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あのとき、ふたりが世界のすべてになった――。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。別れた恋人との約束の植物園に向かう「日曜日はどこへ」他、なにげない日常の中でささやかな光を放つ瞬間を美しい言葉で綴る。谷崎潤一郎賞受賞作。収録作:アイスクリーム熱/愛の夢とか/いちご畑が永遠につづいてゆくのだから/日曜日はどこへ/三月の毛糸/お花畑自身/十三月怪談
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「アイスクリームフィーバー」
2023年7月14日公開 出演:吉岡里帆、モトーラ世理奈、詩羽
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Posted by ブクログ
とても好き。アイスクリーム熱にぎゅっとなって、1番好きな話だった。 痛いぐらいに伝わる繊細なお話。読み応えというよりもっと読みたいに変わりました。
7つの短編でそれぞれの女性を綴った一冊。 各々の女性の性格に合わせて、簡単な漢字もひらがなになっていたりするので、具体的な情景描写が少なくても何となく人物が置かれた環境が目に浮かぶ。 女性というのは大体こんな感じ、という文学的イメージを一蹴するような、現実は、こんな掴みどころのないような、とか、取...続きを読むり憑かれたみたいな執着がある、とか、何も考えていないゆえの突飛な行動をしたり、とか、そんなことを目覚めよ!と言わんばかりに突きつけられる感じだった。 それぞれの気持ちの中を覗いているような文体が、良くも悪くも生々しい人間性に触れさせられるようで、そんな人が通り過ぎてきた自分の人生に存在したかのような錯覚に陥る。 最後の『十三月怪談』。 これは、かなり秀逸なストーリーであった。怪談はさておき、十三月といえば、文学でも音楽でもたまにそんなことを描いた作品に出会うが、それはどれも1年のプラス1ヶ月としてのものや、12月の延長であるものが多い気がする。 しかし、本作からは意外な概念を提示されて、号泣した。そんな角度の十三月もあるのかと。これもまた、ある種の現実に近いものかも知れず、いつかその概念の中に自分が存在するかもしれないと思わせられてしまった。 『愛の夢とか』は、現実と非現実の境界線の中に読者を連れていくのが上手な作品なのかもしれない。
Dear 川上未映子様, 時々貴女がわからなくなります。貴女は普段から曖昧模糊を基調とした表現をなされるのに、時折見せるその抽象から具体への鋭角な、鋭利な刃物を喉に突きつけられたかのような、まるでいつもの本当の自分を、ある特定の人物に本音を語らせるように物語の人物に己の側面を仮託するように鋭い指摘を...続きを読むする人物を用意されます。今回でいうと『お花畑自身』に出てくる家を買った女性や『ヘヴン』でいう百瀬のことを言っているのですよ。彼女ら彼らが言うことは、間違っていても決して全否定できない世の中みたいな核心があります。ガツンとくるものがあります。あえてスマブラで言わせてもらえるなら、普段カービィの貴女が時折見せる下Bのストーンに吹っ飛ばされてしまいます。貴女の本質は一体どちらなのでしょうか。混乱します。わからなくなくなるからこそ、もっと知りたいと思ってしまうのかもしれません。魅力的です。雲を掴むような貴女の表現を愛し、これからも読み続けていきたいと思う次第であります。
「ひとはつよくて、いきていくことをつづけてゆくだけのかろうじてのつよさがあれば、そのうちいきているひとがだれか、だれかがきっと、またちからをくれて、ちからをきっとくれるだろう、いきていれば、いきているだれかが」
川上未映子の作品を初めて読んだ。 あー、すごく好きだ。大好きだ。 特にアイスクリーム熱がたまらない。 よくわからないけど、どうしてもどうしても愛おしい人って、生きているうちに出会う。そして、その人はよくわからない人だから、さよならも言わずにどこか遠くへ行ってしまう。そんなことを私はよく知ってる。だか...続きを読むらとても響いた。 それぞれの異なる愛の形が描かれた短編集だったと思う。愛のカタチって一つじゃないから。 表題作『愛の夢とか』で、お互いの名前を呼び合うところも本当に素敵で心に残った。 いい短編、いい作家さんに出会えてとても嬉しい。 また読みます。
難しい話もあったけど やっぱり綺麗な表現をされる方で読み終わって世界が違って見えた。 また色の違う短編集で汲み取りきれない作品もあったけど2つの作品がすごく好きでそれについて言及したい。 「愛の夢とか」 なんだかんだで私にとって身近なピアノが題材。 何歳になってもどんな状況でも自分が決めてやり遂げ...続きを読むたいって決めたことに向かって努力することって本当に美しいことなんだと客観的に思えた。 同時に、音楽はそれだけ人の心を動かす何かがあるんだとも感じた。 読み終わってすごくピアノが弾きたくなったな。 「十三月怪談」 この状況でこの作品に出会えたことは運命だったのかな。 年始の色々で今生きていられることに感謝しなきゃと思っていた私にさらにそのことを強く思わせてくれた。 死んでしまったら何もできない、でも生きていればなんだってできる。 いつか死ぬ恐怖に怯えるより生きていられる今に感謝してしたいことをたくさんしよう。 「死」は突然全てを変えてしまう。それは突然訪れるかもしれないしゆっくり訪れるかもしれない。「死」に関わった人の人生すらも変えてしまうかもしれない。 でも、それでも私は生きてる。あなたは生きてるでしょ、そう伝えられた気がした。 1時間もかからずに読める作品なのに読み終える頃には泣いてた。 不思議なお話なのに、なぜだか涙が止まらなかった。
フワフワとした話が多かった。「お花畑自身」がお気に入り。途中ドキドキした。 「十三月怪談」も印象的だった。☆印のついたところは、順一パートっていうことでいいのかな?時子目線のところもあるけど、順一が見た夢なのかなって思った。順一の愛が深くて、悲しい話だった
最後の2編、「お花畑自身」と「十三月怪談」に(陳腐な表現ながら)度肝を抜かれました。 こだわりを持つ自宅を喪う前者の衝撃的な展開、言語感覚が蕩けていくような後者。 また、作品全体に通底し、幾度か言及される震災のモチーフ。「三月の毛糸」は文芸誌・早稲田文学に寄稿されたものですが、ちょうどこの頃早稲田の...続きを読む文学部キャンパスでは「震災と文学」について考える講座も開かれていたような記憶もあります。
普段の生活のほんの一部を切り取ったような、それでいてどこか孤独でささやかな愛を感じられるような7つの短編。 読んでいる時の高揚感が凄いです。 川上未映子さん独特の、句読点のない文章のせいかもしれません。 言葉たちがものすごい勢いで、休みなく読み手にたたみかけてくるのです。 そして、漢字とひらがなの使...続きを読むい分けがほんとうに絶妙だなと思います。 2011年頃に書かれたものが多く、震災のことにも微かに触れられていました。 突然失うことの恐ろしさや、人や物への愛情が感じられます。 「お花畑自身」と「十三月怪談」は他のものより少し長めで、読んでいるうちに切なさがどんどん増していきました。 川上さんの描く、ちょっとした気の迷いや、手を伸ばすと消えてしまうような、妄想のようなものの描写がとても好きです。
最後の話が1番印象的だった。何が現実かよくわからなくなったけど、なんか響きました。 ほかにも、 えー、なんじゃそれ、と思う話も しみじみする話もあって なんか女性的で、よかったです。 そういう文体を選んでおられるんだろうけど 改行少なめな文章が読むの大変!って思う人はいるだろうなぁって 余計な心...続きを読む配しながら読んだ。
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愛の夢とか
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川上未映子
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