Posted by ブクログ 2016年08月06日
一章、二章と読みやすさを携え、これはノンフィクションなのだろうかと思うぐらい物語性に富んでいた。非現実のような現実。知らなかった事実。目を背けていた死との対峙。まざまざと眼前に突きつけられ、しかし己の未熟さを責めるわけでもなく、それを温かく、著者の体験として迂遠ながら間接的に教え諭してくれるような、...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年02月08日
生死観を変えてくれる力のある本だ。死が怖いものではなくなり、身近な優しいものに感じられてくる。そして生きることが愛おしくなる。▼著者は生活に困窮し新聞の職安欄を見て葬儀の会社に入り、納棺を担当する。それは、筆者が(仏の)「光」と出会うきっかけとなった。生者が忌み嫌う死人が、筆者を光の救いの道へ導く。...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月07日
「生」と「死」があるのではなく、「生死」。
雪でもなく雨でもない「みぞれ」に託して語られる筆者の死生観がスッと入ってくる。
私自身はお盆もクリスマスも初詣も一通りこなす無節操な日本人ですが、自然を見つめ死者と対峙し詩を書く筆者の、実体験の中から立ち上って来た仏教的な言葉の数々には、居住まいを正して...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年09月27日
映画『おくりびと』の原作。死に対し真っ正面から向かい合う作者の態度に感動した。
映画が話題になっていたときはさほどきにしていなかったことだが作者のいう「納棺夫」というのは長らく差別的な目を浴びせられてきたということだ。作者も親類から早く仕事を離れてほしいと頼まれている。しかし死者と関わりをもつ人...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年03月27日
映画「おくりびと」の原作ではないが、元となった本。納棺夫というのは正式な職業名ではないが、この本をきっかけに、納棺をする人が世間に認知されるようになったようだ。
著者は葬儀屋で働いていて、たくさんの死体に向き合ってきた。その時の体験から、「死」そのものについて考えるようになった。突き詰めていく過程で...続きを読む