あらすじ
いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。
...続きを読む
結婚、キャリア、子育て。
それぞれの人生の分岐を進んだ女たちは、心から分かり合えるのでしょうか。
専業主婦の小夜子は義母との関係に疲れ働く決心をします。採用されたのはハウスクリーニングの仕事。
その会社を経営する女社長の葵は、小夜子と同年齢で出身大学も一緒。
共通点が多いことや、明るい性格の葵の人柄に惹かれた小夜子のコミュニケーションにより、2人は仲良くなります。
しかし、距離が近くなるにつれ葵の言動に対して疑問を感じるようになった小夜子。
ひょんなきっかけで葵の過去を知り、2人の関係性は変わっていくことに。
結婚をするしない、子供を産む産まない、キャリアアップを目指す目指さない。
年齢を重ねるほど、気が遠くなる決断を求められる機会が女性には比較的多いと思います。
その分岐は人生を変えるにはあまりにも大きく、選択の内容次第で今まで仲が良かった友人同士の絆を引き離すことも。
異なる分岐をした人が交じり合うことはなく、同じ道を選んだもの同士で関係を深めていくのだろう。
そう思っていました。
しかし、選んだ分岐に対して強い不満を抱いていたらどうでしょう。
専業主婦の分岐を選んだ小夜子と、やりたい仕事に挑戦する分岐を選んだ葵。
一見関わることのない2人が、自分の環境に関係なく心を通わせようとしたら…。
疎遠になった友人がいる人、これからの人生に対して迷いがある人に是非読んでいただきたいです。
感情タグBEST3
孤独と向かい合わせーせつない
通勤中に読むつもりで読み始めたのに、先が気になって休日に一気に読んでしまいました。
今や私には夫がおり、仕事をし、この手の悩みに向き合うことなく10年近くの月日が経ちます。
この作品を読んで多感だった頃の自分の感情がどっと溢れて涙が出そうになりました。
生涯かけての親友だと思ってた。否、今もそう思いつつ、相手もそうであってほしいと願っている。昔ほどの熱意はないにしても。これは私自身のはなし。
でもなぜ疎遠になってしまったのか。大人になるって何なのか。
小夜子はその問いに対して一つの見解に辿り着く。私にはせつないです。
Posted by ブクログ
女性二人の逃避行者で圧倒的に一番好き
共感できた
いくつになっても友情って難しいのかもしれないね…でも私もどれだけ傷ついても出会いたいし信じたい派だな
ちゃんと話せばわかりあえる人はいると信じてる
Posted by ブクログ
地元出たってだけでどこにでもいけると思ってたけど、結局どこも世界は一緒なんだと昔感じた無力感と重なり、泣いてしまったところがありました。
何歳になっても、自分の人生の一部になるような出会いがいつか自分の背中を押してくれるんだと前向きになれる素敵な本でした。
Posted by ブクログ
辛いことがあるのは自分も相手も同じで、大人になればそんなことわかってるはずなのに、必死に生きるほどに忘れて大切にできない。学生時代は小さかったそれが、恋人、夫婦、子供と変容して分かり合えない世界が広がっていく。
この本を読んだ25歳の自分が、ちょうどまわりのそうした変化にさらされて、右往左往して全部諦めて切り捨てたくなってたときで、この本が苦しい。理解することを諦めて、傷つく前に遠ざけてきたことがたくさんあって、今もなおそうしている。楽なのに、時々襲われる空虚に死にたくなる、それが自分で選択してつくりあげてきた空虚だから余計に。
この本は、分かり合えなさの背中に手をあてて、それでもその先の景色の素晴らしさを見せてくれる。何度でも読み返したい小説に出会った。
Posted by ブクログ
久々にページを捲る手が止まらない本だった!
読んだ後も、描かれていない登場人物の心情やその後について思いを馳せ、しばらく涙が止まらなかった。
私は、もう一生出会えないかもしれないけれど、出会えたことで自分の人生を変えてくれた人は絶対にいると思っているし、それを描いている物語が好きで、この本もまさにそうだった。
今の葵が誰かを傷つけることは口にせず、何でも受け入れようとするのは、きっと葵の中に「嫌いだと言う表現よりは好きだと言う言葉を使う、できないと言う表現をせずしたいのだと言う、むかつくと言うときには必ず相手を笑わせる」あの時のナナコが今も生きているからではないだろうか。
大人になると、結婚しているかしていないか、子供がいるかいないか、仕事をしているかしていないかといった、学生の時とはまた違った薄い壁が目の前の相手を見えづらくして、誤解を生んで、相手を信じるのが難しくなるけれど、振り返った時に「この人に出会えたから今の自分がある」と思える人に出会うのは、少しの勇気があれば、年齢なんて関係ないと思わせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
人に希望を抱きながら、煩わしさも感じる今の自分に刺さる一冊だった。
無理に綺麗事を並べるわけでもなく、どん底に突き落とすことでもない結末がいい。
解説を読むまで会社の名前の意図に気づかなかった(笑)
Posted by ブクログ
再読です。泣きました。
10代で読んだ頃はあまりピンと来ない部分もあったので、いつか読み直そうと思っていた作品です。
主人公の年代になった今、胸にグッとくる場面がいくつもありました。
家庭や仕事、立場の違う同い年の女性どうしの話だったかなと記憶していたのですが、物語はもっと複雑で。主人公の二人の女性、それぞれの過去を遡って、窮屈な人間関係に悩みもがきながらもどうしようもないような学生生活を語り、それが現在にどんな影響を与えているか、まるでミステリーのように読み解く事ができます。
とにかく心理描写がすごくリアルで。私も知らずに人を傷付けてはいないかな、なんて考えさせられもしました。大事な気付きです。
そして私が一番感動し頭から離れないのが、葵と過去の同級生ナナコの絆。
私も、もう会うことは無いけれど、決して忘れない人がいます。でも、それでいいんだろうと。前に進もうと思いました。それで小夜子に会えたんだなって。温かい気持ちにさせてもらえました。
素晴らしい作品でした。がんばれプラチナ・プラネット!
Posted by ブクログ
恐ろしい程の人間観察力 男の方が単純明快で生き易そうですね?しかし木原君は男の風上にも置けない!私に似過ぎて腹立たしい(笑) 作り話とは思えぬノンフィクションのような迫力
Posted by ブクログ
学生時代の自分と大人になってからの自分を考えてしまった。変わったところもあるし、そうでないところもある。「友だちが少ないと暗くて、暗い子はいけない子」それ私のことやん!って思った。身内からもそういう評価されてた。
Posted by ブクログ
面白いではなくすごい本。ずっと続く不穏な空気の中で読み進めると後半に近づくにつれ涙と共にページをめくる。最後は安心感と解放感で終わる。人は外見ではわからない。他人に対して少しだけ優しくなれる本。
読んでよかった!
30代女性のリアルな生活や人間関係が描かれている。私も同じ30代なので共感できる部分も多く読んでいて納得できる作品でした。自分の普段の生活の中にも重なる部分の多い印象に残る作品でした。
タイトル回収する作品は良作。
2人の主人公の現在、過去が交互に進んでいくけれど、そこが繋がる美しさ、そしてタイトルを気づけば回収してるといううまさめっちゃ読みやすかった。
Posted by ブクログ
登場人物の会話ひとつひとつが、自分の周りで見聞きした既視感のあるもので、心がぐわんぐわん揺さぶられる。
「タメ口でいいよ」は私は怖い。
あおい は魅力的だけど、距離感がバグってる。近くにいたら仲良くならないなぁ。
。。。
⚫︎構成
高校生の ななこ と あおい
大人の あおい と さよこ
が交互出てくる
⚫︎テーマ
スクールカースト
村八部、いじめ
女子のグループづくりの息苦しさ
男尊女卑
女に子育てを押し付ける世代
ワーママ
Posted by ブクログ
本書を読んで、学生時代に感じていた「一人になると世界が終わってしまうような感覚」を思い出しました。あの頃は、とにかく一人にならないように必死だった気がします。
もし当時の自分の周りにナナコのような存在がいたら、きっと標的にされたり陰口を言われたりしていたのだろうとも思います。それでも大人になって振り返ると、自分の芯をしっかり持っているナナコのような女性は、とてもかっこいい存在に感じるのだろうなと思います
「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが大事」という言葉は、過去の自分や今まさに悩んでいる人に伝えたいと思えるほど印象に残りました。
大人になっても、人間関係の構造は学生時代と大きく変わらないのだと感じます。標的にされる人がいて、それを避けるために本心ではない行動をとってしまう人もいる。その中で、さまざまな経験を経た人たちと分かち合い、心から大切に思えたり、この人のために戦いたいと思える存在に出会えることは、とても尊く幸せなことだと感じました。
この作品を通して、強さとは何か、人との関わりの中でどう生きていきたいかを改めて考えさせられました。
Posted by ブクログ
ずっと前に買って、面白いけど何故か読み進められなかった本。もう読み終わることもないかと思っていたが読めた。
単純に文章が上手い。凝っているが複雑過ぎない構成も好き。
主人公達のドンピシャ世代ではない今だからこそ読めた気もする。
淀んだ空気を変えることを、まだまだ出来るのかもしれないと静かに後押ししてくれるような話。
Posted by ブクログ
二人の異なる女性を主人公に置き、過去と現在を交錯させるこの作品。そこには多種多様な人間模様が複雑に入り組んでいる。
その様子は、あちこちの水底では思い思いに泥が渦巻きつつも、全体としては穏やかに流れる大きな清流のようだ。
遥かな上空の青さを忠実に写し取りながら、利根川に合流し、太平洋に注ぐという渡良瀬川。
直接に見たことはないが、自然に囲まれ紺青に澄んだ大河と、先方には対岸の浮かぶ光景が、この眼に映り込む。
読後に感想文を書くとなって僕が困ったのは、この川に棲む魚たちの、誰に着目すべきかという点だった。
ここではまず、この作品の象徴的な人物であるナナコに焦点を当ててみよう。魚子と書いて、ナナコと読むのだ。
ここから先は、ネタバレという形になると思うが、葵に引き継がれるナナコの想いを軸として、小説『対岸の彼女』という川を散策してみたい。
未読の方は足を掬われないよう気をつけてほしい。
さて学生であるあなた、あるいはかつて学生であったあなたに問いたい。あなたはこれまでに、いわゆる『一匹狼』を見たことがないか、と。
表向きは、「一人でいたって、なんにも寂しいところはないんだよ。そんなところに私(僕)の大切なものはないからね」
と言い張っていたり、あるいはそう言っているように見える、強気な彼女または彼。
クラスに一人ぐらいは、いそうな人たちだ。
だが果たして、そんな彼女たちの心はそれほど単純なのだろうか。
もしかしたら、心の最深部では暗雲が立ち込め、暴風雨の中、土砂に塗れた自分と、激しい格闘を繰り広げているかもしれないのだ。
そこにはあるいは家庭事情もあるかもしれない。
なぜそんなことが僕に言えるのか。
答えは明瞭だ。
僕にもそういう経験があったのである。まさにナナコのように、学校内で一匹狼を決め込んでいた、あの日。
帰り際だけ一緒の友人を持っていた点も、共通していた。
だが僕は実は、大切なものと言い張っていた自分の勉強や趣味に逃げ込みながらも、ただひたすらに待っていた。
一緒に帰ってくれる、本当にかけがえのない彼らが、いつか校内でも話しかけてくれて、グループに引っぱり込んでくれることを。
だがその日は、ついぞ来ることがなかった。そしてそのまま、卒業後に彼らとの関係は潰えた。
もしかしたらあなたの周りにいる一匹狼も、その役柄を、不本意にも演じさせられているだけなのかもしれない。本当は彼女たちはあまりにもシャイで、自分から話しかけられないだけではないだろうか。
閑散とした美術室の椅子に腰掛けて、一人寂しくウォークマンを耳に当て、聴いていたナナコの後ろ姿。
そしてそれを見て、彼女は孤立してかえって自由になれたんだと、思ってしまった葵。
明らかな認識の食い違い。
僕は思わず、
「そうじゃないだろ!本当に友達なら、今こそ彼女に話しかけてあげてくれ!」と、心中で叫んでいたのだった。
上に述べた僕自身の体験と重ね合わせれば、これは悲痛な叫びだったということができるだろう。
しかしながら、そんなナナコとの束の間の邂逅の末、葵が社交的な女性に生まれ変わったのは偶然ではないはずだ。
だけどその一方で彼女は、
「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことの方が、うんと大事」
とも言っている。この言葉はナナコから引き継いだものだが、これは一見すると現在の葵の社交性と矛盾しているようにも思える。
でもよく考えると、これはストンと腑に落ちるのだ。
大きな喪失を経験した葵は、これ以上その『大事な何か失いたくなかった』のだ。葵にとってのプラチナとは、これのことではないだろうか。
そしてその想いが彼女のアクティブな言動の動力源になっている、そんな気がする。
長じて実業家となった葵は、多くの部下を失ってしまうが、それは『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達』だった。
だけど彼女は『ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何か』、つまり小夜子の心だけは射止めることができた。
僕は葵が立ち上げた会社が大きくなることは、特に望まない者だ。
だけど葵と小夜子が、かつての葵とナナコのように、これからずっと二人三脚で、少しずつでもいいから、仲良く歩いていってくれればいいな、ただそう願う者である。
葵とナナコが当時約束しあった、あのプラチナのリングのような関係を、強く維持しながら。
Posted by ブクログ
女性たちの蟠りの描写がリアルだった。離婚するとか修羅場があるとかではないけれど、だからこそ現実の中の人間関係が色濃く身近に感じられた。立場の違う女性たちのお互いをわかり合おうとできる心の強さや優しさが素敵。
Posted by ブクログ
どの登場人物にも感情移入はできなかった。話の内容も子育て世代の夫婦のすれ違いなどがトピックとなっていたり、まさに該当する自分としては嫌な感情も覚えるシーンも多かった。しかしながらラストに向かうにつれめくるページが止まらなかった。何かに流されず、自分で決めて自分で動く事がどれだけ大切なのかが本当によく分かる。爽快な読後感だった。
Posted by ブクログ
青春時代は、本当に儚い。
大人になってもその頃の思い出は美しくて葵の過去にシンパシーを感じた。
女同士の人間関係。
人との繋がりを正当化しないところが好感もてた作品。
あの頃一緒に居た人達は友達だし親友だった。今でもそう思うけど卒業してそれぞれの立場になったら思い出の人達になって、連絡取り合うことはどんだけ仲が良かったとしても難しくなるんだよね。
そんな事を思わせてくれる作品でした。
Posted by ブクログ
女性同士の友情と距離を通して、人生の選択がもたらす孤独と希望が静かに描かれている。
仕事と家庭、過去と現在の対比がリアルで、小さな決断の重みを実感させられ、共感と痛みが交錯する。
読後感も深い。
Posted by ブクログ
「対岸」
私にとって「対岸」とは、物理的な境遇の差ではない。たとえ隣にいても、同じ言葉を交わしていても、決して届かない「人の心」そのものだと感じた。
劇中の過去の小夜子、あるいは葵とナナコのように、人は必死に橋を架けようとする。けれど、最後にはそれぞれの岸へと引き戻される。対岸へは渡りきれるものではなく、永遠にその間を彷徨うループの中にいるのではないか。私は「対岸」に対して、ある種の諦めを抱いている。そして、無理に渡りきることが正しいとも思っていない。
相手が何を求めているのか、何に飢えているのかが、自分のことのように分かってしまう瞬間がある。その孤独を共有することはできる。けれど、それを私がすべて埋めてあげることはできないし、してはいけない。
「もっと他にいい方法があるのではないか」「私が与えるべきか、相手が自分で手に入れるべきか」。その正解は一生わからないかもしれない。けれど、溢れ出しそうな感情を抱えながら、ある一線で切り上げる。その「線」を引く瞬間の静かな決断こそが、私の選ぶ誠実さだ。これは継続的な関係を促す。
私は、向こう岸の近くまで行っては、ただ「手を振る」ことを繰り返している。
相手へ私からすべて埋めることはできなくても、境界線を自覚しながら相手から目を逸らさず、対峙し続けること。正解がわからないまま、今の自分が考えつく精一杯の「線引き」の内側でもがくこと。
正解はわからない、けれど、共有した痛みと、引いた線の間に生まれる微かな体温だけを、私は信じていたいし、いつまでも繰り返していたい。
Posted by ブクログ
角田光代さんの本を読むのは、本作が初めて。(「八日目の蝉」は映画で観たけれど。)
女性同士の友達関係・人間関係が主題だけど、男性でも共感出来る部分が多いのではないだろうか。既に忘れつつあったような、もやもやした感情を丁寧に言語化してあり、すごい作品だと思う。
奇数章は内向的な35歳主婦田村小夜子が主人公で、偶数章は小夜子の大学の同級生(だけど学生時代に面識は無い)でかつ雇用主である楢橋葵が高校生の時のお話。これが交互に終盤まで続き、ラスト前の14章の最後で初めて二人の話がシンクロする。
現在の小夜子と葵の関係は、高校生の時の葵と魚子(ナナコ)の関係に似ていて、葵の性格・スタイルが、いつ今のような外交的・挑戦的なものに変わったのか、という謎は、14章の旅先のラオスでの事件の描写で判明する。
表題通り、交わらない・分かり合えない二人として、喧嘩別れで終わるのかと思いきや、両岸を繋ぐものとして橋があることが、二人の今後を暗示して物語は終わる。
葵の会社の名前「プラチナ・プラネット」に込められた想いに関しては、森絵都さんの解説を読む迄、全く思いが至らず、自身の小説読みとしての浅さに驚いてしまった。葵とナナコが約束した、19歳の誕生日に贈り合う筈だったシルバー・リング、事件の後、シルバーより強いプラチナ・リングに格上げされる。結局、19歳の誕生日には何も起こらないのだが、葵が22歳で立ち上げたベンチャー企業の名は、土星のような惑星のブランド・ロゴを持つ「プラチナ・プラネット」。
地球よりも大きい特大のプラチナリング。
Posted by ブクログ
「なんであたしたちはなにも選ぶことができないんだろう。何かを選んだつもりになっても、ただ空をつかんでいるだけ――」
高校生の葵のこの言葉に、胸を抉られるような感覚を覚えた。
若さゆえの未熟さではなく、もっと根源的な不安。
「大人になれば自由になれるのか」という問いは、年齢を重ねた今でも、どこか自分に突き刺さる。
社会の中で生活し、自分で決めている“つもり”の日々。
けれど本当に、自分の思う方向へ、まっすぐ足を踏み出せているのだろうか。
守るものが増えるほど、失いたくないものが増えるほど、選択は慎重になり、いつのまにか「無難」を選んでいる気もする。
この物語は、女性同士の関係や孤独を描きながら、「選ぶ」ということの痛みと責任を静かに問いかけてくる。
それでも私は、選ぶことを諦めたくないと思った。
たとえうまくいかなくても、自分で選んだと言える人生でありたい。
友達に求めるもの
読み始めたら、止まらなくなってしまって真夜中まで黙々とタブレットとにらめっこしていました。
現在と過去が交差していて、どちらかというと過去の話の結末に興味がわいて、先へ先へと気がせきました。
いくら仲がよくてもさ、お互いの気持ちまでわかるわけじゃないし、わかってくれているように思えても、それはただの錯覚なんだよな。
学生時代の友達って卒業式で分かれたっきりなんて奴らばかりで、連絡を取ろうとも思わないけど、でも、それでもいいんだなと、考えさせられる作品。
Posted by ブクログ
解説の最初の文がとても腑におちた。
あんなに一緒にいたのに、何かをきっかけに全く会わなくなった子って多分みんないるはず。
でも現代って素晴らしいからSNSで現状を知れたりすぐメッセージできたり。
環境が変わっても変わらず会いたいと思う人を、そう思ってくれる人を大切にしたいな〜〜またライフステージが変わったらそうはいかないのかなあ、
Posted by ブクログ
タイトルとあらすじから、女性の面倒くさい部分(連帯行動とか、妬んだり、集団無視したり、カースト制度とか)の話かなと思ったが、そういう部分はあまりなく、良い意味で裏切られた面白かった。
現在と過去が交互に話が進み、ちょっとミステリーぽい雰囲気があり(ミステリーはない)、先へ先へページをめくってしまう。
葵の話(過去の話)に登場するナナコがなんとも不思議な雰囲気で引き込まれた。
なんでもない話だった気がするのに不思議な話だった。
Posted by ブクログ
物語から何を感じとったらよいのか、まだしっくりはきておらずモヤモヤはしている…全体として、人との関わり方やスタンスを描いた物語なのかなと思った。
孤立しないように気をつけ、空気を読むように子ども時代を過ごした人には、共感できる描写が多かったように思う。
大人になった今でも、同じような人間関係の煩わしさを感じることはあるし、人と関わらない方が楽だと考えることもあるけれど…それでも、自分が大事にしたい人や、何に時間を使いたいかを自分で決めることができれば、こわいものはないんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
葵とナナコの約束は果たされなかったが葵はそれを足を踏みだしつづける力の源として心のなかにもっている、というところに驚いた。
葵と小夜子は確かに対岸に位置するが、人はみんな違うということに気づいたから最終的に出会え、年齢を重ねたから選んだ場所に自分で歩いていけたのだと思った。
Posted by ブクログ
おもしろかったけれど、分かるような分からないような。少しもやもやします。親友との別れを経て起業した葵と、妻として母としての自分に疲れてしまった小夜子。何かに没頭して、倒れて、笑いあって、そんな高校生のときのような姿。葵は小夜子との仕事の体験を親友だったナナコの思い出に重ね、自分が理想としていた姿に気づく。最終的に葵と小夜子が再び手を取り合うことに、ほっとしました。二人でいれば何でもできそうな気がする。良い作品でした。
Posted by ブクログ
クラスの友達とは別に行動するけど、結局1番親友という距離感とか表現の仕方が印象に残った。あとは、家庭環境のこととか。流浪の月でも感じたけど、周りの人の解釈がすべてじゃないし事実は本人にしか分からないということ。見えてるものだけを決めつけてはいけないなと改めて思った。行動を共にするだけのクラスメイトよりも友情の深いつながりがあったのは、素敵。2人だけの世界があってよかった。
Posted by ブクログ
切なくて儚くてどうしようかと思った、、、
自分ではあまり感じたことのない感情や価値観で、共感し難い内容が多かったのだけど、森絵都さんの解説を読んで、やっと腑に落ちた感じでした。
小夜子と接する葵がナナコすぎて最初は戸惑ったけど、この戸惑いは葵の勇気や努力によるものだったんだな〜とか、プラチナプラネットのプラチナは葵の強い思いの現れだったんだな〜とか、読んでいる最中は夢中になりすぎて感情に追いつきたくて必死で気づかなかったけど、解説のおかげで全てが納得できました。。。自分の理解力の無さにびっくり!and解説って本当ありがたいありがとう!
Posted by ブクログ
あの頃毎日過ごしていた友達は年齢を重ね立場が変わって中々会わなくなり思い出になっていく、その思い出が自分にとってかけがえないものであればたとえ立場は違っても自分を支えてくれるのかも
変わらないことって難しいからいつも大切にしたいなと思います
所々登場人物たちをほんとに?強がってない?と思って心配になるので人との繋がりに固執しないこの話はまだ私は読むのが早かったかも
なのでやっぱりみんなと仲良くしたいしずっと友達でいたい‼️
会う頻度が減っても頑張って会いたい‼️
大人になっても変わらない友情にマジ感謝‼️
Posted by ブクログ
大人の青春を感じた本。
主婦と女社長が新しい事業を一緒に進めていくんだけど、面接の時から親友候補!みたいな感じだったのに立場の違いからいざこざが生まれてまた絆が深まってみたいな感じ。
女社長がまなナナコに会えますようにって願いながら読んでた。
Posted by ブクログ
小夜子と葵、二人の視点から人生の価値観が反映された一部分を切り取ったような経験を追体験している気分だった。二人が置かれている環境から異なる視点を持ち、それ故対立する場面もあったが最後は二人にしか理解できない絆が結びつけたのだろうなと解釈しました。結婚し子どもを持つことの大変さ―特に周囲との協調や夫・義母との関係など―を生々しく感じることができました。
女のリアルな部分がぎゅっとつめこまれているので、同じく女の私は読みながらぐんぐん引き込まれました。もっと早くこの本に出会えていれば若かりし私はもっと違う考え方で生きていけたのかな、、とも思う反面、今読んだからこそ理解出来たり共感できる部分があるのかもしれないなとも思います。
角田さんの作品は読み終わった後のこの何とも言えない余韻も大好きです。