対岸の彼女

対岸の彼女

790円 (税込)

3pt

いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。

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対岸の彼女 のユーザーレビュー

結婚、キャリア、子育て。
それぞれの人生の分岐を進んだ女たちは、心から分かり合えるのでしょうか。

専業主婦の小夜子は義母との関係に疲れ働く決心をします。採用されたのはハウスクリーニングの仕事。
その会社を経営する女社長の葵は、小夜子と同年齢で出身大学も一緒。
共通点が多いことや、明るい性格の葵の人柄に惹かれた小夜子のコミュニケーションにより、2人は仲良くなります。
しかし、距離が近くなるにつれ葵の言動に対して疑問を感じるようになった小夜子。
ひょんなきっかけで葵の過去を知り、2人の関係性は変わっていくことに。

結婚をするしない、子供を産む産まない、キャリアアップを目指す目指さない。
年齢を重ねるほど、気が遠くなる決断を求められる機会が女性には比較的多いと思います。
その分岐は人生を変えるにはあまりにも大きく、選択の内容次第で今まで仲が良かった友人同士の絆を引き離すことも。
異なる分岐をした人が交じり合うことはなく、同じ道を選んだもの同士で関係を深めていくのだろう。
そう思っていました。

しかし、選んだ分岐に対して強い不満を抱いていたらどうでしょう。
専業主婦の分岐を選んだ小夜子と、やりたい仕事に挑戦する分岐を選んだ葵。
一見関わることのない2人が、自分の環境に関係なく心を通わせようとしたら…。
疎遠になった友人がいる人、これからの人生に対して迷いがある人に是非読んでいただきたいです。

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感情タグBEST3

    購入済み

    孤独と向かい合わせーせつない

    通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
    今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
    この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。

    生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思

    1
    2021年05月31日

    Posted by ブクログ

    読者の興味をそそって引きを作る、過去と現在を行き来する構成が素晴らしいが、圧倒的に葵とナナコの過去パートが面白い。直木賞受賞作だが葵や小夜子がまわりとの関係に苦悩する心理への迫り方は純文学のそれに近い。胸に迫るシーンがいくつもあった。

    0
    2025年11月18日

    Posted by ブクログ

    小学校、中学校、高校となんの痛みも不安も無くずっと気の合う友達と先生、優しい家族に囲まれて楽しく過ごしましたという人はおそらく滅多なことではこの世に居ないであろうと思う。胸の奥に眠る傷が思い出したようにズキリと痛む様な読後感に包まれました。ありえない様な失敗をしたことも苦しいほどの後悔をしたことも歳

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    ナナコと葵がタクシーから降りて別れを告げて以来一度を会っていない理由に、あまりにも共感できた。

    学生時代の友達と久しぶりに会ったとき、あんなにも仲がよくてよくお互いの家に遊びに行ったのに、昔のようにしょうもないことで笑い合える関係ではなくなったことに悲しみを覚えた。
    お互い今の環境に慣れて変わって

    0
    2025年10月28日

    Posted by ブクログ

    出会いが人生に与える影響力ってすごいなと思った。
    自分もこんな風に生きられたらいいのにな。と感じるような人と出会うと、強くなれる気がするし、自分を肯定できる気がする。
    ナナコと葵、二人の別れのシーンはすごく心が苦しいけど、二人だけで過ごした時間は嘘じゃなくて、二人だけにしか分からないことがあって、大

    0
    2025年10月27日

    Posted by ブクログ

    この世に変わらないものなどなくて、大切な人との関係でも時間が経ち環境が変わってしまえば、その関わりも変更していく。
    変わってしまった人間関係を嘆くのではなく、共に過ごした時間を大切に出来れば、先に進めるだろう。

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    泣いた。
    皆が皆、頑張っているんだよな。
    皆が皆、偉くて、可哀想。
    程度なんかない。それぞれ実際に辛いんだ。
    例えば葵の父母だって心から頑張っていて、ただ、まさかこうなるとは思ってもなかっただろうけれど、結果的にそのズレが葵の闇を作ったと思う。気持ちは関係なく、事実は思わぬところで淡々と決まってしま

    0
    2025年10月14日

    Posted by ブクログ

    今年読んだ本で1番好きかも。
    葵とナナコの過去は悲しいというか胸が苦しくなった。そこから葵が前に進んだ先に小夜子と出会って、小夜子もゆっくりと変わっていくのが清々しかった。ひとりでいてもこわくないと思えるものに出会う、本当にそうだなと思う。そう思えた時に対岸に行けるのだと思う。

    0
    2025年10月13日

    Posted by ブクログ

    登場人物の女性があまりにも私に似すぎていて恐ろしくなりました。

    また、小・中学生の頃のもうきっと会わないであろう旧友を思い出しました。

    私も、前に進もうと思います。

    追記

    東南アジアに行きたくなりました…時間のある大学生のうちに葵のように一人で行ってみようかな?と考えています。

    0
    2025年10月03日

    購入済み

    読んでよかった!

    30代女性のリアルな生活や人間関係が描かれている。私も同じ30代なので共感できる部分も多く読んでいて納得できる作品でした。自分の普段の生活の中にも重なる部分の多い印象に残る作品でした。

    #切ない #深い #タメになる

    0
    2022年07月29日

対岸の彼女 の詳細情報

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