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新型ウイルスの出現によって、日本中がパニックに――
ある日突然、同棲している恋人が高熱で意識不明の重体となり、
救急車で搬送される。彼に付き添い続けた悠希にも、魔の手がしのびより……。
感染爆発が始まった原因不明の新型ウイルス「バベル」に、人間が立ち向かう術はあるのか?
日本政府はある対策を講じる決断をする。
近未来の日本を襲った緊迫のバイオクライシス・ノベル!
毎年インフルエンザの季節が到来するとマスクの人が増え、自分の周囲にインフル患者が出た途端に緊張感が高まりますが、この小説は、インフルどころではない最強のウィルスが日本国内に発生してしまうという、「もしかして、ひょっとしたらありえるんじゃないか」という危機感さえ感じさせる緊迫した内容となっています。
極小サイズだけど、人間を恐怖のどん底に陥れる「ウィルス」によって、日本は恐ろしい事態に陥ります。追い詰められた人々は、どのような手を打つのでしょうか? 読み始めたら、最後まで止まることができません。
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Posted by ブクログ
「バベル」 福田和代著
1.感染症フィクション
日本で未知の感染症が発見されました。
通称「バベル」。
高熱、嘔吐そして後遺症。
後遺症では言語障害が起きます。バベルの塔にちなんで「バベル」と呼称されます。
政府は、感染初期は入院、隔離政策をとります。
感染拡大とともに、病床は逼迫したため、症状が緩和されたら退院措置を取る施策に変更されます。
国民の14%が感染へ、、、。
国民と政府が下した決断とは?
2.執筆 2012年。
マスクをする。
接触を減らす。
飛沫感染を防止する。
いま、世界が直面している風景が、この小説「バベル」では描写されています。
巻末には、感染症、脳、そして言語に関する参考文献も記述あります。
ひとつの物語として、また、視点を広げる意味でも、一読の意義ありの書と感じました。
Posted by ブクログ
この本を読み始めるのが、新型コロナを知る前と後では感想や評価が全く違うものになると思います
ウイルスや病原菌についての認識は、流行期には手洗いやうがいなどをして気をつける程度で、同じ生活を送っていた⋯
が、新型コロナウイルスに関してはその認識は通用せず世界中が大パニックになってしまった
この本の中のウイルス・バベルは日本だけでの大流行の為、世界中からの日本人に対する偏見や差別で大パニックに⋯
ラストは政府が日本を守るために行った政策の視点に移り、無理やり終わらせたような気もして前半に読み応えがあった分、少々あっけなかった
ただ、この本の内容がコロナ禍の時とあまりにも似ているので、何度も何度も発刊された日を確かめ、
著者の近未来の予測に驚かされ印象深い一冊となりました
2026/6
Posted by ブクログ
感染症をモチーフにした小説で
私がまず選んだのは
これだったのですが…好みとして正解。
なにより「言葉を失う」ことに
焦点が当たってるところが
言語フェチにはもうバッチリですわ。
そして、山あり谷ありだけど
最後は希望を感じさせて終わっている
ハッピーエンド寄りなところ。
それにしても作家の想像力というのは
2012年当時の資料と情報だけで
こんなに現実に肉薄するものが
書けちゃうんだから、すごい。
感染してるのに症状が出ないとか
劇症化の度合いとか…。
しかし、日本がパンデミック震源地で
早めに鎖国状態にしたため
日本以外の国には広まらなかった
ってのがなんだか皮肉だったわ。
Posted by ブクログ
現代のコロナ禍との相似形に、作家の想像力の凄さを思う。
この作品、初出は2012年の別冊文芸春秋なのに。
物語は、同棲している恋人が突然原因不明のウイルスに感染されるところから始まる。
肺炎を誘発するコロナウイルスに対し、こちらは脳炎の症状となる。感染すると、相手の話すことは理解できるが、自らは言葉が発せず、死に至るケースもある。
旧約聖書に書かれたバベルの塔の物語にある、言葉が通じなくなるエピソードから、「バベル」と名付けられたウイルス。
日本での感染拡大に、各国は日本への渡航や日本からの入国を全面的に禁止する。この危機に、一人の政治家が、感染者と未感染者とを住み分けるという政策を打ち出す。
感染の、BEFOREとAFTERとが交互に語られる。BEFOREの現実に対し、AFTERはSF小説的に。
所々に綴られる出来事が、まるで現在の状況を表しているかのよう。
「報告を受けた発症者の数だけでも数千件に上がっている。感染者はさらに多いだろう」
「動物や人間の体内で今も変異を続けているのです」
「インフルエンザのように咳・くしゃみ・鼻水による飛沫感染を起こして」
「厚生労働大臣が昼過ぎに会見を行い、不要不急の外出を避け、二週間程度の食料を用意して自宅に待機することを勧めるという談話を発表した。企業には可能な限り社員の在宅就業を認め、通勤電車や、社内における感染を防ぐようにという出ている。海外への渡航も自粛すべし」
「レジで頭を下げる店員は、釣銭を直接渡さない。必ず四角いカルトンに入れて、客の側に滑らせる」
「委員会は紛糾していた。彼らに与えられた検討材料は、時々刻々と増え続ける発症者と感染者の数。それに、ワクチンや抗ウイルス薬の絶望的な開発状況」
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