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大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
この本を読み始めたとき、『乳と卵』の作り直しかと思った。夏の、延々と続いている不快感のような暑さの中で繰り広げられる1人の女性の物語。乳と卵と重なるパートでは、主人公の女性よりも姪っ子の視点に立って読んでしまう。生まれてくる意味とは?人が自分で望んでこの世に存在するわけではない、という事実。生きる辛...続きを読むさや成長する際に突き当たる壁。考えさせられることが多い。 後半はどちらかというと親の視点。子供自身との関係性や、産んだ経緯が色々な人々。子育てと虐待。 様々な登場人物の喜怒哀楽の気持ち、思考回路、批判。人が生きる上で、自分が他者に与える影響をわかっているつもりでもわかっていないことがほとんどだ。自分の考えが形成されてきた家庭環境が、思考の型を作っていて、他人の思考の型と合わない部分が無限に存在する。それを受け入れられるときもあれば、正面からぶつかってしまう時もある。「まさに小説」という具合に、人間の生きている様子を、内面を、出来事をまざまざと見せつけられる、そんな描かれ方をしていて引き込まれてしまった。
子どもを産むその行為は理屈では表せない。 価値観や倫理観がそれぞれ異なる中で、導く答えは誰にも否定されてはならないものだと感じた。 主人公が傷つきながらも出した答えはある人から見れば否定されるような一般的ではないのかもしれないが、それでいいしそれがいいんだと思う。 みんなちがってみんなよい。
長かった〜、でも惹きつけられた〜 心象風景とか、感情の推移とか、複雑に入り組んだモノを丁寧に細かく描写するとこのくらいのボリュームになるんでしょうね。主人公とは何ひとつ共通する部分がないので共感はなかったけど、理解はできたのはこの丁寧な表現なんだろうな。書いてるうちによくわかんなくなっちゃったけど、...続きを読むとにかく出会えてよかった、読んでよかった一冊でした!
川上未映子さんの自然に肌に馴染むような文体と、くすりと笑ってしまうユーモラスな表現でするすると読めてしまった。視点がさすがすぎる。
セリフが関西弁、地の文は標準語という自分が今まで読んだことのない文章で新鮮さがあった。 テンポのいい関西弁とそこにトーンを落とし重さを感じさせる標準語が混じり合った文章のおかげで、題材が重く600ページをこえる本作を飽きずダレることなく一気に読むことができた。 本作はパートナー不在で子供を欲する夏...続きを読む子、豊胸手術をしようとする夏子の姉である巻子など様々な女性が書かれている。 男である自分は物語内の彼女たちの姿を見て、今付き合っている彼女のこと、地元にいる母のことを以前より考えるようになった。それとかなり気持ち悪いと思うが将来彼女のお腹に宿るかもしれない架空の赤ん坊についても考えてしまった。けど男の自分は考えることはできても理解することはできない。 1番お気に入りのシーンは夏子が緑子に昔ぶどう狩りに行けなかったことを語るシーン。 巻子の優しさに自分もこうなりたいと胸が熱くなった。
女性の性にまつわる純文学 芥川賞の「乳と卵」をリライトした第一部とその数年後を描いた第二部に分かれる 以下、公式のあらすじ ---------------------- 大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲...続きを読むの様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。 ---------------------- 「乳と卵」だけを読んだときは、「私が共感できない方の芥川賞作品」と思ってたけど 続編まで読むとその印象がちょっと変わる 第一部は夏子の視点で描かれているものの、焦点があたっているのは緑子の性に対する嫌悪感 自身の月経に対して、そして、母 巻子の豊胸への執着に対する違和感と嫌悪感 男に想像ができても実感はできない感覚なのだろうな 二部は夏子が子供に会ってみたいという欲について 独身だし、性交渉に対しても忌避感がある夏子 しかし、自分の子に会ってみたいという欲求が芽生える となると、独身の夏子は日本で合法的に精子提供を受ける方法はなく、海外の機関や個人間の提供を考える そんな最中に出会った逢沢 逢沢は精子提供で生まれ、本当の父を探しており、提供精子を用いた人工授精(AID)の問題点、課題の啓蒙活動に関わっていた そして、逢沢の恋人の善百合子 善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だという 10人生まれた中で、不幸になる子が一人でもいるのであれば、人は子供を生むべきではないという主張 果たして、夏子の選択は……? 百合子の反出生主義の主張に対して、自分の価値観をぶん殴られた いくらでも反論は可能だけれども、すべての生まれた子供が幸せになれる世の中はやってこない以上、その主義主張をする人が増えるといずれ人類は滅ぶ まぁ、個々人は人類の存続のために生殖を行うわけではないけれども、生殖行為の否定は生物をしての否定だからな ただ、現代の先進国においては少子化が進行していて、積極的な反出生主義ではないにしろ、消極的な反出生主義とも言える行動を取っている人が増えているのも事実 そんなわけで、このままではそのうち人類は滅ぶと思う この主張を読んでて、吉野弘の詩「I was born」を思い出した やはり英語だと I was born という受動態なんだよね 日本語の場合は違うけど、この世に生を受けるというのは子供の意思ではなく、生まれ落とされるものだろうなとも思う 自分の子が生まれる、親になるという恐怖はわからないでもない 親になってしまうという事実を受け入れられないというか、こんな自分がという気持ちからの罪悪感というか、不安感なんだよね 血を分けた子だとそう感じてしまうけど、血の繋がらない子だと、既にこの世に生まれてきているわけで だとしたら、その子がよりよい人生を送れるように全面的に支援する気持ちになれる 結局は、自分の子供を産むというのはエゴであることは否定できないし 否定しなくてもいい事だと思うよ そして、本屋大賞のノミネート作動詞の奇妙なテーマ繋がり 精子提供を受けて生まれた子のトレーサビリティに関しては「禁忌の子」でも語られているし やはり、現代を描くとなると、どこかで課題はかぶってくるよなぁと思う
数年ぶりに小説を読み、読書好きの母に勧めた本。 何年か前に読んだので記憶が薄れて感想を書くことは難しいけど、今いちばん好きな作家、川上未映子の作品の中でも上位にはいる作品でした。 読み返して、感想をしたためたい。でも、当分そんな時間はとれないだろうな。 ページ数は多いのに、面白くてあっという間に読み...続きを読む終えました。 第一部は芥川賞を受賞した「乳と卵」のリライト版らしい。私が川上未映子を読み始めたきっかけが「乳と卵」なので感慨深い。
川上未映子を初めて読んだ。 大阪弁だけではなく、 文学としての言葉のリズムの独特な美しさで構築された、 空想と主観、無意識と意識の間の表現が、 ありありと映像的に浮かび上がる世界に、 すっかり心を奪われた。 生きること、死ぬこと、生まれること、生むこと。 そのすべてに対する平等な問いかけに、 繰...続きを読むり返し、繰り返し、 胸が詰まり、涙が出て、 ラストに降り注ぐ光景に、 なにかを許されたような心地がした。 私にもあった子ども時代や、 孤独や傷つきや後悔や、 得られなかったものについて、 こんなにも読書中に浮かび上がってくるとは。
650ページもあるし、一ページ一ページ、なんというかな、詩情に溢れる文章が連なっているので、それらを味わっているとなかなか読み進まなかった。 主人公には、まあ性別も違うし、味方にはなれなかったという感じだけれど、この先頑張って子育てしてくださいと素直に思えた。
途中の比喩表現やら情景描写やらが複雑でぽかーんでしたが、同じ女性として、なるほど、と思うところも多かったので★4つ。
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川上未映子
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