結婚、キャリア、子育て。
それぞれの人生の分岐を進んだ女たちは、心から分かり合えるのでしょうか。
専業主婦の小夜子は義母との関係に疲れ働く決心をします。採用されたのはハウスクリーニングの仕事。
その会社を経営する女社長の葵は、小夜子と同年齢で出身大学も一緒。
共通点が多いことや、明るい性格の葵の人柄に惹かれた小夜子のコミュニケーションにより、2人は仲良くなります。
しかし、距離が近くなるにつれ葵の言動に対して疑問を感じるようになった小夜子。
ひょんなきっかけで葵の過去を知り、2人の関係性は変わっていくことに。
結婚をするしない、子供を産む産まない、キャリアアップを目指す目指さない。
年齢を重ねるほど、気が遠くなる決断を求められる機会が女性には比較的多いと思います。
その分岐は人生を変えるにはあまりにも大きく、選択の内容次第で今まで仲が良かった友人同士の絆を引き離すことも。
異なる分岐をした人が交じり合うことはなく、同じ道を選んだもの同士で関係を深めていくのだろう。
そう思っていました。
しかし、選んだ分岐に対して強い不満を抱いていたらどうでしょう。
専業主婦の分岐を選んだ小夜子と、やりたい仕事に挑戦する分岐を選んだ葵。
一見関わることのない2人が、自分の環境に関係なく心を通わせようとしたら…。
疎遠になった友人がいる人、これからの人生に対して迷いがある人に是非読んでいただきたいです。
感情タグBEST3
通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。
生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思...続きを読むいつつ、相手もそうであってほしいと願っている。昔ほどの熱意はないにしても。これは私自身のはなし。
でもなぜ疎遠になってしまったのか。大人になるって何なのか。
小夜子はその問いに対して一つの見解に辿り着く。私にはせつないです。
Posted by ブクログ 2024年04月14日
以前、角田光代さんの本を読んで、それが面白かったので、改めてこの本を購入。
特に20〜30代の女性に響きそうな本で、めちゃくちゃ胸に響いて1日で読み切った!
特にこのフレーズが心に残ったなー。
大人になれば自分で何かを選べるようになるの?大切だと思う人を失うことなく、いきたいと思う方向に、まっすぐ...続きを読む足を踏み出せるの?
昔からの友達も、結婚や出産とかそれぞれ立場が異なっていく中で、どうしても私たちは、相手の立場からフィルターをかけて「どうせこう思ってるんだろう」「立場が違うから分かり合えない」と思い込んですれ違ってしまうことがある。
でも本来自分と同じ立場のはずの人間と、全然話が合わなかったり、逆に立場は全く違くても、心から通じ合える人がいる。
本当に分かり合えるって、立場とか通り越してあるものなんだって、最後はハッピーな気持ちになれる本だった。
そしてこの本を読んでたら、最近婚約した学生時代の友達から、唐突に海外旅行の誘いの連絡。前のめりに返事をする自分。これだから小説を読むのはやめられない
Posted by ブクログ 2024年03月29日
胸がキュッと苦しくなった。
主人公たちと同じような感情を感じたことが
あるから。
人はみなそれぞれで、変わっていく。
自分が、人が、変わっていくことで不安を抱く
こともあるけれど、それでも前に進んでいく
しかないのだと思う。
Posted by ブクログ 2024年03月10日
私にドンピシャでめちゃくちゃ面白かった!
葵の中高時代と30代が同一人物と思えない。女の独特な人間関係が本当上手く書かれてた。
小夜子の人間関係に疲れて家庭に閉じこもってしまうのも分かる。
もう一度社会に出た一歩で、見える世界が開けウジウジ悩んでた事など忘れてしまう。でもやっぱり社会の人間関係など...続きを読む嫌になり辞めようと思うが、ふとしたキッカケで立ち止まって考える。
人との出会いは流動的に変わっていく。
信じていた人が急に居なくなる事もあるし、時間が経つとそれが当たり前になって又出会って裏切られたり。
それを積み重ねていくと人と出会う事が面倒になる事もある。でも出会わなければ開けない事もある。
私も一歩を出してみようかなと思わせてくれた。手元に置いて置く一冊に!
Posted by ブクログ 2023年12月20日
私は女性の結婚してるしてない、子どもがいるいないと対極にある女性の本をよく読む
この本のあらすじを読むとそういう対極の2人が交互に物語を進めていく感じかなと。でも違った。
確かに違う立場の2人の主人公なんだけど
小夜子は現在を葵は過去の自分を。
そこもすごく面白い。
いまの葵を知りながら過去の葵...続きを読むを追いかけるから
なぜの理由が分かってくると納得がいく。
いまの立場の小夜子の育児孤独、でも人と関わり合うことの煩わしさで前に進めない感じもすごくわかる。でも小夜子は一歩踏み出して葵と出会った。
運命ってなぜか恋愛に使われがちだけど
友人でも言えることだと想う。
出会う時期に運命の相手と出会えれば
やっぱり少なからず人は変わっていける。
葵の過去はかこで
その頃って大人には近づくけど、でもやはり子どもで
狭い世界で生きていかないといけない。
自分がその狭い世界から排除されたくないから
必死にもがくけど自分は確実に違う何かを失ってそうで。
そんな時に出会うナナコはその恐れを感じさせない、自分の世界を歩いていそうな女の子。
そんなナナコと出会って逃避行もするけど
ナナコの見えなかった境遇が見えて辛くなる。
2人が選んだ先で2人が離れ離れになるけど
葵はずっとナナコを忘れてはいない。
ナナコを自分の一部として、大きな一歩を、進んできた。そんな彼女がかっこよかった。
最後また小夜子と葵がともに歩みだすのも応援したくなって、すごく良かった。
生きてるだけ悩み心配不安は尽きない
それでも人はきっと人に支えてもらって生きていける
Posted by ブクログ 2023年11月24日
子どもの頃、ずっと仲の良かった子になんとなく買いたくなかったのは怖かったからだ。楽しすぎた分、会わなかった期間にあった出来事を通じて、変わったことに気づくのが怖いからだ。
後半にたびたび出てくる主人公の疑問。
「なぜ私たちは年齢を重ねるのか。」
答えに辿り着く。
「生活に逃げ込んでドアを閉めるた...続きを読むめじゃない、また出会うためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。」
30代女性のリアルな生活や人間関係が描かれている。私も同じ30代なので共感できる部分も多く読んでいて納得できる作品でした。自分の普段の生活の中にも重なる部分の多い印象に残る作品でした。
2人の主人公の現在、過去が交互に進んでいくけれど、そこが繋がる美しさ、そしてタイトルを気づけば回収してるといううまさめっちゃ読みやすかった。
Posted by ブクログ 2024年05月05日
自分の高校時代や、自分の子が保育園の頃を重ねながら読み進めた。
自分自身、普段仕事や近所の人との付き合いはそれなりにあるが、基本的には「誰かとからむことで傷つきたくない、1人がラク」と思っている。だが、「自分の救いになってくれるのは自分ではない誰か」とも思う。
勇気を出して踏み出そうと感じた。
Posted by ブクログ 2024年04月30日
専業主婦の小夜子が小さな会社で掃除業を始めるお話。社長の葵との出逢いでなんでもできるような気になっていくけど、、
隣の芝は青く見えるから、妬んで羨んであれこれ悪口を言いたくなる女のサガ。そんなわたしの心の中にもある他人への穿った目線が描かれてると思った。
河原で高校生の葵が「いいなあ、ナナコは。き...続きを読むっとナナコってさあ、すっごいしあわせに生きてきた人でしょ。」って言っているシーンが印象的。人は見かけじゃ分からないし、どんな思いでどんな苦労をしているかも分からない。それに対するナナコが否定もせず、葵がいじめられたら守ってあげると言い「そんなとこにあたしの大切なものはないし」と話すの、ナナコの境遇を思うと胸が苦しくなる。高校生の多感な時期をこんな風に考えることができたらもっと生きやすかったのかな。今も。
最後に小夜子が葵の元を訪れ後味の悪さを話すところ、こんな風に嫌な別れ方を清算して人と向き合っていける人でありたいと思った。
どこへでもいけるきがするけど、どこにもいけない。どこへいこうとしてたんだろう?子どものころはもちろん、大人になった今もこんな自問自答を繰り返してる自分がいてナナコにも葵にも小夜子にも重なって共感した。
平たい感想になるが、すっごく良かった。また読み返したい。
Posted by ブクログ 2024年04月29日
青年期と大人の葵に対する印象が違い過ぎて、最初は、??だったけど、小夜子と話す時はナナコを演じていたのか〜!そうか〜!ってなった。
印象的なセリフが多かった。
『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会う』
友達と群れてると1人が異常...続きを読むに怖くなるよね〜とくに学生なんて、、
『こんなところにあたしの大切なものはない』
そう言い切るナナコ。自分の大切なものってなんだろう、ナナコは何を大切にしててそれはどこにあるんだろう、って考えてしまった。学校にもなくて家にもないものって何??
ナナコが帰りたくないって泣くシーンとか、初めてお金を脅し取ったシーン。情景についてよく書かれていて、思い浮かべやすかった。自分も切ない気持ちになったり自己嫌悪で胸が苦しくなった。葵がお金を騙し取られるシーンも。嫌なことがあった時頭の中でぐるぐる考え込んでしまう感じが文書に現れててすごい。
察しが悪すぎて、プラチナの指輪と社名がかかってるのに気づかなかった^_^ワラワラ
結局、なんでナナコ達は連絡を取らなくなったんだろう。友達、まだ出来ないの?って聞かれることが怖かったから?お互いに。
Posted by ブクログ 2024年04月18日
対照的な人生を歩む女性の巡り合いの物語
以下、公式のあらすじ
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結婚する女、しない女。子供を持つ女、持たない女。それだけのことで、どうして女どうし、わかりあえなくなるんだろう。ベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めた専業...続きを読む主婦の小夜子。二人の出会いと友情は、些細なことから亀裂を生じていくが……。多様化した現代を生きる女性の姿を描く感動の傑作長篇。第132回直木賞受賞作。
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結婚して出産したが、専業主婦に嫌気が差して働きたい小夜子
結婚もせずに旅行関係の起業をした葵
二人は同い年で同じ大学に通っていたことから、葵は小夜子に親近感を思える
小夜子も葵と気が合って仲良くしていたが……
そして、葵の過去の話が交互に描かれる
葵の過去が現在の小夜子のように見え
また、ナナコ(魚子)と現在の葵の様子がオーバーラップする
違う人生を歩んでいるように見える相手
「隣の芝生は青い」とも言われるように、お互いに自分にないものに憧れを感じているようでもあり
惹かれ合っているようでもあり
でも、タイトルの通り、所詮は「対岸」でしかないのかもしれない
学生時代の「友達」という関係
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お友だちがいないと世界が終わる、って感じ、ない?友達が多い子は明るい子、友達のいない子は暗い子、暗い子はいけない子。そんなふうに、だれかに思いこまされてんだよね。私もずっとそう思ってた。世代とかじゃないのかな、世界の共通概念なのかな。
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「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」
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私自身、学生時代に友達と呼べる人がそう多いわけではないので、この言葉に共感したかな
まぁ、今独り暮らしの状態で「こわくない」と思わせてくれる存在と言えばやはり本だけど
でも、読書会という人との繋がりもそれに付随するようになって
トータルで見れば純粋に「本」だけではなく、よかったものを後に話す誰かの存在があってこその楽しみもあるなと思い始めた
今現在、複数の読書会コミュニティに参加しているわけだけれども
一つ二つがなくなっても大丈夫だと思う
でも、全てが一気になくなったら結構な喪失感を感じるかも知れない
しかしまぁ、そうなっっとしても「君の膵臓をたべたい」で主人公の「僕」を、一人でも価値を想像できる人のように咲良が評価したみたいにいずれその状態にも耐えられるようになる気がする、
あと、共感したのは小夜子が思う修二からの評価について
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「家の中は整頓され、手作りの料理が並び、引き出しにはアイロン済みの衣類が入っているその状態が、修二にとっては当然の、ゼロ地点なのだ。何かひとつでもおかしなことがあればそれはただちにマイナスになる」
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タスクを完璧にこなすことを当然のものとして勝手に課されるのは、そりゃぁ苦痛になるでしょうねぇ
どんな行動であれ、感謝というのは必要だと思うよ
Posted by ブクログ 2024年03月28日
yonigeの曲に同じタイトルがあり、気になって購入。
普段ミステリしか読まないので、ゆっくりな話の展開に心折れそうになったが、読んでよかったと思った。
Posted by ブクログ 2024年03月12日
専業主婦の小夜子の現在と、ベンチャー企業の女社長の葵の過去を行ったり来たりしながら物語が進むところが非常に面白いと思った。今の葵という人間がどのような経験をして生まれたのかを読みながら答え合わせしていくようで、続きが気になってどんどんページを捲ってしまう。葵の高校時代の友人のナナコの『何も怖くなんか...続きを読むない。こんなところにわたしの大事なものはない。いやなら関わらなければいい。』という言葉が印象的だった。本当にその通りだと思う。そして、現在の葵は、高校時代の大事な想い出で大事な人であるナナコを彷彿とさせる言動があって、現在も葵の中にはナナコがいる感じがして今でも生きる糧としているのだと思った。
Posted by ブクログ 2024年03月03日
じわじわと分かってきてる。
私ずっと共学だったけど女だらけの文化部だったから、この感じを何とも思ってなく育ってきたから最初読んでてもあんまり良く分かんなかった。
女の子のコミュニティって、自分側か、そうじゃない側かで二分されてる。
元に、今でも自分側だと思っていた子も本当に些細な何でもないよう...続きを読むなことで、ああ、この子はそうじゃない側なんだ、って思っちゃったりするし。。
この感じって相手を傷つける可能性高いし自分も息苦しくなってるよな、、、
じゃあ自分はどうすれば良いのかってとこまで分かりきってないけど、"この感じ"に気づく機会になった。
あと葵が、友達がいないことは悪みたいになってる的なことを言ってたけど、
私的に最近の自分の生きづらさの原因は彼氏がいないこと=悪みたいな風潮だな。。。
最近お別れして、自分個人の後悔とか反省とか悲しさとかだけを感じてるなら良いけど、友達と話してて彼氏いない=無価値みたいな空気感があって、それで焦ってすごい苦しい。
Posted by ブクログ 2024年02月11日
あくまでも読み終わったあとの心情を表す感想です。
ネタバレではないと思いますが、不安な方は飛ばしてください、、、!
歳を重ねライフステージが上がる毎に親しかった友人と話が合わなくなり孤独を感じるようになった現状。父親の転勤により通っていた中高一貫の女子校を高校の途中で離れ、当時の友人達と疎遠になり...続きを読む、忘れ去られる恐怖と向き合った過去の経験を頭に浮かべながら読みました。
新しい出会いは、とても勇気や体力がいることであり、同時にとても気力と労力を使うもの。生きていく中で情報は得ないといけないし、社会的な活動をする際にはどうしても人との関わり合いが多かれ少なかれでてきてしまう。その際に多くの繋がりを持ちすぎてしまうことで自分がすり減っていく感覚が生まれるかも知れない。一時は、殻に篭りたくなる瞬間もあるかもしれない。
またふとした瞬間に疎遠になった友人関係に対しても葛藤、不安、怒り、悲しみなど様々な感情が湧き出てくるかもしれない。
ただその状況を色んな方向から思考して捉えて、無理に処理せず、混沌とした感情をも抱えて生きていくのが人生なのかなと感じさせてくれる本でした。
Posted by ブクログ 2024年02月02日
ちょっと感覚がわからないところもあって入り込めなかったので☆4にしました
「八日目の蝉」と比べちゃってるのもある
この方の子どもの頃からの感情などとかぶせながら書いていく感じはすばらしいと思う
ちょっと私には遠くてふーんって感じで読み進めた
めちゃくちゃ共感できる人もいるんだろーなと思う
モヤっ...続きを読むてる女性におすすめ
Posted by ブクログ 2024年01月14日
現在の葵と高校生のナナコが何だか似ていて、逆に高校生の葵が現在の小夜子と似ているのが、初めは不思議だった。読み進めていくうちに、現在の葵を作ったのはナナコとの記憶なのだと腑に落ちた。
初めは自分に自信が無かった小夜子が家庭から飛び出し外で働くことでだんだんと強くなっていく。かつて葵がそうだったように...続きを読む、自分で選んだ道を自分で歩き始める。「葵の昔と今」が「小夜子の今と未来」に重なるのかなと思う。
そしてラストのシーンでは、葵と小夜子が高校時代のナナコと葵のような絆で結ばれていくのかもしれないと思わせてくれて、明るい気持ちで読み終えることができた。
Posted by ブクログ 2024年01月06日
面白かった。こういうタイプの小説、好き。劇的ドラマチックではないけれど、共感できたり良い台詞があって印象に残る。ある脚本家さんから、"一人でいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうがうんと大事な気がするんだよね"...続きを読むという名言が出てくる本だよと言われたのが、読むきっかけだったんだけど、全編を通じてそういう感じの話だった。
Posted by ブクログ 2023年12月13日
人と関わることが苦手、生きづらいと感じながらそれを隠しながら毎日過ごしてるので共感できた。煩わしい人間関係とこれから先も付き合い続けなければいけないけど、“大切なことはここにはない“自分の大切なものを見失わないように生きて行きたい。と感じた。いつか、もし子供産まれたら自分のために保育園に通わせたい。
Posted by ブクログ 2023年12月08日
すごく面白かった!人間は無責任な想像をして勝手に相手を型に嵌めようとする時がある。それがいい時もあるけど、ほとんどの場合ダメな方に転んでく。アオちゃんは強い人間だなと思いました。
読み始めたら、止まらなくなってしまって真夜中まで黙々とタブレットとにらめっこしていました。
現在と過去が交差していて、どちらかというと過去の話の結末に興味がわいて、先へ先へと気がせきました。
いくら仲がよくてもさ、お互いの気持ちまでわかるわけじゃないし、わかってくれているように思えても、それ...続きを読むはただの錯覚なんだよな。
学生時代の友達って卒業式で分かれたっきりなんて奴らばかりで、連絡を取ろうとも思わないけど、でも、それでもいいんだなと、考えさせられる作品。
Posted by ブクログ 2024年05月05日
友人や仲間という関係を長くつづけることって難しい
あんなにたくさん遊んで近況すべてを話してたのに、結婚して、子供ができて、引越して‥
会わなくても平気なもんだと気づくことが会えないことよりかなしいものだと、読みながらそんなことを思い出してた
小夜子はあまり近づきたくないタイプの女性だけど、自分に幼...続きを読むいこどもがいて、あんな旦那と義母がいたら、小夜子とかわらない感情や言動をとってそうな自分が想像できてしまった(怖い)
近しくなると、見えているとこだけで相手をわかったような気持ちになったりすることってある
でも自分以外の人の思いや歴史などわかるはずなんてないのだから、こんなふうにちょっとしたすれ違いや自分の憶測で大切な人を失わないようにしたい
Posted by ブクログ 2024年04月27日
第132回直木賞受賞作
“女性の敵は女性”などと言われる事を ふと思い出す
専業主婦から ハウスクリーニングのアルバイトの仕事を始める事になった女性
子供はまだ3歳
自分で希望した事だ
彼女が勤めたベンチャー企業の女性社長は同年代の同窓生
高校時代に友人の女の子と飛び降りをして 一躍有名になった事が...続きを読むある
対岸はこの二人かと思う
結婚、子育、家庭環境、人生の捉え方 交差するところはない
彼女らは 相容れないようで 共存できそうでもある
この二人の今と 女性社長の高校時代が交互に描かれていく
こちらの若い鬱屈と逃避のストーリーに惹かれるものがあり こちらをもっと踏み込んで読みたかった
Posted by ブクログ 2024年04月18日
心の中の言葉にしにくい感情や、女性独特の感覚が、さらっと、でも的確に表現されているなぁと思った。
グループとかマウントとか噂話に悪口に。。無くならないし、自分も輪に加わってる時もある。
でも自分がずっと持ちたいもの、大事にしたいこと、また会いたいと思う人、大人になるに連れて少しは選べるようにもなる...続きを読むんだと思う。
選ぶって言葉だとなんか上からな感じでちょっと違うな、感覚的には共にって感じかな。選べないこともいっぱいあるし後悔もあるけど、また次に出会えるものもあるから、なんとか踏ん張ってるのかなぁと、私も少しずつ変わっていけてるんかなぁと思った。
Posted by ブクログ 2024年04月08日
専業主婦の小夜子はベンチャー企業の葵にスカウトされハウスクリーニングの仕事をはじめる。
小夜子の現在と葵の過去が交錯するように物語が進んでいく。
面白いストーリーだが、後もう一声パンチが欲しかった。
Posted by ブクログ 2024年04月06日
子育てに奮闘しながら新しく仕事を始める田村小夜子と、その会社の社長である楢橋葵の物語。小夜子視点の現在と葵視点の過去(女子高生時代)が、交互に進んでいく構成になっている。小夜子視点では、子育ての苦悩や仕事場の人間関係、夫や姑との家族関係など、大人の女性が直面しうる現実的な生活が描かれている。一方、葵...続きを読む視点では、スクールカーストや家出生活、さらには友人との自殺未遂・決別など、青年期の波乱万丈な生活が描かれている。20代男性の私にとっては世代も性別も異なるため、簡単に共感できるものではなかったが、未知の女性の世界を垣間見たような気がして、新鮮さを感じることができた。
本書のタイトル『対岸の彼女』は、小夜子と葵の対照的な性格を表現しているという意見もあるが、ことわざ「対岸の火事」とも深く関わりがあるように思う。子育てや夫・姑との関係といった小夜子の苦悩は、結婚をしていない葵にはわかり得ない。同時に、葵が経験した自殺未遂や友人との決別といった暗い過去も、小夜子には分からない。まさしく互いに「対岸の火事」だったのである。2人の友情に一度は亀裂が入るものの、少しずつ相手の事情を理解し始めて、2人は橋を渡ろうと歩み寄ることになったのだと思う。
Posted by ブクログ 2024年01月17日
大人になると相手の立場になって考えることを意識するはずなのに、自分が経験していないから理解出来ない立場がたくさん出てくる。
理解できないとしても、向き合うことから逃げずに向き合うことが大切だとこの本から学んだ。
Posted by ブクログ 2024年01月08日
女っていくつになっても悩みが尽きない生き物なのか。
小夜子より一回り下の24歳の自分はいま
歳の近い先輩たちの結婚報告をチラホラ聞く中、昨日2年半付き合った彼氏と別れ、あんなに私のこと好きになってくれるひとにまた出会えるのかなとかこんなに悲しい思いするなら恋愛なんてしたくないけど結婚願望はありとか...続きを読む自分にはどんなひとが向いてるのかとか失意のどん底だし、
仕事もめちゃくちゃやりたいことができてるわけでもなくてかといってめちゃくちゃやりたい仕事をするためにはそれなりに我慢しなきゃいけない部分も多くて何がしたいのかよくわからなくなってるし、
毎日色んなことぐるぐる悩んで人と比べて落ち込んで嫌な上司にうんざりしながら生きてる。
結婚しても子どもが産まれても、世間的には幸せな家庭を築いてると思われてても一生悩みは尽きないのか。辛い。
でもその中でもちょっとのやりがいとか仕事終わり久しぶりに会う娘の笑顔とかささやかなことに希望を見つけてまえに進もうとする小夜子に勇気づけられた。
それにしても女って大変。
Posted by ブクログ 2024年01月06日
女性は子供がいるいない、結婚してるしてない、働いてる働いてない、で、非常に関係が難しい。
この本ではないが、女は同じ環境同じ感覚同じ金銭感覚の人を見つけるのが難しく、その中で友達を作るなんて至難の業、って聞いたことがある。
読み終わった後感じるものはあったが、響くまでのものではなかった。
Posted by ブクログ 2023年11月24日
女性社会の生きづらさが散りばめられた作品。
現代の葵と小夜子、高校時代の葵とナナコの話が交互に描かれる。
人と関わることで生じるつらさ、苦しさは沢山あるけど、人と関わる事でしか得られない幸せもある。
前向きに終わる作品ではあるけど、それまでの鬱屈した人間関係に辟易してしまった。
私自身、大人にな...続きを読むっても自由になれていないままだからかもしれない。
一歩踏み出すにはどうすればいいのかな。