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2008年の第138回芥川賞受賞作! 娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取りつかれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった傑作。
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Posted by ブクログ
芥川賞受賞作より、『あなたたちの恋愛は瀕死』が大好きでした。 ラストに「え~~~!」って感じになり、笑っちゃダメなんだけど、笑ってしまった。 見知らぬ男とのセックスについて、対立する意見が三者三様で語られるシーンなどは、のちの『ヘヴン』に繋がったのかな? 爆発的文章。
❑❑━━━━━━━━━ 01|感想 ━━━━━━━━━❐❐ 3人の関係性がすごくいい⋯。貧しいながらも確かな幸せがあります。独特な筆致から3人の思いや息遣いが伝わってきて、読んでいて胸が暖かくなりました。文体は特徴的です。読点でつながる独特な文体や関西弁のリズムに戸惑いますが、だからこそ感情や息づか...続きを読むいが直に伝わってきます。素晴らしい作品でした。 ❑❑━━━━━━━━━ 02|あらすじ ━━━━━━━━━❐❐ 豊胸手術を望む姉・巻子と、12歳の娘・緑子が、東京に住む妹・夏子もとへ訪れる、二泊三日の夏の物語です。緑子は母の行動を理解できず、ある日から突然口をきかなくなってしまいます。彼女が心の内を吐露するのは、誰にも見せないノートの中だけ。そこには思春期の揺れる心や、女としての身体への戸惑い、母への複雑な感情が綴られていました。ノートに綴られた思いこそ、本作のテーマです。身体・卵子・本音。 ❑❑━━━━━━━━━ 03|登場人物 ━━━━━━━━━❐❐ 時代は2008年 夏子 30歳 巻子 姉 39歳 緑子 巻子の娘 コミばあ 癌 母 癌 父 蒸発 小人 ❑❑━━━━━━━━━ 04|語彙 ━━━━━━━━━❐❐ ❑みずや⋯台所・流し場 ❑ミュール⋯かかと部分に留め具がなく、つま先と甲の部分だけを覆うデザインの靴
「乳と卵」思考が取り止めもなく流れ落ちてるような文体が面白かった。 「あなたたちの恋愛は瀕死」自分の中だけに矢印を向けて考え込むことの危険性を感じた。
短くて面白い。 ちょっと関西弁が大阪住みの自分からしても古いのか変な言い回しに感じて音読しても読みにくいと感じた。 都筑道夫のミステリイ指南より 「すぐれた小説というのは、声に出して読んでみることのできる、言葉の音楽性のようなものを、ちゃんと備えている作品が多いと、私は考えています。」 そういう意味...続きを読むでは文章としては▲だが、テーマや心情を描くのは上手い感じた。 「乳と卵」 性の成長とそれに伴う様々な葛藤、そして女性特有の身体的な悩み、現代の身体感や他者からの視線、比較などが詩的な文章でつづられていた。 男性に置き換えると現代で言えばボディーメイクや薄毛、骨延長手術、メンズメイクなど己自身に矢印が向いてしまう心理状態に近いとも言えると思った。結局、物語上でも身体的な変化、美的感覚についてどのように結論づけたのかはわからずじまいではあったが、そのままでいいと安易な結論結ぶことは難しいと感じて著者も触れずじまいにしたのではないかと思った。 表題の乳と卵とは別の「あなたたちの恋愛は瀕死」はとても詩的な文章でよかった。 性的な関係、自分自身のやってることに対する遣る瀬無さ、惨めさ、色んな感情が渦巻くようで 異性との関係や社会に出ることに対する抑圧のような感情の爆発を感じた。
読み進める手が止まらなかった... 女性的視点かつ多くの人が公にはできない秘めた感情を全て綴ってくれている感じがして安心感もある。 テンポも良くて読みやすかった。
夏物語と重複している内容。乳首の色にこだわる異常な姉。豊胸手術にとらわれることで、生きる意味を見出している状態。精神障害だろうな、と思いつつ進んでいく物語の日常に圧倒された。
すごく言葉が多い小説。言葉は言の葉と書くのだけれどだとしたら、秋のイチョウの木のしたに立って、落ち葉を浴び続けているようです。 緑子の独白ノートとでも言うべきものが、すごく切ないというか、胸をギュッとさせる。 もどかしい、やるせない、焦燥感が凝縮されていると思うのです。 私は多感な男子だったので、...続きを読むはっきりとしたことは言えないのですけど。 なので、女性目線だともっと感じるものがあるのではないでしょうか。 男性目線で小説を書く村上龍氏と対称的な女性作家さんと思います。 こうやって、男性、女性と書くのはもはやよろしくないのかとか、思いつつ。 最近、ビールのCMに川上未映子さんがで出ますけど、ステキですね
深く考えたくないような人々の恥部を、口語混じりの独特で軽快な文体で魅せられました。 時折ある景色と心情が目合い、溶け合っていくような文は、美しさもあり歪さを感じさせて心に残りました。 登場人物は、どんな人でも持ちえる無意識の欲求の様なものに取り憑かれ、陶酔した様子には切ったら血が滲むような膿んだ生々...続きを読むしさがあり、最後の絶叫に心揺さぶられました。
女性の生と性を見つめた作品。ある意味では女性しか描けない作品だと思う。 大阪の母の巻子と娘の緑子が、東京の妹夏子の家に滞在する。 緑子は、母と半年前から口を聞かず、ノートに字を書いてコミュニケーションをとる筆談だった。そのことを夏子が聞くが、やはりノートに書いて答える。字はしっかりしている。 ...続きを読む巻子は、現在40歳てまえで、緑子が生まれてすぐに離婚し、シングルマザーで、大阪の京橋のホステス。なぜか、豊胸に興味を持ち、20近くのパンフレットを集める。 巻子は、なぜ豊胸したいのか?がよくわからないので、夏子と論争する。大阪弁でまくしたてる巻子の話にテンポが実にいい。巻子にとって、容貌が劣化していく中で、豊胸手術は自身の女性としての存在価値や自己肯定感を回復するためと思っている。夏子は、男のためかと聞くが、巻子は自分のためだという。 緑子も、母親が今更豊胸したい理由がわからない。もし緑子が吸って乳が小さくなってしまったら、自分は生まれてこなければよかったという。 緑子は、思春期、初潮を迎えて、なんで「初潮」なのか?そして初潮など来ない方がいいと思っている。胸も膨らみ始め、それも嫌だと思っている。自分は子供を産みたくないと思う。 巻子と夏子は、二人して銭湯にいき、その銭湯にいる女の乳房のジロジロみて、品評をする。巻子はオッパイ星人の女版なんだね。 緑子は、女子であることに、そして母親の豊胸手術という怪しい行動に、拒絶反応をする。 巻子が、帰ってくることが遅くなって、緑子は心配する。そして、巻子が帰ってくると、二人は喧嘩を始める。卵をぶつけ合い、緑子は「お母さん」と叫ぶ。緑子はお母さんが大好きなのだ。このわずかな物語の中で、女の子が精神的に大人になっていく。ぶつけ合うタマゴがメタファーとなる。傑作だ。
4.2/5.0 自分は男だから、若干置いてけぼりをくらう部分もあったけど、女性の儚さ、迷いや逡巡が柔らかく切り取られていると感じた。
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乳と卵
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川上未映子
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