柚子の花咲く

柚子の花咲く

小説・文芸
1,001円 (税込)

5pt

3.5

先生の死は、不面目なものだったのか?

ひとはなぜ傷つけあうのだろう。
どうしてなのですか。先生──。

一人の武士の遺骸が河岸で発見された。
殺されたのは村塾の教師・梶与五郎。
村塾とは、武士、町人、農民が一緒に勉強する、郷学と言われる場。
与五郎は貧しい子どもに自分の弁当を与えて、いつも自分はお腹を鳴らしているような男だった。
しかし、無惨な遺体で発見された後、なぜか急に梶にまつわる悪い噂がささやかれるようになり、汚名を着せられてしまう。
恩師の死は、本当に不面目なものだったのか?
かつての教え子、日坂藩士の筒井恭平は、死の真相を探るべく鵜ノ島藩に決死の潜入を試みる。
胸震わせる傑作時代小説!
解説・江上剛

「先生がよく言っておられたことを覚えているか」
「なんだ」
「桃栗三年、柿八年──」
「柚子は九年で花が咲く、か」
「梨の大馬鹿十八年とも言われたぞ」 ──本文より

単行本 2010年6月 朝日新聞出版刊
一次文庫 2013年10月 朝日文庫刊
この電子書籍は2026年6月刊 文春文庫版を底本としています。

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柚子の花咲く のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    葉室麟の作品が好きです。
    時代小説は得意ではないですが、とても読みやすく、読後感が良いと思います。
    この作品もそうでした。

    人が亡くなるのに、こう言うのは間違ってるかもしれませんが、最後に報われて良かったと感じました。
    主人公がまっすぐな性格なのも共感できます。
    タイトルも内容をよく表していると思います。

    0
    2026年08月05日

    Posted by ブクログ

    舞台は瀬戸内の日坂藩と鵜ノ島藩。
    両藩には干拓地を巡る境界線に問題の火種があり、政治的紛争が続いていた。
    鵜ノ島藩老中家老である永井兵部の三男・清助は、腹違いの息子ということが原因なのか自暴自棄なのか、放蕩息子となってしまう。
    あまりの放蕩ぶりに永井家を勘当された後、自分を変える人生修行を経て姓名を永井清助を梶与五郎に改め、隣の日坂藩で郷学と呼ばれる村塾の教師となる程に変身する。
    郷学では身分の分け隔てなく、武士、町人、農民が一緒に勉強する場であり、与五郎は勉学のみならず、子供たちには身分に捉われず、友情を分かち合える人に育つ教育を心掛け、子供たちからも慕われていた。
    その与五郎が両藩の政治紛争に巻き込まれ、出身地の鵜ノ島藩で一太刀で斬られ、無惨な遺体となって発見された。

    子供の頃に与五郎から教えを受けた日坂藩士の筒井恭平、穴見孫六は共に22歳に成長し、与五郎が何故に斬られて死に至ったのか、その真相を探ろうと決意する。
    まずは村塾では頭脳明晰だった穴見孫六が隣の鵜ノ島藩に入り、与五郎惨殺の真相を探るのだが、何者かに斬られてしまう。
    幼少の頃からの親友の不審死に、筒井恭平は命を賭けての真相究明に臨むのだが、鵜ノ島藩の隠された人間関係と士族の出世争いが絡み、それが原因で与五郎と孫六が消されたところまでは恭平は掴むのだが⋯。

    かなりヒヤヒヤする場面が続く時代物サスペンスが展開するのだが、物語の根底には子供の頃に与五郎から学んだ教え子たちの絆があり、見事に事件の解決に寄与するという内容だった。

    0
    2026年09月19日

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