サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

ビジネス・実用
1,119円 (税込)

5pt

4.1

1999年のラスベガス。ソニーは絶頂期にあるように見えた。しかし、舞台上でCEOの出井伸之がお披露目した「ウォークマン」の次世代商品は、2つの部門がそれぞれ別個に開発した、2つの互換性のない商品だった。それはソニーの後の凋落を予告するものだった。
世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何か――。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。
企業であれ自治体であれ、あらゆる組織は「サイロ化」という罠に陥りがちである。分業化したそれぞれの部門が、それぞれの持つ情報や技術を部署の中だけでとどめてしまい、隣の部署とのあいだに壁を作ってしまう。日本語では「タコツボ化」と呼ばれるこの現象は、どんな組織でも普遍的に存在する。
経済学的な観点からすれば、身内での競争を生むような「サイロ」は無駄であるから、トップが「サイロ撲滅」の掛け声をかければ解決に向かう、と思いがちだ。ソニーの新しい経営者・ストリンガーも最初はそう考えた。しかし、彼は失敗した。壁は極めて強固で、一度できたサイロは容易には壊れない。
文化人類学者の視点を持つ著者は、「サイロ」が出来るのは人間に普遍な原因がある、と説く。人間に求められる技術が高度で専門的になればなるほど、サイロはむしろ必要とされるからだ。
人間は必ずサイロを作る、ならば、その利点を活用しつつ、その弊害を軽減する方法を探ろうとする画期的な論考が、本書である。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
  • タイトルID
    :
    612670
  • ページ数
    :
    464ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年05月09日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    企業だけでなくあらゆる組織が大きくなるにつれて、組織間の交流が減り、日本語でいうところの「タコつぼ」(英語ではサイロ)が構築されていきます。これは高度に分業・専門職化が進んだ現代社会では避けられない事象ですが、サイロがあまりに強固すぎるとチャンスやリスクを見逃し、場合によっては組織の存亡を揺るがすような事態に陥ることがあるわけです。本書では、サイロが弊害をもたらした事例として、ソニー、UBS、世界金融危機時の経済学者を第1部で紹介し、第2部では、サイロの弊害をいかに克服するかという「サイロバスターズ」の事例として、シカゴ警察、フェイスブック、クリーブランド・クリニックをとりあげ、さらに他社のサイロから儲けを得ているブルーマウンテン・キャピタルが紹介されています。日本人読者からすれば、ソニーがデジタル音楽プレイヤーでアップルに惨敗した例はとてもわかりやすいのではないでしょうか。本書ではソニーでCEOを勤めたストリンガー氏のコメントも掲載されているなど、この章だけでも興味深く読めました。

    著者は人類学というバックグラウンドを持ちながらフィナンシャルタイムズの編集長をつとめている人ですが、翻訳の質の高さもあって、非常に読みやすい文章でした。また事例もそれぞれ興味深く、シカゴ警察の「殺人予報マップ」作成の話や、クリーブランド・クリニックが外科と内科の壁を取り払ったことなどは、サイロに関係なく衝撃的な読み物でした。サイロは近代社会では絶対生まれるが、サイロの弊害に気をつけよ、そのためには本書でも紹介されている稀代の人類学者兼社会学者であるピエール・プルデューのような「インサイダー兼アウトサイダー的視点」を持った人が各組織に存在している必要がある(全員がそうなる必要はないが)、という終章の主張も大いに共感できました。非常に面白い本でした。

    0
    2023年05月08日

    Posted by ブクログ

    自分の会社の事を考えながら読んでみました。

    ぴったりサイロに当てはまりますよねぇ。全体最適では無くて、自部門のみを利する部分最適になってしまっています。

    サイロを作らずに、或いは、サイロを利用して利益を上げている会社の例は興味深いです。

    そこに行ければ良いんですけどねぇ

    0
    2019年08月28日

    Posted by ブクログ

    高度に専門化が進む現代社会において、サイロが進むにつれて情報が遮断される。

    時には信じがたい不合理な行動に突き進む仕組みを文化人類学的な視点から解明し問題点を炙り出した、唯一無二の書籍。

    0
    2022年08月06日

    Posted by ブクログ

    ちょっと仕事で使えそうだったので、さーっとつまみ読み。
    評判通りの知的好奇心のくすぐられる良書だった。

    サイロとは、会社で言えば、専門性が発達し過ぎて、
    部署・部門間の連携・交流がなくなり、
    結果、会社や組織が衰退してしまうという事象。
    まさしく多くの企業が多かれ少なかれ、サイロに陥っていると思います。
    この問題を文化人類学者である著者が分析した本。
    興味深かったのは、企業がサイロ化(専門化)することを著者は否定していなかったこと。
    すなわち、今のビジネスや事業を進めていく上で、
    専門化は必要なことだが、交流や情報共有がなくならない
    仕掛け作り・仕組みづくりが重要というスタンスに妙に納得してしまった。

    最近、至る所で言われている「多様性」とも本質的には同じことかなという印象。

    事例が豊富な反面、ちょっと冗長なので、
    読み物として楽しむ分には良いが、
    サクッと結論を知りたいせっかちさんは、
    サイロ化に陥ったソニーの章と、
    サイロ化を防ぐべく奮闘したFacebookno章、
    そして最後の著者のまとめだけでも読むだけで、
    著者の主張の大枠は理解できると思われます。

    0
    2022年03月03日

    Posted by ブクログ

    ブルデュー
    レヴィストロース
    アウトサイダーからの視点

    人類学はインサイダー兼アウトサイダーの視点を身につけるもの
    身の回りの文化的パターンに疑問を持つことができる
    自分たちの文化というサイロのパターンや分類システムを自覚する必要がある

    ソニーのサイロ化
    同時に音楽プレーヤーを3つ発表する

    ダンバー数150
    社会的グルーミング

    自ら破壊しなければ他の誰かに破壊されてしまう

    世の中の分類システムを変える
    分類は人為的なものなのに、一度されると盲目的になってしまう
    分類(サイロ、バケツ)を壊す

    0
    2026年06月07日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    業務をシンプルにして効率的に運用するためや、専門性を高めるためには、サイロ化は必要だけれど、それだけだと上手く機能しなくなる。“細分化されたスペシャリスト的行動パターンが支配する世界では、往々にしてリスクやチャンスが見逃される“。

    サイロを打破するための教訓。
    1. 部門の境界を柔軟で流動的にしておく
    2. 組織は報酬制度やインセンティブについて熟慮する
    3. 情報を共有するとともに、自分なりに情報を解釈する余地を与え、その解釈に組織が耳を傾けるようにする
    4. 組織が世界を整理するのに使っている分類法を定期的に見直す
    5. ハイテクを利用する:“プログラムを変更すればそれまでと違った方法で情報を整理したり、新しい分類法をテストすることもできる“
    6. 何より重要なのは、人間の想像力:“自分が日々、無意識のうちに身のまわりの世界をどのように区切っているのか、思いをめぐらせてみる“。“それから想像力を働かせ、別の方法はないか考えて“みる

    0
    2021年08月08日

    ネタバレ 購入済み

    内容は良書だと思うが読みにくい

    本の内容の殆どがエピソードで構成されているので正直読みにくいです。

    自分の会社の組織の硬直性や他部門との意思疎通の悪さ、自責でなければ見て見ないふりをする自らの悪癖も、保身と面倒ごとを嫌うサイロに陥っているのだなと自省もしました。専門性を高めれば自分の縄張りが出来、他部署に口を出されない為にこちらも口を出さない、情報を出さないという悪循環に、、、。

    なかなか組織の一員という立場だと改善は難しいので組織のトップに居る人に読んでもらって組織運営して欲しいと思う。

    #深い

    0
    2026年08月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    以前読んだ「Anthro Vision」「多様性の科学」が組み合わさったような内容で、新たな気づきという観点では学びが少なかった。

    0
    2026年05月22日

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
  • タイトルID
    :
    612670
  • ページ数
    :
    464ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年05月09日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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