あらすじ
女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事を請け負う。妨害にあい、おまけに刺されてひと月の安静をやむなく過ごした矢先、今度はミチルの友人・美和を探すことに。やがて見えてくる高校生たちの危うい生態──親への猛烈な不信、ピュアな感覚と刃物のような残酷さ──その秘めた心にゆっくり近づく晶。打ち解けては反発するミチル、ナイスなゲイの大家・光浦たちとともに行方不明の同級生を追う。好評の葉村晶シリーズ、待望の長篇!
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家出中の女子高生・ミチルを連れ戻す仕事で、仲間である世良からの暴行で怪我を追った葉村晶。1ヶ月後、行方不明のミチルの友人・美和探しを依頼される。調査を進める内に美和の友人が殺害される。犯人は逮捕されるが…。他にも姿を消した少女。
長編は更に事件関係者たちのキャラが強め。黒く歪んだ人間たちと更にドス黒い事件…。読むのがしんどくなりそうだけど、読むのが止められず一気に読んでしまった。
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今読み終わりました。とても怖い結末でした。いくつかの小事件が中にあり、それらも全て解決できてよかったです。
が、一番の事件がとてもとても後味悪い結末で、嫌な気分になりました。
葉村晶元気で良かったです。ハードでした。
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期待を裏切らない国籍・日本、性別・女、年齢・31歳の葉村晶、いや、若竹七海さん。
女子高生殺人事件、同失踪事件、結婚詐欺に巨漢によるストーキング・・・。これでもかとまでに詰め込まれた事件は複雑に絡み合うが、終わってみれば、伏線を回収するかのように解決していた。女子高生が4人も出てくるので、名前と役どころを覚えるのが大変なことだけが難点か。
冒頭から目を離せないストーリーだったけれど、終盤にかけて展開は加速していき、寝る間も惜しむ小説世界!このエンターテイメント性と風刺性、ジェンダーレスなハードボイルド!面白いとしか言いようがない。
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本邦で最高のハードボイルドは葉村晶シリーズだと思う。この本もその思いの裏づけになった。
しかし、積読の時間が長かった本でもある。
シリーズを順を追って読んできたが、長編ということで、ちょっと置いておいた。そうしているうちにドラマを見た。あらすじを知ってしまったら、あの結末に向かってずっと長編に付き合うのか!と読む意欲が減退したため、積読が延びた。
読み始めたら、止まらなくなった。背負いこむトラブルの豊富なことに魅了された。トラブルの中の伏線が見事だ。登場人物一人一人の癖の強さ、あくの強さが長編ならではの描きっぷりで1ページごとに迫ってくる。それを迎える主人公の脳内言語が鮮やかで気持ちよく、苦しい時には本当に苦しい。読んでいる自分が被虐趣味者と思えるくらい、苦しさがページを進ませる。
最後のカタルシスも相当なものを感じ、カタルシスを訳すと、読んでよかった、最高!ということになるだろう。
表紙のイラストから始まり、最後の最後まで、楽しみつくせる一冊だった。
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葉村晶、31歳の話。
シリーズの中でも、出色のイヤな話だ。出てくる大人はことごとく酷く、一方で子供たちはわかったふりしてまだなにもわかっていない、悪ぶっても驚くほど無垢だ。
だからこそ葉村は祈る。
子供たちがサバイブする強さを獲得することを。
この構図がすごく気に入っている。
葉村の気持ちになれるから。
読み返すたび「ひどい話」と思いながらも、何度も読み返すのは多分そういうことなんだと思う。
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ドラマで印象に残ってた悪いうさぎの原作をやっと読めた。
ドラマの内容はあんまり覚えてなかったけど、事件は解決してもスッキリしない終わり。
みんなのその後がもう少し知りたかった。
同時にいろんなことが起こるから何の何か頭で整理しきれない感じ。
でもだからこそ解決を見たくて最後まで一気に読んでしまった。
葉村晶があまりにも不運すぎて、読みながらもういいよ〜ってなった。
読んでる方も休む暇がなかった気がする(笑)
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葉村晶シリーズの三作目。
実は出た当初から気になっていたけど、いわゆるガシェト本格大好きだったんで若いころは。
ただ読んだら普通に面白いし、至るところで傷つきながら事件を追う葉村晶いいし、失踪から始まる事件がラストは物凄く嫌な顛末になるのは若竹さんらしい。
色褪せない作品です。
2858冊
今年86冊目
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再読。
長編の葉村晶はいつに増して不幸も重なる。心身的にボロボロになりながらも、調査に手加減しない晶。
大家さんが凄くいい味出していて重いストーリーの癒しだった。
葉村晶は不運な探偵だけど、いつも誰かが助けてくれて、本人の功徳なのかな、と思う。一番応援したくなる女探偵です。
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久しぶりのハムラアキラ。
よくぞ ここまで、の不幸っぷり。
強さだけではなく人間味溢れていて、どっぷりと感情移入しました。自分なら耐えられないけど。
そして、対する負の要素満載の大人たち。
ひと言で言えば、ただただキモチワルイ。
まさに魑魅魍魎。
物語もずっとモヤモヤしていますが、しっかり最後まで読ませられました。
やはりこのシリーズ、面白い。
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あまりに救いのない悍ましい事件に辟易しながらも、葉村晶のキャラとタフさに惹きつけられて一気読み。
シリーズ初長編ということだが短編集よりも良いかも。
ただ個人的には結婚詐欺師のエピソードは不要な気がしました。
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シリーズ初の長編は、真っ直ぐな正義感を持っているのにどこかなげやりな葉村晶の魅力が存分に発揮されているハードボイルド的作品でした。ことごとくアンラッキーな目に遭いながらも挫けない姿を応援していましたが、途中で少し弱気になってしまったのは仕方がないと思います。
こんな魅力的な彼女を、周りの人達がもう少し優しく扱ってあげればいいのに。
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ダークな話とは聞いていたが。。
のっけから負の塊みたいなのとの衝突と負傷。
次いで相次ぐ毒親達。
葉村晶の切れ味なくして、この胸クソ悪さは乗り切れなかったところ。
本筋の女子高校生のきな臭い失踪事件もさることながら、相場みのりの陥った泥沼、事件関係者の抜き差しならない状況、とにかく人間の黒い部分ばかりがまき散らされている今作。
これまでの作品に出てきた面々が三々五々出てくる展開には、”やっぱりシリーズ物は順番に”だなと思いを強くした傍ら、あの悪魔との対決なのかと思っていただけにそこは肩透かし。
モジュラー型の様相も呈し、次作以降への伏線も感じつつ事件は終結。
いわゆる”イヤミス”ってやつなのかな。
”読後嫌な気分になる”どころか終始もやつく感じでしたけど。
次は『さよならの手口』。
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今までの葉村晶シリーズは短編をいくつか詰め込んでいて、その中の1タイトルを本のタイトルとして持ってきてる感じ。
悪いうさぎはなんと、短編をいくつかではなく、葉村晶シリーズでは初の長編。1冊が1物語になっている。
父親が居なくなった娘を葉村晶に依頼して探し出すという内容だが、それ以外にも色んな事件が起き、それが最終的に繋がり解決していくのが面白いしすごい。
この話は関係ないだろう。と思っていた脇役の話も最終的にはメインの事件に関わることもある。(関わらないことも逆にある)
事件の真相も、えーーーーー!!!!となる展開。これは短編・長編関わらず読めない展開。長編だと辻褄が合わなくなるかと思いきや、詳細を書いた上で綺麗に伏線回収かつ面白い展開で終わらせるから本当にすごい。
また読みたいな。
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読み始めてからNHKのドラマの原作だと気付く。シシド・カフカはカッコ良すぎるが、彼女のように低体温のいい声で淡々と語るような筆致はそのものかも。女子高生の会話のくだけ方が不自然にならず引っ掛からなくて良かった。無理に若者言葉を使ったり、むしろ年寄りくさい言い回しをこの世代が使ったりする小説で興醒めることも多いからな。難しいものだ。しかし自分が適切だと思っていることも勘違いかもしれぬが。
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葉村晶シリーズの長編。
女子高生の家出、失踪を調査するなかで、大小さまざまな事件に巻き込まれる晶。
事件をとくためのキーはたくさん出てくるものの、400ページ過ぎるまで(この本は全460ページくらい)カナが言っていた「ゲーム」の真相にかすりもしなかった。
分かってしまえば、こわくて知りたくなかったと思うような真実。
悪いやつらが蔓延るのは、このシリーズのあるあるではあるものの、ここまで人命を軽視するやつらが大量に登場すると、後味悪過ぎた。
そして、登場人物が多すぎた。
2日ほどで一気に読んだものの、途中で「こいつ誰だっけ?」と何度思ったことか…。
女の子達の名前も「美和」「佳奈」「綾子」…と、特徴がなさすぎて、一旦とまって、「美和は滝沢の娘」とか思い出しながら読んだ。
この三人の少女は、失踪した状態でしか登場せず、晶と会ったり話したりする場面はない。つまり名前しか登場しない。だから女の子達の個性をつかみにくくて、余計に混乱したなぁ。
タイトルの「悪いうさぎ」。
序盤、女子高生ミチルと晶が、1匹だけ檻に入れられたうさぎをみていたら、係員のおじさんが「こいつは悪いうさぎなんだよ」「足が悪いうさぎ、ね」と一人でウケながら教えてくれた。
その後、奇しくも「悪いうさぎ」と犯人たちに呼ばれ、ターゲットにされかけた晶。
晶は今作では終始足を痛がっていて、まさに「足が悪いうさぎ」になってしまったわけだ。
だから、タイトルの「悪いうさぎ」というのは、カナが残したメッセージである「ゲームに参加する」という謎を解くための大切な鍵だったんだな。
私は、序盤のおじさんの「悪いうさぎ」エピソードでこのタイトルの伏線は回収したものだと思ってしまって、全然、本当愚かなほどに気づかなかった…。
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孤高の探偵、葉村晶。セリフの一つ一つの切れ味が鋭く、皮肉がきいていてやはり好み。そして葉村晶がいくらタフでも、もうちょっと手加減してあげて欲しくなるほどの不運さに、つい心配になる。クールに見えて人間味のあるところがまた魅力として写る。
女子高生の入り組んだ交友関係、悪趣味な成功者たち…救いもなく苦い後味が広がるが、それも葉村晶にぴったりだ。
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【腹減り度】
なし
【1番美味しそうだったもの】
山中で食べるチョコレートバー
*感想*
う〜ん、葉村晶不幸すぎる(笑)笑い事じゃないけどね。
今回は長編ということで、笑ありミステリありサスペンスあり恋愛あり?で、読み応えたっぷりだった。
消えた女子高生と病んだ大人たち。次々と勃発するトラブルと謎、謎、謎。友達のみのりんにも胡散臭げな春が到来。どれも気になるけど、とりあえず頑張れ葉村晶!という気持ちで読破。
今回心にトラウマを負ってしまった葉村晶。次回作に生かされるのかな?すぐ読みたい。
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葉村晶の3作目。
冒頭、ストレスは女友達との長電話で解消する、とあった。
あれ、葉村晶、そんな友達いましたっけ?
と思ったら、同居人かつ大家の友達と同居生活を解消して、
長電話をするようになっただけだった。
そうだよね。
金属メッキ工場と言えば青酸カリ、
骨折と言えば白骨死体の身元判明、
猟銃と言えばマンハンティング。
ミステリー好きならこれくらいの連想ゲームはできるので、
結末に意外性はなかった。
娘を殺してしまった父親は可哀想だったが。
好みで言わせてもらえば、
友達の恋愛に、少女の失踪と殺人、同業者の暴虐、
それに本人の惑いと長編にしても盛りすぎじゃないか、と思う。
もしくはもっと一つ一つを掘り下げるか。
最後に葉村晶が、
部屋に泊めていた高校生ミチルに送った「金属」とは何だったのだろう。
合い鍵かな。
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葉村晶シリーズ第2弾
面白い
葉村晶がとても好き
今回とっても探偵っぽいというか よくもまぁこんなにも酷い目にあってもよく死なないなぁと
何度となく抱きしめてあげたくなる
絶対ウザがられるだけだろうけど
まだまだ続くのが嬉しい
でもこの先あまり傷つけないであげてほしい
心も身体も
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2019年の初読み本。仕事はできるが、不運すぎる女探偵『葉村 晶』シリーズ第3弾❗️
タフでクール、そしてシニカル女性探偵の葉村 晶は、好きな女性キャラクターの1人です♫
今回は長編ということで覚悟して読み進めましたが、中々重苦して遣り切れない内容で、思わず深いため息が零れてしまう作品でした❗️宮部 みゆきさんの『杉村 三郎』シリーズと同じく、人間の悪について色々考えさせられる作品です。
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葉村晶シリーズの長編。
行方不明になった女子高生を探すという依頼から発展した新たな調査。気になってどんどん読み進めるが、葉村晶はなぜこんな仕打ちにあうのか、事件の真実、それぞれにあまりいい気分はしない。
Posted by ブクログ
行方不明の女子高生を追っていると、上流階級の方々の様々な家庭問題にぶつかる。
ドラッグが原因か?それとも単なる家出か?調査の過程で葉村も幾度となく襲われ、入院し、明かされた真相はウサギに見たてた人間狩りという、後味の悪いものだった。
Posted by ブクログ
葉村晶シリーズ初読みだったようです。しまった…でも面白かった。
葉村晶、体張ってました。命懸けです。ハラハラし過ぎて心臓に悪い。
事件の真相は、こういう特権意識もりもりの人たちは碌な事しない…でした。法の裁きを受けたら良いです。
何人かその後どうなったんだろ…という人が居るのですが今後シリーズ読み進めたらわかるのかな。
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葉村シリーズはとても面白いのですが、
何故か私は他の本の倍近く読むのに時間がかかります。
序盤に出てくる公園のおじさんのセリフが、
伏線になっていたのですね。
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世界一不幸な女探偵・葉村晶シリーズ第2弾にあたる長編作品。
序盤から葉村晶の不幸さ加減がいかんなく発揮されている。事件の核心に迫りつつある場面で襲われて気を失ったり、監禁されたり……。果たして葉村が活躍していると言えるのかどうか疑問ではあるが、この鮮やかさのない少しもやっとするところがこの作品の魅力でもあるように感じる。
Posted by ブクログ
やっぱり面白いわ、若竹七海の作品。
読んだらやめられずあっという間に終わっていた。
葉村晶シリーズ7つの特徴。
1.のっけからのスピードあるアクションで引き込まれる。
2.おかしみのある会話で笑ってしまう。
3.主人公、女探偵葉村晶はけっしてオールマイティではなく普通の女。
4.失敗したり、悩んだり、怒ったりする。
5.掃除をしたり、食事を作ったりする様子が好もしい。
6.すさまじい事件のようなだが、非日常ではなく。
7.怪我をしたり、精神がボロボロなりながらも、不屈の闘志を棄てない。
あらすじをいうのはやめる。
うさぎはかわいい。文庫本のカバーの絵も意味深。章ごとのうさぎのカットもなかなかのもの。でもこわーい。
「依頼人は死んだ」の次の葉村晶シリーズ第二弾。