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西暦2032年、未曾有の地殻変動により南西諸島に沈没の危機が迫っていた。領海と海底資源の既得権確保を優先する政府に対し、植物生態学者・南方洋司ら6人の科学者は、地殻変動阻止のため極秘プロジェクトを開始。彼らと共に与那国島を訪れた共感覚を持つ青年・伊波岳志は、島の巫女的存在である後間柚と出会う。彼女は大地の怒りを鎮めるため“14番目の御嶽”を探していた……日本SF史上最高の科学小説
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Posted by ブクログ
この前読んだ『サウスバウンド』が西表島を舞台としていたので、同じ八重山諸島繋がりで与那国島が舞台となる本書を読む。大学院で海洋・河口部環境学を専攻した著者の作品だけに、あの『日本沈没』を凌ぐハード海洋SFを期待して読み始めたのだが、なんかオカルトと言うか、スピリチュアルな出だしに戸惑う。ハズレかな?...続きを読むと思いながら読み続けると、なんと木星の衛星エウロパに話が飛ぶ。名作『2010年宇宙の旅』の世界だ。こちらの話は正に望み通りのガチ・ハードな内容。最後に出ました!与那国が世界に誇る謎の海底遺跡(地形?)。〈続く〉 西表島を舞台にした奥田英朗の『サウスバウンド』が思いの外良かったので、今度は同じ八重山諸島に属する与那国島が出てくるらしい本書を読むことにする。こちらは全4巻のSF巨編。二十一世紀版『日本沈没(小松左京)』とも呼ばれているらしい。 ゆなぐにぬなさぎ いくとばどなさぎ ぬてぬあるあいや とやいしやびら(どぅなんすんか) 与那国の情 言い交わした言葉が情 命ある間は たよりいたしませう (池間栄三訳) 2012年10月18日
コンセプト、ディテールもとてもよく出来ています、できれば福井 晴敏の様な アクション描写があれば素晴らしい作品になるかと思います。
本作にはいろんなテーマが含まれているが、SFと言うよりも神話的なファンタジーと見る向きもあるかもしれない。タ イトルの響きで何となく沖縄方面をイメージした方は鋭い。本作の舞台は目の前がもう台湾と言う最果ての与那国島。 小松左京先生の日本沈没とダブる イメージもあるが、そこは最新の深海探査テクノロジ...続きを読むーによってきっちり描かれている。藤崎作品でおなじみの南方教授も登場。。物語は静かに始まりやがてクライマックスに向かってまっしぐらに怒濤の進行を見せる。ISEIC理論については賛否両論あろうがストーリーにはきちんとなじんでると思う。 むろんハードSFを狙った作品ではないのは作者も計算通りであろうし、物語としての壮大さと完成度を優先したのであろう。ここらあたりが飛浩隆作品とは明確に異なる部分で、独自の世界観の完結にこだわり抜いている飛浩隆も良いが、科学的背景はきっちりと抑えつつもエンターテイナーとしての読み物をファンに与えてくれる藤崎の魅力もどちらも捨てがたい。
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