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Posted by ブクログ
馳星周を読むのは久しぶりだ。「不夜城」の頃から、読んでいた作家だけれども、最後に読んだのは「弥勒世」で2009年、だからほぼ3年ぶり。
一読、変わらないな、と思った。それは、マンネリということではない。プロットや文体は工夫が凝らされていて、以前の著作の焼き直し、という印象は全く受けない。それでも、変わらないな、と思ったのは、物語の本質的な暗さだ。
僕が読んだ馳星周の本では、主人公が何らかの理由で、何か抜き差しならない状況に追い込まれていき、徐々に体力と健全な精神・思考力を蝕まれていく。狂気の世界に足を踏み入れていく感じがするのだ。その展開が馳星周の本の魅力なのだと思う。
Posted by ブクログ
久々に馳作品を読んだが、既読作品ほどディープな感じはしなかったものの舞台が新宿でアジア系の裏社会を取り扱ってる部分では、馳ワールドとしての構成要素はしっかりと踏襲されている。まぁ、今までに比べると主人公のドス黒さは薄れているが。。。
そして、地下鉄サリン事件や歌舞伎町浄化計画、更にタイトルにもなってる9・11などの実社会での事件、背景を元にテロ行為によって生ずる歪や行政に対する皮肉を描いたような作品に仕上がってる感じかと。。。。
展開的にはテロによって妻子を亡くした主人公 織田の哀しみ、考え方は十分に伝わってきて共感できる部分は多い。それ故に感情移入はしやすいのだが、彼の取る行動自体には若干の不可解さが残った。
それは、偶然出会った少年たちの生い立ち等を理解した上での織田本人の選択だったとはいえ、それまでの織田の生き様からして他の母娘を犠牲にしたり、犯罪に手を下してしまうまでがあまりにも安易すぎるからではないだろうか…
確かに、その後の葛藤やら心情の変化などは描かれていたものの、少年たちがこの国で生き抜く手段としての犯罪と違って、あまりにも軽々しく映ってしまったのも事実。 最終着地点が少年たちと相対的に贅を尽くした象徴である都庁の破壊であったとしても、織田がそれに協力・賛同していくまでの重みというかプロセスはもう少し丁寧でも良かったのでは??
とは言え、テロによって1人の人間が抱える哀しみ・苦しみ、そして行政の強大な力によって得られる安泰の犠牲となった弱者たちが、それでもしたたかに生き抜いていく様を描いたエンターテイメントとしては、最初から最後まで疾走感を失わずに楽しめる作品だった。
ラストも印象的だったしで…
Posted by ブクログ
・電車に乗るのに読む本がないので、東京駅構内の書店で平積みになってたのを購入。2冊続けて馳星周。
・おっさんがたまたま出会った少年たちと心の触れ合いを、って話は嫌いじゃない。最後まで馴れ合いはせずに、かすかに垣間見える心の繋がった描写に心打たれる。最近観た「Welcome to the Rileys」に通じるものを感じる。
・なんかこれが馳星周だ!ってのはまだ見つけられないな~。きれいにまとめた梁石日、って気もするし。出てくる刑事はみんな誉田哲也の小説に出てくる人物に見えたりもする。せっかくだから馳星周じゃないと書けないよ、ってのが読みたいんだけど、そういう作家って稀有だよね。がーっと読んで消費するにはちょうどよく刺激的だった。
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