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Posted by ブクログ
現在無職の葉村晶は、かつて辞めた長谷川探偵事務所の所長から受けた依頼の手伝いを頼まれる。日給は三万円。資産家のお嬢様で、著名人でもある松島詩織の身辺警護の依頼だ。嫌がらせのストーカー被害を受けている、という。不自然な嫌がらせ行為、詮索に口を閉ざす依頼人、割に合わない依頼の行方は――「濃紺の悪魔」
友人である相場みのりの婚約者が死んだ。運転中に、トンネルの入口脇の壁に激突して。自殺だったという。「あいつがそう簡単に自殺するわけがない」とみのりは語り、葉村晶に調査をお願いする。資産家の息子であり、詩集を出版したばかりだった青年はなぜ死を選んだのか。発売された詩集の売り上げも悪くなかったそうだが――「詩人の死」
ということで、本作は葉村晶を探偵役にして、全部で九篇の短篇が並んでいます。最後まで読むと大きなひとつの物語となるのですが、一本一本の短篇のクオリティも高い作品集になっています。歯切れの良い文章、人間心理の描き方、結末の切れ味……と、どれを取っても素晴らしく魅力的で、特に個人的に、ままならない人間関係がままならないまま、分かりやすい〈善〉と〈悪〉に区切らずに書いている点が好きでした。シリーズはこの後も続いているので、このまま読んでいきたいと思う作品でした。
Posted by ブクログ
はじましての作家若竹七海さん。
本作は26年前に文庫化されているという
NHKでハムラアキラのドラマを楽しく観た記憶があり手に取りました♪( ´θ`)ノ
ハムラアキラ、葉村晶と書きます。
ハムラアキラ、聞き覚えが…、
ああ、ハムナプトラだ Σ('◉⌓◉’)ミタコトナイケド
さてさて、9編の連作短編。
なかなかの洗練された探偵小説でした。
オシャレな空気感を纏った文体ですが
結果イヤミスな気持ちが残るという…。
オトナ小説でした。
ドラマ先行だからか、シシドカフカ が
ツンケンしちゃうもんで
私は世界観が凝り固まっちゃったかな?
毎日1話読んでいたもんで
読み終わるころには、最初の章の依頼
忘れてるというグウタラでございました。
続編も本棚にならんでいる、5サツアル٩( 'ω' )و
イツヨムノ♪( ´θ`) 年内ニハ!
Posted by ブクログ
女探偵・葉山晶を主人公とする9編の連作短編。季節を追って様々な事件が語られる。其々に趣向が凝らされ読みごたえがあり読後感が良い。他者の過去を自分の糧にしていくヒロインの逞しさ、ブレの無さが安定感を醸し出す。各短編が想念や心の淀みが描かれていて読みごたえがある。旧友が絡む事件、ちょこちょこと死体が顔を出す話が多い。
ヒロインの安定感が主題をブレさせずに伝える。ミステリの王道たる殺人トリックが無いのもこの作者らしい。文章上の詐術はしっかり使われていてどんでん返しに直結している。作品の発表と収録が異なるので、まとめるにあたり構成を再構築したのだろう。
Posted by ブクログ
葉村晶シリーズ二作目。
相変わらず無邪気で無遠慮な悪意に翻弄される女探偵・葉村晶を単独主役とした連作短篇集。叙述トリックが多めなのはもはや作風と言える。春夏秋冬を通した時間軸のなかで一部連続した事件を描いている。探偵事務所の同僚や友人、宿敵らしい人物も揃ってシリーズとしての世界観が出来上がってきているのを感じる。
前作と比べてより葉村の内面にフォーカスを当てているのが特徴。シニカルなのか天然なのか、ドライなのか優しいのか分からない葉村は、それだけにより等身大の人間らしく、従来のミステリーの名探偵とは一線を画している。
それまで受動的に生きていた葉村にも主体的に探偵を続ける動機が生まれた訳だが、今後の展開に期待。
Posted by ブクログ
若竹七海の連作ミステリ短篇集『依頼人は死んだ』を読みました。
ここのところ、国内の作家の作品が続いています。
-----story-------------
女探偵・葉村晶(あきら)は探偵事務所からの仕事で生計をたてながら、時に家族がらみの無料捜査も押し付けられる、何でも屋だ。
念願の本を出版し、結婚直前だった順風満帆の婚約者はなぜ自殺したのか?
受けてもいない健康診断の、ガンを知らせる通知書が届いた意図は?
瀟洒なプチ・ホテルに集う常連に隠された惨事とは?
彼女に持ち込まれる事件の真相は、少し切なく、ぞくっと怖い。
構成の妙、鮮やかなエンディングにうならされる、みごとな連作短篇集。
解説・重里徹也
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1993年(平成5年)から1999年(平成11年)に発表された作品に書き下ろし1篇を加え、2000年(平成12年)に刊行された葉村晶シリーズの第2作です。
■冬の物語 濃紺の悪魔
■春の物語 詩人の死
■夏の物語 たぶん、暑かったから
■秋の物語 鉄格子の女
■ふたたび冬の物語 アヴェ・マリア
■ふたたび春の物語 依頼人は死んだ
■ふたたび夏の物語 女探偵の夏休み
■ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない
■度目の冬の物語 都合のいい地獄
■解説 重里徹也
「わたしの調査に手加減はない」女探偵・葉村晶のもとに持ち込まれる事件の真相は、いつも少し切なく、こわい……仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第ニ弾! もうすぐ29歳になる葉村晶は、フリーの調査員として長谷川探偵調査所と契約している、、、
念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺に苦しむ相場みのりと同居することになった晶だが。(「詩人の死」)
書誌学のレポートを代筆してほしいという依頼で画家の森川早順について調べることになった晶は、その異様な画風に興味を持つ。(「鉄格子の女」)
健診を受けていないのに「あなたはガンです」という通知が送られてきたという佐藤まどか。ところが依頼を受けた直後、彼女が死んでしまう。(「依頼人は死んだ」)
構成の妙、トリッキーなエンディングが鮮やかな連作短篇集。
フリーの女探偵・葉村晶を主人公とした本シリーズを初めて読みました……各篇が叙述トリック、サプライズ・エンディングにあふれた洒落た作りになっており、春夏秋冬を二巡し、三度目の冬が巡りくるとき、彼女が知っる真実とは? 人間の悪意にぞくっとさせられる怖さを含んだダークな真相や構成の妙、トリッキーで鮮やかなエンディング 等々、好みの作品でしたね、、、
そんな中でも印象的だったのは、
平凡なOLが人事課長をドライバーで刺した事件の真相とは……ラスト一行を読んだ後の背筋が凍る感覚が忘れられない『夏の物語 たぶん、暑かったから』、
自殺した挿絵画家が残した1枚の絵画……夜と女をリアリズムに封じ込めたその作品に秘められた狂気と悪意に戦慄させられる『秋の物語 鉄格子の女』、
何不自由ないお嬢様育ちの離婚妻の飛び降り自殺……2年も前の自殺者が旧友の夢の中に現れて訴えたのは? タイトル通りの手加減のない調査、依頼人にとって受け入れがたい残酷な結果を淡々と伝える葉村晶の姿が印象的な『ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない』、
の3篇かな。
孤高の女探偵・葉村晶も魅力的! ハードボイルドタッチの一人称で描かれていることもあり、感情移入しつつ読めました……杉田比呂美の装丁も大好きですね、、、
次も葉村晶シリーズの作品を読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
私は基本的にはイヤミスはあまり好きではない。
けれど、何故か一年のうちに何回かは葉村晶に会いたくなる時がある。
それが何のきっかけなのかは分からないのだけれど。
葉村晶シリーズはもう何と言うか「これがイヤミスです!」とイヤミスを知らない人間に紹介しても間違いない話だと私は思っているんですけど(そうだよね?)、やっぱりこの話でも葉村晶はとんでもない依頼に巻き込まれるし、周りの人間は人の悪意を煮詰めまくったような存在ばかりだった。
親友の相場みのりだけが唯一のオアシス的な感じなのだけれど、正直読んでいる間中「大丈夫よね?あなたは裏切らないよね?」と疑心暗鬼になってもいた。いや、葉村晶シリーズに関してはそういうことが本当に有り得るのだから怖い。
寧ろあんな世界を孤独に生き抜いていける葉村晶はカッコよすぎるとすら思う。
イヤミスでもありハードボイルドでもあるのかな。
個人的に一番好きだったのは「女探偵の夏休み」ですかね。
話の展開に完全に引っかかりました……そうかそういうことだったのか!って。
この話は人間の悪意的なものが少ないので読みやすいのもいいのかも。ちょっとシャイニングっぽくはありますが。
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