【感想・ネタバレ】乳と卵のレビュー

あらすじ

2008年の第138回芥川賞受賞作! 娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取りつかれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった傑作。

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Posted by ブクログ

芥川賞受賞作より、『あなたたちの恋愛は瀕死』が大好きでした。
ラストに「え~~~!」って感じになり、笑っちゃダメなんだけど、笑ってしまった。

見知らぬ男とのセックスについて、対立する意見が三者三様で語られるシーンなどは、のちの『ヘヴン』に繋がったのかな?

爆発的文章。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

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01|感想
━━━━━━━━━❐❐
3人の関係性がすごくいい⋯。貧しいながらも確かな幸せがあります。独特な筆致から3人の思いや息遣いが伝わってきて、読んでいて胸が暖かくなりました。文体は特徴的です。読点でつながる独特な文体や関西弁のリズムに戸惑いますが、だからこそ感情や息づかいが直に伝わってきます。素晴らしい作品でした。

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02|あらすじ
━━━━━━━━━❐❐
豊胸手術を望む姉・巻子と、12歳の娘・緑子が、東京に住む妹・夏子もとへ訪れる、二泊三日の夏の物語です。緑子は母の行動を理解できず、ある日から突然口をきかなくなってしまいます。彼女が心の内を吐露するのは、誰にも見せないノートの中だけ。そこには思春期の揺れる心や、女としての身体への戸惑い、母への複雑な感情が綴られていました。ノートに綴られた思いこそ、本作のテーマです。身体・卵子・本音。

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03|登場人物
━━━━━━━━━❐❐
時代は2008年
夏子 30歳
巻子 姉 39歳
緑子 巻子の娘
コミばあ 癌
母 癌
父 蒸発 小人

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04|語彙
━━━━━━━━━❐❐
❑みずや⋯台所・流し場
❑ミュール⋯かかと部分に留め具がなく、つま先と甲の部分だけを覆うデザインの靴

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

「乳と卵」思考が取り止めもなく流れ落ちてるような文体が面白かった。
「あなたたちの恋愛は瀕死」自分の中だけに矢印を向けて考え込むことの危険性を感じた。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

短くて面白い。
ちょっと関西弁が大阪住みの自分からしても古いのか変な言い回しに感じて音読しても読みにくいと感じた。
都筑道夫のミステリイ指南より
「すぐれた小説というのは、声に出して読んでみることのできる、言葉の音楽性のようなものを、ちゃんと備えている作品が多いと、私は考えています。」
そういう意味では文章としては▲だが、テーマや心情を描くのは上手い感じた。

「乳と卵」
性の成長とそれに伴う様々な葛藤、そして女性特有の身体的な悩み、現代の身体感や他者からの視線、比較などが詩的な文章でつづられていた。
男性に置き換えると現代で言えばボディーメイクや薄毛、骨延長手術、メンズメイクなど己自身に矢印が向いてしまう心理状態に近いとも言えると思った。結局、物語上でも身体的な変化、美的感覚についてどのように結論づけたのかはわからずじまいではあったが、そのままでいいと安易な結論結ぶことは難しいと感じて著者も触れずじまいにしたのではないかと思った。


表題の乳と卵とは別の「あなたたちの恋愛は瀕死」はとても詩的な文章でよかった。
性的な関係、自分自身のやってることに対する遣る瀬無さ、惨めさ、色んな感情が渦巻くようで
異性との関係や社会に出ることに対する抑圧のような感情の爆発を感じた。

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2025年02月25日

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読み進める手が止まらなかった...
女性的視点かつ多くの人が公にはできない秘めた感情を全て綴ってくれている感じがして安心感もある。
テンポも良くて読みやすかった。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

夏物語と重複している内容。乳首の色にこだわる異常な姉。豊胸手術にとらわれることで、生きる意味を見出している状態。精神障害だろうな、と思いつつ進んでいく物語の日常に圧倒された。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

すごく言葉が多い小説。言葉は言の葉と書くのだけれどだとしたら、秋のイチョウの木のしたに立って、落ち葉を浴び続けているようです。

緑子の独白ノートとでも言うべきものが、すごく切ないというか、胸をギュッとさせる。
もどかしい、やるせない、焦燥感が凝縮されていると思うのです。
私は多感な男子だったので、はっきりとしたことは言えないのですけど。

なので、女性目線だともっと感じるものがあるのではないでしょうか。
男性目線で小説を書く村上龍氏と対称的な女性作家さんと思います。
こうやって、男性、女性と書くのはもはやよろしくないのかとか、思いつつ。

最近、ビールのCMに川上未映子さんがで出ますけど、ステキですね

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2025年10月03日

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深く考えたくないような人々の恥部を、口語混じりの独特で軽快な文体で魅せられました。
時折ある景色と心情が目合い、溶け合っていくような文は、美しさもあり歪さを感じさせて心に残りました。
登場人物は、どんな人でも持ちえる無意識の欲求の様なものに取り憑かれ、陶酔した様子には切ったら血が滲むような膿んだ生々しさがあり、最後の絶叫に心揺さぶられました。

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2025年10月05日

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 女性の生と性を見つめた作品。ある意味では女性しか描けない作品だと思う。
 大阪の母の巻子と娘の緑子が、東京の妹夏子の家に滞在する。
緑子は、母と半年前から口を聞かず、ノートに字を書いてコミュニケーションをとる筆談だった。そのことを夏子が聞くが、やはりノートに書いて答える。字はしっかりしている。
 巻子は、現在40歳てまえで、緑子が生まれてすぐに離婚し、シングルマザーで、大阪の京橋のホステス。なぜか、豊胸に興味を持ち、20近くのパンフレットを集める。

 巻子は、なぜ豊胸したいのか?がよくわからないので、夏子と論争する。大阪弁でまくしたてる巻子の話にテンポが実にいい。巻子にとって、容貌が劣化していく中で、豊胸手術は自身の女性としての存在価値や自己肯定感を回復するためと思っている。夏子は、男のためかと聞くが、巻子は自分のためだという。

 緑子も、母親が今更豊胸したい理由がわからない。もし緑子が吸って乳が小さくなってしまったら、自分は生まれてこなければよかったという。
 緑子は、思春期、初潮を迎えて、なんで「初潮」なのか?そして初潮など来ない方がいいと思っている。胸も膨らみ始め、それも嫌だと思っている。自分は子供を産みたくないと思う。

 巻子と夏子は、二人して銭湯にいき、その銭湯にいる女の乳房のジロジロみて、品評をする。巻子はオッパイ星人の女版なんだね。

 緑子は、女子であることに、そして母親の豊胸手術という怪しい行動に、拒絶反応をする。

 巻子が、帰ってくることが遅くなって、緑子は心配する。そして、巻子が帰ってくると、二人は喧嘩を始める。卵をぶつけ合い、緑子は「お母さん」と叫ぶ。緑子はお母さんが大好きなのだ。このわずかな物語の中で、女の子が精神的に大人になっていく。ぶつけ合うタマゴがメタファーとなる。傑作だ。

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2025年09月28日

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4.2/5.0

自分は男だから、若干置いてけぼりをくらう部分もあったけど、女性の儚さ、迷いや逡巡が柔らかく切り取られていると感じた。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

散文だけでなく詩文もものする川上未映子の芥川賞受賞作で、「比類のない痛快な日本語」とは文藝春秋社の惹句。その独特な文体は一人称ナレーターの夏子のもので、それに姪の緑子のノートが混ざる構成は普通ではないが、や、決っして読み難いものではないけれども、胸にコンプレックスを持ってあり豊胸手術を考える姉 巻子やら、初潮を迎えて筆談以外で口をきかへん緑子やら、生理の様子を淡々と語る夏子、やら、女の心と身体を濃密に描写して読ませる。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

乳と卵
急に豊胸手術をすると言い出した語り手の姉巻子とその娘で話さずノートに思いを書いていく緑子。が東京へやって来る。緑子の思いはそのノートだけにあって、女の体が生むように変わっていくこと、そのあと生じる人生のつらさ、じゃあ生まなければよい、母は自分を生んで萎んだ胸を膨らませたいならじゃあ生まなければよい、となって、非常に共感できた。
結局巻子は豊胸せず元夫に会いに行った?で、緑子と本音を交わしながら卵をぶつけ合う。→緑子=卵子に繋がる
、、、で気持ちも口語も長く繋ぎ、慣れれば臨場感がある。所々緑子の手紙が出てくる。緑子の気持ちがはっきりですぎていて、これが無かったら(最後の緑子の独白のみ)どう読めたのだろう、と思った。
五千円札が出てくるのは、樋口一葉のたけくらべのオマージュとのこと。

あなたたちの恋愛は瀕死
出会ってすぐの男と性交してみたい女とティッシュ配りの男の話。
とにかくふわふわした表現が好き。

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2025年09月19日

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女性のコンプレックスや悩みにぶちあたる本。
一文がかなり長く珍しい書体。それが逆に手触りとなる。(男性性、女性性でくくりたくないが)女性特有の、とめどない思考がよく現れていて生々しく、惹きつけられた。

▼好きなフレーズ
自由に自分なりのジンクスをね、決めるっていうこういうことがちょっと素敵でしょ 

ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

独特な文章で読みにくいかなと最初は思っていたのだが、句読点ばかりが、思考が止まらない雰囲気を味わえて臨場感があった。
緑子の思春期で母子家庭という状況であり、それに加えて、母が豊胸したいということもあれば、頭パンクする。最後の卵を自分の頭にぶつけるシーンはとても印象深い。
緑子の夏子も巻子も大切にしていることがよくわかった。
次は夏物語を読んでみたい。

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

縁子の痛みや苦しみは何となく分かる気がする。
初潮を祝福する風習への違和感や、豊胸施術をする母親への疑問。
今目の前のことが大変で生きること自体で精一杯なのに、女性として一人前にならなくてはいけない、なることが素晴らしいという周囲の空気感に圧迫されて息苦しさをずっと感じている。
でも、母親の巻子の苦難も理解しようとする優しさを持っているから、余計に苦しい。
最後の玉子を割る衝撃的なシーンは、縁子が心の中やノートの中に溜めていたものが爆発した結果だと思うけど、憎悪、嫌悪、矛盾、がどうにもならずに家の中で爆発する時ってああいう感じになるよなという妙なリアルさがあって、あの爆発で一旦リセットしてまた大阪に帰って日々が続いていくのもそんなもんよなと感じた。

デリケートで重めなテーマだけど、巻子の姉の一歩引いた視点で淡々と語られる感じが程よいユーモアも含んでて、全体的に読みやすかった。

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2025年09月05日

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ただ男性として生きていく上では、なかなか感じることの出来ない感覚を覚えた。すべてを分かったつもりはないが、読んで良かったと思う。

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

芥川賞受賞作。まず、本作は読みづらい。冗長な記述、記号の省略、方言の多用、稚拙とも取れる表現——どれをとっても決して平易な文体ではなく、時に読むことに拒絶すら覚える。しかし、この文体は計算されたテクニックであり、筆致によって登場人物たちの不遇や不条理がありありと伝わってくる。
本作の基底には、フェミニズムや反出生主義の思想が流れている。短い紙幅の中で、重要な論点が次々と投げかけられる。題名『乳と卵』が示すもの——それは女性の身体に特有の「乳房」と「生理」のメタファーである。そして、本作ではこれらの身体経験をめぐる母と娘の葛藤が描かれる。娘は「乳と卵」を厭い拒み続けるが、その意思とは無関係に、それらは勝手に到来し、避けることはできない。「女性の身体からの逃れ難さ」というテーマが、徹底的に描き出されている。男性の身体に生きる自分は、「乳と卵」を経験しない。しかい、経験できないからこそ、そこに「文学」として読むべき味わいがあった。

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2025年06月13日

Posted by ブクログ

乳と卵は文学の課題で取り上げた話。自分が望まなくても胸が膨らんで生理が始まるし、まだ思春期の少女なのに母親としての体に変わってく、それを周りがいいこととしてお赤飯とか炊くのって嫌だよね。心と体が噛み合わない感覚、もう少し周りが理解してくれたらいいのにって自分も小学生の時同じこと思ってたわ。みたいなこと書いた気がする。思い出せないけど面白かった。その後の2個目の話は終わり方がすごい好き。

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2025年05月27日

Posted by ブクログ

登場人物各人の感情を、すごくざらざらと、直接表現しているから、人の『本心』と、「こう考えるべき」という社会の模範的な思考に促された本心のつもりの『実際に表出した感情(他者から読み取られる感情)』が同時に登場する。自分でもたまに嫌気がさす小さな二面性をひとつの話にしてもらえて、自分だけでは無いのかもしれないと思った。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

この本が芥川賞取ったのって2008年とかだったのか。
なんか全然古くさくないというか、すごい新鮮な気持ちで読めた。

生理についての描写が多かった。ちょうどこの本を読んでいるときの私は生理二日目だったので、薬を飲んでもなおじわじわと生理痛に苦しめられており、股の間から流れ出ていくぬるりとした血をいやでも感じなければならないときだった。読みながら登場人物たちと自分がなんとなくリンクして、少し生理痛が和らいだ。

緑子の迫るような大きい方のノートの文章が好きだった。
思わず声に出して読み、そう、本当に、そうだよね、としみじみ考えるような文章がたくさんあった。
一方で、40ページくらいからの胸大きく女子と冷っと女子の会話はゲラゲラ笑いながら読んだ。なんて……なんておもしろいんだ……。

読みながら、自分の体をなんとなく手でなぞったりした。
私は私の体を携えてずっと生きていかなくちゃならないんだと思うと労りたくなったんだと思う。
今日はいつもより丁寧に体を洗おう。

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

お初の川上未映子作。表題作は文体に驚いたが、脳内で語りが生々しく再生される独特な感覚が早いうちに掴めてぐんぐん読み進められた。緑子が抱く、否応なくやってくる身体の変化で「女になる」ということを思い知らされたり、他者からそう思わされたりすることへの言いようのない居心地の悪さや気持ち悪さが、混沌としたまま、ただどうにも受け入れたくない気持ちは確かに日記に紡がれている。母親が豊胸にこだわる理由も、語り手が血のついた下着を見て受精の予定ないけどなとふと思うのも、なんか女であるという事実と、性・生との結びつきが強固である(強固なものであるとされてきた)ことによるもののような気がする。「生きづらさ」と言ってしまうのは簡単だけど、もっと重たいし厄介な鎖みたいな、そういうものを女は巻かれていると思う。

『わたしたちの恋愛は瀕死』
恋愛においてや社会的地位において弱者とされる人間の自意識ってこんなんだし、弱者同士がある種劇的に出会った結果、ハッピーエンドを迎える、わけでは無論なく、爆弾同士が衝突して悲惨な事故に終わるというのがリアルだし最悪だし良かった。

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2025年03月05日

Posted by ブクログ

一文が長い読み物は苦手だ。表題作は、それこそつらつら、という感じでなかなか文が終わらない。著者の作風だろうか。にもかかわらず、主に関西弁での思考心情の止めどない流れに、いつのまにか飲まれている。特に女の、いつのまにか女になる過程への、価値観の違う女に対する、違和感と嫌悪感の描写が素晴らしい。その点において、代弁してもらった感、あの頃の自分が救われた感、を覚える人も少なからずいるのじゃないだろうか。何だか笑いながら泣けるような作品だった。

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2025年03月03日

Posted by ブクログ

文体が独特で慣れるまで少し時間がかかるけど慣れるとむしろ読みやすい。思春期の夜に布団の中とかでグルグル考えるようなことだなーと思った。心が身体についていかない、ついていけない人たちの話。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

一文が長く、句点でいくつもつながっているため、意図的な演出なのかもしれないが読みづらさを感じた。
緑子は身体の成長に心が追いつかない。
大人になることを拒み、人の生殖そのものにも嫌悪感を抱いている。
一方で母の巻子は豊胸を望んでおり、緑子はそれを自分の存在そのものを否定されたかのように受け止めてしまう。

この作品には、女性であるからこその思いや感覚が描かれている。
ただ、あまりに独特な感性で綴られているため、私には深く入り込むことができず、魅力を十分につかみきれなかったのが残念だった。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

乳と卵、その名の如く、この母娘の歪な精神状態な感じで「おかしいよね」が第一印象だった。

関西弁混じりの独特な文体が迫力を増して短いのもあり一気読みした。なんとも言えない精神?感受性の違いに圧倒されっぱなしだった。おかしくない?この感覚……そう思うことすらおかしさを感じた小説だった。

うーむ面白いんだか、苦しいんだか、狂おしいんだか、胸の話が突き刺さる……。文体も話も苦しかった。笑笑読み終わって目を思わず瞑った。何故か自分でもわからなかった笑。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

緑子は、お母さんの「豊胸したい」という言葉が「あんたを産まなきゃよかった、産む前の体に戻したい」という意味に聞こえるんだよね。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

ふわふわでいてどろどろな、女の一部をゆっくり咀嚼して飲み込んだような読後感。独特な文体と浮遊感のあるストーリーで、女の奇妙で歪な部分を丸ごと食わされたかのようだった。

女は、女を嫌うのに結局はどこまでも女なのだと思わされた。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

とめどない思考が文体に表れていて、頭の中をそのまま見ているような気持ちになった。登場人物たちが考えていることを、話し言葉も書き言葉も思考する言葉もあえてそのまま表現する、読み手にそう思わせる筆力に圧倒。モヤモヤするけど共感するけど、言語化されたことによってスッキリするんじゃなくて、もっとモヤモヤするのが純文学なのかもしれない。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

この著者の作品は初読。
文体に独特なリズムがあって最初読むのに苦労した。擬音とかが普段聞きなれない音のはずなのに、なぜか納得してしまう文章力はすごいなぁと、、。

"乳と卵"よりもその後の"あなたたちの恋愛は瀕死"の方が自分は尖っていて好きだった。

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

文章の感じが凄いの。
地の文がセリフに聞こえたり、誰が言ってる文章なのか、なぜだかはっきり分かったり。

川上さんロックな人だと思う。
そしてめちゃめちゃドライだ。

あなたたちの恋愛は瀕死
これよかった。

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2025年04月05日

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