九州、豊後、坪内藩の城下町にある青鳴道場。先代の死から早一年、道場は存亡の危機にあった。跡を継いだ長男の青鳴権平はまだ二十歳と若く、その昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、「鬼姫」と巷で呼ばれる妹の千草や、神童の誉れ高い弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。酔って神社の石段で足を滑らせて亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、まずはその一つ、新当流の柿崎道場を訪ねる――。
Posted by ブクログ 2020年04月15日
内容(「BOOK」データベースより)
坪内藩の城下町にある青鳴道場は存亡の危機にあった。先代の不名誉な死と、跡を継いだ長男の権平の昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、妹の千草や弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すため...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月30日
しばらく読み進めて、葉室麟にしてはキリッとしないなと思いながら、作品に入り込めずにいたが、中盤以降はサスペンスもどきの目まぐるしい展開で、気がつけば読み終えていた。
「あおなり」を弱々しいイメージで当たり前に受け入れていたが、青瓢箪とうらなりの造語であった。
道場主であった父の死に不信を抱く三兄弟(...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月01日
解説によれば、葉室氏は出版社にとって小説の内容や傾向を書き分けているとのこと。
確かに「新潮」「角川」では、歴史上の人物を主に彼らの清涼な生き方を格調高く描いているし、「文藝春秋」「講談社」「徳間」では、歴史とフィクションを巧みに織り交ぜて、和歌や漢詩を取り入れ豊穣な作品となっている。
一方、この双...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月03日
面白かった
重厚骨太の物語ではなく、漫画ライクなエンターテイメントストーリ(笑)!
しかし、その奥底には、家族の絆が描かれています。
父親の死によって、青鳴道場をついだ長男の権平は昼行燈。その性格から、門人は一人もいなくなり、結果、明日食べる米もなくなってしまいます。
妹の千草や弟の勘六の尻に敷か...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月27日
人情物として楽しい作品なのだけれど自分に染み付いている葉室麟作品の感覚から一歩横にズレて読む事になれるのに手間取った。
血縁でない弟が藩主の落とし胤とわかり、このままでは城中に上がらねばならず兄弟がバラバラになってしまう。
これを避けるため兄弟は江戸に出て剣術道場を開いて今まで通り兄弟3人で暮らす道...続きを読む