【感想・ネタバレ】踊る手なが猿のレビュー

あらすじ

新宿西口地下にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわる猿の人形。向かいの喫茶店で働く純子は、この猿に結ばれている赤いリボンが、時によって位置を移動するのが気掛かりだった。(「踊る手なが猿」) 都立高の敷地から江戸時代の墓地が? その中の樽形の棺に男女2体の人骨と、密封された小壺が入っていた。(「暗闇団子」) サスペンス&トリック傑作集。

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Posted by ブクログ

『展望塔の殺人』のように御手洗、吉敷に頼らない短編集でサスペンス・倒叙物・幻想文学・時代物とそれぞれヴァラエティに富んでいる。
新宿地下街図を「踊る手なが猿」になぞらえた奇抜な発想が見事な表題作、正統派トリック物から一転して意外な真相にいたる「Y字路」もいいが、何といっても最後に収められた「暗闇団子」が白眉だろう。こういう切ない恋愛物を書かせたら島田荘司氏は抜群に上手い。一瞬泡坂妻夫かと思った。これが読めて私は倖せだよ。

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2020年01月21日

Posted by ブクログ

目次
・踊る手なが猿
・Y字路
・赤と白の殺意
・暗闇団子

「踊る手なが猿」は、手なが猿の意味が分かれば事件のからくりはわかる。
だから純子がそれに気づいて泣き崩れるところで話が終わった方が、切れがいいんじゃないかなあと思ったんだけど、猿の種類がハヌマンラングールであることにこだわるのなら、最後のオチまで持って行くしかないのか…。
その方が動物としての人間の性が感じられていいのかもしれない。
でも、私なら猿の種類にこだわらずに、猿に気づいたところで終わらせるなあ。
好みの問題だと思うけど。

「暗闇団子」はタイトルのおどろおどろしさとは反対に、すごく切ない恋物語。
お初にとって、人生で立った半年だけの幸せな時間だったんだろうなあ。うるうる。

江戸時代の庶民の生活が生き生きと描かれ、ついうっかり居眠り紋蔵さんはいつ出てくるのだろうと思ってしまった。

4つの作品がそれぞれ全く違った味わいで、うまいなあと思う。
どの作品が好きかは、その時の気分だな。
今は「暗闇団子」が一番いい。

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2019年03月05日

Posted by ブクログ

ミステリー作家として有名な島田荘司の短編集。最初の二編は島田荘司らしいが、後二編はイメージと違いました。特に最後は江戸時代の悲恋モノと言えそう。

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2011年12月19日

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