Posted by ブクログ
2013年10月25日
ぶかっこうだけれどいとおしい家族の関係、形に捕らわれない恋愛や人との距離の取り方、心の傷ついた優しい人たちとの魂の交流、そしてオカルト。
作者の本は久しぶりに読みましたが、なるほどこれはばなな節全開だなぁ。この人は確かにこういう小説を書く人だ、とすんなり腑に落ちるようなお話だなぁというのが読んでいて...続きを読むの素直な感想。
『小説』としては捉えどころのない物語にどこか戸惑いながらも、この作者にしか描けない孤独や愛との向き合い方・それを経て、命を身ごもる事でゆるやかに変化していく体と心についてが丁寧に描かれていて、心地よい流れに身を任せる事が出来た一冊。
奇妙な三角関係の流れ着く先も含めて皆、ふりかかるもの全て受け入れて愛そうとする穏やかさ、優しさが溢れていて居心地が良いお話だと思えました。