奥田英朗の作品一覧
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「奥田英朗」の「普天を我が手に」「リバー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
岐阜県立岐山高等学校卒。1997年『ウランバーナの森』でデビュー。『邪魔』で第4回大藪春彦賞、『空中ブランコ』で第131回直木三十五賞を受賞、TVドラマ化とTVアニメ化もされた。『真夜中のマーチ』がTVドラマ化と映画化。『オリンピックの身代金』がTVドラマ化された。その他作品に『最悪』、『イン・ザ・プール』などがある。作品は海外への翻訳出版も多数されている。
小説・文芸
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Posted by ブクログ
昭和生まれです。だいぶ終わりのほうではありますが。
昭和と言えば戦争、そこまでが自分のなかでの「歴史」だった。そこから先は点としては多少知っていたものの、「史実」として体系的に、かつ連続的に理解してはいなかった。
ビートルズ来日、よど号ハイジャック事件、ロッキード事件、日朝国交正常化交渉など、すべてが戦後のわずか30〜40年に詰まっていたのだと思うと、なんて濃密な時代だったのかと改めて痛感させられる。主人公たちの目線を通すことで、それらの出来事がすっと心に入ってきた。
世界を相手に戦い、徹底的に敗れ去り、しかし同じ元号のうちに再び経済で覇を唱える。昭和とは実にすごい時代だった。人生の折り返し地点を過ぎた今、現在の日本が当時の勢いから遠く離れてしまったことに少し寂しさを覚える面もある。しかし、当時の日本の成功の裏には圧倒的な個の犠牲や「滅私奉公」があったことを思うと、二度と戻るべき時代ではないのかもしれない。
全3部作という長さをまったく感じさせない、大変素晴らしい小説だった。平成生まれの息子にも、いつか手に取ってもらいたいものだ。
近現代史が「歴史」となり、少しずつ人々の記憶から薄れていくなかで、人類が多くの犠牲を払って得た教訓が未来永劫残り、子孫の穏やかな発展に繋がっていくことを願ってやまない。
末筆ながら、昭和天皇がルメイに勲章を親授されなかったエピソードには、胸が熱くなった。
Posted by ブクログ
第三部読破。
戦争が終わって、
ここからは戦後の日本。
戦後の日本を考える上で
アメリカの存在は切り離せないということ。
敗戦から復興し、高度経済成長を遂げ、
日本はどんどん豊かになっていく。
その一方で、
政治家、官僚、財界、アメリカ、
それぞれの思惑が絡み合って国が動いていく。
特に田中角栄。
圧倒的な行動力と政治力がありながら、
その裏には金と権力があり、
最後にはロッキード事件。
単純に「良い政治家」「悪い政治家」では
片付けられない。
光と闇の差が激しい。
第二部では、
「なぜ日本は戦争を止められなかったのか」を考え
第三部では、
「戦後の日本はどうやって今の形になったのか」を考えさせられた。
歴史を知れば知るほど、
今の日本も突然できたわけではなく、
過去からずっと繋がっていることが分かる。
勉強になりました。
Posted by ブクログ
第三部になると、第一部・第二部に比べてかなり「歴史小説」寄りの硬さを感じるかもしれないが、4人がとても情熱的で、四郎と志郎の演説には泣き笑いし、昭和天皇崩御のシーンには込み上げるものがあった。
敗戦からまだ15年も経たないのに、世界では米ソ対立、朝鮮戦争、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争と大きな出来事が続き、国内でも共産党や新左翼をめぐる抗争が続いていた。それなのに、日本人はすっかり平和ボケし、国外の情勢には無知で、自分たちには関係ないというムードだったというのには驚いた。
戦争で未来ある青年たちを苦しめないためにも、四郎や志郎のように戦争体験を伝えていくことが大切だと思う。戦争を知らない私たちだからこそ、この100年の歴史をしっかり知っておかなければならないと痛感した。
奥田さん、やっぱりさすがです。これは一人でも多くの若者に読んでもらいたい。