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あのとき、ふたりが世界のすべてになった――。ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。別れた恋人との約束の植物園に向かう「日曜日はどこへ」他、なにげない日常の中でささやかな光を放つ瞬間を美しい言葉で綴る。谷崎潤一郎賞受賞作。収録作:アイスクリーム熱/愛の夢とか/いちご畑が永遠につづいてゆくのだから/日曜日はどこへ/三月の毛糸/お花畑自身/十三月怪談
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「アイスクリームフィーバー」
2023年7月14日公開 出演:吉岡里帆、モトーラ世理奈、詩羽
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Posted by ブクログ
「お花畑自身」が特に好き。大切に手入れしてきた庭や自宅をいけすかない若い女に売らざるを得なくなった50代の女性の話。かつて自宅だった庭のバラを何度も見にいくの切ない。 「十三月怪談」は死んでしまった妻視点、生きている夫視点が混じるような不思議な視点。薄れていく意識なのか、記憶が本当のことなのか幻な...続きを読むのか… 自分は川上さんの文章はどういいのかいかに素敵なのかというのが説明しにくく、何を言っても無粋になる気がしますが、川上沼にズブズブです。一冊を読み終わりたくないんです。ずっと読み続けたい…といつも思ってしまう。
何気ない日常の中、光のような暗がりのような曖昧な部分を美しく表現した7つの物語 詩的でゆらりと漂う文章の中で、はっとさせられる言葉に度々出会う。付箋を貼り、全て読み終えて、もう一度同じ場所を辿るがその感動は変わらない。日曜日はどこへが特に好きでした。
とても好き。アイスクリーム熱にぎゅっとなって、1番好きな話だった。 痛いぐらいに伝わる繊細なお話。読み応えというよりもっと読みたいに変わりました。
十三月怪談、あたかも自分の身に起きたような喪失感が読後、感傷だった。ひらがなが多いのは幽霊自身ふわふわとした存在だから?
川上未映子さんはどの話しも独特な雰囲気とテンポがあり、そのリズムにはまると最後、沼におちます。 生活の中のまばゆい光も痛みの重さもどちらも存在し、白昼夢のような空気に包まれたかと思いきや、急に現実に戻されるような緩急のある短編集。「愛の夢とか」は物語自体が芸術に昇華されているように感じた。 「十...続きを読む三月怪談」が一番印象的。強い想いや願い、川上未映子さんの魂が宿った筆力に胸がいっぱいになりました。
絶対に女性にしか思い浮かばないような表現や言葉がすらすらと出てきて、それが抽象的な比喩なはずなのに生々しいとすら感じた。 まさに詩のような文章を書く人だなと改めて感じられる短編集だった。 初めて作家さんで気に入って買った本です (1冊目は「すべて真夜中の恋人たち」でした) 最後の2篇は夢中になれた...続きを読むけど、その他は私にはあまり合わなかったのでマイナス1に。
Dear 川上未映子様, 時々貴女がわからなくなります。貴女は普段から曖昧模糊を基調とした表現をなされるのに、時折見せるその抽象から具体への鋭角な、鋭利な刃物を喉に突きつけられたかのような、まるでいつもの本当の自分を、ある特定の人物に本音を語らせるように物語の人物に己の側面を仮託するように鋭い指摘を...続きを読むする人物を用意されます。今回でいうと『お花畑自身』に出てくる家を買った女性や『ヘヴン』でいう百瀬のことを言っているのですよ。彼女ら彼らが言うことは、間違っていても決して全否定できない世の中みたいな核心があります。ガツンとくるものがあります。あえてスマブラで言わせてもらえるなら、普段カービィの貴女が時折見せる下Bのストーンに吹っ飛ばされてしまいます。貴女の本質は一体どちらなのでしょうか。混乱します。わからなくなくなるからこそ、もっと知りたいと思ってしまうのかもしれません。魅力的です。雲を掴むような貴女の表現を愛し、これからも読み続けていきたいと思う次第であります。
「ひとはつよくて、いきていくことをつづけてゆくだけのかろうじてのつよさがあれば、そのうちいきているひとがだれか、だれかがきっと、またちからをくれて、ちからをきっとくれるだろう、いきていれば、いきているだれかが」
川上未映子の作品を初めて読んだ。 あー、すごく好きだ。大好きだ。 特にアイスクリーム熱がたまらない。 よくわからないけど、どうしてもどうしても愛おしい人って、生きているうちに出会う。そして、その人はよくわからない人だから、さよならも言わずにどこか遠くへ行ってしまう。そんなことを私はよく知ってる。だか...続きを読むらとても響いた。 それぞれの異なる愛の形が描かれた短編集だったと思う。愛のカタチって一つじゃないから。 表題作『愛の夢とか』で、お互いの名前を呼び合うところも本当に素敵で心に残った。 いい短編、いい作家さんに出会えてとても嬉しい。 また読みます。
難しい話もあったけど やっぱり綺麗な表現をされる方で読み終わって世界が違って見えた。 また色の違う短編集で汲み取りきれない作品もあったけど2つの作品がすごく好きでそれについて言及したい。 「愛の夢とか」 なんだかんだで私にとって身近なピアノが題材。 何歳になってもどんな状況でも自分が決めてやり遂げ...続きを読むたいって決めたことに向かって努力することって本当に美しいことなんだと客観的に思えた。 同時に、音楽はそれだけ人の心を動かす何かがあるんだとも感じた。 読み終わってすごくピアノが弾きたくなったな。 「十三月怪談」 この状況でこの作品に出会えたことは運命だったのかな。 年始の色々で今生きていられることに感謝しなきゃと思っていた私にさらにそのことを強く思わせてくれた。 死んでしまったら何もできない、でも生きていればなんだってできる。 いつか死ぬ恐怖に怯えるより生きていられる今に感謝してしたいことをたくさんしよう。 「死」は突然全てを変えてしまう。それは突然訪れるかもしれないしゆっくり訪れるかもしれない。「死」に関わった人の人生すらも変えてしまうかもしれない。 でも、それでも私は生きてる。あなたは生きてるでしょ、そう伝えられた気がした。 1時間もかからずに読める作品なのに読み終える頃には泣いてた。 不思議なお話なのに、なぜだか涙が止まらなかった。
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愛の夢とか
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川上未映子
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