あらすじ
館が沈めば、探偵も、犯人も、全員死ぬ
濁流押し寄せる館の連続殺人。
雨が止むころ、僕らは生きているのか。
☆☆☆
2019年『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)がスマッシュヒットを記録し、
2020年『透明人間は密室に潜む』(光文社)が続々ランクインの26歳による最高傑作!
↓
☆「2021本格ミステリ・ベスト10」(原書房)国内ランキング 第1位
☆「このミステリーがすごい! 2021年度版」(宝島社)国内編 第2位
☆「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)第2位
☆「ミステリが読みたい! 2021年度版」(ハヤカワミステリマガジン)国内篇 第3位
☆☆☆
学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、僕はY村の青海館を訪れた。
政治家の父と学者の母、弁護士にモデル。
名士ばかりの葛城の家族に明るく歓待され夜を迎えるが、
激しい雨が降り続くなか、連続殺人の幕が上がる。
刻々とせまる洪水、増える死体、過去に囚われたままの名探偵、それでも――夜は明ける。
新鋭の最高到達地点はここに、精美にして極上の本格ミステリ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作より面白い。
ストーリーは別だが、前作の気持ちを引きずったスタートでホームズとワトソン解散かなというところから始まる。
葛城が学校に戻ってこないことを心配した田代が、葛城の家に行く。そこで葛城家のゴタゴタ、水害に巻き込まれる。
葛城の推理力は血筋のようで家族全員が頭がキレる。
蜘蛛と呼ばれる黒幕が、各々を疑うように、家族を守る為偽造するように考え込まれた殺人だった。
葛城も田代も若干の悪事をはたらいているが、彼らの絆が深まった。
前作より、ここから謎解きです!としっかり区切られていて分かりやすく読みやすかった。
面白かった!!
前作を読んで面白かったので買いましたが
前作よりも好みでした!
クローズドサークル、登場人物全員が胡散臭い。
どんでん返しの連続。
続巻も買ったのですぐ読みます!
Posted by ブクログ
前作「紅蓮館の殺人」の事件後、心に深い傷を負って実家に引きこもってしまった高校生探偵の葛城を追って助手で友人の田所は葛城家の通称「蒼海館」を訪ねる。葛城曰く嘘つきだらけの華麗なる葛城一族のお歴々、前当主の不審な死、それを嗅ぎ回る葛城の姉の元彼。激しさを増す雨。果たして上流のダムは決壊し、館では凄惨な殺人事件が起こる。
前作ではわかりにくかった状況描写が格段に改善され、中盤で復活した名探偵による拗れた葛城家の確執を解きほどく「ホームドラマ」は怒涛の伏線回収。
登場人物に捨てキャラがおらず全員に満遍なく役割(と同時に事件をややこしくする要らん事しい)があるのが良い。何が凄いって主人公サイドの葛城や田所ですら余計なことをやらかしている。
佳境になって某人物の素性が判明したことで真犯人は分かったがその対決と決着もまた見事。王道ドストレートな本格モノを堪能。
Posted by ブクログ
全員嘘つきの殺人事件。
嘘つき一族という前情報を持った上でいざ一族と対面をして疑ってかかるからこそ全てが怪しく見える。なのに何が嘘なのかが分からない。
形を得ない何がドス黒い空気が蔓延する中で信じられるのは自分たちだけなんて空間、人間不信すぎます笑
絵に描いたような仲良し家族を演じる気持ちの悪さや、気を抜くと信じてしまうような言葉巧みな人間力をそれぞれ作り上げられる人物設定がすごいです。
そして挫折した名探偵は一体いつ復活するのか…半分くらいまで話が進んできて、謎解き今から追いつけるのか?とハラハラしてしまいました!今回の田所くんの大事さがよくわかります。
謎が明かされた時、裏の裏の裏を読んでいく心理戦と複雑に複雑を重ねた罠の構成には田所くんと一緒に頭を抱えて叫びたくなりました!!
解決したと思ったら全てをひっくり返されて、しかもそれはまた違う可能性を見出し、また前提をひっくり返さなくてはいけない慌ただしさ。しかも洪水でタイムリミットがある。
前作以上に複雑さが絡み合ってあらゆうミステリーの要素を詰めに詰めに詰めた、ほんとに人間ですか?となんか言いたくなる素晴らしさです。
しかもちゃんと読者にわかりやすいように行動を整理してくれるから余計に頭にスッと入る。
私もそこいた1人のように謎が明かされた時にはドキドキしました!
永遠にシリーズ化してほしい。笑
文庫にしては分厚いはずなのにこんなにも一瞬で読めるのが不思議です。
Posted by ブクログ
前作も面白かったですが今作も相変わらず面白い!
お話はつながっていますが前作の紅蓮館を読んでなくても分かるのでとりあえず読んでみたい!という方はこちらからスタートでもあり。
探偵役がいてホームズ役がいて、クローズドサークルで、とにかくTHEミステリー!という感じ。
冒頭の書き出しにクライマックスを持ってくるなんて、、、一気読みするしかないじゃないですか!笑
途中の展開には本当にびっくりして一度本を閉じてしまいました笑
前作からの期待を裏切らない面白い小説でした。
久々にうわー、面白かった!!と思ったミステリーです。
他の作品も読んでみよう♪
Posted by ブクログ
分厚いので読むのを躊躇っていた。最近分厚い本こそ面白いんじゃないかと思う。
前作は必ず読んでからのが良き。
今回も騙されましたね。巧妙なトリックに拍手ものです。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
前作で傷ついた探偵と助手がどのように復活するのか。
目の前で起こる事件と背後で起こる災害の緊迫感。
ボリュームがあったが、その分満足いく作品。
Posted by ブクログ
長かったけど、読み始めると引き込まれてあっという間。前回の事件を引きずる葛城と、そんな葛城を心配する田所。閉じこもったままの葛城にヤキモキしながら、最後まで犯人が分からず真相には驚き。今回でまた2人の絆が深まったので次回作はどんな風になるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
電子書籍だと厚さがわからないのですが、ボリュームや緻密に練られた展開で読み応えがありました!
ミステリー作家って本作の犯人のような思考がありそう。しっかり踊らされました。
主人公コンビのもどかしいというか青臭さも健在で、もう狙っているのかなと。
Posted by ブクログ
「紅蓮館の殺人」の続編。
学校に来なくなった名探偵葛城に会うために、葛城の住む青海館へ。そこには政治家の父、物理学者の母、警官の兄、モデルの姉、弁護士の叔父など名士ばかりの葛城一族が顔を揃えていた。
台風の接近による激しい雨により、河川は氾濫し、青海館は孤立。徐々に水位も増していく中、連続殺人の幕が上がる。
葛城一族は誰もが嘘をついている・・・
といったあらすじ。
台風により出来上がるクローズドサークル。顔の無い死体。他殺なのか、自殺なのか。登場人物の誰もが嘘をついている。
ミステリー好きにはたまらない設定ですね。
しかし、所々に都合が良過ぎてツッコみたくなる所や名探偵の中二病満載の推理披露などがありましたが、それを踏まえても面白いミステリーでした。
「透明な悪意」
作中で出てくる言葉ですが、まさにこの一言が、この物語を表していると思いました。
自分で選んだ道だと信じて進んだとしても、もしかしたらその選択は誰かからいざなわれているのかもしれない・・・
Posted by ブクログ
シリーズ第1作の「紅蓮館の殺人」はちょっといろいろ詰め込みすぎなミステリだなと感じていたのだけど、本作を読んで、その詰め込み感が狙いなのだと理解しました。なんだか癖になる本格ミステリです。
Posted by ブクログ
阿津川辰海の館シリーズ4部作2つ目!
絶対に1作目から読むこと!
以上!!
最初★3くらいの満足度だったんですけど
推理の過程は明らかにこの作品のが上ですね
再読で評価上がりました
Posted by ブクログ
今回もボリューム満点、読み応え抜群の作品です。
前作と異なり、今作の舞台は葛城家の別邸、そして犯人は葛城家の中にいるかもしれないという、手に汗握るストーリー。
若者たちの青臭い葛藤も、読んでいて懐かしく感じる部分もありました。
それにしても「館」、それも孤島や山中奥深いところに行ってはいけない。
Posted by ブクログ
●蜘蛛といい認知症の祖母といい、京極夏彦の絡新婦の理に影響を受けている今作。絡新婦は蜘蛛の存在を感知しつつもそれを止められずどんどん人が死んでいくドキドキがあったが、こちらは既に全員死んだ後に蜘蛛というワードが出て来たのでイマイチ入り込めなかった。蜘蛛すごい蜘蛛すごいと言われても入り込み難い。絡新婦の理を読んでいなかったらドキドキできたかも?
○爆弾と避難民のトリックは特に良かった。
●一方で、探偵の都合のいい解釈がちらほらあったの、そこはもう少し詰めて欲しかった。誘導する際のシリンジの赤い線の発言は言い方に違和感があるし、あげたスマフォなのだから付いていて当然の指紋をわざわざ拭いたり、序盤から夏雄がしょっちゅう訴えていたのだから早々に夏雄を詰めればもっと早く真相に辿りつけた、等へのフォローが欲しかった。
〇誰が喋っているのかわからず読みにくい箇所がちょくちょくあった。
〇ページ数は多いけど、テンポ良くスムーズに話が進んでいくので苦痛はほぼ感じなかった。
●入れ替わりトリックはなぁ。現場にいる人達が小柄な体型を見て正と判定していただろうに、シークレットブーツが急に出てきたのはずるい。事前に何の手掛かりもなかったよね。
〇ラノベという意見もちらほら。自分もラノベは好きではなく、実際に高校生組は年相応のキャラだからかラノベ風なっていたけど、作品全体は文章がきっちりしていたのでラノベには感じなかった。高校生が主役だとどうしてもラノベっぽくなりそう。探偵論を熱く語るシリーズでは尚更。
〇おばあちゃんの赤い箱の話は悲しい…(´; ω ;`)
●私はトリック重視なので、犯人の動機が蜘蛛蜘蛛と持ち上げる割には地味だったけど、そこまで気にならず。紅蓮館は未読だったので、そちらのネタバレが作中に大いにあったのが残念だった。紅蓮館のネタバレがないと話が進まないのなら仕方ないけど、核心には触れずに「酷い事があったんですよ~」くらいでも問題なかった気はするが、シリーズ物なら1から読まない私が悪いのはその通り。
☆総評
面白かった。星3.7くらい。ちなみに絡新婦の理は星5や!
Posted by ブクログ
前作より面白い。あの死体が出た時点でトリックは予想できたけど、相変わらずのディザスター系ミステリは面白い。前作から引き続き探偵とは、のテーマだが答えが出て覚醒する様は気持ちいい。
Posted by ブクログ
最初にまず書きたいのが、前作の感想でも書いてしまった学校の様子が、ここできちんと少し書かれていたということ!一応すっきりできました。
楽しく読めました。
定番かなと思うと覆され、それも覆され、そして覆されて…、こういう推理小説好きだな。
Posted by ブクログ
葛城くんと田所くんは悲惨な事件に遭いすぎ!三谷くんが可哀想 笑
何となく犯人はわかっていたけれども、中々狡猾な犯人だこと…。ネチネチ系や、絶対…。
こんな人がこの仕事なんて嫌だよ〜
Posted by ブクログ
ケンカで揉めてるのがつらかった〜
立ち直ったあとの豹変ぶり(僕を物語にするな→ノリノリの芝居がかった台詞)がちょっとついてけないよってなった
Posted by ブクログ
黄土館を先に読んでしまったため、順番が交錯してしまった。
が、それはあまり問題ではなかった。
皿泥棒の通り道の話や、水害によるクローズド・サークルなど、作者の特徴が色濃く出ていた。
正犯人説は終盤から見えてきた。
そういう点ではあまり驚きはなかったかもしれない。
シリーズ物として読むにはちょうどよい作品であった。
Posted by ブクログ
いろんな意味で途中辛かったなぁ。
罪の告白、大切な人のための嘘、隠し通す事の愛、いろんな事が交差する、最後の真実は読み応えあり。
現実では、発しない発言や行動はみられつつも、そういうのも含めて良かったかも。
次回作の2人の成長に期待が高まる。
Posted by ブクログ
いや、お前さん、自分を犯人扱いしたヤツらとよく仲良くできるなぁ
と。
途中、語り手が変わったりしてやや混乱する。
仕掛けはなかなか複雑。時系列でまとめらているが、考えだすと疲れる複雑さ。
犯人は予想と違ってたし、意外だった。
本シリーズの根幹をなすテーマなのかもしれないが
相変わらず探偵探偵としつこい。
こっちが恥ずかしくなる(笑)
前作より面白かった。
一番興奮したのは洞窟探検?洞穴に入るシーン。
Posted by ブクログ
初読みの作家さんです。
シリーズ物とは知らず読みましたが充分、満足できました。
いっ時、流行ったメンタリストDAIGOを思い出して、人間をここまでコントロールできるのかと感心と恐さを感じました。
探偵葛城が短い時間でここまで推理できたのは相手が家族だったからですかね。
他の作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
● 感想
紅蓮館の殺人の続編。紅蓮館の殺人では、山火事という極限状態で事件が発生したが、今回は、大雨、水害という極限状態で事件が起こる。
事件は4つ。1つ目の事件は2か月ほど前に亡くなった葛城惣太郎は自然死だったのか、毒殺だったのかというもの。2つ目の事件以降は、本作の視点人物である田所が蒼海館に着いてから起こる。葛城正(と思われる人物)が散弾銃で撃たれる事件、黒田という家庭教師の失踪、坂口という記者の死である。
これらを1つずつ分析すると以下のとおり
● 惣太郎殺し
葛城正と黒田による毒殺。ただし、この毒殺を坂口に気付かれ、揺すられる。
● 葛城正と思われた黒田殺し
葛城正による操りにより、田所が暗くした部屋で由美が散弾銃により射殺
● 黒田の失踪
葛城正と誤認する方法で由美に射殺されている。
● 坂口殺し
黒田による殺害。ただし、葛城正が共犯
黒田は爆弾の提供者であり、替え玉でもあるため、葛城正による一連の犯行の要となる人物でもある。
以上のように、この物語の真相は、影で事件全体を支配している黒幕=蜘蛛と呼ばれる存在がいる。
その蜘蛛が、葛城輝義を探偵とした警察官であり、輝義が尊敬する兄、葛城正。文庫本にして631頁。字も小さめで非常に分量が多いこの作品の第1部や第2部に、葛城正が黒幕であるということを示す伏線が示されている。
第1部、第2部は事件そのものと、葛城正が黒幕である伏線が仕込まれている。
第3部、第4部が起承転結でいう転であり、食器泥棒の家族を救うことで、葛城輝義が、探偵として立ち直る。併せて、田所が事件の葛城正殺しのきっかけを作ったのではないかというミスディレクションが仕込まれる。
第5部による対話が捜査。葛城正こそが黒幕ではないかといことについて、葛城輝義が裏付けをそろえていく。そして、第6部で真相が示される。
トリックそのものはさほどではないが、葛城正こそが黒幕で、そこかしこに自分が考える殺人が発生するような仕掛けを配置するという、言ってみれば、葛城正によるプロバビリティの犯罪ともとれる展開。これに、黒田と葛城正の入れ替えトリックを混ぜ込んでいる。枯れた技術の水平思考というわけではないが、使い古されたトリック・プロットを上手く再配置しているという印象
そのことに気付かせないようにするため、全体的に冗長な作りになっている点は否めない。黒田を葛城正だと誤信させるという死体入れ替えトリックは、水害により証拠が流され、警察が関与しないという前提のものであり、全体的に作り物めいた雰囲気も感じる。
リアリティに欠ける、作り物めいた「名探偵」モノ。ひと昔前の「新本格」的なミステリである。そういうものが好きな人なら楽しめる。
個人的には、こういう作品は嫌いではない。驚愕の真相というほどではないが、「いい人」と思われ、死んだと思われていた葛城正の印象が一変するのは意外性もある。
冗長に感じる点はマイナスだが、好みの作風であることを踏まえ、得点としては★4ギリギリとしたい。
● メモ
● 犯人→葛城正。葛城輝義の兄で警察官
● 事件
1→病死したとされていた惣太郎は殺害されたのか。
2→正と思われる人物の殺害
3→黒田の失踪
4→坂口殺し
● 第1部 Y村へ
● 田所と三谷はY村の葛城輝義のもとへ行く。
● 葛城家の様子。できすぎたホームドラマを見るような雰囲気
● 惣太郎の死。坂口が襲われる。田所の兄である梓月は葛城家の主治医
● 葛城正と思われる人物の死体
● 第2部 葛城家の人々
● 惣太郎の徘徊。蜘蛛の存在
● 正と思われる人物の死体
● 正は惣太郎を殺し自殺したのか、坂口と間違えて殺されたのか。健治朗の推理
● ノブ子を、家名を守るために、外部の者を犯人にしようと一枚岩になる(第一段階)。
● 水害に備えた準備
● 第3部 沈みゆく村へ
ユウトの両親は食器泥棒だった。葛城が泥棒であるユウトの両親を助け、立ち直る。
● 第4部 夜の出来事
● 葛城を探偵に戻すために、事件を起こそうとして田所が工作をする。その回想と次への展開
● 第5部 対話
● 璃々江とミチル→坂口を襲ったのはミチル
● ノブ子と由美 →赤いケースを隠したのはノブ子。中には注射器のシリンジがあった。
第2段階、犯人が用意した真実
正は、惣太郎を殺害し、自殺。正は黒田に変装していた。実行犯は由美
● 田所と梓月→梓月は、惣太郎に輸入した薬を渡していた。誰かがその薬(注射器のシリンジ)に、毒を混入させた可能性はある。
● 夏雄と広臣→惣太郎の部屋の隠し通路の発見。ユウト家族が食器泥棒。黒田はアンプルに触れていた。
● 健治朗→黒田は惣太郎の孫。坂口のネタ。坂口と黒田は相打ち殺人?
● オオカミが歩いてきた。歩いてきた人物が蜘蛛
● 蜘蛛の計画
● 第1段階→ノブ子に疑いがかかり、家族が一枚岩になること。
● 第2段階→誤解が解かれた後の情報収集
電球を緩め、養生テープを貼ったのは田所。「蜘蛛」=正は田所を操った。
正の計画を暴いたのは、靴に入った硝子片。ここから、正と思われていた死体が黒田であり、正は避難者として舞い戻っていたこと、正が硝子片を靴から出したことを導いた。
死体から顔を奪ったのは、実行犯である由美ですら、誰を殺したのか分からなくするため
● この事件は全て正の計画どおり。正の計画の駒にされていた。
● 互いを疑うように仕向け、身動きを取れなくすれば、真実から遠ざけることができる。
● 正は、気付かれても気付かれなくてもよいレベルの仕組みを多数用意していた。
● 正にとって、黒田は爆弾の提供者でもあり、替え玉でもある事件の要となる存在
● 物語のいたるところに、正の言葉、関与がある。これは伏線でもある。
● 正と輝義の対決。スマートフォンのロックを解かせ、水害を避けるための爆弾のスイッチを手に入れる。
Posted by ブクログ
序盤の名探偵には少しイラッとしたけど、復活してからはキレキレでスカッとした。
前作を読んでいなかったけど特に問題なく読めた。
犯人の豹変ぶりがすごい。
序盤の優しさはどこへ…泣
Posted by ブクログ
館シリーズの第二弾。紅蓮館の内容をすっかり忘れていたのもあって、前半はペースはかなり鈍くなった。ちょっと田所に着いていけないという感じで進む。葛城が復活してからはペースは上がったものの、ちょっと青いかなという感じがしてしまったのは、自分が年を取ったせいだろう。
Posted by ブクログ
父親に似てると言われた事はあるけど、隔世遺伝で祖父に似ていると言うのは流石に無いんじゃないかとw
相変わらず顔の無い死体が犯人なのは今作も同じで
食傷気味に感じたのも事実だった
Posted by ブクログ
前回は館が火に包まれそうで大騒ぎだったけど、今回は館が水に飲まれそうになってる。可哀想な助手くんだな〜。
本の分厚さに読むのを躊躇しちゃうけど、意外とサクサク読めた。傷心中引きこもり系探偵にはイラッとするけど三谷君の明るさに救われる。
Posted by ブクログ
前巻よりはまだ面白く読めた。拗らせ男子高校生2人の「探偵」追求物語と割り切ると、くどい程迂遠な文章もあり得ない状況も受け入れられる。迫り来る水害の恐怖に怯えながらも、殺人事件解決に向けて無気力状態の葛城の尻を叩こうともがく田所。この真相なら無理矢理館に閉じ込めなくてもいいのでは。黒幕も序盤から仄めかされていたし、人物描写も浅い。館ものクローズドサークルミステリー書きたいんです!と声高に主張され続ける感覚。10〜20代なら楽しめただろうか。
Posted by ブクログ
実家に引きこもっている葛城輝義に会うために、友人の田所信哉は山奥にある葛城の実家「蒼海館」を訪れる。葛城家は政治家、トップモデル、大学教授、弁護士などハイクラスの家族が揃った“華麗なる一族”だった。台風が迫り、田所らが「蒼海館」に泊まることになった夜、事件が起きる…
オーソドックスなクローズドサークルにおけるフーダニットものの本格ミステリ。
前作「紅蓮館の殺人」では炎が迫る状況だったが、今回は水。殺人事件が起きる中、水害によって水位が上がりじわじわと迫ってくる。サスペンス性は、前作を凌ぐ。
悩める探偵が挫折から復活してからの展開が本書の真骨頂で、ぐいぐい読ませる。〈蜘蛛〉と呼ばれる犯人によって複雑に絡み合ってもつれていた糸が、探偵に徐々に紐解かれていく謎解きは、伏線回収もあって面白い。〈蜘蛛〉の意外性はあるし、それを生み出すミスリードも抜かりない。
しかしながら、〈蜘蛛〉の企てがあまりにも複雑で偶然に頼りすぎていて、そんなに思惑通りに都合良く事は進まないのでは?と訝しんでしまい、素直に驚けなかったのが正直な感想。全て暴かれた後のキャラ変にもちょっと興醒め。
…と一部内容への不満はあるものの、各章の頭に過去の名作のセリフを載せるなど本格ミステリ愛を感じるし、特殊設定ミステリが蔓延る昨今において、オーソドックスな本格でこの畳み掛ける構成力は凄い。
《館四重奏》シリーズは、来月(24年2月)に第3作「黄土館の殺人」が刊行される予定。要チェック!
週刊文春ミステリーベスト10 8位
このミステリーがすごい! 5位
本格ミステリ・ベスト10 2位
SRの会ミステリーベスト10 6位
ミステリが読みたい! 4位
リアルサウンド認定国内ミステリーベスト10 7位
《館四重奏》シリーズ
1.紅蓮館の殺人
2.蒼海館の殺人
3.黄土館の殺人