赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂

小説・文芸
559円 (税込)

2pt

東京から流れつき、どこに行くあてもない「私」は日の当たらない蒸し暑いアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、極楽の鳥、迦陵頻伽(カリョウビンガ)の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」──。圧倒的なストーリーの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。寺島しのぶ主演の映画化も、日本映画大賞など数々の賞を受賞。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    赤目四十八瀧心中未遂
  • タイトルID
    :
    130866
  • ページ数
    :
    280ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年09月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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赤目四十八瀧心中未遂 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    前半と後半で雰囲気が変わり、後半は耽美な幻想文学に思えました。とても美しく儚い。

    私小説の有名作ということだけ知ってたので、身の回りのことを細々とぼやいてる暗い作品なのかなと思って読み出して、最初はそのイメージにあってましたが、カフカ的な雰囲気を感じたり、異界の幻想文学のようで、とても感じ入りました。傑作。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    全編「生(なま)の言葉」で書かれた小説の前では、どんなに理性的な言葉で感想を綴ろうとしても、どんなに作品を理知で論じようとしても、それは「嘘の言葉」にしかならないような、手から砂がこぼれ落ちるように作品の本質を取りこぼしそうな気がして、言葉にならない

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    なにを言わないかで成立している世界、何事も起きない時間に揺れる女の心と最後まで境界を踏み越えない強さ、この世界で生きる人間ではない鈍臭さ、おそろしく生々しい人間味など、緊張感がすごい
    言葉遣い含めとても良かった

    0
    2026年09月06日

    Posted by ブクログ


    異質な作品。
    作者は暗くある種陰惨な私小説をキャリアとしていて、本作品もベースは世捨て人の作者自身を投影した様な一人称視点。
    にも関わらず、本作品の直木賞受賞には納得をしてしまう寓話性があり、作品が締まった瞬間物語の世界から弾き出された様な寂しさを感じた。
    特に女性とのさもしい縺れた恋情を描くのが巧すぎる。

    0
    2023年06月28日

    Posted by ブクログ

    日常を虚で湿った目線でかすめる言葉たちとなにかの起きていることはわかるがなにが起きているのかはわからない感覚とがまじりあって神話的な雰囲気を醸成している。ただ二十四節で終わってほしかった。釣れない釣りを続けるひとたち好きだった。

    0
    2022年12月25日

    Posted by ブクログ

    社会の底辺で生きる人達と、そこに身を置かざるを得なくなった主人公の話。
    文章が面白過ぎて、全然好きな題材じゃないのに怖い物見たさもあり一気に読んでしまった。
    主人公が「生きる世界が違う」と体良く追い出され更に女の後を追いかけて彼の地を離れるまでの冒険譚のような話だった。

    0
    2022年10月03日

    Posted by ブクログ

    上手い。文章が、ストーリーが、人間描写が驚くほど上手い。地下鉄神楽坂駅の伝言板に始まるあっち側とこっち側を意識させる世界観。会社を辞めてアパートの一室でモツを串に刺し続ける「私」。背中に迦陵頻伽の刺青のある隣室の女がある日「うちを連れて逃げてッ」ーこの目に見えない境界線は何なんだろう。そして本当にそこに境界線はあるのだろうか。何がそれを作るのだろう。さらにあっち側にも魅力が垣間見える。近所の焼鳥屋が肉を串に刺し続ける仕事、時給1200円と聞いて、それは違うと思った。

    0
    2021年11月19日

    Posted by ブクログ

    近鉄の駅に夏になると貼られる赤目四十八瀧の観光ポスター。毎回気になるのだけれど、旅慣れた京都でも奈良でも大阪でもなさそうな場所で、なんとなくふわふわした「いつか…」のままちょっと心の奥にしまってある現実感のないところ。そこがタイトルだったので手にした本。

    久しぶりにこれだけ黒いマグマのような力のある小説を読みました。
    尼崎・やくざ・刺青といった好みのジャンルではなかったけれど、ドロドロとした臓物までさらけ出すように刹那的に底辺を生きる登場人物たちの描写から感じるものが色々ありました。それは感動とかそういうものではなくて、リアルにこういう世界に生きている人たちもいるのだろう、とにかく自分も今日を踏ん張って生きて、少しでも今の場所から這い上がらなければ…という生へのリアルさでした。
    それには自分はここまで落ちてはいないという安心感もある。そして立ち止まり過ぎていたら、ここに落ちてしまうかも…という不安でもある。

    日常で使う「しかし」という字は「併し」って書くことも知りました。
    短めの小説だし、また疲れたら読んでみよう。

    0
    2021年02月06日

    Posted by ブクログ

    赤目四十八瀧というのは、三重県名張市の近くにある有名な観光地である。といっても、近くにいながら僕は一度も訪れたことがない。一度は行ってみたいと思っていたが、この作品を読んだら行く気が失せた。それは何故かと問われても説明がうまくできないのだが、背中からぞくぞくするような寂寥感が迫ってくる描写に、妙に不吉な臭いを連想し困ってしまった。
    作品の中に、主人公の生島とアヤちゃんが、死に場所を探しながら滝壷を覗き込むシーンがある。これが何とも切ない。最終のバスに乗り遅れて、バス停で呆然と佇むような感覚とでも言おうか、次に何をしたらいいのか分からないもどかしさを感じるのである。
    夕闇が迫るとともに観光客の姿もなくなった連瀑を覗き込み、「死ぬことについての意味など何もない」と思いながら、成り行きに任せて心中を決心していく主人公の姿が悲しい。安定した会社勤めを簡単に辞めて、隠れるように移り住んだ薄暗いアパートの一室で、臓物にひたすら串を刺していく毎日。欲もなく、自分を追いつめるように空気の如く生きる生島の姿は、まるで修験者のようでもある。凡庸と欲望に凝り固まった自分には生島の生き方は到底理解できない。“流される”と表現するのが一番合っているような気がするが、ただひたすら流され続ける生島の生き方は、人間を捨てた仮の姿であり、無欲が成せる崇高な姿ではない。魂を抜かれた“抜け殻”と表現するのが合っている。
    作品の中で、生島が姫路に生まれ、小説を書いていたというエピソードが出てくるが、このあたりのあらすじは著者の過去を彷彿とさせるものがあり、自らの体験がベースになっている作品と言えるのかもしれない。関西の下町を舞台に、陰をもった人々の暗さをたっぷりと書き込んでいる筆致は、著者の分身とも言えなくもない主人公の生島の育ちの良さを時折垣間見せながら、まるで梅雨空から抜け出せないような暗い関西弁のイントネーションを使って、隠花植物のように暗さに溶け込まさせる。育ちの良さが発する輝きを無理矢理に封じ込めるという絶妙なバランス感覚をうまく表現し、著者独特のシュールな世界を作り出すことに成功している作品であった。

    0
    2021年01月25日

    Posted by ブクログ

    文体が古臭くて湿っぽくてクセがあって、読みやすいわけではないけど、何となく引き込まれる。主人公やアヤちゃんがどういういきさつで今の生活に至っているのか、あまり触れていないことが興味を引き立たせる。主人公が最終的には普通の生活に戻ったということにさらにびっくり。

    0
    2019年06月30日

赤目四十八瀧心中未遂 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    赤目四十八瀧心中未遂
  • タイトルID
    :
    130866
  • ページ数
    :
    280ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年09月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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