【感想・ネタバレ】快楽の動詞のレビュー

あらすじ

大分昔の話になるが、私の部屋に女友達とその恋人が泊まったことがある。私は、ひとりでベッドに寝て、彼らは、離れたところに布団を敷いて寝た。図々しくも、彼らは、私を無視して、こっそり性行為を始めたのだった(表題作より)。隠しても、もれ聞こえてくるぼそぼそ声は、ありふれた「いく」と「死ぬ」。でも、2人が文学的なロマンあふれる会話を交わしていたら、もっと薄気味悪かったはず。文学の中の性行為と実際の性行為はどう違う? 奔放で緻密な8篇の短篇小説。

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Posted by ブクログ

文章を読むことを楽しませてくれた作品。
小説か、批評文か。どちらとも取れる山田詠美氏らしさが爆発した一冊。

言葉、文章、表現…に対するとても批評的な目線は痺れた。読んでいて刺激的であり、時にはその痛烈さに笑ってしまったほど。
捻くれている、と言って仕舞えばそこまでだがここまで直球で清々しく、だけどなんとも洒落た文章に心が踊った。

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2023年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

手にとった時の薄さを裏切る、内容の濃さ。
久々に「これは面白い」と感じながら読み進めました。

個人的なお気に入りは、文体たちの話。
文体の擬人化という発想はもちろん、軽快に進む擬人化達の会話に、ふふっと笑いながら読みました。

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2020年08月31日

Posted by ブクログ

「私はいく」=「私は恋人と寝床に入り幸福のきわみにまでのぼりつめ涙する」


「いく」という言葉が、快楽の絶頂を表す言葉なのは、この年になればわかるけど、これって不思議だよね。



同じように「死ぬ」という言葉も


ポルノ小説になんかよく使われたりするし、実際使う場合もあるんだろうけど。


本語の絶頂感は、点であり、刹那的であり、快楽用語に死というイメージを使うのはいかにもであると山田さんは書いています。

日本語は、賢いぞ!


そのほかにも知性とセックスは両立するのか?
ブンタイって一体何なんだろう?
否定形の肯定?

作者独自のものの見方によって、日本語と日本ブンガクの現状について書いたクリティーク小説集。

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2012年05月13日

Posted by ブクログ

ベッドの上の描写について、真面目に、メタ的に、エッセイ風に、しかも的確に論じていて結構面白かった。
普通に山田さんの小説を読みたい人には合わないかも。

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2013年06月04日

Posted by ブクログ

性と文学が知りたければこの本を読むしかない

特に快楽の動詞,ベッドの創作は考え深い。
そっち知識がついてくると普段使っている会話や言葉の中にもなんとまあ卑猥な別の意味があるのだろうと思うがそれをエッセイとして考察した本なんて他にあるだろうか。

私は前から官能小説と官能的なシーンが多く書かれている純文学の具体的な違いは何なのだろうと思っていたけれどこの本を読んですこし謎が解けたような気がする

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2012年08月27日

Posted by ブクログ

技術がすんばらしい。
山田詠美さんは本当に文学を書ける人なのだと思います。たまにしょうもないのもあるけど。

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2010年07月07日

Posted by ブクログ

ビジネス上、市場動向や消費者心理を統計数値で語るのと同じように、言葉が持つイメージ、いわゆる概念的なものを活字で表現した本。

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2010年01月15日

Posted by ブクログ

2009/7/2,3

これも同じく知人の方から譲り受けた本です。
題名で「おおお〜!!」という興奮と期待をあげさせられました。
これは結構おもしろかった。
短編集のようになっているのですが、1つ1つ話がとても独特の世界観を持っており、と同時に誰しも頭のどこかで思っている"人間が使う言語"の不可思議さを改めて実感させられるような物語であってとても面白かった!

駄洒落の話がとっても興味深かったし、興奮しました!



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2009年10月04日

Posted by ブクログ

言葉についての考察が小説じたてで描かれていて面白かった。日本語を考察することはそのまま日本独自のものの考え方をうきあがらせる。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説…、なのか?解説の「文章」であり、「小説」って感じがまあしっくり。
どう楽しめばいいか最初は戸惑ったけど、まあまあおもしろく読めた。
『ベッドの創作』が一番そうそう、って楽しく読んだ。

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2021年07月05日

Posted by ブクログ

文章が堅く、少々慣れていないと読み辛い感じはしましたが、けっこう面白かったです。

言葉の与える印象、
文体、文学が主体となったお話など。

文学について学んでいる方には、
よいテーマなのではないかと思いました。(私は教育系だったので、あまり詳しくはありませんので、あくまでも主観です)

同じ状況を表現するにも、
擬音を入れると入れないでは、
全然違う印象に。

濡れている文章、
乾いた文章、
それぞれにそれぞれの良さがあり、
文章を書く際の参考になりそうです。

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2011年07月19日

Posted by ブクログ

カテゴリ的には随筆なのでしょうか。言葉についての考察を小説風に仕立てた小話という印象。そういう細工をするよりは、素直に読みたかったなあ。この方の言葉づかい大好きだもの。

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2010年03月29日

Posted by ブクログ

ほほう、小説家はこういうこと考えて文章作ってるのか・・・。と。前より動詞や文体のことを考えて本読むようになりました。

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2009年10月04日

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