あらすじ
体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは──とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題。でもなぜか病は快方へ……? 続篇『空中ブランコ』で直木賞受賞、現代世相の病理をコミカルかつ軽妙な筆致で描き出す。精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!
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Posted by ブクログ
イン・ザ・プール
ストレス発散にプールで泳ぎ始めたら、それが依存症になってしまう。でも伊良部(精神科の先生)も同じようにはまり、長時間泳ぎたいと夜の市民プールに忍び込もうとして失敗して、目が覚める。伊良部は注射フェチでマザコン
勃ちっ放し
怒りを爆発させたら治った。でも警察沙汰になった。
こいつらは解放されている。理性から。世間の常識からも。ずっと自由に生きている。人間という動物らしく。恐らく自分は、同じ立場におかれたとしても、このように感情をあらわにすることはないだろう。怒る能力がないのだ。だから性器が代わりに怒っている。感情を爆発させている。自分の病気はやはり修羅場から逃げてしまったせいだ。
コンパニオン
ストーカーされてるっていう被害妄想
フレンズ
携帯依存症
高校デビューの男子高校生。本当は友達いなかった。クリスマスイブひとりぼっち
いてもたっても
強迫神経症。たばこの火を消したか気になって出かけるのに時間がかかる。エスカレートして、ガスの元栓や漏電も。自分が関わったものの責任が気になる。取材したホームレスが犯罪を犯したから追いかける。
「心配は人にさせるの。例えば大勢がおりるバス停では降車ブザーを押さないで、誰かに押させる。」
治らず。下宿生活にする。
Posted by ブクログ
個人的にはちょっと合わなかったけど面白かったです。
世にも奇妙な物語を読んでいるような印象で、あるようでないし、ないようである事が続く不気味さが読んでいて少ししんどかったです。
ただ、最後の話はとても共感できました。あれほど酷くはないですが、私も仕事場の鍵をかけ忘れて以降、異常にそのことばかりが気になって何回も確認にいったりしていました。元々心配症な性格に、失敗してしまったショックやプレッシャーから尚更ずっと考え込んでしまい、注意散漫になってしまう時期があったので、岩橋さんの気持ちはとてもわかります。
どの人も欲望が具現化したような症状ばかりで、人間の思い込みや欲求は果てしないものだと思いました。自分を認めてあげる事も大事ですが、時には冷静に自分を見つめ直さないといけないですね。じゃないと、知らぬ間に心に囚われてしまっているかも。