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女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事を請け負う。妨害にあい、おまけに刺されてひと月の安静をやむなく過ごした矢先、今度はミチルの友人・美和を探すことに。やがて見えてくる高校生たちの危うい生態──親への猛烈な不信、ピュアな感覚と刃物のような残酷さ──その秘めた心にゆっくり近づく晶。打ち解けては反発するミチル、ナイスなゲイの大家・光浦たちとともに行方不明の同級生を追う。好評の葉村晶シリーズ、待望の長篇!
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Posted by ブクログ
興信所の探偵は信用第一。2004年7月 文春文庫
一人称の語りで進行、随所で他者からの伝聞が入る。仕事を依頼された主人公の時間経過に沿って事件が起こり様々な人間が登場してくる。今作は長編。序章が様々な事象の発端となっていて全体を見通せる。ページを追って状況が変化して外郭は早々に見えてくるが目先が変わるので飽きることはない。この作者はスムーズに読み進めさせるのが上手い。
引き受けた調査が連鎖して仕事が増えていき、行方不明者や死者が増え、自らが被害者ともなる。有料公園のケージにいる悪いうさぎ。葉村晶のストイックながらヒューマンで真摯な動き。気配りはなかなか実を結ばず、周囲の人々を巻き込みながら悪化する事態に立ち向かっていく。結末へと滞りなく収束。体を張った調査と冒険。女性ながら怪我が多く休む暇なく監禁までされて結構ボロボロ。ハードボイルドなので白馬の王子さまは出てこない。知恵と気力・体力がすべて。報酬はそれなりなのが救いか。白かったり黒かったり赤かったり怪我をしていたりのうさぎ。タイトルや表紙に出てくるうさぎがしっかり作品を表して言い得て妙。
地道に真相に迫るハードボイルドらしさ満点のミステリ。
Posted by ブクログ
本邦で最高のハードボイルドは葉村晶シリーズだと思う。この本もその思いの裏づけになった。
しかし、積読の時間が長かった本でもある。
シリーズを順を追って読んできたが、長編ということで、ちょっと置いておいた。そうしているうちにドラマを見た。あらすじを知ってしまったら、あの結末に向かってずっと長編に付き合うのか!と読む意欲が減退したため、積読が延びた。
読み始めたら、止まらなくなった。背負いこむトラブルの豊富なことに魅了された。トラブルの中の伏線が見事だ。登場人物一人一人の癖の強さ、あくの強さが長編ならではの描きっぷりで1ページごとに迫ってくる。それを迎える主人公の脳内言語が鮮やかで気持ちよく、苦しい時には本当に苦しい。読んでいる自分が被虐趣味者と思えるくらい、苦しさがページを進ませる。
最後のカタルシスも相当なものを感じ、カタルシスを訳すと、読んでよかった、最高!ということになるだろう。
表紙のイラストから始まり、最後の最後まで、楽しみつくせる一冊だった。
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