小銭をかぞえる

小銭をかぞえる

519円 (税込)

2pt

女にもてない「私」がようやく女とめぐりあい、相思相愛になった。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は甘いどころか、どんどん緊張をはらんだものになっていく。金策に駆け回り、疎遠な友をたずね、断られれば激昂し…金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、ぬいぐるみを溺愛する女との関係を描く「焼却炉行き赤ん坊」を併録。爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。新しい私小説がここから始まる。

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小銭をかぞえる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月18日

    西村賢太の破天荒さにびっくりしました。その中でも昔の文学っぽい文章の書き方によって、なぜか奥かしさが感じられて最後まで嫌にならず読めました。破天荒過ぎてエンターテイメント的な部分もあります。

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    Posted by ブクログ 2023年08月27日

    西村賢太さんの小説ってなんでこんなに面白いんでしょう

    ド屑を主人公とした私小説、読んでいてヒリヒリしてくるようなやりとり、なのにどこかユーモラスな滑稽さも感じてしまいます

    たぶんこれは、主人公を屑として描き、それに対して弁明めいた描写が一切ないからという、そのバランス感覚が上手いんじゃないかなぁ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月30日

    激烈におもしろかった。
    女に頭を下げてお父さんから50万借りれることになった直後に実は本当に必要なのは30万で、これはビフテキが食えるぞとなるあたりは笑っちゃう。

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    Posted by ブクログ 2023年01月29日

    『苦役列車』が面白かったのでこちらも。「焼却炉行き赤ん坊」のスピード感がたまらない。爆笑に次ぐ爆笑。文章のグルーヴがとんでもないことになっている。そして読後にはわずかな寂寥感が取り残される。なんなんだコレは。他の文庫も全部揃えたくなった。
    「心の底から反省して、二度とこんな陋劣な真似はしませんから、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月28日

    いやーおもしろい。隠さずにすべてを晒すことができるのが私小説の良さなのか。

    クソみたいな人間に辟易するがなにか愛らしい。
    「こんな人間にはなりたくない」「こんな部分が自分にもあるのかも」「自分も角度を変えるとクソなんじゃないか」
    よくわからんが、いろんな感情に揺さぶられる。

    しかしどんな想いも包...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年12月31日

    同棲した女性が、ぬいぐるみ心酔し、徐々にそれが煩わしくなり主人公と口論、暴力へと発展し最終的には女性が大事にしていたぬいぐるみを引き裂き無残な結末を遂げる「焼却炉行き赤ん坊」と、自費出版の経費が必要となり、同棲した女性の父から金を借り、更には旧友からも金をせびる「小銭を数える」。両作とも無残な結末を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月11日

    安定の貫太シリーズ。名前は出てこないですが、秋恵との蜜月の日々を描く本作。二短編は共に貫太の癇癪で破綻に走る事毎度の結末ですが、どうしてこうも西村処作は分かっていても面白い読後感を味わえるのでしょうか。
    それは巻末に町田康氏が解説してるように、純文学定形の「苦悩する青年像」と全く異なる方法で物語が描...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月02日

    いわば人間の屑とでもいうのだろうか。
    働きもせず金を無心し、すぐ激昂し、女に手を挙げ、の繰り返し。それも私小説とは。。
    現代の話をかようにまでも大正昭和の人が書いたような文体、計算ずくの内心描写を筆致に描き上げる力量は解説者をして天才と言わしめるだけのことがある。
    早逝が惜しまれる。

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    Posted by ブクログ 2022年11月08日

    やっぱり西村賢太さんの作品は面白い!
    「焼却炉行き赤ん坊」と「小銭をかぞえて」のに作品が収録されているが、どちらも甲乙付けられずに面白い作品である。

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    Posted by ブクログ 2022年02月06日

    生きる生臭さが、漂っている。短絡的な思考回路に至り私小説を著した著者の生きざまにもっと触れてみたくなった。西村賢太さんはきっと人たらしです。

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