文春文庫作品一覧
-
4.4戦後12年目にシベリア帰還者から遺族に届いた6通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。 敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕らわれ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を敬慕する仲間たちの驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかいくぐったものだった。悪名高き強制収容所(ラーゲリ)に屈しなかった男たちのしたたかな知性と人間性を発掘した感動の傑作。第11回講談社ノンフィクション賞(1989年)、第21回大宅壮一ノンフィクション賞(1990年)を受賞。 解説・吉岡忍
-
3.5花火合戦に挑んだ酔っ払いの末路とは―― 新たなる黄金時代を迎えた「恐怖の帝王」が短編小説の才能をみせつける短編集その2。 滅びゆく世界を静かに見つめる二人の男と一匹の犬――悲しみに満ちた風景を美しく描く表題作。 湖の向こうの一家との花火合戦が行きつくとんでもない事態を描く「酔いどれ花火」。 架空の死亡記事を書くと書かれた人が死ぬ怪現象に悩まされる記者の物語「死亡記事」他、 黒い笑い、透明な悲しみ、不安にみちたイヤミス、奇想が炸裂するホラ話、そしてもちろん化け物も! バラエティあふれる10編を収録。帝王自身による舞台裏の解説も楽しい短編集その2。
-
4.2
-
4.4
-
3.8
-
3.8ついに読める! 火村英生 幻の事件 都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。 死体にはなぜか砂が撒かれていて……。 奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、 これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、 〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に! すべて単行本未収録。 江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。 【目次】 女か猫か(☆) 推理研VSパズル研(☆) ミステリ作家とその弟子 海より深い川(★) 砂男(★) 小さな謎、解きます ☆……江神二郎シリーズ ★……火村英生シリーズ
-
3.8
-
3.0
-
4.0気鋭の現代美術家が描く、美大青春物語! カオス化した美大の学園祭で、田舎出の藝大志望の青年は浪人生活を振り返る。心を打つ表現とは。揺れ動く青年期を鮮明に描いた傑作。 佐渡出身で藝大志望の僕は多摩美の学園祭を訪れ、カオス化した打ち上げに参加する。酒を飲み、芸術論を戦わせる中、僕は浪人生活を見つめ直す。表面的なテクニック重視の受験絵画は、個性や自由といった芸術の理想とはかけ離れていた。真に人の心を揺さぶる表現とは。気鋭の現代美術家が、揺れ動く青年期を鮮明に描いた傑作小説。 ※この電子書籍は2020年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.92025年、NHK大河ドラマは「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。 その主人公である江戸の出版プロデューサー・蔦屋重三郎の波瀾万丈人生を描く、傑作歴史長編小説! 寄る年波には勝てず、店仕舞いしようとしていた地本問屋・丸屋小兵衛のもとを、才気迸る若い男が訪ねてくる。この店に毎年二十両払うから、雇われ人となって自分を手伝ってほしい、という申し出に面食らう小兵衛。 「一緒にやりませんか。もう一度この世間をひっくり返しましょうよ」 その男こそ、吉原随一の本屋、飛ぶ鳥を落とす勢いの蔦屋重三郎だった――。 飲むときはとことん飲み、遊ぶときはとことん遊ぶ。商売の波に軽々と乗り、つねに新しいものを作りたい、と意気込む重三郎。重三郎の周りには、太田南畝、朋誠堂喜三二、山東京伝、恋川春町ら売れっ子戯作者や狂歌師が出入りするが、腐れ縁の絵師・喜多川歌麿には、特別な感情をもっている。 やがて松平定信による文武奨励政治が始まると、時代の流れは予期せぬ方向へ――。 蔦屋重三郎の型破りの半生を、父親ほども年が離れた小兵衛を通して描く。最強バディが江戸の街を闊歩する、極上エンターテインメント小説。 単行本を大幅に改稿し、著者によるあとがき「文庫化までの長い言い訳」を特別収録。 単行本 2014年4月 学研パブリッシング刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 ※この電子書籍は、文春文庫版を底本としています。
-
5.0激震が走った話題のベストセラー 憂国の研究者グループが、慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などを実証的研究に基づき検証。韓国に蔓延する「嘘の歴史」を指摘する。 目次 日本語版序文 はじめに プロローグ 嘘の国 ●第1部 種族主義の記憶 1 荒唐無稽『アリラン』 2 片手にピストルを、もう片方に測量器を 3 食糧を収奪したって? 4 日本の植民地支配の方式 5 「強制動員」の神話 6 果たして「強制労働」「奴隷労働」だったのか? 7 朝鮮人の賃金差別の虚構性 8 陸軍特別志願兵、彼らは誰なのか! 9 もともと請求するものなどなかった――請求権協定の真実 10 厚顔無恥で愚かな韓日会談決死反対 ●第2部 種族主義の象徴と幻想 11 白頭山神話の内幕 12 独島、反日種族主義の最高象徴 13 鉄杭神話の真実 14 旧総督府庁舎の解体――大韓民国の歴史を消す 15 親日清算という詐欺劇 16 ネバー・エンディング・ストーリー 「賠償!賠償!賠償!」 17 反日種族主義の神学 ●第3部 種族主義の牙城、慰安婦 18 我々の中の慰安婦 19 公娼制の成立と文化 20 日本軍慰安婦問題の真実 21 解放後の四十余年間、慰安婦問題は存在しなかった 22 韓日関係が破綻するまで エピローグ 反日種族主義の報い 解説 「反日種族主義」が問いかける憂国 久保田るり子(産経新聞編集委員) 文庫版付記 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.0公教育を問う衝撃のルポ 『ごんぎつね』の葬儀では、死体を煮ていた!? 物語を読み解けない子どもが増えている。公教育で子どもたちは言葉を取り戻せるのか。 単行本 2022年7月 文藝春秋刊 文庫版 2025年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.3中堅商社のマニラ事務所長小寺は本社の要請で未経験のラワン材取引きに手を染めた。しかし現地の人々との信頼の上にビジネスを進めようとする彼の前に、厳しい現実が次々とたちはだかってくる……。炎熱の地で困難な国際ビジネスに情熱を燃やす男たち。しかもそこは戦争の傷跡を色濃く残す地であった。第二次大戦当時の日本軍とフィリッピン人との関わり合いを一方に、現代の国際商戦をもう一方に置いて語る巧みな展開と、壮大なスケールで描きあげられた直木賞受賞作品。
-
4.1映画化もされた第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の多田と行天が帰ってきた!相変わらず、汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も引き受ける多田便利軒。ルルとハイシー、星良一、岡老人、田村由良ら、お馴染みの愉快な奴らも健在。多田・行天の物語とともに、曾根田のばあちゃんの若き日のロマンス「思い出の銀幕」や岡老人の細君の視点で描く「岡夫人は観察する」など、脇役たちが主人公となるスピンアウトストーリーを収録。 ※この電子書籍は、2012年10月に文藝春秋より刊行された電子書籍の表紙を変更したもので、内容に変更はありません
-
5.0直木賞を愛してやまぬ著者が贈る“直木賞のすべて” 選考委員がふたりしか来ない選考会? 選考基準どころか賞の対象範囲も定かではない!? あなたの知らない直木賞の真実がここに。 芥川賞と並び称されるも、大衆文学・エンタメ小説が対象の直木賞はいつもオマケ扱い、 その時々の選考会でブレまくる選考基準、山本周五郎賞や 「このミステリーがすごい!」、本屋大賞など次々とライバルが出現! 波乱万丈の直木賞の歴史を、人気サイト「直木賞のすべて」を運営する 著者が描く、人間臭さ全開のドキュメント。
-
4.2
-
3.8
-
4.6web発、シリーズ累計50万部突破! すべての「凝り性」の人、必読の大人気コミックエッセイ、待望の文庫化。 「腐女子」とはボーイズラブを好むオタク女子を指す言葉。そんな「腐女子」を自認する女子大生つづ井さんと、愉快な仲間たちの、楽しさの限界突破の日常をつづった“絵日記”ともいえる「つづ井さん」シリーズは、趣味を全力で楽しむ姿が共感を呼び、ツイッターのフォロワー数も29万7000人と、熱い支持を集めています。 電車内で見かけた腐女子に共感したり、BLと幽霊体験のせめぎあいを経験したり、「彼氏がいそうなクリスマス選手権」を開催したり……。 オタク、腐女子といった“属性”に限らず、なにかにハマったことがある人、いわゆる「推し」がいる人、そして友達の存在に救われたことがある人――「凝り性」である自分を楽しめる、そしてそんな人たちの楽しそうな姿を見たい、そんな人にピッタリの一冊。 文庫版まえがき・あとがきも描きおろし。「腐女子のつづ井さん」シリーズを一冊で読める決定版の登場です。
-
4.1
-
3.8変態リストラ部長にこの世の地獄を! 会社を食い物にする極悪人に、ボランティア仕置き人が鉄槌を下す痛快エンターテインメント。 業界大手のパシフィック電器は、人事部労務担当部長の江間を中心に大規模なリストラを進行中。江間の極悪な追い込みに、ついに自殺者が出てしまう。 クビ切りを押しつけられた課長代理の大岡は耐えかねて、三国が代表を務めるNPOで、「プロボノ」として社会貢献活動をすることに救いを求める。 江間の悪辣な行状を知った三国は義憤にかられ、江間を「嵌める」べくハニートラップを仕掛けた。しかしこれは、三国が仕掛けた罠の序章にすぎなかった……。 「ぷろぼの」とは、「公共の利益のために(pro bono publico プロボノ プーブリコ)」という意味のラテン語。 解説・村上貴史 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.3読売、日経、ヤフー、波乱のメディア三国志! 大幅加筆400字70枚でここに完結! インターネット上で巨大化しているプラットフォーマーたちに、今日の競争政策はうまく機能していないとして、独占禁止法の強化を主張する思潮が全世界を覆う。日本に独自に成立しているプラットフォーマー、ヤフーにも公正取引委員会のメスが入ることになる。だが果たして新聞の凋落はプラットフォーマーだけのせいなのか? 著者は、日経、読売、ヤフーの三社のみならず、ニューヨーク・タイムズ、英エコノミスト誌から鳥取のローカルメディアにいたるまでを、丹念に調査し、「持続可能なメディアとは何か」を、30年にわたるメディアの興廃史の中から掘りさげていく。 文庫書き下ろし新章 新聞VS・プラットフォーマー 大きくなりすぎたヤフーに対して公正取引委員会のメスが入る。「国境なき記者団」にネットの言論空間正常化のためのシステムを依頼された村井純は、読売の山口寿一に会う。 ※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.4――彼女のはなしは信じるな。 2019年度コニャック・ミステリ大賞受賞、 幾重もの罠を張り巡らせた真のサイコ・ミステリー。 祖母の訃報を受け、彼女は孤島に渡った。終戦直後に祖母とここで働き始めた者たちだけが住む島。本土への船が来る日までを島で過ごす彼女は、やがてこの島に漂う不吉な影に気づきはじめる。ここには何か忌まわしい過去がある。そして若き日の祖母の手記にも謎の「魔王」の影が……。 島で行われていたというナチスの実験。 この島に逗留し、やがて海で死んだ子供たち。 何かを封じた開かずの扉。 すべての核心となる「サンドリーヌの避難所」事件。 積み重なる謎。高まりゆく不安と恐怖。 誰かが誰かを欺こうとしている。 誰が誰を欺こうとしているのか? いったい何が真実なのか? 読めば読むほど深まる謎また謎。曲折しながら突進する行先不明のストーリー。反則スレスレの大驚愕。――この種の不敵なミステリーの名産地といえばフランス。そこから新たな鬼才が登場しました。不吉なイメージの乱舞と恐ろしい出来事の連打の中に編み込まれた幾重もの罠! 『その女アレックス』のルメートル、『黒い睡蓮』のビュッシ、『パリのアパルトマン』のミュッソに続くフランスの刺客、ジェローム・ルブリ。その大胆不敵な怪技をご体験ください。
-
3.7あなたの脳は「6つの錯覚」に支配されている ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。 「えひめ丸」を沈没させた潜水艦の艦長は、なぜ“見た”はずの船を見落としたのか。ヒラリー・クリントンはなぜありもしない戦場体験を語ったのか。――日常の錯覚が引き起こす、記憶のウソや認知の歪みをハーバードの俊才が科学実験で徹底検証。サブリミナル効果、モーツァルト効果の陥穽まで暴いた脳科学の通説を覆す衝撃の書! 解説・成毛眞 単行本 2011年2月 文藝春秋刊 文庫版 2014年8月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
3.9累計120万を突破した「もぐら」シリーズを手掛ける矢月秀作さんによる、最新長篇! 本作の主人公は司法書士事務所のしがない見習い桜田哲。 桜田はかつて最強の取り立て屋として裏社会で恐れられる存在だった。しかし、現在の上司である尾見と出会ったことで改心し、そのもとで以前の仕事を隠し働いているのであった。 ある日、尾見司法書士事務所には、不動産会社を運営する大口顧客である木下義人より遺言書の預かり証の保管を依頼が舞い込む。しかも木下の要望により、預かり証は桜田が個人で保管することになってしまった。 そんな桜田のもとには、木下の遺言書の内容を探るべく、木下の親族が暴力団やかつてのギャングを送りこんできて…。 そして、いざ戦闘になり、頭に血が昇ると圧倒的な凶暴性を発動してしまう桜田だが…。 預かり証を守り切ることができるのか、そして遺言書にはいったい何が書かれているのか。 一つの遺言書を巡り段々と明らかになる、不動産グループの創業一族が抱える闇も露見し、物語は急展開を見せていきます。 圧倒的バイオレンスアクションが開幕!!!
-
3.8スーパーの保安責任者の男と万引き犯の女。偶然の出会いは神の思し召しか、悪魔の罠か? ミステリーの限界を超えた“現代の神話” スーパーの保安責任者・平田誠は、ある日、店で万引きを働いた末永ますみを捕まえた。いつもは情け容赦なく警察へ引き渡す平田だったが、免許証の生年月日を見て気が変わった。昭和60年生まれ。それは平田にとって特別な意味があった。平田はますみを見逃すことにした。これがきっかけで二人に交流が生まれ、やがて平田は己の身の上をますみに語り始める――。 偶然の出会いは神の思し召しか、悪魔の罠か? 二人を結ぶ運命の糸は、思いもよらない結末へと繋がっていた!トリックなし。しかし、ラストで世界が反転する! “絶望”と“救済”のミステリー。 解説・榎本正樹
-
3.6二人が迎えた結末は、1ページ目で明かされる。恋愛を超えた、究極の感情を描く問題作! 理系の大学院を出、メーカーで働いていた31歳の瀧羽直子は、同僚に誘われて初めてライブに参加したその日、ロックバンド「ゴライアス」のボーカル、伶也と出会った。 伶也は彼女の全てとなり、持てるお金、時間のすべてを注ぎ込み、スターダムにのし上がっていく伶也を見守り続ける直子。行きつく先は天国なのか、地獄なのか? 失われていく若さ、変わっていく家族や友人たち……。四十年後、彼女に残ったものは一体なんだったのか。 71歳で伶也とともに餓死するまで、彼のためにすべてをなげうった直子の狂おしいほどの愛と献身の生涯を描く。「別册文藝春秋」連載時より異例の人気を誇った傑作長編。 解説:豊崎由美
-
4.1
-
4.0
-
4.1あの真っ暗闇の奥から、何かが私を凝っと覗いている! ホラーミステリーの旗手による新シリーズ、ここに開幕。 戦後まもない混乱期。 主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。 波矢多は同じ炭鉱で働く美青年・合里光範(あいざと・みつる)と意気投するが、彼もまた朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。 やがて同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。 現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。 敗戦に志を折られた波矢多は、相次ぐ変死体と“狐面の女”の謎を解けるのか。 細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。 本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った、著者の本領発揮の傑作長篇。 解説・辻真先
-
5.0
-
4.0
-
4.0
-
4.5
-
3.0
-
3.6スマホは本当に心臓に悪い。便利は良いが没頭するのはいやなのだ。 愛する老ネコの緊急事態に備え(何か起きたらアプリでタクシーを呼びたい)、 あの携帯ぎらいの群さんが、ついに重すぎる腰をあげてスマホを購入!! しかし、携帯ショップで初っ端からパスワードを何度も設定させられ、 小さすぎる文字盤から震える手でなんとか文字を入力するも、えらく時間がかかるという格闘ぶり……。 親切な店員さんに支えられて初日はなんとか乗り切ったものの、 これから先、どうやって付き合っていく――? レストランで一緒に食事をしている家族が、それぞれスマホに見入っている光景を横目に見つつ、 「スマホを使って便利になればいいが、没頭するのはイヤ」という著者が、 スマホ社会に一石を投じる鋭く愉快なエッセイ。 初日から大苦戦した群さんが、数年経った今の心境を綴った 「文庫版あとがき――マルハラ派にモノ申す!」にも大注目。ついつい吹き出してしまう面白さです! 単行本 2022年7月 文藝春秋刊 文庫版 2025年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.0
-
4.0
-
3.6
-
3.9
-
3.9【第97回(1987年)直木賞受賞作】 ときは戦国。海と船への憧れを抱いて対馬で育った少年笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕まり、その手下となって、やがて“海の狼”へと成長していく。日本の海賊の生態をいきいきと描いた、夢とロマンが香る海洋冒険時代小説の最高傑作。「海を舞台にした小説は外国には多い。海洋冒険小説という一つのジャンルが確立しているほどである。四面環海の日本にそれがないというのは、ふしぎな現象だ。(略)日本の海洋小説の一里塚を築けたとすれば、私としては本当にうれしい」(「著者のことば」より)
-
3.3島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。
-
4.0これぞライトノベルの金字塔! 2003年、電撃文庫より刊行が開始されたこの『半月』シリーズは、またたく間にライトノベルファンにとどまらない広範な読者を獲得しました。そして2013年、装いも新たに刊行された文春文庫全4巻は、主人公たちの台詞を物語の舞台、伊勢弁に改めたリメイク版です。肝炎で入院中の高校生・戎崎裕一は、エロ本集めが趣味の多田さんや元ヤンキーの看護師・亜希子さんに翻弄される日々の中で、同い年の秋庭里香に出会う。人形のように美しく、本を愛し、そして女王様のようにワガママな里香は、難しい病気をかかえていた――。ドラマ、映画、漫画、アニメになったボーイ・ミーツ・ガールの聖典をぜひ電子書籍で!
-
4.1デビュー35周年記念! 一度限りの豪華トリビュート作品集 予想をはるかに超える名編ばかり それにしても、ここまでやりますか!? ――有栖川有栖、思わず脱帽 レジェンドへのリスペクトを胸に 人気作家7名が全力執筆! 真正面から挑戦する超絶技巧の本格ミステリから、 女子高に潜入する火村とアリスや 不可解なダイイング・メッセージに挑む 江神たちEMCの面々まで。 「気鋭の作家が本気で遊んだら、 こんなものを書いてしまうのか!?」と 有栖川有栖を感嘆させた一度限りの豪華トリビュート。 有栖川有栖による解説を収録。
-
4.6若き臨床心理学者の冒険譚にして青春物語 われらがカウンセラー、東畑開人の一般書デビュー作、文春文庫版の電子書籍化。 文庫版あとがき「8年後の答え合わせ、あるいは効果研究」を付した完全決定版です。 人生に痛めつけられたからこそ、 人を癒やす力を得た野生の医者たち。 彼女・彼らと共に過ごした 灼熱のフィールドワークの記録! 気鋭の心理学者にしてカウンセラーは、精神科クリニックを辞め、学界を揺るがすこと必至のフィールドワークを開始。沖縄で人々の心を癒やし続ける謎のヒーラー達を取材しながら自ら治療を受け、臨床心理学を相対化しようと試みた。「野の精神医療」と学問の狭間で辿り着いた驚愕の発見とは? 涙と笑いの学術エンタテインメント。 単行本:2015年8月 誠信書房刊 文庫版:2023年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
4.1モダン・ホラーを生み出したスティーヴン・キングのデビュー第2作。 恐怖の帝王のすべてはここから始まった。伝説の名作が装いを新たに復活! 「友達にも恋人にもならない。死と恐怖の王たる吸血鬼。その偉大なる碑」――小野不由美 荒れ果てた屋敷が丘の頂から見下ろす町、セイラムズ・ロット。そこに幼い頃住んでいた小説家ベンが帰ってきた。町は平穏に見えたが、ある夜、ベンは丘の上の屋敷に灯が点っているのを見る。あの屋敷を買った者がいるのだ。そしてある日、幼い少年が忽然と姿を消した……。 デビュー長編『キャリー』を刊行し、ベストセラー作家となったキングが、専業作家として初めて書き上げた作品が本書。吸血鬼譚を現代に甦らせ、現代ホラーに巨大な影響を及ぼした。「モダン・ホラー」を生み出した普及の名作。 ※この電子書籍は2011年11月に集英社文庫より刊行のものを、文春文庫より刊行した新装版の文庫を底本としています。
-
3.4生と死とエロス――。著者の真骨頂! 刹那の欲望、嫉妬、別離、性の目覚め……。 著者がこれまで一貫して描き続けてきた人間存在のエロス、 生と死の根幹に迫る圧巻の短篇集。 ピアニストの佐江は、教え子の少女のホームコンサートで、 少女の叔父だという男と出逢う。 音楽堂の暗い客席で、少女の弾くソナチネのメロディに合わせるように、 佐江と男は視線を、指先をからませていく……。(「ソナチネ」) 「鍵」「木陰の家」「終の伴侶」「ソナチネ」「千年萬年」「交感」「美代や」の7編を収録。 「恋愛とはきっとこういうものなのだ。人生のあらゆる出来事に繋がっている。」(千早茜、解説より)
-
4.3
-
3.8
-
4.2小説が現実を凌駕した、あの話題作が文庫化&映画化! 91歳の耕造は妻に先立たれ、69歳の小夜子を後妻に迎えていた。ある日耕造が倒れ、小夜子は結婚相談所の柏木と結託して早々に耕造の預金を引き出す。さらに公正証書遺言を盾に、遺産のほぼすべてを相続すると耕造の娘たちに宣言した――。高齢の資産家男性を狙う<後妻業>を描き、世間を震撼させた超問題作。解説・白幡光明 2016年8月公開 映画「後妻業の女」(主演・大竹しのぶ、豊川悦司) 原作 ※本作品は 2016年6月9日まで販売しておりました単行本電子版『後妻業』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
-
4.1「世界の謎」を追う神話ファンタジー、待望の3巻! 命を生む正神『スメラ』の手がかりを求めて 泛旦国を訪れた琉劔たちは、 弱冠15歳で王座についたダギと出会う。 瑞雲と旧知の仲だったダギは再会を喜ぶも、 彼は尾をもって生まれたため「狗王」と蔑まれ、 母親である王太后からも疎まれていた。 しかも、彼が即位した経緯には不可解な点があって……。 はるか南方の国で琉劔たちの旅は 思わぬ方向に大きく動き出す――。
-
4.1
-
4.0「このミス」第1位! “暴力の詩人”ボストン・テランの輝かしきデビュー作。 元妻とその再婚相手をカルト教団〈左手の小径〉に惨殺され、娘を誘拐された刑事ボブ・ハイタワー。元薬物中毒者の女性ケイス・ハーディンの助けを借りて娘の足跡を追い、教祖サイラスと〈左手の小径〉に復讐を誓う。 愛と憎悪、セックスと暴力、そしてドラックと銃弾。鮮烈な文体で描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。 発表と同時に大きな反響を呼び、アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞候補作となり、英国推理作家協会(CWA)最優秀新人賞を受賞。 日本でも「‘02年版 このミステリーがすごい!」第1位に選出。日本冒険小説協会大賞を受賞した。 解説・池上冬樹
-
4.3
-
4.2人生の明るい面に目がいくか、暗い面に目がいくか。その差は脳の活動パターン自体に関連していた。エジソン、チャーチル、マンデラ……逆境に打ち勝つ偉人はみな「楽観主義者」。〈楽観脳〉と〈悲観脳〉は何が違うのか、心理学、分子遺伝学、神経科学を横断しながら人格形成の神秘を明らかにする「白熱教室」。解説・湯川英俊
-
-伝説のアニメのシネマ・コミック 高畑勲初監督作品。宮崎駿が初めて本格的に製作に携わった長篇。少年ホルスと悪魔の戦いを描く。全シーン・全セリフを一冊に収録。
-
3.5
-
3.7大人気シリーズ「陰陽師」のアンソロジー。 夢枕獏による「陰陽師」短編2本と、「オール讀物」の「陰陽師」特集に掲載された新進気鋭の作家4名による短編を収録しています。舞台は平安時代にとどまらず、室町時代・戦国時代の陰陽師まで登場。時と場所が変わっても色褪せない、「陰陽師」の魅力が詰まった一冊です。(解説・細谷正充) 収録作品 ・露子姫が見つけた不思議な烏毛虫は、食べれば食べるほど大きくなり…(夢枕獏「むしめづる姫」) ・信子姫に仕える、耳のいい女房。彼女は右耳には虫が棲んでいて…(蝉谷めぐ実「耳穴の虫」) ・鳥辺野で騒ぎを起こす少年は、博雅の腕を欲していた。その理由は?(谷津矢車「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」) ・足利義教の時代。法師陰陽師の兄弟が、蘆屋道満の式神に出会う(上田早夕里「井戸と、一つ火」) ・戦国大名・細川幽斎とキリシタン陰陽師が、「連歌」をもって妖に挑む(武川佑「遠輪廻」) ・晴明たちが出会った不思議な少年は、唐の国からやってきた「??(なた)」だった(夢枕獏「??(なた)太子」)
-
3.7新迷探偵コンビ登場!? 文芸編集者の娘と高校国語教師の父が、出版社の「日常の謎」に挑む! 主人公は大手出版社「文宝出版」に勤める田川美希。 女性誌から晴れて希望の文芸部門への配属がかなうと、 大学時代までバスケットボール部で鍛えたバイタリティを活かし、 仕事に燃える毎日だ。 ある日、文宝推理新人賞の最終候補を決める会議で、 有力な候補作品「夢の風車」の担当となった美希は、 その候補者へお知らせの電話をかけた。が、まさかの返事を聞くことになる。 「――応募していませんよ、私は」、と。 一昨年までは新人賞へ投稿していた候補者の男性だが、 まったく芽が出ずに今回は応募をしていないというのだ。 何とかこの作品を世に送り出したいと願う美希は、さまざまな可能性を探るが、 どこからこの原稿が届いたのかまるで見当がつかない。 ふと、父親にことの顛末を話してみようと思った。 ..高校教師をしている父は百科事典タイプの人間で、 インターネットで分からなかった疑問を解決してくれたりもする。 相談役として誠に便利な存在だからだ。 娘の相談にお父さんが導き出した真実とは果たして? 大作家同士の手紙、スケッチを映した写真、落語の解釈、 マラソン大会でのハプニングなど、中野の実家に住む父は 抜群の知的推理で謎を次々に解き明かす。 「日常の謎」の名手が、自らのフィールドを最大限に楽しみつつ、 新たに送り出したユーモアとけれん味たっぷりの名探偵シリーズ。 解説=佐藤夕子 単行本 2015年9月 文藝春秋刊 文庫版 2018年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
3.0第100回(1988年下半期)直木賞受賞作 明治初年の東京を舞台に、「最後の木版浮世絵師」となった 小林清親の半生を描く傑作時代小説。 失われつつある江戸の情景への愛惜、一世を風靡した「光線画」の凋落。 時代の激動に呑み込まれて沈みゆく人々と自身へのやるせなさを噛みしめる清親の、優しさゆえの苦悩と新時代へかける想いが交錯する。 「いかにも好もしい男」――解説・田辺聖子 単行本 1988年11月 新人物往来社刊 文庫版 1991年11月 文春文庫刊 文庫新装版 2025年1月 文春文庫刊 【この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。2022年11月に電子版配信を開始した同タイトル作の表紙を一新したものであり、作品内容に変更はありません。】
-
4.2
-
4.2『神様の御用人』浅葉なつ による新シリーズ『神と王』第二巻! 丈国の建国十年を祝う式典への招待状が斯城国王・琉劔のもとに届いた。 名代として丈国へ赴いたのは、琉劔の若き叔母・飛揚。 記念日に沸く民の様子を目にした彼女は、ふと違和感を抱く。 「世界のはじまり」の謎を追う琉劔は、歴史学者の慈空とともに 畏怖の森「闇戸」へ。そこに暮らす一族・日樹の祖父母から、 杜人に伝わる不思議な物語を聞かせてもらう。 だがそんな時、丈国には恐ろしい災厄が襲い掛かっていた―― 危機に陥ったこの小国を支配する女神と、民から忌避される王。 闇戸の一族にのみ伝わる深い知識と伝説は、何を示唆しているのか? 古事記からインスピレーションを得たという壮大な世界観が提示された 第一巻『神と王 亡国の書』に続く、待望の第二巻。 壮大なテーマ「神とはなにか」をリアルに追いつつ、この世界の行方から目が離せない! ますます熱い神話ファンタジーです。
-
3.9「心がえぐられすぎてつらい」 第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞! 友情とは何かを描いた問題作。 商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。 だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。 執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。 一方、翔子も実家に問題を抱え――。 「本作『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子さんがデビュー以来追い求めてきた主題の一つの到達点であり、その後の柚木さんが展開する文学への結節点でもある。」(重松清「解説」より)
-
3.8“色”で江戸の難題、解決します。 累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、 文庫オリジナル、新シリーズ始動! 江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※ お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) ※ 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
-
5.0
-
3.5FIREの先は薔薇色なのか? 幻影に覆われた現代を巧みに描いた傑作小説 外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、 生活費を切り詰め株に投資することで、 給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。 恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、 とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。 そのアップデートされた物々交換の世界は、 マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。 やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、 華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。 高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。 自らの価値観と生き方を問われる、いま読まれるべき傑作小説! ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.4
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。