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Posted by ブクログ
これは大好きな本。
富裕層でも貧困層でも一般層でも、その階層でのリアルな生き様が書かれている本は大好物。私の大好きな小説『あのこは貴族』の主人公は華子で、こちらの主人公は花。漢字でもうっすら棲み分けがされているというか。
こちらの小説は都市型貧困について本当にリアルにかかれていて、東京の下町で育った身としてはありありと花の生活が想像出来てしまって、ノンフィクションだと思って読んでいた。クラスに花みたいな子がいたかもしれないし、親が貧困だったら私もそうなっていたかもしれないと真剣に読んでしまった。花は自分に与えられた選択肢がほぼ一つしかなくて、それが正解でも不正解でも一つしかないんだから、それを選んで懸命に生きてきただけ。憎めないし応援してしまう。素晴らしい社会派小説だと思った。
中弛みもなく、2日で読み終えました。
下巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
こういうノワール小説は柚木麻子のバターを想起させて面白い。冒頭で黄美子という女が捕まった事から始まり花の回想シーンからどのようにしてそうなっていくのかが明らかになっていく構図で引き込まれるようにして読んだ。上巻では40前後の黄美子はまだ穏やかだが、下巻になるにつれて豹変していくのだろうな。登場人物がどれも描写の詳細が素晴らしい。映水の語る話が金の成る木の話が夜の世界に住む人々を的確に現していたのが印象的。花が置かれた環境の中で精一杯生きているのに報われないのは読んでいて少し辛くなる。多分下巻でもっといろんな事件が起こるのだろうなと続きを読みたくなる。
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以下ネタバレ含む
黄美子:
最初に黄美子の罪状の記事で、被害者の所持品や交友関係を管理するなど行動を監視したり、外に出てもどうせ生きていけないと脅迫を繰り返して恐怖心を与え女性が逃げようとする意思を喪失させた、不法監禁、マインドコントロールしたという内容から始まる。どんだけヤバいやつが出てくるのかと思って2章からの回想シーンに入るが、むしろ40手前頃の黄美子は花と共同生活をしても特に制限するでもなく自由放任というかあっけらかんとした、無頓着な印象すら受ける。お金にも無頓着だし。ただあまり語られないが母親が収監されていたり過去に何かある様子。
母に金を取られてこれからの人生を不安に思っている花とのやりとりが印象的だ。「337 お前の人生どうなんだって訊かれたらなんて答えられるんだろうって。誰に訊かれるの?誰も訊かなくない?自分で自分に訊くのもやめればいいじゃんか。困りはしないならいいじゃん。親のことはしょうがないよ。なんだっていつか終わるまで待つしかないよ。」
これから下巻に向けてどのように黄美子が豹変していくのかその過程が楽しみでもある。
花の母:不動産屋と不倫して花を置いて出て捨てられた後にはネズミ講に引っかかって200万円の借金を背負い、花に金をせがみにくる。花はやはり母からの愛情に飢えていたのではなかったのだろうか?突然会いに来た時も一緒に住もうという話なのだろうかとと想像したら金のことかと失望している。母がもっとしっかりしていれば、花ももう少し楽をさせてあげれただろうに、、と読んでいて辛くなるシーンだ。
映水:在日3世。日本で生まれて日本語しか話せないのに日本人ではない韓国人で小学校や近所の子供と少し違う枠にいると感じる。219かろうじて友達と言えるかもしれないと思っていた相手とちょっとした事で言い合いになった時に韓国人のくせにと吐き捨てられたり、何か問題があるとこれだから韓国人はと何度言われたかわからない。たまたま日本人であったことと親の金に守られて何不自由なく生きて来た連中とできる話はもうなさそうだった。自分や仲間を守らなければならなかった。強くなる必要があった。強いとは金を持つことであり、自分たちがその一部であることを示すだけで相手が手出しをすることを躊躇うような大人と繋がることだと考えた。
黄美子みたいなのは、悪い人間からしたら金の成る木だ。家族もいない、昼の世界とも繋がっていない、身元も適当で今日突然いなくなっても何の問題もない。夜の世界にはそういうのが使い勝手のいちものになって、飛ばすのにも沈めるにも一番都合がいい。そういう世界なんだよ。何も言えねえし、誰も聞く耳持たないし、元々世間ではそういう奴らを存在しない事になっているからな。ふらふらしてるとこをちょっと優しくして甘い言葉でつけこんだらあっという間に思い通りにできる。親身なふりして借金つかませて利子だなんて言ってあとは無限にむしり取るだけ。花、あまり家出してるとか親と連絡取ってないとか自分のことあんまり言わないようにしろよ。誰がどんな絵を描いてるかわかんねえし金の成る木と思われないように目つけられるなよ。
黄美子母:
敢えて相手の店側も了承の下で保険金目的に放火をするなんて事が本当にあるのか。10歳の黄美子も一緒に火をつけに行ったってどれだけ修羅場なんだろう。映水の言う、使い勝手のいい金の成る木にされてしまって抜け出せなくなったのだろうな。
Posted by ブクログ
面白くてあっという間に読み終わった!
昔一緒に暮らしていた女性が捕まったことをニュースで知る主人公。
上巻は捕まった女性と一緒に暮らしていた主人公の少女時代が描かれていた。
母親と2人暮らしでお金のない生活を送っていた主人公が、女性と出会い家を出て、一緒に暮らしながら懸命に働くことでお金を稼ぐが、そのお金もまた母親の都合で失ってしまう。主人公が苦しい経済状況の中でも懸命に働き、女性やそこで出会った仲間と過ごす日々は主人公にとってら青春のように読んでいて思えた。
主人公が大金を手にするようになり、どうなっていくのか、後半がとても気になる!
お金がないと人はどう感じ、どうやって生活していくのか。筆者の実体験であるかのようなリアルな描写にとても引きこまれた。
Posted by ブクログ
親から守られなかった子どもが、大人としての役割を背負い、自力で生きていく物語。
まだ上巻なので何とも言えないけど、読んでいてドストエフスキーと吉田修一を混ぜたような雰囲気を感じた。
生きていくために、やってはいけないことをやっている。でも、それは正しくないけれど、間違っているとも言い切れない。そんな矛盾の中で、「私の人生ってなんなんだろう」と問いかける感じは、ドストエフスキーを思わせる。
そして、「血のつながりって何なんだ」というところは、吉田修一の小説を思い出した。
最後の母親との再会の後の花の場面では、瞼の奥が熱くなった。下巻でどう狂うのか、なんだか怖い。でも、早く読みたい。
Posted by ブクログ
うーん、どんどん読み進められるのだけど、なかなかに重い…
下巻の最後、救いはあるのだろうが…?
全体の所感は下巻読み終わってからにするけど、とりあえず上巻で気に止まったフレーズを書き留めておきたい。
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こんなにとてつもない量のエネルギーを、1人の人間がどうやって受け止めて、それを背負うことができるんだろう。音楽を聴くだけで涙が出たり、会ったこともない誰かがいるだけで救われる人がいたり、勇気が出たり、自分もその一部になりたいというような気持ちに、どうして人はなるんだろう。
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「おまえの人生どうなんだって訊かれたら、なんで答えるんだろうって」
「それは誰に訊かれるの?」
「え?」
「誰もそんなこと聞かなくない?」
「聞かないかもしんないけど」
「じゃあいいじゃんか」
「自分が自分に聞いてるのかもしんないけど」
「じゃあ自分で自分に聞くの、やめればいいじゃんか」
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