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Posted by ブクログ
悪夢から目を覚ますと、部屋は火の海。
逃げようとするが力つき、生きたまま焼かれる女。
...そんなショッキングなシーンから始まる本作。
全体の印象は...何と言うか、かなりクセがあるか。
「元カノの死の原因を探る」といういモチーフは、
樋口作品には何度か登場している。
当然「素人探偵」なのだが、樋口描くところの主人公は
韜晦しつつも常に鋭い頭のキレを見せて、
淡々と真実を暴いて行く。
本作も、その系譜。
死んだ元カノの「引きこもりの妹」という存在が
作品に特異性を付加してはいるが。
細かいことを言い出すと、実はツッコミどころ満載。
樋口作品では、よく「警察はアホ過ぎ」に描かれる。
が、気楽なエンタテインメントとして読めば、
「妹」のツンデレ気味を楽しみつつ読める。
ストーリーもきちんとひねくれてるので、
タイトルにある「魔女」は誰を指すのか、
なぜ魔女にならなければいけなかったのか、
ちゃんと完成作品として楽しめます。
...作者はきっと女性恐怖症に違いない...
と思うほど、登場する女は魔女ばかりですが(^ ^;
Posted by ブクログ
再読。
母と姉、年上の恋人の尻に敷かれモラトリアムな毎日を送る就職浪人中の広也は、二年前に別れた恋人・千秋の死の真相を追うことになる。
彼女は、中世の魔女狩りのように生きたまま焼かれた。果たして彼女は魔女のような女だったのか・・・。
母、姉、恋人と登場する女たちが強く魅力があり、千秋の人となりが霞んでしまった感があるが、真相を含め、ミステリーとしても面白かった。
2010.10.28
いつもながらの樋口氏の世界。
今回の探偵役は就職浪人中と若めで「ぼくと、ぼらの夏」をに近い。
猟奇系に対抗して、「懸命に生きる人びとの常識を重みを大切に描いた」という著者に共感。
Posted by ブクログ
強い人間と弱い人間。
いったい誰がその判定を下すのだろう。
強そうに見えていても、黒魔術に頼ったり自分を変えようともがいている人間だっている。
いつだって自分は被害者で、いつだって誰かのせいで自分は幸せになれない。
そんなふうに考えていたら、どれだけ恵まれていようが一生幸せだという実感は持てないのでは?と思ってしまった。
主人公である広也が元恋人が焼き殺された事件を調べていくという物語だ。
元恋人・千秋の実家を訪ねたり、友人だったと思われる人間に会いに行ったり、そのたびに広也は自分が知らなかった千秋を知ることになる。
本当の千秋を知ろうともしなかった広也と、自分を見せようとしなかった千秋。
二人がともに過ごした時間はいったい何だったのだろう。
人にはいろいろな面がある。
そして、人は自分に都合の良い面だけを見て、その人を評価しようとする。
殺されたことによって千秋の人生は終わった。
人に知られまいと隠してきたことも、自分なりに修正しようとしていた人生も、すべてが無になった。
最後まで、千秋とは本当はどんな人間だったのか。
捉え所のないあやふやな印象しか残っていない。
犯人の言い分もよくわからなかった。
殺して、この世から抹殺して、それで何が変わるのだろう。
殺したいと思うほどの怒りが感じられずに、やけに犯人の中途半端さだけが気にかかった。
実際に人を殺そうと思うときには大した理由なんて無いものだ・・・と言われてしまうかもしれないけれど。
Posted by ブクログ
死んだ元恋人の足跡を辿るうちにそれまで知らなかったもう一つの顔が見えてきて・・・よくあるストーリーと言ってしまえばそれまでだが、オカルトチックなスパイスと作者得意のライトな文体が飽きさせずに最後まで読みきらせる。犯人は確かに意外な人物だったが、ちょっとアンフェアかもと言う気がした。よく読み直せばわかるのかもしれないが。それよりも本当に黒魔術ってあったのかもと思わせる展開はお見事。オカルトに流れてしまいそうで不安にさせておいて、そのギリギリのところでミステリーに帰ってくる。決していい読後感ではないのだが、ほっと一息つかせるエピローグは印象的だった。アリバイも密室も何かトリックがあるわけではない。シンプルミステリーというカテゴリーがあるならばお手本になるだろう・・・とまで言い切ってしまうと誉めすぎか。
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