島田荘司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ犯人が身代金受取を放棄するというのは新しく、"保険のための誘拐"というのも面白かった。
ただ、白いバンに関しては無理矢理つけ足した感が
否めず、あまり驚かなかった。
内容としては可もなく不可もなくといったところだが、それでもこれだけ読ませるのはやはり島田氏の圧倒的筆力によるものだろう。
また、著者は『北の夕鶴2/3の殺人』では情熱的な吉敷を描いているが、今回は吉敷はドライに感じられる。
本格ミステリーは、「人が描けてない」と言われることがあるが、おそらく、ある程度の筆力が伴った推理作家の場合、"描けない"のではなく、"描いていない"というだけだろうと感じた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ収録された全4作品中、純粋にミステリと云える物は「IgE」と「ボストン幽霊絵画事件」の2作で残りの「SIVAD SELIM」と「さらば遠い輝き」は心温まる御手洗サーガのエピソードと云った所か。
「IgE」は実に島田氏らしい作品で御手洗の下に持ち込まれた二つの事件が見事に痴呆症の暴力団会長の殺害計画に結実するといったもの。声楽の先生が好意を持った女生徒の失踪事件と川崎のファミリーレストランで3回も小児用の便器が壊される事件。これにTVで報じられる目黒の公園の木を切り倒そうとする悪戯事件が加わり、いつもどおりどうやって一つの事件に収束していくのだろうと不安になるが、これもまたいつもどおり無事収束する。島田荘司氏の奇抜な発想がこの作品全てに横溢していてページを繰る手を止まらせなかった。125ページ一気読みだった。
それに比べて「ボストン幽霊絵画事件」はタイトルにある幽霊絵画が全128ページ中100ページあたりで出てくるものだからタイトルと内容に違和感がずっとあって内容にのめり込めなかった。また外国を舞台にしたことで島田氏がやたらカタカナ名を使い、しかも通常日本語に訳せる単語までがカタカナときてるものだから外国のミステリ以上にカタカナが多くて読みにくかったのも大きな一因だった。
これは松崎レオナのエピソードを扱った「さらば遠い輝き」でも同じで、島田氏はどうも外国を扱うと必要以上に外国を意識するのか、カタカナ表記が多くなり、物語のスピード感を削ぐ傾向にある。かつての電報がカタカナ表記で読みにくかったことに対し、現在では漢字まじりのひらがなに改善されたことを知らないわけではあるまいに、なぜ島田氏は変な気を回すのだろうか?
またこの作品については最後のオチに冒頭の看板狙撃事件の真相を持ってきたところにも不満がある。この真相は私のみならず、大方のミステリ読者には容易に予想できるものではないだろうか?
これを物語のファイナル・ストライクに持ってくるのは、ちょっと自信過剰すぎないか?
残りの2作品について。「SIVAD SELIM」は読書中、題名の意味が判ってしまったため、導入部の出来事から結末までが一気に解ってしまった。
かといって物語の面白さが損なわれたわけではなく、私の好きな音楽を扱ったストーリーだったのでものすごく面白く読めた。御手洗が彼と友達だというのはあまりにも出来過ぎだなとは思うが、一種の夢物語と考えれば、それもまた一興。作者の夢が詰まった作品だ。
「さらば遠い輝き」は海外、今回はスウェーデンで活躍する御手洗の近況を交えたレオナの一夜の出来事を語ったもの。中で触れられる『異邦の騎士』のエピソードはかつて当作品を読んだ時の熱い思いを思い出させてくれたが、レオナの御手洗への未練を切なく描き、後味はなんともメランコリック。
総じて今回の作品は前半は無類に面白かったものの、後半は特にカタカナ表記の読みにくさが目に付き、ページを繰る手にブレーキがかかったのは事実。
しかし、マイルス・デイヴィスの友達でギターがプロ以上に上手く、かつ世界の脳研究の分野で活躍する御手洗の超人ぶりはちょっと理想を詰め込みすぎの感がする。
御手洗フリークの期待に応えるべく島田氏はちょっと道を踏み外してはいないだろうか。杞憂であればいいのだが。 -
Posted by ブクログ
ネタバレやっぱり島田作品はすごいなあ。スケールがどんなミステリよりも圧倒的に大きい。今回は、わりと先の読める展開だったけど、それでもユダヤ人とイスラムの対立とか、旧約聖書の出エジプト記など、サイドストーリーが勉強になる。
ネス湖のほとりの村も雰囲気があり、また少々飽食気味だか死体の演出もインパクトがある。
ロドニーの、ユダヤの唯一神ヤーハウェは暴力の神だとか、復讐を認めているとか、ユダヤ人とは思えない?思想が目新しかった。
飲んだくれのバーニーと、癇癪持ちのバグリー警部のコンビもおもしろかった。バーニーもあんなに飲んだくれてる割には思考力がある笑
最後の本物の御手洗の登場はかっこよかった!御手洗が偽物なのは薄々気づいた。というのも御手洗があんなに存在感が薄いはずないし、また犠牲者が次々に出るのを止められないわけがないもの!
御手洗はほんとにあちこちの国に救世主として出現してて、世界的に活動する探偵ですね笑
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購入済み
龍臥亭事件と龍臥亭幻想に続いて読んだのですが、里美のキャラクターが石岡君視点からのものと随分違って違和感を感じます…。その点を除けば、他の島田作品と同様にかっちり構成されているので楽しんで読めると思います。