阿津川辰海の作品一覧
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ユーザーレビュー
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超推し★5 待ってました館四重奏シリーズの第三弾! 交換殺人から始まる館ミステリー #黄土館の殺人
■あらすじ
ある世界的な芸術家を殺害するため、山中に建てられている館に向かっている男がいた。しかし突然地震が発生、土砂崩れが起こってしまい、館への唯一の道が閉ざされてしまったのだ。途方に暮れていたと
...続きを読むころ、土砂の向こうから交換殺人の相談をされて…
一方、大学生になっていた探偵、葛城と田代たちも同じ館に訪れていた。かつての事件で関わりのあった飛鳥井から相談を受けていたのだ。ただ彼らも土砂崩れによって分断されてしまうことに。その後この館では、連続殺人が発生するのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
面白い!超推し★5
現代でオーセンティックな本格ミステリーを書かせたら、もはや日本一といっても過言ではないですね。さすがは阿津川辰海先生、待望の館四重奏シリーズの第三弾、黄土館の殺人です。
いきなり交換殺人ですよ。(大好きな名作を思い出しましたが、タイトルは言えない)この種明かししてどうなるんだろうと思ってましたが、なんと序盤は倒叙ミステリー形式で進行していく。ほんと読み手を惹きつけるのが上手いし、楽しませるのもプロの技です。もちろん後半になって、この前半部分にあるシーンの数々もしっかりと回収されるのもお見事。
黄土館での事件も、今回も様々な不可能犯罪を放り込んでくる。声を大にして言いたいのですが、阿津川先生の作品の魅力は、難解な事件を丁寧にまとめながら進行してくれるところなんです。本格ミステリーはどうしても読み手の推理に負担をかけすぎてしまう。定期的に時系列や問題点を整理してくれており、推理に抜け漏れや間違いがなくて理解しやすいんですよね。
それでも、真相はよくわからんという、この見事なバランスですよ。後半に入ると、なんとなく犯人はあたりがつくのですが、自信をもって説明がつかない。点と点が見えることはあっても、線にならないんですよね。まさに煙にまられるような、楽しみをじっくりと味わえる本格ミステリーです。
また登場人物も魅力たっぷりなんです、特に芸術家一家の面々が秀逸ですね。芸術に関する議論や考え方なんて、もっと聞きたくなるし、人間性もしっかりと伝わってくる。いくらかは殺害されていなくなっちゃうんですが、なんとも惜しい気持ちになっちゃうんですよね~
そして本作メインの謎解き部分の真相なんですが…納得感がエグイ。だからよくわからんかったのか!だからこんな構成になっているのか!読み終わると膝を打ちすぎて痛いくらいでした。今年を代表する本格ミステリーですね、楽しかった!
■ぜっさん推しポイント
本シリーズのもうひとつの読みどころ、名探偵論というテーマ。謎を解くことと解決することの違い。何故、誰の為に、何を目指して謎を解くのかが密に語られているのです。
私は時折、人が殺害されるような本を読んで何が楽しいのかと聞かれることがあります。人道的に非難されるような物語だし、不可能犯罪なんて現実離れしてるし、もっと人生の役に立つ本を読めと。
でも私はミステリーほど知的な読み物はないと思ってるし、人生の学びになることも多く、生きる指針も照らしてくれることもあるんですよね。好きになるっていうことが最大の原動力で、正直に生きるということがその燃料なのでないでしょうか。
Posted by ブクログ
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ミステリー書評
読書レベル 中級
ボリューム 611頁
ストーリー ★★★★★★!
読みやすさ ★★★★★
トリック ★★★
伏線・展開 ★★★★★
知識・教養 ★★★
読後の余韻 ★★★★★
一言感想:
「紅蓮館の殺人」を読んだ方、長編の本格ミステリーが好きな方にオススメの一冊です。
これは良
...続きを読むかった!シリーズ3作目。「紅蓮館の殺人」「蒼海館の殺人」も読みましたが、この作品が一番好きです!ジェットコースターのようなテンポの良さで途中からページを捲る手が止まらなくなりました。
ストーリーは「紅蓮館の殺人」の出来事を前提に進みますので、読んでおいた方が断然面白くなります(逆に「蒼海館の殺人」は読んでなくても十分楽しめます)。
また、令和の十角館の殺人と言っても過言ではない「衝撃的なの一行」に出会えました(笑。
個人的に第1章がかなり自分好み!名探偵の葛城が犯人の心を見透かしたかのように軽快な話術で犯人を追い詰めていく様は最高に面白い!もはや私の大好きな古◯任三郎でした(笑。
Posted by ブクログ
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黄土館に集う才能あふれる一家を襲う大晦日の大地震。そして顔の見えぬ相手から持ちかけられた交換殺人、謎めく閉ざされた館での連続殺人。
コレは面白くないわけない!
阿津川さんの四部作だそうで、これは三冊目。『名探偵』の才能もますます研ぎ澄まされてゆく。
ミステリの愉しみを噛み締めながらも、
元旦に起き
...続きを読むた大地震に思いを馳せる。
ときに、現実は小説以上に人を揺さぶる。
Posted by ブクログ
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探偵物の常識を覆す作品であった。(自分的に)
探偵物なのに、転生というシステム。
主人公である探偵が死ぬ。
などなど、これまでにない要素が面白く素早く読み終わった。
そして切なさも残るこの感覚。
やはり阿久津は人殺しではなかった。
どこか道を間違えただけの優しい人間であった。
Posted by ブクログ
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火災、水害と来て今回は地震に見舞われ、とある館で連続殺人が起こってしまう。また別の場所では交換殺人を持ちかけられた男が殺害計画を練っていき、、実行しようとするが偶然居合わせた名探偵に阻止される。この二つの別の場所で起こった出来事から真犯人を暴いていくストーリーが面白かったし、「なんとなく犯人はこい
...続きを読むつだろうな。」という予想はついたものの、犯人が仕掛けたトリックを論理的に推理していく過程や犯人の隠された動機、それらを踏まえた上で地震による災害により計画通りにいかないことも物語のアクセントになっていて一気読みだった。令和の館シリーズとしてもっと多くの人に読んでもらいたい作品の一つ。
Posted by ブクログ
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