ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
あのとき桜の下で出会った少年は一体誰だったのか──家同士の因縁がひと組の夫婦を数奇な運命へと導く。“天地に仕える”と次期藩主に衒(てら)いもなく言う好漢・蔵人と“水戸に名花あり”と謳(うた)われた咲弥。二人は夫婦となりながら結ばれぬまま、たった一首の和歌をめぐり、命をかけて再会を期すのだが──。水戸光圀公と将軍綱吉の関係が緊張してゆく時代、思いがけず政争の具となりながら、懸命にそして清々しく生きる武士の姿を描いた力作長篇。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
一人の男が、一人の女に応える和歌を見つけるために生きる物語。 和歌そのものは冒頭に出てくるのだが、そこに至るまでに蔵人がどこに居て、何を考え、何を思い、何をしてきたのかを辿っていくほどに、はじめは何の感慨ももたらさなかった一首が、色彩を帯びてくる。 交差する思惑、その中に一本通った筋道は、流石、葉室...続きを読む麟。
重臣を手討ちにしたところから始まり、水戸黄門てこんな人だった? という興味で惹きつけられた。 一つの和歌を求め続ける佐賀鍋島家のはぐれ剣士の純愛を 綱吉の時世にうまく取り込んで小気味よく展開していく。 ラストは 一本勝ちですっきりという感じで納得。読後感は 非常に晴れ晴れしたもの。恐れ入りましたと脱...続きを読む帽のストーリーです。
骨太の時代小説で清冽な恋愛小説。余韻。 蔵人は「天地に仕え、いのちに仕えるのが武士である。いのちに仕えるとは死すべき時に死に、生きるべき時に生きる命を受け止める。」 という武骨な武士。妻咲弥は「これこそ自分の心だと思う歌を教えろ」と迫る。 読者は、物語の展開よりも登場人物の心理をもっと掘り下げて欲し...続きを読むいのに、そこは淡々と描写し読者が想像し考えるようにしていて、多少いらいらする。わざとだとすると汚いな~。 ラストシーンは、途中から分かっているが再会では泣いてしまう。しかも、またまたあっさり描き過ぎ。北方謙三なら5ページのクライマックスにもっていくぞ!また、これが葉室麟。 最後に、武士道を描いた『葉隠』の前日譚になっている。
佐賀小城藩の雨宮蔵人が主人公の小説の一作目である。葉室作品は、九州に関わる作品が多い。 佐賀小城藩と水戸藩の関係、葉隠の精神を散りばめながら、作品を構成されている。 登場人物、物語りの構成があちこち飛ぶのでしっかり読まないと途中置いてけぼりになる可能性がある。
読み応えのある作品だった。 人ではなく天地に仕えるという言葉は、この時代の武士としてはすごく斬新なものだと思う。 蔵人と咲弥の関係も、長く離れているからこその美学を感じました。 黄門様のイメージと異なる水戸光圀像は、どちらが本来の姿に近かったのだろうか?
無骨ながら歌を愛する蔵人という主人公には似合わない表紙でびっくり。これでもいいのかと思ったら脳内イメージが吹っ飛んだ。 ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。 いのちなりけり (上下) 葉室麟さんの小説には(読んだ限りですが)厳しい時代の中にも...続きを読む何か甘い抒情が漂っていてほっとするところがある。読みやすいのでつい何冊か手を出す。 続編「花や散るらん」があるそうでまた休日用に積もうかな。 備前小城藩ゆかりの咲弥は才色兼備の評判の女性だった。藩内の変事の後、佐々木宗淳(通称介三郎・・助さん)の後見で水戸藩江戸屋敷に預けられていた。光圀の側室との願いも断る。咲弥には待っている人がいた。二番目の夫間宮蔵人である。歌を返さなかった夫のことが次第に分かってきていた。 最初の夫がなくなり、蔵人が夫に決まったとき、格下の家柄が問題になった。周囲から蔵人の従兄弟の右近なら申し分ないのだがという声に、父親の行部は彼の人柄を見込んでいた。 だが祝言がすみ、床入りの前になって咲弥が蔵人に尋ねた、「あなたの心を表す好きな歌を一首」 しかし無骨者で素養のない蔵人は答えられず、それ以後寝所に近づくことがなかった。 小城藩の本藩佐賀鍋島藩は、キリシタンの動きを禁じる江戸幕府とともに、原城攻めを開始した。だが信綱の命を無視して不意に夜攻めを行い、先駆けをした。 信綱もそれに続かざるをえなかったが、大きなしこりが残った。 鍋島藩では後の世に伝わるような内々の紛争が続いて、小城藩でも跡を狙う行部の暗躍があった。 蔵人に舅の行部を討てと命が下った。彼は引き受け、多少の迷いがあったものの、討たなくてはならない窮地に追い詰められる。行部は死んだ。藩外に出ることが出来ない決まりを無視し、彼は山越えで出奔した。 そして、彼は「心の歌」を求め続ける。 途中で知り合った牢人に世話になり教えを受ける。 湊川で咲弥と会うことになったが、原城責めの折から遺恨のある果し合いを挑まれ、同行していた右近は腕を落とされた。蔵人は彼を縁のある伏見の円光寺で看病する。傷が癒えた右近は世を捨てて出家する。 円光寺は由緒があり格式の高い寺で、京都の内裏と和歌の道で繋がっていた。右近は祐筆を賜る。 蔵人は、放浪生活で様々な辛酸をなめ、生来の豪放でまっすぐ心をさらに深くしていく、自分の生き方を定め、人にも言い、生きる指針にする。 「歌はつまるところ、雅とはひとの心を慈しむ心ではあるまいか」 「わしは桜も好きだが、ひとは山奥の杉のように人目につかずに、ただまっすぐに伸びておるのがよいと思う」 と右京改め清厳にいう。 「ひとが生きていくということは何かを捨てていくことではなく、拾い集めていくことではないのか」 「わしは祝言の夜、すきな和歌を教えてくれといわれて答えられなかった。それで、たったひとつわかったことがある。それは、わしには咲弥殿に伝えたいことがある、ということだ。わしの生きた証は咲弥殿に何かを伝えることだ」 再び約束の両国橋に向かうと、執拗に遺恨を晴らしたい侍に囲まれる。蔵人は咲弥に向かって命がけで血路を拓いていく。 解説でも「蝉しぐれ」を引き合いに出している。どことなく雰囲気が似ている。 佐賀藩は非常に複雑な内情を抱えている。前半まではその藩制やごたごた、江戸屋敷で光圀の「大日本史」編纂の話など長い。だがあの時代の地方と江戸のつながりは、葉室さんの得意の分野かも知れず、面白い。 一方そんな時代に、制度や窮屈な武士の世界切り拓いて、武芸で生きるおとこがすがすがしく、武術に秀でているために自分を救うがそれで他を傷つけてしまう時代に、人に仕えず天地に仕えるという生き方を通した男と、それを信じた女の純愛物語だった。こういった時代小説の純愛というのは生々しくなくていい。 冒頭にある咲弥に送った、一行だけの西行の歌。 春ごとに花のさかりはありなめどあひ見むことはいのちなりけり
面白かった! もののふの純愛物語! けど、読みにくくて、なかなかページが進まない!(笑) 登場人物が多く、入れ替わり立ち替わりで、登場人物の名前が読めず、さらに年とともに名前が変わっていくので、人間関係がつかみにくい。 しかし、その中でも、主人公 雨宮蔵人の生きざまは熱く感じることが出来ました。 ...続きを読むストーリとしては、水戸光圀が藤井紋太夫を殺害するシーンから始まります。 ググってみると、これは史実なんですね。その殺害の真相は不明とのこと。本書では、この事件に絡んで雨宮蔵人と咲弥の純愛の物語が語られていきます。 咲弥に好きな和歌を聞かれて、答えられなかった蔵人。 そこから、二人は夫婦ではありながらも、別々の道を歩みますが、光圀の事件から再び二人は再開することになります。 朝廷と幕府の争い、光圀と綱吉との関係、と当時のさまざまな思惑、陰謀に巻き込まれていきます。 そんな中、命を狙われている蔵人は命がけで咲弥の元へ。 二人は再び再開することが出来るのか? そして、その中で語られる蔵人の生きざま。 最後のシーンは熱くなります。 お勧め!
続編の「花や散るらん 」の方を先に読んだので、蔵人と咲弥がずっと離れ離れで、しかも初めの頃は咲弥は蔵人に、かなり塩対応をしていたのは、意外でした。 藩、幕府、朝廷の思惑等、背景が複雑なので、“政争モノ”の色が強いですが、蔵人の咲弥に対する一途な思いがグッときますし、ラストで咲弥の前に満身創痍で蔵人が...続きを読む現われる場面を読んだときに、“ああ、これはラブストーリーだなぁ”としみじみ思いました。 葉室さんは、時々ハッとするほど美しい描写をされるのですが、本書で個人的に好きだったのは、醍醐寺の桜吹雪の中で、蔵人と清厳(右京)が語り合う場面です。美しい情景が目に浮かぶようでした・・。
"花や散る~"を先読みし、誤った順かと思いながらも、、。十二分…"解説にもある"巡りあう夫婦"、葉室純愛ストーリー♪。
葉室さんの本は2冊目。 そのせいか時代背景や人物の説明の把握がなかなか 難しく感じた。 キリシタン。水戸光圀。綱吉。助さん格さんの 「控えぇ」は気持ちがホッとしたけど何度もページを 戻っては確認しつつ読み進めました 蔵人の人となりは読み進めるほど応援したくなる 咲弥の蔵人への思いの変化に嬉しく思う...続きを読む 17年経ちお互いを思う気持ちが絆が強くなり 心が寄り添えて良かった
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
いのちなりけり
新刊情報をお知らせします。
葉室麟
フォロー機能について
「文春文庫」の最新刊一覧へ
「歴史・時代」無料一覧へ
「歴史・時代」ランキングの一覧へ
あおなり道場始末
決戦!大坂城 淀殿編 鳳凰記
秋月記
天翔ける
雨と詩人と落花と
おもかげ橋
オランダ宿の娘
影ぞ恋しき 上
「葉室麟」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲いのちなりけり ページトップヘ