あらすじ
恋人と初めて結ばれたあと、東京を離れ、傷ついた女性たちが集う海辺の寺へ向かった小説家キミコ。外の世界から切り離された、忙しくも静かな生活。その後訪れた別荘で、キミコは自分が妊娠していることを思いがけない人物から告げられる。まだこの世にやってきていないある魂との出会いを、やさしく、繊細に描いた長編小説。
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出産という大イベント。
ばななさんの人生と重なる部分も多いのだとおもいます。
生命が訴えかけるもの、生命を抱えることで見えてくる世界、これはかなり新鮮な体験です。
そして、結婚はしないものの、優しさにあふれています。
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救われた。気分が落ち込んだりうまくいかないなと思っている時期だったからちょうどよく言葉が染み込んできた。1人行動がわりと好きで、パッパラーといろんなところに行くけど、1人に慣れすぎるのもよくないと感じた。人との繋がりって素敵だなあと。
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この本で見えてくる人生観、恋愛観はきっと自分にとってゆるぎないものになります。人間であること、私であること、周りに人がいることに感謝したくなる一冊。
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メンタルが落ち込んでいる私の心に沁みる話だった。命とは…美しい。主人公とその周りの人達が、穏やかに生きられますように。そして、読んでいて不思議な気持ちになった。
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年の初めに気持ち一新したく再読完了。
女性の生き方、恋愛、結婚、妊娠などのトピックを考え直すきっかけになる本だと思っています。
特に女性の生き方、もっと女性性を大切に生きること。
相手がどうこうじゃなくて自分がどう生きたいのかを考えること。
いつもそういうコトを考えさせられます。
読めば読むほど味が出てくる本かな。個人的に。
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最近、いろいろな出来事を型にはめて「こうあるべき」と考えがちになっていました。
ばななさんの本を読むとその凝り固まったものが少しずつほぐれていくような感じがあります。
自分に素直に、というか奥底で求めているものに耳を傾けて受け入れられる人になりたいなと。
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ぶかっこうだけれどいとおしい家族の関係、形に捕らわれない恋愛や人との距離の取り方、心の傷ついた優しい人たちとの魂の交流、そしてオカルト。
作者の本は久しぶりに読みましたが、なるほどこれはばなな節全開だなぁ。この人は確かにこういう小説を書く人だ、とすんなり腑に落ちるようなお話だなぁというのが読んでいての素直な感想。
『小説』としては捉えどころのない物語にどこか戸惑いながらも、この作者にしか描けない孤独や愛との向き合い方・それを経て、命を身ごもる事でゆるやかに変化していく体と心についてが丁寧に描かれていて、心地よい流れに身を任せる事が出来た一冊。
奇妙な三角関係の流れ着く先も含めて皆、ふりかかるもの全て受け入れて愛そうとする穏やかさ、優しさが溢れていて居心地が良いお話だと思えました。
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あったかい話だったな。
お母さんに私がお腹にできたとき、妊婦だったとき、生まれたとき、どんな感覚だったのか聞いてみたくなりました。
うまく表現できないけど、この話を読んで家族や恋愛に対して自分の中にあった靄が少しだけ晴れた気がします。
本を読むのと実際自分が歩むことはもちろん違うけど、こんな風に考えるのは自分だけじゃないんだと安心?したりもして…笑
本も出来事も一期一会を大切にしたいと思いました。
うまくまとまらないけど今の自分に必要な一冊だったんだと思います。
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ばなな先生は
あいまいで直感的な人々を描くのが本当にうまい。
登場するシーンも構成も
頭で考えて到達できる域ではないと感じる。
天才の類。
いつもやわらかな文章を読んで浄化され、
かちこちに固まったあらゆる悩み事が本当にどーでもよくなる。
ただ、妊娠発覚からの描写が
期待と希望に満ち溢れ、
感受性乏しい自分とのギャップを感じてしまい
そこからはなんとなく興醒めした。
妬みなのかもしれない。
総じて、固執から解き放たれ
あらゆる人を赦し、繋がりたくなる本。
読んでよかった。こころがふにふにになった。
リセットされました。
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よしもとばななさんの本はいつも描写が好きだし、読んだ後幸せな気持ちが残るんだけど、新婚旅行のハワイで海の音聞きながら読んだからか、人生のこのタイミングに読んだからか、今まででいちばん沁みたかもしれん。まぼろしハワイも好きだったし他にもたくさん好きな本あるんだけど、ばななさんって山より海派の人だなぜったい、と思う。海の描写が半端なく上手くて、キラキラきている。とてもよかった。
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恋人との間に出来た赤ちゃんが産まれてくる話。赤ちゃんがつなぐ不思議だけどしっかりとした恋愛関係が心地よかった。人間に対する洞察力があって、よしもとばななの作品好きだなと思った。
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前半は趣旨がよく分からずモヤモヤしてたけど、
後半はさくさく進んで最終的に癒されたからよかった。
主人公の行動や感情にまったく共感できないけど、
感情移入させられてしまう不思議な感じ。
子供を産むって奇跡。
自分もいつか経験したい。
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キミコと五郎とユキコの3人のなんとも言えない関係性がばななさんの世界観が表れていると思った。
嫉妬や憎悪やそんなものは描かれていない。
3人がある意味でとても似ているのかもしれない。
「好きな人の好きな人はたいていの場合大丈夫」
無理をしている訳でもなく、自然体でそう思えるキミコの感覚が清々しい。
妊婦にしか感じ取れないスピリチュアルな描写もあり。
神秘的。
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よかった。
なんだろ、この感じ。しっくり、届く!
たとえ方が、イイんだ、から。
イルカ、哺乳類だった。と、改めて感じながら。
ゆっくり眺めたくなったと、感じまして。
〜私の気持ちは和らいでいった。悪くない、と思った。〜
そぉ『悪くない』この感じで生きていく。
自分のこの感覚を大事にし続ける。
五郎とユキコさん、五郎とキミコ
キミコと妹、キミコとまみちゃん
…剥製。
インフルエンザと妊娠(陣痛)
〜風や光が体の中を通っていくような瞬間だった。〜
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【本の内容】
恋人と初めて結ばれたあと、東京を離れ、傷ついた女性たちが集う海辺の寺へ向かった小説家キミコ。
外の世界から切り離された、忙しくも静かな生活。
その後訪れた別荘で、キミコは自分が妊娠していることを思いがけない人物から告げられる。
まだこの世にやってきていないある魂との出会いを、やさしく、繊細に描いた長編小説。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「そうやって許さなくちゃいけないことが増えていくのは、幸せなことだった。潔癖でかたくるしかった自分の人生がぐちゃぐちゃに壊れてどろどろに混じっていく、今度はその泥の中からはどんな蓮が咲くんだろう?」
以前はなんとなくフワフワした雰囲気で、世界観や、最後に必ずある救いや癒しな雰囲気が苦手な作家さんでした。たまたま何となく手に取り、この一文に出会って読むことを決めて読んだ20年ぶりくらいのばななさん本。
Posted by ブクログ
よしもとばななさんの作品には、
温かさと生々しさが共存しているようで、
とても大切なモノがある気がするのに
私はいつも今ひとつのところでそれを手にすることができなくて、
いつかキチンと理解できるんじゃないか、
なんていつも期待してしまいます。
読んだあとはいつもより少し、
優しく切ない大人になれる気がします。
落ち着きを取り戻したい時に、
いい一作なのかもしれません。
Posted by ブクログ
“ 素晴らしい人は死んでからも何かしらその精神の痕跡を遺すものだ。”
他の作品に比較して、時間が経った時にストーリーを少し忘れてしまいそうだと感じた。
けど、剥製のくだりや、命のつながりを感じて見ていたスピリチュアルな夢の景色は、忘れないくらい印象的だった。
今の私には少し、カチッとハマる感覚は無かったけれど、人生における何かしらの転機が訪れたらまた読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
傷ついた女性たちの集う寺で臨時住み込み賄いをはじめたキミコがそこで出会い親しくなった臨死体験経験のある年下女性に自身の妊娠を告げられる。ゆらゆらとたゆたうような空気で、五十近い年上内縁妻がいる彼との三角関係も拒絶せず受け入れ、娘を産み未婚の母となっても悲愴感は全くない。不思議なくらい隔絶された自由。
Posted by ブクログ
ストーリー的には
恋愛小説でもあり
家族小説でもあり
友情もあり
けれどどれも当てはまらない
気がするのはなんでだろう。
それは多分、
妊婦独特の世界みたいなものがあって
その経験をした人にしかわからない
のかもしれないなぁ
もし、私が妊婦になることがあったら
そのとき改めて読んでみたい。
Posted by ブクログ
私のからだは私だけのものだ。その通りだと声を大にして言いたい。私のからだは私だけのものです。それは確かに確信をもっていえる。誰かに支配されるものではない。色々と考えさせられる。
要素小説だと思った。書くべき要素が散りばめられているんだけれども、それが物語として一本筋の通った形にはなっていないとおもう。書きたいことがぼこぼこ、ぼこぼこと出てくるかんじ。ああ、なんか朦朧としていたのかなあ、とか、長く作家をやっているとこうなってしまうのかなあ、とか、商業主義が彼女の才能を散らせたのかなあ、とか色々と考えてしまう。もとからよしもとばななの小説は要素が強い印象はありますが、これはほんとうになんだか物語という容器に入ったものではなかった。けれども、考えなきゃいけないものがいっぱいあった。
Posted by ブクログ
奇妙な三角関係から出産に至るまでの主人公の心の編成が鮮やかである。
リアルな出産シーンはばななさんの出産に立ち会っているようでじんときた。最後はちょっとくどいかな。
表紙の絵はなんだか不気味なようにも見えて違うような…なんで甲羅?
Posted by ブクログ
そうやって許さなくちゃいけないことが増えていくのは、幸せなことだった。潔癖でかたくるしかった自分の人生がぐちゃぐちゃに壊れてどろどろに混じっていく、今度はその泥の中からはどんな蓮が咲くんだろう?そう思った。
ここが好き。
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女としての生生しさを個人的には感じた作品。
ばななさんの私小説とも思えるような内容で、素直で淡々とした文面から
日常とその中にある非日常が伝わってくる。
男と女の違いというものを、否応なしに考えた。
やはりまったく変な意味でなく、役割が違う生き物なのだと改めて思った。
人間と言っても動物なのだから、本能というものはある。
雄は戦い、雌は守る。
そういう役割分担がきちんと出来ているのだ。
現代は女が戦いながら守ることもしなければいけなくて
というような記述にははっとした。
また性別の違いを抜きにしても、本能について考えさせられた。
『現代化』でセンサーが鈍ってきていて
霊感や直感、第六感だとか虫の知らせだとか呼ばれるけれど
やはり人には本能が備わっていて
その本能の『声』は雑多なことに掻き消されることが多い世の中だが
感覚を研ぎ澄ませていれば聞き届けることが出来るし
お腹の中に自分以外の命が宿っていれば尚更
守らなくてはという本能が働くものだろう。
また、南の国や田舎に療養に行ったり、寺へ行ったりすれば
静かな環境で本能に寄り添いやすくなり
歪んでいたことも修復されていくのではないかと思う。
オカルト的なことでなくとも、日常にちょっとした不思議は溢れていて
なんとなく嫌だな、とかなんとなくこうかな、と思ったことが
実は的を射ているということは結構あるものだ。
日常を本能に従い、良いものを選び取って間違えずに生きていくことは
誰の邪魔がなくとも実は難しい。
2017.9.2 再読
生々しさが、前回よりも受け入れ難い気持ちが出てきていて、
共感まではいけない部分があった。
日本だから駄目、ということはないはず。
なぜ母親がいるのにもうひとり母親を欲するのか。昔と違ってなにもこらえてないのに母親だけは求める
というのは苦笑しつつ頷いてしまうし
剥製についての考えは同じだと思う。