体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは──とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題。でもなぜか病は快方へ……? 続篇『空中ブランコ』で直木賞受賞、現代世相の病理をコミカルかつ軽妙な筆致で描き出す。精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!
Posted by ブクログ 2023年01月30日
父に「イン・ザ・プール面白いよ」と薦められてリバーに続き2冊目の奥田英朗。
精神科医・伊良部先生のもとに訪れる5人の患者のストーリーが収められている短編集。
伊良部先生の破天荒さにどの患者も「こいつ大丈夫か?」となるが、そんな伊良部先生との関わりを通じて悩み事が解決していく…。
とにかく伊良部先生が...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月25日
全ての短編がどれも傑作。読んでいて笑えたりするのに、確かに深刻な悩みばかり。重いものをコミカルに描き、読むと心が軽くなり不思議とポジティブな気持ちになる。登場する患者は皆ネディブなのに。
伊良部のキャラクター性が珍妙。患者たちと同じ目線で、読むほど好きになっていく。伊良部によって、独特な空気感があ...続きを読む
内容を諺に凝縮するならば、「人の振り見て我が振り直せ」。
患者は、伊良部一郎という自由人に接することで、自ら大きな気づきを得る。
読者も笑いながら呆れながら、気づきを得ることだろう、何かしら大事なことについて。