作品一覧

  • Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界
    4.1
    1巻2,420円 (税込)
    『サイロ・エフェクト』著者最新作!  なぜ経済学やビッグデータ分析は問題解決に失敗するのか? 社会科学とデータサイエンスの融合で人類学的知見が果たすべき役割とは。 FTのトップジャーナリストが広い視野から事象を分析する人類学の思考フレームワークを解説。    * * *  現代社会の知的ツールが、機能不全に陥っている。経済予測、選挙の世論調査、金融モデルは外れてばかりだ。こうしたツールは、世界はごくわずかな変数で分類・把握できるという前提に基づいて設計されている。視野が狭いのだ。  世界が安定していて、過去が未来の参考になる時代なら、それでもうまくいくかもしれない。だが変化の激しい時代、「極端な不確実性」に直面しているときは、狭い視野は危険だ。  ビッグデータをAI(人工知能)がどれだけ処理しようとも、そこから導き出されるのは「WHAT」だけである。事象の原因、「WHY」にはたどり着けない。    * * *  いま求められるのは、広い視野と「WHY」を突き詰める視点である。「未知なるものを身近なものに」「身近なものを未知なるものに」変化させ、隠れたパターンを見いだすツールである。  本書では人類学者のように「虫の目」で世界を視て、「鳥の目」で集めた情報と組み合わせることで「社会的沈黙」に耳を澄ます技術「アンソロ・ビジョン(人類学的視野)」を紹介する。  フィナンシャル・タイムズ紙(FT)のトップジャーナリストが執筆した話題作。
  • サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
    4.6
    1巻1,119円 (税込)
    1999年のラスベガス。ソニーは絶頂期にあるように見えた。しかし、舞台上でCEOの出井伸之がお披露目した「ウォークマン」の次世代商品は、2つの部門がそれぞれ別個に開発した、2つの互換性のない商品だった。それはソニーの後の凋落を予告するものだった。 世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何か――。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。 企業であれ自治体であれ、あらゆる組織は「サイロ化」という罠に陥りがちである。分業化したそれぞれの部門が、それぞれの持つ情報や技術を部署の中だけでとどめてしまい、隣の部署とのあいだに壁を作ってしまう。日本語では「タコツボ化」と呼ばれるこの現象は、どんな組織でも普遍的に存在する。 経済学的な観点からすれば、身内での競争を生むような「サイロ」は無駄であるから、トップが「サイロ撲滅」の掛け声をかければ解決に向かう、と思いがちだ。ソニーの新しい経営者・ストリンガーも最初はそう考えた。しかし、彼は失敗した。壁は極めて強固で、一度できたサイロは容易には壊れない。 文化人類学者の視点を持つ著者は、「サイロ」が出来るのは人間に普遍な原因がある、と説く。人間に求められる技術が高度で専門的になればなるほど、サイロはむしろ必要とされるからだ。 人間は必ずサイロを作る、ならば、その利点を活用しつつ、その弊害を軽減する方法を探ろうとする画期的な論考が、本書である。

ユーザーレビュー

  • Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界

    Posted by ブクログ

    人類学の方法論と思考法の有効性を説く。
    異文化理解を旨とする人類学的思考が、異なる文化圏でのビジネス展開に役立つとか、感染症を分析するのに資するとか、そういった実践例だけでも十分に面白い。

    でも本書の面白さはもっと先に進んでいて、広範に未知の領域への探求法として人類学の手法を応用するということだ。

    「経済や金融のことなどさっぱりわからず、専門用語はあまりに理解不能で退屈で、放り出したくなった。(中略)
    だがしばらくして、そんな自分の反応は主に恐れと偏見から生じていることに気づいた。大学では人類学を専攻する学生は、金融業界を志す学生とは異なる社会的「部族」に属しており、後者の使う言葉は私には

    0
    2024年10月13日
  • サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

    Posted by ブクログ

    企業だけでなくあらゆる組織が大きくなるにつれて、組織間の交流が減り、日本語でいうところの「タコつぼ」(英語ではサイロ)が構築されていきます。これは高度に分業・専門職化が進んだ現代社会では避けられない事象ですが、サイロがあまりに強固すぎるとチャンスやリスクを見逃し、場合によっては組織の存亡を揺るがすような事態に陥ることがあるわけです。本書では、サイロが弊害をもたらした事例として、ソニー、UBS、世界金融危機時の経済学者を第1部で紹介し、第2部では、サイロの弊害をいかに克服するかという「サイロバスターズ」の事例として、シカゴ警察、フェイスブック、クリーブランド・クリニックをとりあげ、さらに他社のサ

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    2023年05月08日
  • Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界

    Posted by ブクログ

    Anthropology人類学 広角・歴史的視点の重要性 経済至上主義の限界
    経済は「累積的矛盾」を伴い、 

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    2022年09月11日
  • Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界

    Posted by ブクログ

    今こそ人類学の出番だと言いたいところだが、何も文化人類学や社会人類学だけの話ではない。定量分析や実証分析と呼ぶものが同じであることを、もしくは、それからの逸脱を示そうとするのに対し、定性分析や質的調査は、往々にして特異であることや一般化は難しくとも一般的であるものとは違うものに着目して帰納的に空間やスケールを再構築(物語化)しようとするからだ。それゆえダイバーシティが重要になる。他者を観察し、聴き、語り合うことがコロナ後に見直されそうな予感だ。

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    2022年06月20日
  • Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界

    Posted by ブクログ

    異なる民族や文化のことを深く理解する人類学の手法が、今日の企業の商品開発や社会問題の解決にも活かせることを、著者自身の経験や多くの実証的な事例を元に明らかにした一冊。

    人類学者が異なる文化を持つ民族が暮らす実生活の場に身を置き、その文化に自ら「浸る」ことで本質を理解しようとする「エスノグラフィー」という研究手法は、企業の顧客ニーズの分析や、エボラ対策といった医療現場でも成果を上げている。著者はこのような人類学者の思考法は、文化の多様性を偏見なく受容することにつながるとともに、翻って自らの特異性に気づく機会にもなり、そのためには集団において誰もが当たり前すぎて口にしないこと(社会的沈黙)に気づ

    0
    2022年04月10日

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