あらすじ
体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは──とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題。でもなぜか病は快方へ……? 続篇『空中ブランコ』で直木賞受賞、現代世相の病理をコミカルかつ軽妙な筆致で描き出す。精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!
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Posted by ブクログ
悩みがバカらしくなる、最高に笑えるお薬
ずっと気になっていたこの本、読んでみたら期待以上に面白かったです!
精神科の先生と患者の距離感がとにかく近くて、実際の病院とはまるで別世界なのが新鮮でした。特に、「ストレスが溜まるとずっと勃ちっぱなしで、発散されるとようやく萎える」という男性の話には笑いが止まりませんでした。極端すぎて逆にスッキリしますね。
物語を読み進めるうちに、今の自分の悩みも「そんなに思い詰めなくていいや」と肩の力が抜けました。登場するナースのお姉さんの見た目やキャラクターも気になりますし、何より読んでいてプールに行きたくなりました。
深刻になりがちな心の問題を、ここまでユーモアたっぷりに描けるのはさすがです。悩みがある時にまた読み返したくなる、元気をもらえるギャグ小説でした。
Posted by ブクログ
「貴方は典型的な適応障害ですね」
「貴方は哲学的な思考を持っていて素晴らしいです」
上は、心療内科で私が適応障害と診断された時の担当医師の言葉。
下は、行政が行ってる就労支援センターの職員に言われた言葉。
病名が分かったからと言って、
私の心が何か変わったと言えば、なにも変わらず。
普段から変わらない持論を「哲学」と一言で片付けられたことは、正直言って癪に触った。
心の病というものは難しい。
表面的に自分が感じている感情とは裏腹に、知らない間に心が傷ついていることが良くある。
なぜだが涙が出てしまったり。
出勤時間が迫ってくると脈がドクドクと早くなったり、明日も仕事に行かないといけないと思うと、眠れなくなった。
そんな時に、私を引っ張り上げてくれる人は
いなかったように思える。
私の何を治したら、私のどこを変えたら。
こんなことで何もできなくなった自分を、
嫌いにならずに済むのだろうか。
そう思って過ごした2年。
「イン・ザ・プール」を知ったのはSNSの本紹介だった。
手に取ることを決めた理由はかなりアホらしく、装丁がNirvanaのアルバムのジャケットみたいだったからだ。
かなり変わり者の精神科医、伊良部。
クールでセクシー看護師、マユミ。
どうしようもなく困った患者たち。
伊良部は、患者の困りごとや症状なんて関係ないような話をしたり、もはや聞いてないみたいだし、自分の興味があることにだけ集中する。
それなのに、患者たちは伊良部に呆れながらも少しずつ症状が良くなっていく。
患者の中には、私も共感できるような症状があったりして、こんなことで治るんかよって同じ気持ちになる。
でも、じゃあ実際。
私は治ったんだろうか。
伊良部とは違う真っ当な医師に病名を言われて、
寄り添うことが仕事の職員に言葉をかけられて、
その後の私は何か変わったんだろうか。
結局のところ、半年間ぐーたらな生活をして
それを許してくれる恋人に、過剰に大きくなる責任感を萎ませてもらった。
ニートだから家事だけでも。
早く仕事を見つけないと。
そうやって自分に課す負担を緩ませてもらって、
今は穏やかで優しい人がたくさんいる職場に入社できた。
人は案外、そんなもんなのかもしれない。
伊良部は確かに自分中心で自由で医師らしくはない。
でもその伊良部と対峙することで、自分で自分を縛った鎖が「なーんだ、そんなもんか」と緩まる。
伊良部の自由さが患者たちを自由に丸くしてくれる。
ある意味理想の治療かもしれない。
まあ私は、泳げないし、他の病院に石とか投げたくないけど。
内容を諺に凝縮するならば、「人の振り見て我が振り直せ」。
患者は、伊良部一郎という自由人に接することで、自ら大きな気づきを得る。
読者も笑いながら呆れながら、気づきを得ることだろう、何かしら大事なことについて。
読みやすく面白い
ドクター伊良部シリーズ第1巻です。
精神科の医師伊良部が、様々な症状の患者さんと関わっていくお話ですが…
精神科ときくと、深刻な思いは無しに思われがちですが、内容はめちゃくちゃ明るい愉快な話です。
名医?迷医?であり、めちゃくちゃ変人でどこか愛嬌のある伊良部が、様々な方法で患者さんを癒していく短編集です。
考えてした治療なのか、結果的によかったのか、謎な部分もありますが…読後感は爽やかでスッキリします。
私にとって初奥田英朗さんでしたが、とても好きな作家さんになりました。
おすすめします!
Posted by 読むコレ
患者たちも変人ばかりですが、それ以上に伊良部という医者が変人過ぎて、読後数年経っていますが強烈な印象が残ってます。
面白かった。
三木聡監督の映画版もおすすめ。
Posted by ブクログ
かなり遅ればせながら初読みの作家さん。
常識とかコンプライアンスとかモラルとかを一旦すべて忘れて、頭を空っぽにしてエンタメとして楽しむのが良さそうな、はちゃめちゃな内容。
20年前の作品だけれど、依存症とか被害妄想とか、きっと今の時代も苦しんでいる人がいるだろうし、自分や家族もこの先、患うことがあるかもしれない。そんなときに伊良部先生がいてくれたらいいなー。
伊良部先生の診察はかなり変わっている。悩んだり人の目を気にしたりすることがバカバカしくなる。
というわけで、続編も読みたくなっちゃった。
Posted by ブクログ
フレンズでは、八方美人で薄い人間関係に悩む若者のお話で、まだガラケー時代の作品なのに、現代にも通じるお話だなと思った。
いてもたってもでは、元栓閉め忘れを気にしすぎる男の悩みが描かれていて、めちゃめちゃ共感した。
伊良部は、阿保に見えて実は名医かと思いきや、やはり阿保だった。
Posted by ブクログ
面白かったです。表題作のインザプール、声出して笑いました。わたしはミステリーとホラー以外ほとんど読みませんが、こんな面白いなら他も読みたいと思い、インザプールを読み終わってすぐ二作目の空中ブランコを買いに走りました。こんな医者おるわけないやん、と、でも絶対おってほしい、の反対の感情がごちゃ混ぜになって終盤は何か胸が苦しかったです。
人生ってこういうことだよねと思いました。解決はないんですよね。誤魔化しながら付き合っていくしかないわけで、病気も人間も。それを改めて思い知ることができました。まったく、緩やかな絶望ですよね、人生は。その中のいっときでもこうして笑わせてくれる先生に、心より感謝いたします。
Posted by ブクログ
悩める患者に型破りな治療法を繰り出す、精神科医・伊良部シリーズの第1弾。メール中毒や強迫神経症の患者が、どんどん勝手に追い詰められていく場面の心理描写がなんとも凄い。
Posted by ブクログ
毒を持って毒を制す、という感じだろうか。
奇妙な悩みを抱えて来院する患者たちは、ヘンテコな精神科医・伊良部一郎に振り回されるうち、いつの間にか問題が軽くなっていく。
患者たちもどこか横柄で偏屈なのだが、目の前にいる伊良部はそれ以上にわがままで自己中心的。「こいつ本当に医者か?」と思わせるような言動ばかりだ。
もしかすると伊良部は、わざと非常識に振る舞うことで患者自身の滑稽さを映し出しているのでは…とも思ったが、たぶん本人は何も考えていないんだろうな。
深刻に思い悩んでいることも、「そんなに大した問題じゃないかも」と思えた瞬間、人は少し楽になれる。
伊良部は欲望の赴くままに行動しているだけなのかもしれないが、こういう人がそばにいると不思議とホッとする。周りなど気にせず、もっと自由に生きてもいいのだと思わせてくれる。
伊良部がやっていることは、もしかしたら究極の寄り添い療法なのかもしれない。
Posted by ブクログ
爆笑注意⚠️みたいな謳い文句をどこかで見た気がした(勘違いかも)が、爆笑とは違う意味での面白さにあふれた作品だった。
それぞれの患者さんの症状(悩み)は大なり小なり他人事とは思えず。
それを楽しんじゃうかのように、飄々と時に悪ノリして対応(診療?)していく伊良部のキャラクターが憎めない。
読み終えた後、自分も治療されたかのように心が軽くなった気がした。と言うのは伊良部を褒め過ぎか。
Posted by ブクログ
ずいぶん前に読んだものを再読
携帯にストロボ用のジャックがあったり、まだファックスが普通にあったりと、
あー、この頃はこうだったんだ!
なんか懐かしい(笑)
あ〜、ごめん、本の内容ね(笑)
おもろい!
伊良部がかわいく思えてくるのが不思議
Posted by ブクログ
伊良部先生は、ふざけたふりして本当は名医なのかもしれない。
4章のフレンズは、依存性の程度に差はあれど、社会人を長年経験している今でも陥る問題。
伊良部先生は、病名をつけて治療するのではなく、寄り添いつつ、患者自らの力で打開策を見出すきっかけ作りがとても自然(医者の治療としては明らかに不自然)で、その方法がとても印象的。
何か悩むことがあったとしても、伊良部先生に相談したら、「なーんだ、そんなこと。」って一蹴されて、先生の話を聞いているうちに、悩みや病気も治っていくのかもしれない。
やっぱり、なんだかんだ、伊良部先生は名医だ。
Posted by ブクログ
ぶっ飛んでいる精神科医・伊良部一郎の存在感がとにかく強烈な一冊だった。常識から外れた言動ばかりなのに、不思議と患者たちの心に変化をもたらしていく様子が面白い。
心の病を抱えた人に対して、あえて常識的な“正しさ”ではなく、伊良部のような突き抜けた人物が関わることで、凝り固まった考えがほぐれていくのかもしれないと感じた。
読んでいるうちに、気になってクヨクヨしていたことが少し馬鹿らしく思えてくる。「まあ、なんとかなるか」と肩の力を抜いてくれる、まるで精神安定剤のような一冊だった。
Posted by ブクログ
伊良部総合病院の神経科の精神科医・伊良部一郎のもとに様々な患者が現れる。
【イン・ザ・プール】
体調不良の和雄。運動のためにプールに通い始め、プール依存症になる。
妻が夫の奇行を受け流しながらも心の奥でちゃんと心配してるのが良い。
この付かず離れずの夫婦の距離感好き。
ホッコリする。
【勃ちっ放し】
陰茎強直性の哲也。感情をありのままに出せない哲也。それとは対象的な伊良部。見てると生きるのが楽になる気がする。自由に生きていて(感情を爆発させてて)羨ましいって思った。
【コンパニオン】
自意識過剰で妄想癖のコンパニオンの広美。人を見下している広美の性格は不細工で、嫌いだけど、顔やスタイルの良さを武器にして戦ってるのはちょっとカッコイイって思った。
【フレンズ】
携帯依存症の高校生の雄太。見てると不憫で仕方なかった。人のことばっか考えて、人によく思われたいばっかりに散財して、可哀想だった。
ラスト、伊良部やそこの看護師の友だちよりも友達らしい愛が温かかった。
【いてもたっても】
強迫神経症のルポライターの義雄。タバコの火の不始末で部屋が火事になるんじゃないかと心配でなかなか外出できない義雄。その心配はエスカレートしていく。
読んでるこっちまで神経がすり減ってしまう。
伊良部の天性の呑気さが義雄の心の支えとなり、伊良部が出てくると私もホッとした。
でも、この心配性が世の中救う時もあって、損な役回りだけど、そんなふうに世界は回ってるんだなとも思った。
奥田英朗さんの作品は家日和のシリーズ3作しか読んだことないけど、それと近しい感じがあって、相変わらず温かくてユーモアがあって、本当に面白かった( ˶`﹀´˵ )
医者としてハチャメチャなんだけど、伊良部が出てくると不思議とホッとした。
ちょっとハラハラドキドキして疲れたから、次は癒し系を読みたい笑
Posted by ブクログ
様々な症状に悩む患者をトンデモ精神科医の伊良部ドクターが解決に導くという短編集。
「いてもたっても」の強迫神経症の患者に対して、生い立ちや性格は治らないんだからカウンセリングで聞いても無駄だと言い放つところが素敵だ。
伊良部の診察は無茶苦茶な言動ばかりだが、芯を喰った言葉を極論の中に潜ませて患者自身に気付かせるというパターンになっている。
Posted by ブクログ
トンデモ医師とのこと。そのとおりです!
伊良部の発言に、登場人物がため息をついたり、呆れたりする様が面白い。
伊良部のおかげなのかなんなのか分からないけど、皆さん悩みが軽くなって良かったと思う。
読んでてスッキリする。
Posted by ブクログ
精神的にどうにもならない患者たちが精神科医の伊良部のおかげで次々と知らず知らずに治ってしまう、カウンセリングも一切せず患者と親しくなり否定せず肯定してあげ話を聞いて一緒に行動し全力をつくす。
この人以上の名医は他にいません。
Posted by ブクログ
ぶっ飛びすぎてる医者を目の前にして、患者が冷静さや日常を取り戻す。どの短編も、患者が伊良部を気持ち悪がる•不信に思う→伊良部が奇想天外な提案をする→患者が治るという流れと結末は分かりきっているのに、今回はどんな方法で治すのだろうとワクワクして読めた。今の現代社会に必要なのは伊良部のような自由さ、気楽さなのかもしれない。
Posted by ブクログ
Audibleにて拝聴
伊良部総合病院の地下にある神経科を訪ねる癖強患者(無自覚)と、精神科医伊良部一郎の治療の話。この伊良部の、利口か馬鹿か、名医かヤブ医者か全く判断がつかない様子がかなり面白い。
患者は最終的には治癒しつつ、伊良部相手におしゃべりのために通院してるところがいい。
他の伊良部シリーズも見てみたい!
Posted by ブクログ
バカバカしくて面白かった。
神経科で医学博士の伊良部医師。
自由奔放というか、マイペースというか、キャラが際立っていて、診察もめちゃめちゃ。でも最終的には患者の病気は治ってしまう。
看護師のまゆみさんも強烈なインパクトを残す。
無茶苦茶な二人と精神的に悩みを抱えている患者とのやりとりがとても面白い。
頁数も少ないのでサクッと読める。
Posted by 読むコレ
確かにコレは...面白いっすねー。個人的にはバチスタより
全然面白いっす。
「最悪」と「サウスバウンド」くらいしか読んでなかったのが勿体なかったなー。
コレはもうこの伊良部のキャラを生み出した時点で勝ちですよね。圧勝。
小説の中の医者の概念をブチ壊したというのが目からウロコ。
最後までいい加減で、結果オーライ? 狙い? と思わせる治療(?)も
素敵。
このキャラ設定故に超バカバカしい「陰茎強直症」も霞んで見える。
本当にこんな症状あるの?
Posted by ブクログ
【読んだきっかけ】
以前ネットで面白いと薦められていたので。
【構成や文体の特徴】
医学的・精神的な問題を扱いながらも、文体はあくまで軽やかで、小難しさを一切感じさせないエンタメ性が秀逸。さくさく読める。
【印象に残ったフレーズ・描写】
【登場人物や語り手への印象】
患者より強烈な個性を放つ伊良部先生は憎めない魅力がある。
患者たちの「現代人特有の神経症的な悩み」には、滑稽ながらも一定のリアリティがあり、共感というよりは観察する面白さがあった。
【思想・テーマの受け取り方】
「病を治す」というよりは、より大きな非常識(伊良部先生)にぶつかることで、自分の悩みが相対的に小さく、あるいは馬鹿らしく思えてくるということ…?
【読後の感情や変化】
深刻に考えすぎることを笑い飛ばしてくれるような、爽快な読後感。
【再読するか、他人に勧めるか】
内容を大体覚えてしまったのと、学ぶことがあったわけではないので再読の可能性は低め。
気楽に読める面白い本を探している人には薦めたい。
Posted by ブクログ
何やらとんでもない破天荒な医者に出会ってしまった、かと思いきや。飄々と掴みどころがなく、言うことなすことがめちゃくちゃな伊良部という医者。あらゆる病気や中毒に苦しむ患者たちの、一連の事件(?)が終わった後に伊良部の言動を振り返ると、実は名医なのでは!?という疑念が拭いきれず…!いや、考えすぎかも。笑
依存症に被害妄想、強迫観念等々。傍から見た時の当事者の人たちの様子がありありと分かったのが新鮮かつ怖くも感じた。何事も行き過ぎはよくない。。
Posted by ブクログ
どれも一歩間違えたら自分もなってしまいそうな精神病。病気だからってまともに受け止めちゃいけないんだなって思った。
伊良部先生のようにトンチンカンな先生のほうが名医なのかもしれない。
Posted by ブクログ
噂には聞いてましたが、想像以上にぶっ飛んでました。神経科の精神科医の伊良部一郎先生。そしてセクシーポーズで悩殺する冷徹な看護師のマユミちゃん。この先生にかかったらどんな心身症もバカらしくなって治ってしまう?みたいな。これはコメディですかね。深刻にならない、クヨクヨ考えない、おおらかに行こうと言いたいのかな。
Posted by ブクログ
キャラが強烈なインパクトだった。患者へのアドバイスも破天荒なら、行動も変。そんな医者なのに不思議と彼に診てもらった患者たちはいい方向へと向かっていくからこれまた不思議。自己中なんだけど中には冴えるアドバイスも。でも…実際のお医者さんだったら、自分は係りたくないなぁ