普天を我が手に 第一部

普天を我が手に 第一部

2,552円 (税込)

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大正15年の年の瀬、12月25日の午前1時過ぎ、陸軍省軍務局の少佐・竹田耕三のもとに、待ちに待った男子が誕生した。志郎と名付けられた子供は、その後、親である耕三と共に満州事変の調査の密命のため、不穏な空気の立ち込める中国大陸へ渡る。
一方そのころ北陸・金沢では、侠客一家・矢野辰一が、敵対する一家に落とし前をつけるため、組長宅に乗り込んだ。帰宅した矢野が目にしたのは、預かっていた哀れな女工の出産と、母親の死だった。矢野は生まれてきた孤児を四郎と名付け、自分の手元で育てることにする。
ところ変わって、東京神保町の出版社で進歩的な雑誌「群青」の編集者として働く森村タキは、社会運動家の夫との間に女の子を出産。イプセンの「人形の家」の主人公にあやかり、ノラと名付けたその子を、身勝手な夫と別れたあとシングルマザーとして育てていくことを決意する。
さらに、中国は大連のジャズマン・五十嵐譲二は、ジャズ楽団の年越しパーティの最中に生まれた子供を満と名付け、満と共に、開戦後の中国大陸を転々としながら、なんとか興業を続けていく。
大正天皇が崩御し、昭和天皇が即位した激動の瞬間に生まれた子供たちは、時代やそれぞれの親の影響を受けながら、政治、裏社会、婦人活動、興業と全く異なる世界で成長をし、数奇な出会いと別れを繰り返すなどしながら、戦争の時代から終戦を経て、高度経済成長期の昭和日本を精いっぱい生きていく。

昭和100年、戦後80年に生まれる、壮大な昭和史サーガ三部作。第一部は、親世代の視点を中心に、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦までを描く。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    592ページ
  • 電子版発売日
    2025年06月17日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    3MB

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普天を我が手に のシリーズ作品

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  • 普天を我が手に 第一部
    2,552円 (税込)
    大正15年の年の瀬、12月25日の午前1時過ぎ、陸軍省軍務局の少佐・竹田耕三のもとに、待ちに待った男子が誕生した。志郎と名付けられた子供は、その後、親である耕三と共に満州事変の調査の密命のため、不穏な空気の立ち込める中国大陸へ渡る。   一方そのころ北陸・金沢では、侠客一家・矢野辰一が、敵対する一家に落とし前をつけるため、組長宅に乗り込んだ。帰宅した矢野が目にしたのは、預かっていた哀れな女工の出産と、母親の死だった。矢野は生まれてきた孤児を四郎と名付け、自分の手元で育てることにする。  ところ変わって、東京神保町の出版社で進歩的な雑誌「群青」の編集者として働く森村タキは、社会運動家の夫との間に女の子を出産。イプセンの「人形の家」の主人公にあやかり、ノラと名付けたその子を、身勝手な夫と別れたあとシングルマザーとして育てていくことを決意する。  さらに、中国は大連のジャズマン・五十嵐譲二は、ジャズ楽団の年越しパーティの最中に生まれた子供を満と名付け、満と共に、開戦後の中国大陸を転々としながら、なんとか興業を続けていく。  大正天皇が崩御し、昭和天皇が即位した激動の瞬間に生まれた子供たちは、時代やそれぞれの親の影響を受けながら、政治、裏社会、婦人活動、興業と全く異なる世界で成長をし、数奇な出会いと別れを繰り返すなどしながら、戦争の時代から終戦を経て、高度経済成長期の昭和日本を精いっぱい生きていく。  昭和100年、戦後80年に生まれる、壮大な昭和史サーガ三部作。第一部は、親世代の視点を中心に、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦までを描く。
  • 普天を我が手に 第二部
    2,552円 (税込)
    加藤陽子、保阪正康、養老孟司激賞! 各紙誌上でも大絶賛! 敗戦、占領、抑留、青春、友情、再起ーー 希望よ、新たな時代の寵児たれ。 昭和100年・戦後80年記念刊行 昭和史三部作、物語はついに太平洋戦争の真っただなかへ。 たった七日間しかなかった昭和元年に生まれた四人が、 互いの運命を交差させながら、 新たな時代を切り拓く! 太平洋戦争が勃発した。 竹田志郎は、父に伴って渡米したが、そこで自分だけ捕虜となってしまう。ようやく帰国した後は日本の捕虜収容所の通訳となるも、目にしたのは看守の虐待が横行するずさんな実態だった。 矢野四郎は、父の死後、親譲りの素行の悪さで少年院を入れられる。だが、出院後次第に悪化する戦況うけ予科練に入ることを決意。戦友と共に人間魚雷「回天」で出撃を期する。 森村ノラは、ひょんなことから亀戸の喫茶店を任されることに。友人と闇米を買いに農村部へいったり、教会で預かった孤児たちを軽井沢へ疎開させるなど、母親譲りの活力で奔走する。 五十嵐満は、戦中は映画俳優として活躍。さらに、新国家建設を標榜する張学士らの組織〈リバティ〉に加入。だが、敗戦後に組織はあっけなく瓦解。タップダンスを武器に、旅芸者・藤田と捕まっては脱走を繰り返す。

※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません

普天を我が手に 第一部 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    毎週観るので大河ドラマにしてくださいと言いたくなる、ザ・昭和サーガ。大正最後の日、エリート帝国軍人、金沢の仁侠、夫人運動家、そして満州の興行師という接点のない(今はまだ)4人が、後に「昭和」と名付けられる時代の一日目にそれぞれ“子供”を授かる場面から始まる。
    4人の視点が交互に入れ替わり、戦争に向け

    0
    2025年11月08日

    Posted by ブクログ

    戦前から始まる物語。めちゃくちゃ面白かったです!
    4人の主人公がいて、住む場所や職業や性別からその時代背景を描く。
    勉強にもなるし読んでいてとても楽しかった。
    私が特に応援していたのは森村タキさんという女性の主人公。女性は参政権もなく弱い立場であるところからもがいて頑張って未来へ繋げていく姿勢がカッ

    0
    2025年10月23日

    Posted by ブクログ

    昭和元年に生まれた四人の人生を並行的に描きながら、昭和という時代を浮かび上がらせようという大河小説の第一部。第一部ではまだこの四人がどのように交わっていくのかその予兆を感じさせるに過ぎないが、第二部では激動の戦時下、それぞれの人生が交錯していくことになる。

    主要参考文献にその昔編集作業に協力した講

    0
    2025年10月17日

    Posted by ブクログ

    すごいドラマが展開します。同じ時代に生きた人々ですが、階層が違うと世界観も価値観も別物になるのですね。そして、読み手の予想としては、子供の世代のどこかで、その人々が遭遇するのでは?さあ、第2部はどうなることやら!楽しみで楽しみで早速、予約したのは言うまでもありません!

    0
    2025年10月09日

    Posted by ブクログ

    本の厚さに怯みながらも、作家を信じて読み始める。
    戦前の日本と満州、様々な環境に置かれた人々の群像劇、登場人物それぞれが全く異なる環境であるのに、やがて人生が交錯し始める。
    第二部が早く読みたい。

    0
    2025年09月28日

    Posted by ブクログ

    現代でも労働組合の集会に右翼の街宣車が来るのはそういうことだったのか。本作を読んで理解した。

    史実を交えつつ時が流れ、それぞれの人物が少しずつ接点を持っていく。こういう展開が大好物。
    第二部を読むのが楽しみだ。

    0
    2025年09月24日

    Posted by ブクログ

    なんという面白さ!
    歴史的事件と創作を組み合わせた圧巻の物語。
    どうやったらこんなストーリーを考えつくんだろう。
    奥田さんの作品は時々ページ数が足りなかったんじゅないかって言う終わり方をする事があるけど、今回は多分このボリュームのままあと2作。
    最後まで存分に楽しませてもらえそう。

    0
    2025年09月09日

    Posted by ブクログ

    昭和元年からの三部作、第一巻。この長き小説は四人の男女とその子供を軸に書かれている。第二巻は、9月とのことだが、早く続きをよみたい。

    0
    2025年08月27日

    Posted by ブクログ

    戦後80年。
    その節目にこの本が出てよかった。
    奥田英朗さんらしく、ぐいぐい読ませるテンポのよさ。それぞれの人物にそれぞれの葛藤があり、悲しみがあり、笑いがあり。
    第二部ではきっと子供たちに話しが移っていくのだろう。今から楽しみです。

    0
    2025年08月22日

    Posted by ブクログ

    昭和100年、戦後80年の今だからこそ読むべき一冊。最近読んだ本の中では一番面白い。本作を読んで、戦争直前の日本の臨場感を生々しく味わえた。4つの全く異なる家族の生き方を交互に描く構成も素晴らしい。

    0
    2025年08月22日

普天を我が手に 第一部 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    592ページ
  • 電子版発売日
    2025年06月17日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    3MB

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  • 【閲覧できる環境】
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