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昭和三十八年十月、東京浅草で男児誘拐事件が発生。日本は震撼した。警視庁捜査一課の若手刑事、落合昌夫は、近隣に現れた北国訛りの青年が気になって仕方なかった。一刻も早い解決を目指す警察はやがて致命的な失態を演じる。憔悴する父母。公開された肉声。鉄道に残された“鍵”。凍りつくような孤独と逮捕にかける熱情が青い火花を散らす――。ミステリ史にその名を刻む、犯罪・捜査小説。
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Posted by ブクログ
誘拐事件が起きて犯人が分かるまでは長かったですが、結末が気になってどんどん読めました!最後のオチも納得です。残念ながら罪の轍は途切れませんでした。。
素晴らしかったです。奥田英朗さんは大好きなのですが、本領発揮といかこの時代の熱さとかややこしさとかが、たっぷり味わえて最高です。「オリンピックの身代金」ファンとしても「オチ」が出てくるだけで、熱かった。 前半に丁寧にストーリーを紡いで、最後のほうはもうわくわくが止まりませんでした。 非常に切なく...続きを読む苦しい話ですが読んだ後の達成感良しです。
当時、10才の時の話で、周囲が騒がしかったのをよく憶えている。事件の中身については全く知らないままだったが、今回、小説ながらこんな事件だったのかと驚いた。しっかり読ませてもらいました。
800ページを超える大作。いやぁ長かった。 犯人の自供を今か今かとページを捲る度に焦らされた。 東京オリンピック前の浮き足立つ昭和38年に起きた 最悪で悲惨な誘拐事件。 刑事たちの犯人逮捕への執念に感嘆した。 終盤、逃走した犯人を捕まえる描写は手に汗握るほどスリリングだった。 どんなに不幸な生い立ち...続きを読むや環境で育ったとしても、人を殺める正当な理由には決してならない。 結末はとてもやるせない。
面白かったです。1964年の東京オリンピック前に起こった誘拐事件。犯人特定のための地道な捜査で点と点を少しずつ結んでいく様に引きこまれながらあっという間に読破。最後のシーンには思わず手に汗をかいてしまいました。
奥田さんが描く犯罪小説は本当に面白い。登場人物の息遣いが聞こえてくるようなリアリティがあり、ページを捲る手が止まらなくなる。 会話の練り方も半端ではなく、特に警察署の取調室における青年と刑事との対峙シーンは圧倒的な迫力で引き込まれた。いずれ映像化されると思うが、この緊張感は恐らく小説でしか味わえない...続きを読む類のものだと思う。 文章のリズム、細密なディテールの集積は手練れの本領発揮といったところで、恐れ入りましたという他ない。 『オリンピックの身代金』を読んだ時も思ったけど(ちなみに登場する刑事たちは本作と同一)、光と影を抱えた昭和という時代に流れていた空気が、当時生まれていなかった私にも感じられるようである。 文庫で800ページ以上あるけど、ほぼ一気読みだった。文句なしの傑作である。
各登場人物の描写が素晴らしく、なぜか犯人さえも憎めない。特に後半の怒涛の展開はページを捲る手が止まらず、寝不足を誘引する。実話を基にしたフィクションとのことで、なかなか考えさせられる。
さすが奥田先生 長編小説でしたが「読ませる」小説でした。 でも犯人となる人物が憎めないんだよなぁ なんなら「逃げきってほしい」とまで思わされた 実際あった事件をモチーフにしてあるので、そちらも調べながら読みました。 やはり奥田先生はうまい! と唸りました。
素晴らしい作品でした。実話ベースですが、ミステリー作品としてのエンタメ要素もしっかりとあり、とても楽しめました。とにかく、現代から見れば、その当時の時代ならではの障害、障壁が如何に犯罪捜査を困難なものとしていたかがわかります。電話ひとつとってしてもそう、北海道と東京の行き来とってしてもそう。そんな中...続きを読む、奮闘する刑事達の感情やら組織論やらが非常にわかりやすく描かれています。また、舞台となる礼文、南千住山谷や上野、浅草等の、如何にもといった街々の状況や特性も情景伝わりやすく描かれており惹き込まれます。そして、宇野寛治の人生。ここまでの事件となってしまわないよう、どこかで防ぐポイントは無かっただろうか、、宇野の苦悩、負の誘発とその連鎖といったところでしょうか。ページ数も多く読み終えるまでに少し時間はかかりましまが、重厚感ある素晴らしい作品だと思いました。
轍って、雪の多いところの出身でないと何ぞや?って思うよね。 私はどっぷり北海道育ちだが。 この小説のタイトルは素晴らしい! 深いです!
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罪の轍(新潮文庫)
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奥田英朗
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