大分昔の話になるが、私の部屋に女友達とその恋人が泊まったことがある。私は、ひとりでベッドに寝て、彼らは、離れたところに布団を敷いて寝た。図々しくも、彼らは、私を無視して、こっそり性行為を始めたのだった(表題作より)。隠しても、もれ聞こえてくるぼそぼそ声は、ありふれた「いく」と「死ぬ」。でも、2人が文学的なロマンあふれる会話を交わしていたら、もっと薄気味悪かったはず。文学の中の性行為と実際の性行為はどう違う? 奔放で緻密な8篇の短篇小説。
Posted by ブクログ 2023年01月17日
文章を読むことを楽しませてくれた作品。
小説か、批評文か。どちらとも取れる山田詠美氏らしさが爆発した一冊。
言葉、文章、表現…に対するとても批評的な目線は痺れた。読んでいて刺激的であり、時にはその痛烈さに笑ってしまったほど。
捻くれている、と言って仕舞えばそこまでだがここまで直球で清々しく、だけど...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月13日
「私はいく」=「私は恋人と寝床に入り幸福のきわみにまでのぼりつめ涙する」
「いく」という言葉が、快楽の絶頂を表す言葉なのは、この年になればわかるけど、これって不思議だよね。
同じように「死ぬ」という言葉も
ポルノ小説になんかよく使われたりするし、実際使う場合もあるんだろうけど。
日...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年08月27日
性と文学が知りたければこの本を読むしかない
特に快楽の動詞,ベッドの創作は考え深い。
そっち知識がついてくると普段使っている会話や言葉の中にもなんとまあ卑猥な別の意味があるのだろうと思うがそれをエッセイとして考察した本なんて他にあるだろうか。
私は前から官能小説と官能的なシーンが多く書かれている...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
2009/7/2,3
これも同じく知人の方から譲り受けた本です。
題名で「おおお〜!!」という興奮と期待をあげさせられました。
これは結構おもしろかった。
短編集のようになっているのですが、1つ1つ話がとても独特の世界観を持っており、と同時に誰しも頭のどこかで思っている"人間が使う言語&...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月19日
文章が堅く、少々慣れていないと読み辛い感じはしましたが、けっこう面白かったです。
言葉の与える印象、
文体、文学が主体となったお話など。
文学について学んでいる方には、
よいテーマなのではないかと思いました。(私は教育系だったので、あまり詳しくはありませんので、あくまでも主観です)
同じ状況を...続きを読む