いのちなりけり

いのちなりけり

652円 (税込)

3pt

あのとき桜の下で出会った少年は一体誰だったのか──家同士の因縁がひと組の夫婦を数奇な運命へと導く。“天地に仕える”と次期藩主に衒(てら)いもなく言う好漢・蔵人と“水戸に名花あり”と謳(うた)われた咲弥。二人は夫婦となりながら結ばれぬまま、たった一首の和歌をめぐり、命をかけて再会を期すのだが──。水戸光圀公と将軍綱吉の関係が緊張してゆく時代、思いがけず政争の具となりながら、懸命にそして清々しく生きる武士の姿を描いた力作長篇。

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いのちなりけり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2014年12月17日

    一人の男が、一人の女に応える和歌を見つけるために生きる物語。
    和歌そのものは冒頭に出てくるのだが、そこに至るまでに蔵人がどこに居て、何を考え、何を思い、何をしてきたのかを辿っていくほどに、はじめは何の感慨ももたらさなかった一首が、色彩を帯びてくる。
    交差する思惑、その中に一本通った筋道は、流石、葉室...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年02月01日

    重臣を手討ちにしたところから始まり、水戸黄門てこんな人だった? という興味で惹きつけられた。 一つの和歌を求め続ける佐賀鍋島家のはぐれ剣士の純愛を 綱吉の時世にうまく取り込んで小気味よく展開していく。
    ラストは 一本勝ちですっきりという感じで納得。読後感は 非常に晴れ晴れしたもの。恐れ入りましたと脱...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年02月19日

      願はくは花の下にて春死なんその如月の望月のころ
    この西行法師の和歌は私も好きです。そして

    この物語を読んで
      春ごとに花のさかりはありなめどあひ見むことはいのちなりけり
    詠み人知らずのこの和歌も好きになりました。

    蔵人さんの生き方はその時代にはなかなかはまらない生き方ではなかったかと思いま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年05月12日

    骨太の時代小説で清冽な恋愛小説。余韻。
    蔵人は「天地に仕え、いのちに仕えるのが武士である。いのちに仕えるとは死すべき時に死に、生きるべき時に生きる命を受け止める。」 という武骨な武士。妻咲弥は「これこそ自分の心だと思う歌を教えろ」と迫る。
    読者は、物語の展開よりも登場人物の心理をもっと掘り下げて欲し...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月29日

    読み応えのある作品だった。
    人ではなく天地に仕えるという言葉は、この時代の武士としてはすごく斬新なものだと思う。
    蔵人と咲弥の関係も、長く離れているからこその美学を感じました。
    黄門様のイメージと異なる水戸光圀像は、どちらが本来の姿に近かったのだろうか?

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    Posted by ブクログ 2020年01月02日

    無骨ながら歌を愛する蔵人という主人公には似合わない表紙でびっくり。これでもいいのかと思ったら脳内イメージが吹っ飛んだ。


    ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

    いのちなりけり (上下)

    葉室麟さんの小説には(読んだ限りですが)厳しい時代の中にも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月10日

    面白かった!
    もののふの純愛物語!
    けど、読みにくくて、なかなかページが進まない!(笑)
    登場人物が多く、入れ替わり立ち替わりで、登場人物の名前が読めず、さらに年とともに名前が変わっていくので、人間関係がつかみにくい。
    しかし、その中でも、主人公 雨宮蔵人の生きざまは熱く感じることが出来ました。

    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月12日

    続編の「花や散るらん 」の方を先に読んだので、蔵人と咲弥がずっと離れ離れで、しかも初めの頃は咲弥は蔵人に、かなり塩対応をしていたのは、意外でした。
    藩、幕府、朝廷の思惑等、背景が複雑なので、“政争モノ”の色が強いですが、蔵人の咲弥に対する一途な思いがグッときますし、ラストで咲弥の前に満身創痍で蔵人が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年08月10日

    "花や散る~"を先読みし、誤った順かと思いながらも、、。十二分…"解説にもある"巡りあう夫婦"、葉室純愛ストーリー♪。

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    Posted by ブクログ 2015年04月13日

    葉室さんの本は2冊目。
    そのせいか時代背景や人物の説明の把握がなかなか
    難しく感じた。
    キリシタン。水戸光圀。綱吉。助さん格さんの
    「控えぇ」は気持ちがホッとしたけど何度もページを
    戻っては確認しつつ読み進めました

    蔵人の人となりは読み進めるほど応援したくなる
    咲弥の蔵人への思いの変化に嬉しく思う...続きを読む

    0

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