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我ら日本人がどういう民族かを描いた極上のエンターテインメントです!――――鴻上尚史
司法、実業、報道、娯楽。たった七日間しかなかった昭和元年に生まれた四人の子どもは激動の戦後日本を生き抜き、それぞれの道で時代を創り上げる。昭和という時代そのものを克明に活写した超大作、感動のクライマックス!
竹田志郎は、東京大学法学部を卒業後、晴れて検事となる。戦後の発展のウラで苦しむ人々を救い、私腹を肥やすものを糺すべく、公害訴訟や政治汚職事件にひるまず立ち向かう。
矢野四郎は、自身の事業を成功させるとともに大物政治家にも可愛がられ、右翼の大物となる。やくざが淘汰されゆくなかでも国士である意志は一層強く、故郷・石川より衆院選に出馬する。
森村ノラは、GHQでの経験からAP通信の特派員となるが、その後「大日本テレビ」の女性記者に転職する。結婚し育児にも励みながら、ベトナム戦争の取材を敢行するなど、持ち前の活力で奔走する。
五十嵐満は、自身の芸能プロダクションを興す。気鋭バンドのプロモーション、プロレス興行への参入、世界的ミュージシャンの来日公演など、戦後大衆文化の中核を担う存在となる。
大河のごとき昭和史サーガ三部作、ここに完結!
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Posted by ブクログ
昭和生まれです。だいぶ終わりのほうではありますが。
昭和と言えば戦争、そこまでが自分のなかでの「歴史」だった。そこから先は点としては多少知っていたものの、「史実」として体系的に、かつ連続的に理解してはいなかった。
ビートルズ来日、よど号ハイジャック事件、ロッキード事件、日朝国交正常化交渉など、すべてが戦後のわずか30〜40年に詰まっていたのだと思うと、なんて濃密な時代だったのかと改めて痛感させられる。主人公たちの目線を通すことで、それらの出来事がすっと心に入ってきた。
世界を相手に戦い、徹底的に敗れ去り、しかし同じ元号のうちに再び経済で覇を唱える。昭和とは実にすごい時代だった。人生の折り返し地点を過ぎた今、現在の日本が当時の勢いから遠く離れてしまったことに少し寂しさを覚える面もある。しかし、当時の日本の成功の裏には圧倒的な個の犠牲や「滅私奉公」があったことを思うと、二度と戻るべき時代ではないのかもしれない。
全3部作という長さをまったく感じさせない、大変素晴らしい小説だった。平成生まれの息子にも、いつか手に取ってもらいたいものだ。
近現代史が「歴史」となり、少しずつ人々の記憶から薄れていくなかで、人類が多くの犠牲を払って得た教訓が未来永劫残り、子孫の穏やかな発展に繋がっていくことを願ってやまない。
末筆ながら、昭和天皇がルメイに勲章を親授されなかったエピソードには、胸が熱くなった。
Posted by ブクログ
第三部読破。
戦争が終わって、
ここからは戦後の日本。
戦後の日本を考える上で
アメリカの存在は切り離せないということ。
敗戦から復興し、高度経済成長を遂げ、
日本はどんどん豊かになっていく。
その一方で、
政治家、官僚、財界、アメリカ、
それぞれの思惑が絡み合って国が動いていく。
特に田中角栄。
圧倒的な行動力と政治力がありながら、
その裏には金と権力があり、
最後にはロッキード事件。
単純に「良い政治家」「悪い政治家」では
片付けられない。
光と闇の差が激しい。
第二部では、
「なぜ日本は戦争を止められなかったのか」を考え
第三部では、
「戦後の日本はどうやって今の形になったのか」を考えさせられた。
歴史を知れば知るほど、
今の日本も突然できたわけではなく、
過去からずっと繋がっていることが分かる。
勉強になりました。
Posted by ブクログ
第三部になると、第一部・第二部に比べてかなり「歴史小説」寄りの硬さを感じるかもしれないが、4人がとても情熱的で、四郎と志郎の演説には泣き笑いし、昭和天皇崩御のシーンには込み上げるものがあった。
敗戦からまだ15年も経たないのに、世界では米ソ対立、朝鮮戦争、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争と大きな出来事が続き、国内でも共産党や新左翼をめぐる抗争が続いていた。それなのに、日本人はすっかり平和ボケし、国外の情勢には無知で、自分たちには関係ないというムードだったというのには驚いた。
戦争で未来ある青年たちを苦しめないためにも、四郎や志郎のように戦争体験を伝えていくことが大切だと思う。戦争を知らない私たちだからこそ、この100年の歴史をしっかり知っておかなければならないと痛感した。
奥田さん、やっぱりさすがです。これは一人でも多くの若者に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
大東亜戦争(太平洋戦争)に負けた終戦から同い年4人の主人公が其々の道を歩み、その過程で道が交わりながら戦後の大きな出来事に絡んで成長する姿を描く。最後は4人とも其々の志しの元国会議員となる。
矢野志郎-戦後の闇市愚連隊から運送会社を立上げ政治家の道に進み、裏社会との太いパイプを持ちながらも国士としてサイパン遺骨収集に尽力したり、淀号ハイジャックの人質交換等を経験して政界実力者に登り詰める。
竹田四郎-戦後のヤクザ組織の影響力を憂い検事となるもロッキード事件での幕引きに限界を感じ政治家の道に進み最後は首相となる。
五十嵐満-エンターテイメント社会で力をつけプロレス興業の立上げ、ビートルズ来日を実現して成功を収める。更なるエンタメ業界の発展を願い政治家となり国政の道に進む。
森下ノラ-米国通信社のジャーナリストとなり多くの事件報道に係り、後にTV業界に転職してベトナム戦争に戦場ジャーナリストとし活躍し浅間山荘事件報道等にも関わる。後の社会党から国政の道に進む。
1945年(昭和20年)の終戦後、日本の華々しい発展と事件を交えた内容で激動の昭和と言う時代を振り返る事が出来て幼くも同時代に行きて者として記憶の補完も出来良かった。
戦後の米国傀儡国家の生い立ちから今だに脱却出来ていない日本の有り様を残念にも思った。
主な出来事
サンフランシスコ平和条約
プロレスブーム-錦川(力道山)
朝鮮戦争
東京オリンピック
ビートルズ来日
ベトナム戦争
淀号ハイジャック
浅間山荘事件
沖縄返還
ロッキード事件
昭和天皇崩御
Posted by ブクログ
普段読書をして感動するとか、胸に込み上げるものがあるとか、そういうタイプではないんだけど、最後の満パートで思わずグッと涙が浮かんでしまった。
フィクションではあるけれど、昭和史を辿っているストーリーだから予定調和であるのに、こんなに胸にくるって本当に素晴らしい作品を読ませてもらえたと感謝の気持ちしかない。
大抵帯の文句は過剰だけれど、【我ら日本人がどういう民族かを描いた極上のエンターテインメントです!】はまさにその通り!
日本人はもっと日本の歴史に…しかも近代史に興味をもつべきだし、学校教育でも日本の良い面悪い面、どちらも等しく正確に誠実に教えるべきだと感じた。
三部作、長いけれど本当に読んでよかった。
Posted by ブクログ
三部全て読み終わりました❗️
3冊とも分厚かったのですが、挫折する事なく読み進められました。
三部は太平洋戦争が終わり、戦後が舞台です。
竹田志郎、矢野四郎、森村ノラ、五十嵐満の4人がそれぞれの分野で活躍します。検察、会社社長、ジャーナリスト、芸能事務所社長で。
しかしながら、ときどき顔を合わせます。今、こんなことをしてるなどと同窓会のような報告をします。
各々の成長が私も嬉しくなります。
志郎と四郎のライバル的な関係も、まさか最後にあのような対決となったのが、驚きです‼️
タイトルの『普天を我が手に』もそういう意味かと。
それ以外にも戦後のプロレスブームや東京オリンピック、日本赤軍の浅間山荘事件、ロッキード事件など、昭和の出来事が出てきます。
大河ドラマを見ているように読み進められました。
昭和を懐かしむ良い作品でした。
奥田英朗さんの作品を他にも読んでみます。
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