより、心に降り注ぐ様な大きな光になります。
因みに、私個人の考えは、『...続きを読む死刑制度』には反対ではありません。