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七◯年十一月、市ヶ谷の死地に赴く三島から「檄」を託された記者が四半世紀の沈黙を破って描く哀切の名篇。第十回新潮学芸賞受賞
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Posted by ブクログ
三島由紀夫が自刃する前、交流のあったジャーナリストの徳岡孝夫氏による三島由紀夫との回顧録。 三島由紀夫本人が心を許した人とのやりとりからその人間らしさが感じられる。 「精神の存在証明には行為が伴わなくてはならず、行為を行うのは肉体である」という三島由紀夫の信念。 「無効性に徹することによつてはじめて...続きを読む有効性が生ずるといふところに、純粋行動の本質があり、そこに正義運動の反政治性があり、『政治』との真の断絶があるべきだ、と私は考えへる』…。 人の生涯は死に方によって決まり、犬死こそ純粋行動の正しい姿だ、と言っているのである。
三島由紀夫の著書(小説、エッセイ、評論、戯曲)については、多数読んでいる。 それから、三島由紀夫の死について書かれたものも、数多く読んできた。 その中で、この本が、最も、的を得ていて、優れていると感じた。 反論することが不可能になっている亡き友に対して、フェアな文章であると思った。 それでも、尚、謎...続きを読むの部分が残されているのは、仕方がない事に思う。 主人公は、生前から、超然とした存在で、常人には理解できない存在であったのだから。
三島由紀夫を見る目が変わった。 意外と常識的な視点を持った人だったんだなぁー、と。 読んだ後様々な事を考えてしまった。
三島由紀夫から直接、あの日の「大役」を依頼された記者の一人。 『豊饒の海』の中でも難解だった『暁の寺』に関わる記載にも感謝。
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