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圧倒的リアリティで描かれる深海の激闘!
メルヴィル『白鯨』へのオマージュ的SF海洋冒険小説
マリアナ諸島海域の深海で米海軍の攻撃型原潜が襲われた。
原潜自体に傷はないのに、中の乗組員が半数以上死亡。
米海軍は海底基地に調査員を派遣する。
日本では、アル中の鯨類学者・須藤は未知の巨大クジラの骨を発見するが、採集した骨は何者かによって盗まれ、採集場所の深海は荒らされてしまう。
失意の須藤に、米バイオ企業からグアムでの研究援助の手が差し伸べられた。
グアムに飛んだ須藤は、深海調査船のパイロット・秋道炎香と性格的に反発しあいながらも力をあわせ、クジラを追う。
米海軍は事件には未知のクジラがかかわっていることを突き止め、そのクジラの能力を研究するために、米兵器メーカーが中心となってヨーロッパ、カナダの石油会社、鉄鋼メーカーなどと組んで建設した西マリアナ海領の海底熱床探査基地で調査を始める。
さらには、クジラから取れる高価な龍涎香を狙う中東のテロ組織が須藤たちに近づく。
欲にまみれ、思惑が入り乱れる人間たちに、クジラの群れが反撃に出た。
深海の巨大生物ダイマッコウ対人間のかつてない死闘が繰り広げられる!
解説・加藤秀弘
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
深海に現れた巨大な存在をめぐって、研究者や軍が動き出していく海洋SFです。
読んでいてまず惹かれたのは、深海そのものが持つ圧迫感でした。
未知の生物への好奇心と、“人間が触れてはいけないものを見ている感覚”が常に隣り合わせで、ページをめくるたびにじわじわと不穏さが増していきます。
巨大鯨という題材もロマンがありますが、それ以上に印象に残るのは、人間側の欲望や恐怖でした。
理解したいのに理解できない、その距離感がずっと気持ち悪くて面白いです。
科学描写や専門用語はかなりしっかりしているので、人によっては少し硬く感じる部分もあるかもしれません。
ただ、その理屈っぽさが逆に物語のリアリティを支えていて、“本当に深海のどこかにいそう”と思わされる瞬間がありました。
海をロマンとして見る感覚よりも、“底知れない場所”として見てしまうようになる、静かな怖さの残る一冊でした。
Posted by ブクログ
体長50メートルを超える鯨の王(ダイマッコウ)を軸に、頑固で偏屈な日本人鯨類学者、民間コンソーシアム海底基地、社会貢献に意欲的な医療メーカー、米海軍研究者、攻撃型原潜、テロリスト等々が入り乱れる深海四千メートル。文字量も情報量も多いが、直球の海洋冒険譚でサクサク読める。イルカとサメの脳組織を組み込んだAIを搭載する小型潜水艇とパイロット・ホノカのやり取り、特殊な肺機能エアーサックへの推考、そして、人間を正確にターゲットした後、ピンポイントで放たれるダイマッコウの超音波攻撃の恐怖と迫力が物語をさらに盛り上げる。ダイマッコウ強ええ! とはいいつつ、文脈から思いっきり外れてる感のあるテロリストは邪魔だったな。もっと絞り込めたお話だと思う。
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