島田荘司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレクレセント錠に紐などを巻き付けて、外から鍵を掛けることによって完成するオーソドックスな密室トリック。
これを使ってのアンソロジーミステリー五編。
似鳥鶏「このトリックの問題点」
このアンソロジーの発起人らしく、謎解きの議論をメインにした話。
コミカルなのに探偵役が犯人に突きつける言葉がキツくて、笑って終わりと言うことにはなってるけど、犯人はもう居たたまれないし、このサークルにも大学にも居づらいだろう。
友井羊「大叔母のこと」
亡くなった大叔母の自宅にある鍵のかかった書斎を開けるために大叔母の過去に迫る若い男女。
どんな人にも青春があり輝いていた時がある。そこに苦さや切なさがあっても。
初読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<あらすじ>
煙草屋の店員が殺される事件が発生。
死体の下から見つかった黄色く塗られたピン札。
曖昧な目撃情報に怪しい容疑者《ゴーグル男》が浮上。
目撃者の証言ではゴーグルの中は血と皮膚がはがれたように真っ赤だったという。
犯人は核燃料製造会社の臨界事故で働いていた?
そして更に殺害事件が発生。
事件を追う刑事とゴーグル男の2つの視点で進む物語の真相とは?
<オチ>
犯人はアイドルを目指す女性で、黄色く塗られたピン札で詐欺を行おうとしたら、店員にバレて通報されそうになったので殺した。
その女性をストーカーしてた男がいて、ポストから部屋を覗いてたときに赤いスプレーをかけられ、それを隠すためゴー -
Posted by ブクログ
光文社による裏表紙の紹介文によると本書は「異色の旅行推理集」となっている。
確かに“異色”である。
収録された3編全てにおいて主人公は名前すらない男で、しかも「早見優」、「カトリーヌ・ドヌーブ」といった実在の人物が出てくるあたり、実話のような錯覚を憶える。
だが“推理集”というのは些か大袈裟だろう。確かに各編において謎はある。しかし本書は異国での恋を主体にした短編集であると私は認識した。
恋愛にはある程度謎はつきものである。ここに収められている謎はその範疇を超えるものではないし、ミステリへと昇華しているものでもない。
従って私は「異色の旅行恋愛集」と呼びたい。
翻って内容について述べると、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ似鳥鶏さん、友井羊さん、彩瀬まるさん、芦沢央さん、島田荘司さんの5人の作家さんによる同一トリックアンソロジー。
お題としてトリック(紐で密室を作る)が先に設定されていて、作家さんが思い思いのストーリーに仕上げるなんて、面白い試み。
似鳥鶏さん「このトリックの問題」はお題に忠実、かつ似鳥さんらしく面白い。
友井羊さん「大叔母のこと」は、日常の謎のミステリ。気持ちが温かくなりました。
彩瀬まるさん「神秘の彼女」、いきなり”金の廬舎那仏”が出てきて、もうノリがとっても面白い!いつトリックが出てくるのかなぁ、と思いながら読んでましたが、ラストで自分の頭の中で想像すればいいのかしら。あと、春さんと -
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻で示された論文と容疑者。
下巻では舞台が表題でもあるアルカトラズに飛びます。
自分としてはいきなりな展開に感じましたが、この段階ではまだついていけました。
ただ第4章のパンプキン王国となると、突然のファンタジー展開についていけなくなってしまいました。
確かに文章としては読みやすく引き込まれるのですが
上巻で息もつかせずに読ませる事件の展開が
下巻では失速し急に無茶な構成になったように感じてしまいます。
つまらないわけではなく、面白い部分も勿論あるのですが
だからこそ継ぎ接ぎ感もありました。
原爆の話など盛り込み過ぎな感じもしましたし
描写や筆者の考え方に疑問を覚えた箇所もあります。
期 -