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結婚、キャリア、子育て。
それぞれの人生の分岐を進んだ女たちは、心から分かり合えるのでしょうか。
専業主婦の小夜子は義母との関係に疲れ働く決心をします。採用されたのはハウスクリーニングの仕事。
その会社を経営する女社長の葵は、小夜子と同年齢で出身大学も一緒。
共通点が多いことや、明るい性格の葵の人柄に惹かれた小夜子のコミュニケーションにより、2人は仲良くなります。
しかし、距離が近くなるにつれ葵の言動に対して疑問を感じるようになった小夜子。
ひょんなきっかけで葵の過去を知り、2人の関係性は変わっていくことに。
結婚をするしない、子供を産む産まない、キャリアアップを目指す目指さない。
年齢を重ねるほど、気が遠くなる決断を求められる機会が女性には比較的多いと思います。
その分岐は人生を変えるにはあまりにも大きく、選択の内容次第で今まで仲が良かった友人同士の絆を引き離すことも。
異なる分岐をした人が交じり合うことはなく、同じ道を選んだもの同士で関係を深めていくのだろう。
そう思っていました。
しかし、選んだ分岐に対して強い不満を抱いていたらどうでしょう。
専業主婦の分岐を選んだ小夜子と、やりたい仕事に挑戦する分岐を選んだ葵。
一見関わることのない2人が、自分の環境に関係なく心を通わせようとしたら…。
疎遠になった友人がいる人、これからの人生に対して迷いがある人に是非読んでいただきたいです。
孤独と向かい合わせーせつない
通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。
生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思いつつ、相手もそうであってほしいと願っている。昔ほどの熱意はないにしても。これは私自身のはなし。
でもなぜ疎遠になってしまったのか。大人になるって何なのか。
小夜子はその問いに対して一つの見解に辿り着く。私にはせつないです。
Posted by ブクログ
現在35歳、子供1人と夫の3人家族
小夜子のパーソナルと重なる部分も多くスラスラと読み終えました。
30代女性は何かしら苦労や悩みを抱えてるなんて良く耳にしますが
みんなそれぞれ悩みながらも自身の心地よいを探してもがいているんだなと感じた。
なぜ私たちは年齢を重ねるか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。
現状のまま生きていく選択をするだけが人生ではないよな、まだまだこれからたくさんの出会いを求めて新しいことにチャレンジすることを忘れないでいようと思えたことば。
Posted by ブクログ
現在の小夜子と過去の葵、二つの時間軸が交互に描かれる作品。「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが うんと大事な気が今になってするんだよね」(P112)という一文が強く印象に残った。読み終えてからこの言葉を振り返ると、葵の過去の経験が色濃く反映されていることに気づき、大きな重みを持って響いてくる。
「ひとりぼっち恐怖症」(P110)という言葉は、時期は違えど、現在の小夜子と過去の葵、双方に通じるものだと感じ、この点には強く共感できた。
葵はナナコに、小夜子は葵に依存し、離れたくないと思っていた。そして、2人とも自分がどうすればいいのか、誰かに「正解」を求めていたのではないかと思う。
葵は学生時代、小夜子は主婦という違いはあるけれど、人と関わって生きていく以上、嫌なことや傷つくことを完全に避けることはできない。それでも、人は誰かと関わりながら生きていく。その中で、怖くても一歩踏み出していくしかないのだと思った。
人との関わり方について深く考えさせられる作品だった。自分自身にも重なる部分があり、共感できるところも多かった。読み終えてからもいろいろと考えさせられる、とても好きな作品だった。
Posted by ブクログ
再読です。泣きました。
10代で読んだ頃はあまりピンと来ない部分もあったので、いつか読み直そうと思っていた作品です。
主人公の年代になった今、胸にグッとくる場面がいくつもありました。
家庭や仕事、立場の違う同い年の女性どうしの話だったかなと記憶していたのですが、物語はもっと複雑で。主人公の二人の女性、それぞれの過去を遡って、窮屈な人間関係に悩みもがきながらもどうしようもないような学生生活を語り、それが現在にどんな影響を与えているか、まるでミステリーのように読み解く事ができます。
とにかく心理描写がすごくリアルで。私も知らずに人を傷付けてはいないかな、なんて考えさせられもしました。大事な気付きです。
そして私が一番感動し頭から離れないのが、葵と過去の同級生ナナコの絆。
私も、きっともう会うことは無いけれど、決して忘れられない人がいます。でも、それでいいんだろうと。前に進もうと思いました。それで小夜子に会えたんだなって。温かい気持ちにさせてもらえました。
本当に素晴らしい作品でした。
森絵都さんの解説の言葉も、強く印象に残りました。
Posted by ブクログ
主人公は一見正反対に見える2人の女性。2人の過去と現在を行き来しながら物語は進む。
20年前の作品のため、現代の感覚で読むと主人公たちの学生時代はノスタルジックな空気に包まれてしまった点が残念である。だが、危うい少女たちの行く末が気になり一気に読めた。
高校生の頃、あんなに毎日一緒にいた友人と疎遠になる。社会人になり結婚、出産を経てまたひとり友人が減った気がする。
人と出会い、親しくなればなるほど、その人のすべてを知ったふうに思い込んでしまう。そして自身の理想を気付かないうちに押し付け、勝手に失望してしまう。
自分とまったく同じ立場境遇の人なんて滅多にいないわけで、同い年同じ女性であっても人生において大切にしているものは千差万別だ。だから面白いのだ。
考え方やライフステージが異なったとしても、それでもまた会いたいと思う人には臆せずに連絡し、縁を大切にしていきたい。
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小説・文芸
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