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生きることが、それがしの覚悟でござる――。俊英と謳われた豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞう)と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固める……。落ちた花を再び咲かすことはできるのか? 『蜩ノ記』(ひぐらしのき)の感動から二年。〈再起〉を描く、羽根藩シリーズ第2弾!
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Posted by ブクログ
「人」という字を書く時、人は支えあって生きるものだと知る。
羽根藩シリーズの2冊目。
「蜩の記」より、私はこの作品を推す。
かつては俊英とうたわれた伊吹櫂蔵は人生をこぎそこね、「ぼろぞう」と言われるまでに落ちこぼれる。
しかし、芳の愛情によって目覚め、罠によって切腹させられた弟の志を果たす為に生きる。
人生の修羅場をくぐり抜けた人は強い。
恥を乗り越えた人も強い。
人の強さは、視野の広さにあると思う。
動物も自分の子供や集団で子供を守ろうとするが、視座の高さや視野の広さは人間特有のものだと思う。目先のことだけに囚われず、大義に生きることができるのが人なのだ。
心が黄泉の国に吸い込まれそうになっても、自分を心から信じてくれる人がいれば、踏みとどまることができるのではないか。
櫂蔵にとってそれが芳だったのだろう。芳にとっても、櫂蔵は命をかけても守りたい人だった。
ラストの読後感は爽やかだ。
「落ちた花は咲かない。」というフレーズが何度か出てくる。自分が自分で決めるのだ。落ちた花かどうかを。
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