海外文学作品一覧

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  • サブリナ
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【カラー/固定型】カラー・大画面での閲覧に最適化されたコンテンツです/ある女性が失踪した。その後、彼女に関する衝撃的な映像を収めたテープが新聞社に送られてくる。その映像はインターネットを席捲し、噂や憶測、陰謀論が湧き上がる。ゼイディー・スミス、エイドリアン・トミネ絶賛。現代社会を映し出す傑作グラフィックノベル
  • オスロ警察殺人捜査課特別班 フクロウの囁き
    3.8
    あの連続誘拐事件から半年―。 特別班に舞い込んだ新たな殺人事件はノルウェーを恐怖の渦に巻き込んだ。 おどろおどろしい儀式のいけにえのように飾り立てられ息絶える被害者たち。 彼らの胃には、共通して鳥の餌が詰め込まれていたのだ。 ネットに流れる怪映像、主人公ミアを狙う謎の女、そして、全身に羽を纏う、「梟」の男…。 殺人捜査課特別班に降りかかる第2の試練。 『アイム・トラベリング・アローン』に続く、オスロ警察殺人捜査課シリーズ第二弾。
  • ファウスト 1
    3.8
    1~2巻1,155~1,430円 (税込)
    生の意義を把握するためとあらば悪魔に魂を売りわたすことも辞さぬファウストにとって自己救済はいかにして可能だったか。――ゲーテ(一七四九―一八三二)は若くしてこの大作を書きはじめ、完成までにほとんど全生涯を費した。そして脱稿のあと「私の今後の生活は全くの贈物のような気がする」といって深い悦びを語ったという。

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  • ボルヘス怪奇譚集
    3.8
    「物語の精髄は本書の小品のうちにある」(ボルヘス)。古代ローマ、インド、中国の故事、千夜一夜物語、カフカ、ポオなど古今東西の書物から選びぬかれた九十二の短くて途方もない話。
  • 闘争領域の拡大
    3.8
    自由の名の下に、人々が闘争を繰り広げていく現代社会。愛を得られぬ若者二人が出口のない欲望の迷路に陥っていく。現実と欲望の間で引き裂かれる人間の矛盾を真正面から描く著者の小説第一作。
  • 壊れた世界で“グッドライフ”を探して
    3.8
    シンプルな生き方は簡単じゃない。シンプルですらない。格差を生み出し続ける資本主義と、搾取や地球環境への負荷を生み出す行き過ぎた消費社会から積極的に抜け出し、ローカルやコミュニティの価値を重視する、倫理的で自由な生き方は本当に可能なのか!? 『スエロは洞窟で暮らすことにした』の著者最新作。
  • カルヴィーノ アメリカ講義 新たな千年紀のための六つのメモ
    3.8
    これからの文学に必要なもの――それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」……である。神話や古今の名著名作、さらには科学者や宗教家の文献までをも考察の対象に収めながら、自らが作家として目指してきたところを示し、紀元3000年にいたるまでの長大な未来を視野に入れて疲弊した現代文学を甦らせる処方を語るカルヴィーノの遺著。

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  • 宝島
    3.8
    死んだ老海賊の遺留品から「宝島」の地図を手に入れた少年ジム・ホーキンズは、医者のリヴジー先生や一本足の船乗りシルヴァーらと財宝を探しに孤島に向けて出帆した。ところが海賊どもの反乱が勃発。敵は十九名、ジムの味方は六名。息を呑む銃撃戦、恐怖の単独行の果て、ついにジムは宝のありかにたどり着くが……。読み継がれてきた不朽の冒険物語が鮮やかな新訳で待望の刊行。
  • 神の裁きと訣別するため
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「人間に器官なき身体をつくってやれるなら、……その真の自由にもどしてやることになるだろう」アルトー最後の、そして究極の叫び、『神の裁きと訣別するため』、自身の試練のすべてを賭けて「ゴッホは狂人ではなかった」と断言し、あらゆる境界を爆破する、三五年目の新訳による『ヴァン・ゴッホ』。アルトーの思考を凝縮した記念碑的名著二冊を集成。
  • シュメール神話集成
    3.8
    世界四大文明のひとつであるメソポタミア文明。この「肥沃な三日月地帯」に栄えた文明の基礎を築いたのが、チグリス・ユーフラテス川の下流域に生活していたシュメール人であった。彼らは独特の楔形文字を使って粘土板に神話や叙事詩を刻み、その世界観は後世の周辺地域に絶大な影響を与えたと言われる。旧約聖書の「ノアの方舟」へと継承された「洪水伝説」のほか、「イナンナの冥界下り」「ウルの滅亡哀歌」など、神話を中心に16の文書を精選。他では読むことのできない重要な原典に、充実の注・解説を付したアンソロジー。
  • シャーロック・ホームズ全集8 シャーロック・ホームズ最後の挨拶
    3.8
    ホームズ最大の危機を描く「瀕死の探偵」、探偵業引退後を描いた「最後の挨拶」ほか、死の影と怪奇、そしてなにより奇想と冒険に満ちあふれた第四短編集。コナン・ドイル晩年の円熟期の傑作群。
  • 三銃士 上
    3.8
    時は17世紀のパリ。ルイ13世の治世。花の都で一旗あげようと、意気揚々と希望に燃えて上京してきた青年剣士ダルタニャン。3人の銃士、アトス、ポルトス、アラミスにひょんな行き違いから決闘を申し込まれるが……。固い友情で結ばれた4人の男が、悪玉リシュリユー枢機卿らの企みに挑む! 手に汗握る冒険活劇の名作を、躍動感溢れる名訳で贈る。
  • インフェルノ(上)
    3.8
    フィレンツェの病院で目覚めたラングドン教授は、ここ数日の記憶がないことに動揺していた。そこに何者かが襲いかかる。医師シエナと逃げ出したラングドンは、ダンテ『神曲』〈地獄篇〉に手がかりがあると気付くが。
  • 不思議の国のアリス
    3.8
    ある昼下がり、アリスが土手で遊んでいると、チョッキを着た兎が時計を取り出しながら、生け垣の下の穴にぴょんと飛び込んで……個性豊かな登場人物たちとユーモア溢れる会話で展開される、児童文学の傑作。
  • プラットフォーム
    3.8
    「なぜ人生に熱くなれないのだろう?」――圧倒的な虚無を抱えた「僕」は父の死をきっかけに参加したツアー旅行でヴァレリーに出会う。高度資本主義下の愛と絶望をスキャンダラスに描く名作。
  • 園芸家の一年
    3.8
    いつだって土作りや水やりのことで頭がいっぱい。そんな園芸家たちの〈あるある〉を愛情たっぷりに描く超ロングセラー園芸エッセイ。
  • 椿姫
    3.8
    美貌の高級娼婦マルグリットはパリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた。だが、青年アルマンに出逢い、彼女は初めて「愛」というものを知る。パリ近郊の別荘に駆け落ちした二人だが……。
  • ピーター・パン
    3.8
    誰しもみんな、おとなになる。たった一人をのぞいては――。永遠の子ども、ピーター・パンにさそわれて、ウェンディと兄弟はネバーランドへと飛び立った。妖精や人魚、そして海賊が住む楽園で、子どもたちは本当の両親のことも忘れかけてきて……。そんな時、ピーターを恨む恐ろしい海賊フックにウェンディたちがさらわれてしまう。ピーター対フック、海賊対子どもたちの決闘が始まった! すべての子どもに夢と希望を与えつづける、名作ファンタジーを改訂版新訳で。 ※電子限定版のあとがきを追加いたしました。
  • 狭き門
    3.8
    美しい従姉アリサに心惹かれるジェローム。二人が相思相愛であることは周りも認めていたが、当のアリサの態度は煮え切らない。そんなとき、アリサの妹ジュリエットから衝撃的な事実を聞かされる……。愛し合う二人の恋はなぜ悲劇的な結末を迎えねばならなかったのか? なぜかくも人間の存在は不可解なのか? 時代を超えて強烈に問いかけるフランス文学の名作、みずみずしい新訳で登場!
  • ポールとヴィルジニー
    3.8
    インド洋に浮かぶ絶海の孤島で、美しい自然と慈母たちに囲まれ心優しく育った幼なじみのポールとヴィルジニー。思春期を迎え、互いに愛の感情が芽生えた矢先、二人は無情にも引き離され……。19世紀フランスで一世を風靡し、かのナポレオンも愛読した幼なじみの悲恋の物語。
  • 孟子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    3.8
    論語とともに四書に数えられる儒教の必読書。人の上に立つ者ほど徳を身につけなければならないとする王道主義の教えと、「五十歩百歩」「助長」「私淑」などの故事成語の宝庫を現代語訳で楽しむ入門書。
  • 絶望名人カフカの人生論
    値引きあり
    3.8
    カフカの超ネガティブな名言を集めた唯一無二の箴言集、待望の電子書籍化! シリーズ第2弾『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』、本書をコミカライズした『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』も大好評配信中!
  • トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー
    3.8
    アメリカ人ハンクが昏倒から目を覚ますと、そこは中世アーサー王の時代だった! 現代科学の知識で魔術師マーリンに対抗し次第に王宮での地位を固めていくが……SF小説の元祖とも呼ばれる幻の名作!
  • ドレの絵で読む ドン・キホーテ
    3.8
    誰もが一度は聞いたことのある『ドン・キホーテ』は、実は聖書に次ぐ人類史上のベストセラーです。細密なドレの傑作絵画をふんだんに挿入して、「見て」「読んで」楽しめる1冊にしました!
  • ザーヒル
    3.8
    満ち足りた生活を捨てて突然姿を消した妻。彼女は誘拐されたのか、単に結婚生活に飽きたのか。答えを求め、欧州から中央アジアの砂漠へ、作家の魂の彷徨がはじまった。コエーリョの半自伝的小説。
  • オペラ座の怪人
    3.8
    怪人の噂が囁かれるパリ・オペラ座で死体が見つかり、美しき歌姫は演目中に姿を消す。怪人が歌姫に抱く狂おしいほどの愛はさらなる惨劇を招き、オペラ座は死の迷宮と化す――ノンフィクション風の小説手法に、ミステリー、怪奇、ユーモア、ロマンスを織り込み、容貌も能力も人間離れした異形の怪人エリックの人間的な悲劇を描く傑作小説を待望の新訳で!
  • 白楽天 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    3.8
    日本文化に大きな影響を及ぼした白楽天。炭売り老人への憐憫や左遷地で見た雪景色を詠んだ代表作ほか、家族、四季の風物、酒、音楽などを題材とした情愛濃やかな詩を味わう。大詩人の詩と生涯を知る入門書。
  • フランケンシュタイン
    3.8
    若く才能あふれる科学者フランケンシュタインは、死者を甦らせることに情熱をそそぐ。しかし、その結果生み出されたものは世にも恐ろしい怪物であった。その怪物は自らの孤独と悲しみから創造者フランケンの愛する家族を次々と襲ってしまう……愛する者を怪物から守ろうとする若者の苦悩と正義、醜く造られてしまった者の不条理な孤独と絶望の運命を描いた、壮大なゴシック・ロマン。
  • かもめ
    3.8
    作家志望のトレープレフと女優を志すニーナ。美しい湖を背景にさまざまな恋が織りなす人生模様。やがて恋人たちの道はすれ違い、新進作家となったトレープレフの前に現れたニーナは謎めいた言葉を洩らす──「私はかもめ」。それぞれが心に秘める「かもめ」は飛翔できるのか? 演劇史に燦然と輝く名作を清新な訳で。(新訳)

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  • 夜はやさし(上)
    3.8
    若き優秀な精神科医ディックは、富豪の美しい娘ニコルと出会う。医師と患者という垣根を越えて、恋に落ち、結婚した二人。富も名声も持ち、人を惹きつけて止まないこの夫婦は、多くの友人から敬われ慕われていた。二人の子に恵まれ結婚生活も順調に思われたリヴィエラでの夏、若き女優ローズマリーが現れディックに激しい恋をしたことから、彼らの運命が大きく揺さぶられ始める――。自伝的色彩を強く放つ、著者最大の長篇傑作。
  • デカメロン(上)
    3.8
    中世の終焉と近代の人間解放を告げた最初の作品と讃えられる、イタリアが産んだ不朽の名作。時は14世紀、ペストが荒れ狂うフィレンツェである教会堂に落ち合った年若い3人の貴公子と7人の貴婦人。丘陵に囲まれた郊外の山荘へ難を逃れた彼らが、悲惨な現実を忘れるため、毎日1人1話ずつ10人で10日間にわたって話された100篇の物語。精力絶倫の修道士が自分の不行跡に修道院長を引きずり込んで罪を逃れる話や、恋多き女が修道院を舞台に巧みに思いを遂げる話など、本巻には30話までを収録。
  • コサック~1852年のコーカサス物語~
    3.8
    モスクワでの無気力な生活に疲れた青年貴族オレーニンは、チェチェン人と対峙するコーカサス辺境での軍隊勤務を志願する。その地はコサックの自由な精神に溢れていた。そして美しい少女マリヤーナとの恋が彼の内面を変えてゆく――トルストイ青春期の生き生きとした描写が、みずみずしい新訳で甦る! 作家の従来のイメージを一新するような輝かしき青春小説。
  • ハムレット Q1
    3.8
    「生か死か、問題はそれだ」デンマーク王が急死し、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座に就く。悲しみに沈む王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった……。これが『ハムレット』の原形、伝説のテキスト「Q1」ついに登場! シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作!
  • 変身/掟の前で 他2編
    3.8
    ある朝、不安な夢から目を覚ますと、グレーゴル・ザムザは、自分がベッドのなかで馬鹿でかい虫に変わっているのに気がついた……家族の物語を虫の視点で描いた「変身」。もっともカフカ的な「掟の前で」。カフカがひと晩で書きあげ、カフカがカフカになった「判決」。そしてサルが「アカデミーで報告する」。20世紀文学を代表する作家カフカの傑作4編を、もっとも新しい〈史的批判版〉にもとづいた翻訳で贈る。
  • マクベス
    3.8
    11世紀スコットランドの勇敢な武将マクベスは、魔女の暗示にかかり王ダンカンを殺し、悪夢の世界へ引きずり込まれてゆく。シェイクスピア(1564-1616)は、1600年に36歳で『ハムレット』を書いた後、40歳で『オセロー』、41歳で『リア王』、42歳で『マクベス』と、立て続けに4大悲劇を書いた。作者最盛期の作品である。

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  • ギリシア・ローマ名言集
    3.8
    カエサルが「賽は投げられた」と言ってルビコン川を渡ったというのは有名だが、出典をみると、カエサルは実はこう言ったのだという。「賽を投げろ」。なぜ後世にそう伝えられたのか-ギリシア・ローマの名句337に原綴・出典を添え、編者が自在に語る。通読しても、ある句を捜して拾い読みしても楽しめる1冊。

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  • エミリーの求めるもの(新潮文庫)
    3.8
    平和で旧時代的なニュー・ムーンの世界から、ボーイフレンドのテディも、親友のイルゼも、都会へと旅立っていった。孤独に耐えながら、ひたすら創作に没頭するエミリー。野心に燃える彼女にも、時として眠れぬ「夜中の三時」が訪れる。いわゆる適齢期を迎えた女性の、微妙な乙女心が求めるものは何か――エミリー・シリーズ完結編。

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  • 可愛いエミリー(新潮文庫)
    3.8
    「勇気を持って生きなさい。世の中は愛でいっぱいだ」。最愛の父の遺した言葉を胸に、みなし子になったエミリーはニュー・ムーン農場に引きとられた。孤独で夢見がちな彼女は、伯父伯母から変わった子供だと言われながらも、書くことに熱中し、詩人か小説家になろうと決心する。著者は『赤毛のアン』シリーズで親しまれているが、より自伝的だとされるエミリー・シリーズの第一作。

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  • 新訳 十二夜
    3.8
    伯爵家の女主人オリヴィアを熱愛するオーシーノ公爵。だが兄を亡くした哀しみに暮れるオリヴィアはけんもほろろ。その頃難破船から救われ、女であることを隠して公爵に仕え始めたヴァイオラは、優しい公爵に恋心を抱く。さらに、そんなことはつゆ知らぬ公爵が恋の使者として遣わしたヴァイオラに、なんとオリヴィアが一目惚れ……!? もつれにもつれた恋の糸。ロマンスと笑いと風刺が絡みあう、シェイクスピア喜劇の頂点。
  • 審判
    3.8
    ある朝、アパートで目覚めた銀行員Kは突然、逮捕される。Kはなぜ逮捕されたのかまったく判らない。逮捕した裁判所もいっさい理由を説明しない。正体不明の裁判所と罪を知らないKのはてしない問答がつづくのだが……。「城」「アメリカ」と長編三部作をなす未完の傑作。
  • 罪と罰 上
    3.8
    1~3巻1,100~1,276円 (税込)
    その年の夏は暑かった。大学を除籍になり、ぎりぎりの貧乏暮らしの青年に、郷里の母と妹の期待と犠牲が重くのしかかる。この悲惨な境遇から脱出しようと、彼はある「計画」を決行するが…閉塞した社会状況のなかでくすぶる人間性回復への強烈な願望を描いて世界文学史にドストエフスキーの名を刻みつけた不朽の作品。(全3冊)

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  • 謎解き 少年少女世界の名作
    3.8
    十九世紀から二十世紀初頭、資本主義の浸透と身分制度の解体が進み、現在の社会秩序の基礎が確立される過程の欧米諸国で書かれた「少年少女世界の名作」を単なる子供だましと侮るなかれ。『十五少年漂流記』に隠された英米仏の領土問題、『宝島』に貫かれているビジネスの過酷さ――。そこには、近代史の真相、民衆心理、社会の根底にあるさまざまな仕組みやカラクリが隠されている。世界の見方が変わる一冊。

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  • O嬢の物語
    3.8
    パリの前衛的な出版社ポーヴェールから一九五四年に刊行された本書は、発表とともにセンセーションを巻き起こし、「ドゥー・マゴ」賞を受賞した。女主人公の魂の告白を通して、自己の肉体の遍歴を回想したこの書物は、人間性の奥底にひそむ非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作と評され、多くの批評家によって賞賛された。

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  • イーストレップス連続殺人
    値引きあり
    3.7
    “ありそうもないこと”を具象化した グロテスクな犯人像に脳のざわめきが止まらない。 犯罪小説とフーダニットの区分を帳消しにする早すぎた傑作。 ――法月綸太郎氏(作家) 風光明媚なノーフォーク海岸沿いの保養地イーストレップスで、老婦人が友人宅を訪れた帰りにこめかみを刺されて殺害される。 続けて第二、第三の殺人が同様の手口で繰り返され、街は謎の殺人鬼「イーストレップスの悪魔」の影におびえることに。 地元警察はついに有力な容疑者を確保するに至るのだが……。 意を凝らしたミスディレクションと巧妙なレッドへリング、白熱の裁判シーン、フーダニットとしての完成度。 映画『白い恐怖』原作者による、本格ミステリー黄金期の知られざる傑作を本邦初訳!(解説・塚田よしと) 探偵小説オールタイムベスト10のひとつ。 ――ヴィンセント・スタリット(作家、シャーロック・ホームズ研究者) 鮮やかで独創的な連続殺人犯(シリアル・キラー)のフーダニット。 素晴らしい海辺の舞台設定と巧妙なツイスト。 ――マーティン・エドワーズ(作家・評論家)
  • 河を渡って木立の中へ(新潮文庫)
    3.7
    第二次大戦後数年を経たヴェネツィア。アメリカ陸軍大佐キャントウェルは、貴族の娘レナータと刹那の逢瀬を重ねる。彼の心の傷を癒すため戦争の真実を明かしてくれとせがむ恋人に、重い口を開いて語ったのは、凄惨な戦いの全貌と自らの判断ミスで多くの部下を殺してしまった悔恨の情だった……。年の離れた愛しい人、戦争の不条理、迫りくる終焉の時。著者自身を投影して描く愛と死の物語。
  • ブラッドシュガー
    3.7
    驚異的に独創的な殺し方。必読。 キャサリン・クーパー【サンデー・タイムズ紙ベストセラー“The Chalet”著者】 魅力的なストーリー、邪悪で鋭い文章、忘れがたい語り手。最高のデビュー作。 サマンサ・ダウニング【ベストセラー“For Your Own Good”著者】 知的で強迫観念を持つ主人公の心の奥底に、読者を引きずり込む。これほど信頼できない人物を、これほど愛おしく思えたのは初めて。 キャスリーン・バーバー【“Truth Be Told”著者】 1ページ目から気に入った。終わってほしくなかった。 ミシェル・キャンベル【ベストセラー“It's Always the Husband”著者】 30歳、臨床心理士。マイアミで幸せな新婚生活を送っていたルビーだが、ある日1型糖尿病を患う夫が、夜間低血糖で急死。ほどなくして、ひとりの刑事が訪ねてきた。ルビーが夫を殺害したと疑っているのだ。刑事はルビーに顔写真を一枚ずつ見せながら言う。「この4人には、きみのすぐ近くで亡くなったという共通点がある」。ルビーは断じて夫を殺してなどいなかった。だが、問題は他の3人だ。実は、彼女が殺していたのだから。大陪審の審理がはじまり、彼女は連日トップニュースを飾り、サイコパス呼ばわりされることに--。 この語り手は信用できるのか!? 果たして彼女はサイコパス?? 読めば読むほど謎が深まる、殺人癖のある主人公。いつの間にかあなたも、この女性に魅了されている!
  • 誰もが別れる一日
    3.7
    韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説
  • TUBE(チューブ)
    3.7
    2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位『アーモンド』の著者が贈る、 すべての人の人生を応援する、心温まる物語。 失敗しても、また始めればいい。 つかんだ藁が浮き輪(チューブ)になって水面に浮かぶまで。 仕事なし、家族なし、運もなし、ないない尽くしの中年男の、人生改造プロジェクト! 一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう? どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。 仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする……が、 それさえもあえなく失敗してしまう。 この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真―― そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。 何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、 まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、 やがてソンゴンの人生を大きく変えていく――。
  • 新訳 サロメ
    3.7
    「歪(いびつ)に見え実は巧みなフランス語でヴェールを纏(まと)ったサロメの姿を、初めて日本語で見た。クイアに美しく、リリカルな声に身震いがした」ロバート キャンベル(国文学者) 日本初演から110年。 「本当のサロメ」とは? 最新研究に基づく画期的新訳×新解釈で、物語の真の意味が明らかに! 日本初演から110年。私達は「本当のサロメ」に初めて出会う。 ――月夜の晩。エロド王に請(こ)われ、妖艶な踊りを披露したサロメ。王に求めた褒美は美しき預言者ヨカナーンの首だった。少女の激情を描き、男性同性愛の記号(モチーフ)を潜めることで、当時の西欧社会の抑圧を挑戦的に描いた本作は、実はワイルドの抵抗(レジスタンス)!? 仏語原文を忠実に読み解き、見過ごされてきた男達の意外な葛藤を示し、真のドラマ性を見事に新訳! ビアズリー画18点掲載。 【日本初演から110年。新訳で物語の真の意味が明らかに!】 ポイント1 今まで見過ごされてきた男たちの意外な葛藤を訳出 人との距離感を表す、仏語の二種類の語法――ヴーヴォワイエとチュトワイエ。それを原文通りに丁寧に訳しわけることで、ヨカナーンらの意外な葛藤を表現! ポイント2 サロメに隠された男性同性愛の記号(モチーフ) 劇中に登場する「緑のお花」は、実は男性同性愛の記号。そのためラストの悲劇的展開には、キリスト教による弾圧への抵抗(レジスタンス)の思いが込められている。後に男性同性愛で裁かれ、客死するワイルド自身の悲劇をも予言した。 ビアズリーの名画を18点掲載! 目次 サロメ 一幕劇 訳者あとがき
  • ブラックアウト 上
    3.7
    テロリストによる電力送電線の攻撃でパニックに陥るヨーロッパ。機能不全に陥った世界で、イタリア人元ハッカー、マンツァーノがテロに立ち向かう。ドイツ発、衝撃のリアリティでおくるサスペンス巨編!
  • 編集者の読書論~面白い本の見つけ方、教えます~
    3.7
    1巻1,034円 (税込)
    週刊誌、翻訳書の編集に従事し、その後「光文社古典新訳文庫」を創刊した駒井稔がエッセイ風に綴る、気取らぬ読書論。話題は海外の書店や出版社、編集者、作家、歴史的人物、古典、短編、児童書へと縦横無尽に広がります。魅力的な本に出会う秘訣は? 挫折した長編作家の作品にはどのようにアプローチする? 執筆や出版の舞台裏に迫る、とっておきの一作は? 古今東西の未読の本の存在に、わくわくさせられること間違いなし!
  • 警視の慟哭
    3.7
    警視庁から所轄署へ異動させられたキンケイド警視は、警察内部の闇の存在から目をつけられていることを知る。一方、妻のジェマはロンドンで、高級住宅に囲まれて外部からの侵入が困難な庭園で若い女性の死体が発見された事件に駆り出される。過去からの因縁と悪意を解きほぐした末に待つ、驚愕の真相とは! 『警視の謀略』に続くダンカン・キンケイド警視シリーズ、第17作。 『警視の挑戦』から続いていた陰謀の黒幕がついに明らかに!
  • バウドリーノ 上
    3.7
    時は中世,十字軍の時代――.神聖ローマ皇帝フリードリヒの養子となった農民の子バウドリーノが語る数奇な生涯.驚異に満ちた東方世界で出会う一本足の俊足スキアポデス,一角獣を連れた美女,胸に顔があるブレミエス族,大耳を広げて滑空するパノッティ族など,史実と伝説とファンタジーを織りまぜて紡ぎだす破天荒な冒険ロマン.(全二冊)

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  • あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集
    3.7
    ――わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。 カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。しかも女性である。 自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。 だが彼女らはけっして下を向かない。 慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。 《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》 -------------------------------------- 【目次】 ■あの人たちが本を焼いた日……The Day They Burned the Books ■あいつらにはジャズって呼ばせておけ……Let Them Call It Jazz ■心霊信奉者……A Spiritualist ■マヌカン……Mannequin ■フランスの刑務所にて……From a French Prison ■母であることを学ぶ……Learning to Be a Mother ■シディ……The Sidi ■飢え……Hunger ■金色荘にて……At the Villa d'Or ■ロータス……The Lotus ■ではまた九月に、ペトロネラ……Till September Petronella ■よそ者を探る……I Spy a Stranger ■堅固な家……A Soild House ■機械の外側で……Outside the Machine ■「ジーン・リース」へのピクニック……西崎憲 --------------------------------------
  • 超約版  貞観政要
    3.7
    1巻1,210円 (税込)
    ■大河ドラマ主人公「鎌倉殿の13人」執権北条氏、「どうする家康」徳川家康も読んでいた! 有事にこそ「リーダーの真価」が問われる! フビライ、西郷隆盛、明治天皇…世界の名リーダー座右の書・不朽の古典が読みやすい現代語抄訳スタイルで蘇る! 唐2代皇帝・太宗による政治の要諦『貞観政要』。日本でも鎌倉将軍、徳川家康、明治天皇らも参考にし、世界最古・最高のリーダー論として読み継がれている。「組織の力量はリーダーの器以上にはならない」「部下からの厳しい言葉にこそ耳を傾ける」「上司は自らの権限の及ぶ範囲を明確にし、できれば制限しなければならない」太宗が示したリーダーシップの要諦は、時代を超えて通用する組織運営のための普遍の原理である。コロナ後という指針なき混迷の時代に組織の立ち位置を見直し、リーダーとして先を見て率いていくために学ぶ座右の古典。 [目次] 第1章 人の上に立つ者の条件 第2章 強い組織をつくる哲学 第3章 部下を伸ばすリーダーの資質 第4章 上に立つための自分の磨き方 第5章 部下を最大限に生かす法 第6章 有能な人材の見抜き方 第7章 失敗や挫折を乗り越える  <原作者略歴> 呉兢 (ごきょう) 670(咸亨1年)~749(天宝8年)。中国唐代の歴史家。?州(河南省開封)の人。長年史館にあり、歴朝『実録』などの編纂に従事。自ら『貞観政要』『国史』などを編纂した。 <訳者略歴> 夏川賀央 (なつかわがお) 1968年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。数社の出版社で編集者として活躍したのち独立。会社経営の傍ら、ビジネス書を中心に執筆活動を行う。古典の現代語訳に『武士道』『茶の本』『風姿花伝』『啓発録』(致知出版社)、著書に『すごい会社のすごい考え方』(講談社プラスα文庫)、『仕事ができる人の「日本史」入門』『仕事ができる人の「アジア史」入門』(きずな出版)等がある。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『超約版 貞観政要』(2022年4月19日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 論語
    3.7
    全人類への遺産『論語』。訳注者独自の見解も交え、親しみやすく工夫された新訳で、他本には見られぬ注釈と解説が最大特徴。詳細かつ丁寧な注釈。孔子の生涯や「仁」を根幹とするその思想を詳述し、『論語』の成立や現代的意義を指摘した解説。中国本土での烈しい孔子批判とも関連させ、いま『論語』をどう読むかを示唆した画期的な注釈書。他本には見られぬ注釈と解説を最大特徴とする、いま『論語』をどう読むか、示唆にとんだ画期的一冊。
  • アントワネット
    3.7
    几帳面な「ぼく」と自由なアントワネットは、愛に満ちた理想の二人だった――子供に恵まれないことをのぞいては。病院で診察を受けるも原因は不明。時はいたずらに過ぎ、夫婦の間の亀裂は少しずつ広がっていく。不妊治療に臨む夫婦を夫の視点から描く、オランダ気鋭の小説家による文芸作品。美しい過去への憧憬が、静かに、確かに、胸を打つ。
  • 世界でいちばん弱い妖怪
    3.7
    ヤバイやつらが続々襲来! どうする人類? 「驚かないで! ぼく、ほんとに弱いの。殺したりしないでね」。命乞いする落ちこぼれ妖怪に、「プルスマ、プルスマナス」と呪文をつぶやく謎のエイリアン。さらには人間からダシをとりたい妖怪世界の料理人から、あがり症の新米悪魔まで。ヤバイやつらがゾクゾク襲来!  どうする人類? ◆表題作「世界でいちばん弱い妖怪」 人間界に落ちてきた妖怪は、警官に取り囲まれるなり、開口一番、救いを求めた。「ねぇ待って! 撃たないで! 一発で、ぼく死んじゃう」。妖怪には足がない。歩けない。震えながら取引をもちかける。「君たちがぼくを生かしてくれるなら、ぼくも自分の妖術で人間を助けることができるよ」。妖怪に食べられると肛門から出るころには若返るという。実際に妖術が成功すると、若返りを求めて人びとが列をなした。人類と妖怪の共存だ。しかし約1万人が青春を取り戻したころ、のみこまれた人が死んでしまう事故が起こり…… くすっと笑えて、時々ドッキリ、最後に沁みるショートショート18編。 人気イラストレーターのクイックオバケの挿画もたくさん入って、ページをめくるだけで楽しめる。朝読やすきま読書にもオススメです。
  • 幸いなるハリー
    3.7
    老い、病、性のきらめき、言えなかった秘密、後戻りのできない人生の選択。 「世界最高の短篇作家」による珠玉の10作品。 人生には完璧な絶望も、澄みきった希望もない。 パールマンの短篇集にちりばめられた無言の種は、あなたのなかで芽吹いて、やがてぞっとするほど優雅な花を咲かせるだろう。 ――松家仁之(作家) 愛おしさ、愚かしさ、優しさ、酷たらしさ、善意と悪意、救済と断罪etc. 人間のすべてを知り尽くした作家、それがイーディス・パールマンだ。 ――豊崎由美(書評家) なにかを諦める。苦く、みじめで哀しい一瞬――それらひとつひとつを柔らかい布で磨きあげ、息を呑むほど美しい宝石に変えてしまう。人生の粋を極めた短篇集。 ――倉本さおり(書評家) 本書は、原書Honeydewのうち『蜜のように甘く』(亜紀書房、2020年刊行)に未収録の10篇を訳出した日本オリジナル版です。 【目次】 ■ 介護生活 ■ 救済 ■ フィッシュウォーター ■ 金の白鳥 ■ 行き止まり ■ 斧が忘れても木は忘れない ■ 静観 ■ 花束 ■ 坊や ■ 幸いなるハリー
  • 顔のない花嫁
    3.7
    不気味なお化け屋敷へようこそ。 毎年10月になると町で開催される「お化け屋敷コンテスト」。 優勝をねらう少年ケヴィンは、コンテストの準備中、屋敷にあった真っ白なドレス姿のマネキンをこわしてしまう。その日から、ケヴィンの周囲で不可解な、おぞましい出来事が次々と起こるように……。 必死で怖くないと自分に言い聞かせながら、ついに迎えたコンテスト当日。ケヴィンとその仲間たちは、そこで自分たちが取り返しのつかないことをしたのだと知る――。 ベストセラー作家が手がける、〈こども向け本格ホラー〉です。
  • 汚れなき子
    3.7
    米アマゾン2760レビューの超ヒット作! 真夜中、ひと組の母娘が救急車で病院に搬送された。母親は自動車事故に遭い、重傷を負っていた。母親といっしょにいた少女は幸い無傷だった。母親が救命処置を受けている間、少女は看護師に身元を聞かれるが、少女は母親の名前がレナであること以外は何も明かさない。看護師が電話番号をたずねると少女は言った。 「うちには電話ないの」 「じゃあ、住所だけでも? 住んでる通りの名前、わからない? 誰かを向かわせて、パパを連れてくることができるかも」 そう看護師が言うと、少女はゆっくりと首を振って囁いた。 「私たち、見つかっちゃいけないんだよ」 その後、少女が語ったのは、事故の夜、少女の母親がうっかり父親を殺そうとしたこと。小さな弟がひとり今も〈小屋〉に取り残されていること。そして〈小屋〉での奇妙な暮らしぶりだった――。 物語はこの少女の視点の他に、事故に遭った母親の視点と、もうひとり、行方不明の娘を探す父親の視点の三つで描かれていくのだが、やがて少女と母親の語りから、二人がともにどこか異様なことに読む者は気づき始める。 この作品に捜査機関は登場するが、彼らはあくまでも脇役である。やがて結末近くになってようやく事件の全貌が見えるのだが‥‥。 デビュー作にして見事なページターナー! 2020年、ドイツ推理作家協会賞(正称:フリードリヒ・グラウザー賞)最終候補作! ドイツ・アマゾンのレビュー1690超、★平均4.5! 米国アマゾンのレビュー2760超(2020年10月発売、半年累計)、★平均4.5! 今後ドイツのスリラー界を担う最右翼新人作家の作品を、満を持して紹介する。 (底本 2021年6月発行作品)
  • 血の葬送曲
    3.7
    スターリン体制下のレニングラード。人民警察の警部補ロッセルは、捜査を進めるうちに、連続殺人犯の正体を突き止められるのは自分しかいないと気づく。元ヴァイオリニストの自分しか。
  • 家にいるのに家に帰りたい
    3.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 BTSのVも読んだ、心に灯をともす癒しの言葉たち “わたしのためだけに書いてくれたみたい” 韓国で共感の声、続々。 家にいるのに帰りたい―――。 日々のストレスや疲れから、家の中にいても心がやすまらず、“家にいるのに家に帰りたい”と思うことはありませんか。 漠然とした不安やとまどいを抱えながらも 誰かを責めるわけにはいかない 現実にうずくまってしまっているあなたへ。
  • 私、幸いなことに死にませんでした
    3.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この電子書籍は紙版書籍のページデザインで制作した固定レイアウトです。 生きることも、死ぬことも難しい。それでも生きることにした。 不安とさよならして「幸せ」と感じられるまで、治療と生活のありのままを描く不安障害克服記コミックエッセイ。  想像のなかでは、何でもできるような気がしていた。でも実際は、人前に出ると固まってしまい、うまく話せない。あえて明るく振る舞おうとしてみても、ひとりになると反動で落ち込んでしまう。  長い間「社交不安障害」を抱えていた著者は、初めは不安障害と知らず、みんなと同じように振る舞えない自分を憎み、責めてばかりいた。ひとりでいるときでさえ思いっきり泣けない。死にたくないけど、生きたくもない。その理由を見つけようと始めたカウンセリングや治療の過程で、「あなただけじゃない」と語りかけてくるさまざまな作品に出会えたことで力づけられ、回復へ向かっていく。  すこしずつ不安から離れて幸せにとどまる方法をつかみかけてきた今、他の誰かの力になれればと、ためらいながらも著者は自身の過去を語る。不安に押しつぶされ、悲しみに暮れて憂鬱に過ごすのではなく、自らを幸せにするために努力する、心の成長の記録である。
  • おばあちゃん、青い自転車で世界に出逢う
    3.7
    あなたの宝物にそっと気づかせてくれる物語。 《今の世界に、この物語が現れたことには間違いなく大きな意味がある。悲しみ、辛さ、不条理を潜り抜けた人間はやがて太陽のように光り輝き、優しさの化身となる。そんなマルおばあちゃんに出会えた喜びに、涙が何度も溢れ落ちた。》――漫画家・随筆家 ヤマザキマリさん  メキシコのオアハカで手作り菓子「アルファホール」を売りながら、つましく暮らしている天涯孤独のマルおばあちゃん、90歳。ある日、遙か昔に家を出てしまった息子がすでにこの世にいないこと、そして彼には一人息子がいたことを知る。マルおばあちゃんは、自分の「人生の環」を閉じるべく、おんぼろの青い自転車でまだ見ぬ孫に会うために、450キロの旅に出る……。  マルおばあちゃんの叡智に溢れる言葉と無欲で自由な生き方が、「知らないうちにあなたの手のなかにあった宝物」にそっと気づかせてくれる。人生に迷える人に贈る、スペインから来た哲学小説。
  • ムーミン谷の名言シリーズ1 スナフキンのことば
    3.7
    1~4巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1964年に翻訳出版されてから、ずっと愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、9巻の物語が原典となっており、今なお人を惹きつけてやみません。大きな魅力のひとつは、キャラクターたちが発する、真実を突く言葉にあります。スナフキンの名言を抜き出して、美しいヤンソンの絵と共に、ぎゅっとまとめた1冊です。 ●著者紹介 トーベ・ヤンソン 作・絵 画家・作家。1914年8月9日フィンランドの首都ヘルシンキに生まれる。父は彫刻家、母は画家という芸術一家に育ち、15歳のころには、挿絵画家としての仕事をはじめた。ストックホルムとパリで絵を学び、1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。1966年国際アンデルセン大賞、1984年フィンランド国家文学賞受賞。おもな作品に「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)のほか、『少女ソフィアの夏』『彫刻家の娘』などがある。2001年6月逝去。
  • ランナウェイ
    3.7
    瞠目の伏線回収。極上のサスペンス。 《一読して、「これは最先端の物語だ」と感じさせる。それが本作の、そしてまたハーラン・コーベン作品の素晴らしい強みだ》 《あらゆる問題が更新され続けるこの世界(中略)。そうした世界に注がれるハーラン・コーベンの眼差しは、ひとことで言うなら、限りなく「公正(フェア)」だ。あらゆる価値観が錯綜する現代において、最も挑戦的な態度の一つといっていい。》(作家・冲方丁氏の解説より) 薬物に溺れ失踪した娘を探す父。次々と標的を襲う殺し屋と同行する女。姿を消した資産家の息子を探す私立探偵。娘に薬物を与えた男。バラバラなピースがつながったとき、驚くべき忌まわしい事実が姿を現す。 フェアな目線と巧みな構成に唸り、怒濤の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス。
  • 少年キム 上
    3.7
    舞台は十九世紀、英領インド。イギリス人の孤児キムは、チベットからきたラマと〈矢の川〉を探す旅に出る。やがて才能を見出されて、優秀なスパイとして育てられたキムは、大国の覇権争いのただなかに身を投じるが……。天才キプリングが少年の数奇な運命を描き、インドの豊かな風景と多彩な人びとを活写した、大河冒険小説。(黒田硫黄・画)

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  • 新編 日本の怪談
    3.7
    ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が見出した美しい日本の怪談集。耳無し芳一、雪女、ちんちん小袴など、ハーンの代表作を詩情豊かな新訳で収録します。ハーンによる再話文学の世界を探求する決定版!!
  • なぜ古典を読むのか
    3.7
    卓越した文学案内人カルヴィーノによる最高の世界文学ガイド。ホメロス、スタンダール、ディケンズ、トルストイ、ヘミングウェイ、ボルヘス等の古典的名作を斬新な切り口で紹介。須賀敦子の名訳で。
  • ギリシア・ローマ神話 付 インド・北欧神話
    3.7
    西欧の文化芸術に親しもうとする人にとってギリシア・ローマ神話の知識は不可欠である。この分野の学問的研究は長足の進歩をとげたが、しかし神々と人間の豊かで興味つきぬ世界を描いたブルフィンチ(一七九六―一八六七)のこの書物はすこしも価値を減じていない。『伝説の時代』の中から神話篇の全部を収めた。

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  • 中国奇想小説集
    3.7
    1巻2,112円 (税込)
    『捜神記』『唐代伝奇』『聊斎志異』『子不語』など六朝から清代まで、変幻自在の奇想幻想小説約30篇を、ミステリ評論家でもある練達の中国文学者が精選、新訳でお届けする。
  • リア王
    3.7
    3人の娘の愛情を試そうとした老王リアは、末娘コーディーリアの真心を信じず、不実な長女と次女の甘言を軽信して裏切られる。狂乱の姿で世を呪い、あらしの荒野をさまようリア-疲れはてた父と娘の美しい再会と悲惨な結末。古代ブリテン史に材をとった、シェイクスピアの作品中最も壮大・残酷なこの悲劇を、意欲的な新訳で。

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  • 不倫
    3.7
    「生きることとは愛すること」――。 優しい夫と二人の子どもに恵まれ、ジャーナリストとして活躍するリンダ。誰もが羨む暮らしを送る一方で彼女は、理由のわからない孤独や不安に苛まれ、変化すること、変わらないでいることに恐怖を感じはじめていた。そんな折り、再会したかつての恋人……。周囲を巻き込み、刺激と情熱に溺れ、すべてを失いかけたとき、現れた衝撃の真実。背徳の関係さえも、真実の愛を学ぶチャンスだったのだ――。
  • ある葬儀屋の告白
    3.7
    アメリカで話題独占!「葬儀屋」ブログを書籍化した 異色のベストセラー、ついに日本上陸! 今を生きるすべての人に贈る再生の物語。 「死は生の正常な一部である」 「死を健全に理解すれば、そこには美が見出される」 ・生後すぐの赤ん坊 ・がんと闘病していた少女 ・大好きだった祖父 ・薬物中毒の男 ・アルコール依存症の男 ・ダウン症の中年女性  ・排除されていたレズビアン ・余命二日で自ら電話をかけてきた男 ...ありとあらゆる形の死に接した、葬儀屋の六代目。 苦しみながらも、大切な人を失った人々に寄り添い続けていくうちに、 彼は死に希望と美しさを見出す。 死は、弱さを受け入れる強さをくれる。 米タイム誌が「必読の書!」と太鼓判。 原書である 『Confessions of a Funeral Director:How the Business of Death Saved My Life』 はAmazon.comで4.6/5.0の高評価(6月6日時点で189人がレビュー)を得ている。 翻訳は『死ぬ瞬間』(エリザベス キューブラー・ロス)を訳した法政大学教授の鈴木晶氏。 タイム(ネット版) 「ある葬儀屋の告白」というブログは示唆に富み、幅広いテーマを扱い、時には不遜だ。筆者は死を扱うビジネスの深層に踏み込んでいる。読者は、死についてだけでなく、人生について学ぶことができる。 ワシントン・ポスト 著者は有名ブロガーとして知られる。彼は葬儀屋という地味で堅い職業を定義し直し、人生における究極の関心事についての会話を誘う。
  • 文学効能事典 あなたの悩みに効く小説
    3.7
    本書は、体や心の具合が悪いと感じたときに開いて、その対処法を知るために参考にしてほしい。  といっても、いわゆる健康本や医学解説書とはちがう。どこがちがうかというと、まず、取り上げている症状や悩みの種類がバラエティに富んでいる。体の痛みも心の痛みも区別することなく取り上げているので、この本を開けば、「腰が痛いとき」や「歯が痛いとき」と同様に、「恋人と別れたとき」の対処法もみつかる。また「ホームシックのとき」や「飛行機がこわいとき」など、ストレスを感じやすい状況も取り上げているし、「結婚相手をまちがえたとき」や「職を失ったとき」など、人生の深刻な危機も心身の不調をもたらす悩みとして取り上げている。さらに「二日酔いのとき」や「ユーモアがわからないとき」などのささいな症状や悩みも、ケアの必要な疾患とみなしている。  そしてもう一つちがうのは、ここがいちばん肝心なのだが、症状の改善のためにすすめる「薬」が、薬局ではなく書店や図書館にある点だ。場合によっては、ネットショップから手持ちの端末にダウンロードすることもできる。つまり治療に使うのは「本」なのだ。  取り揃えている「薬」は、ヘミングウェイ、トルストイ、メルヴィルはもちろん、古くは2世紀の作家アープレーイユスの『黄金の驢馬』から、現代の強壮剤ともいうべきジョナサン・フランゼンの作品まで、2000年に及ぶ文学史のなかから、最高の優れた知性にあふれ、もっとも心身の回復効果が期待できる小説を集めた。  読者の皆さんは普通の薬と同じように、処方された本は最後まで読み切り、いま以上の健康と、幸福と、より多くの知恵を手に入れてほしい。自分なりの処方箋をもっておくのもいいかもしれない。

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  • 完訳 グリム童話集 1
    3.7
    1~5巻924~1,221円 (税込)
    比較言語学・説話学の分野に偉大な足跡しるすグリム兄弟が、ドイツ各地で口から耳へと伝えられた昔話の数々をあまねく採録。児童文学の一大宝庫であり、民間伝承研究に不可欠の文献である。名訳をもって知られるこの金田訳は、一八五七年刊の原著決定版から削除された昔話をも数多く収録する。KHM番号を付記した。

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  • アンネの童話
    3.7
    酒井駒子による小さな絵本として生まれ変わります! アンネは隠れ家にいる間、童話やエッセイを書き遺している。中川李枝子の訳に酒井駒子の描きおろしの絵を加え、甦る。解説・小川洋子
  • 服従
    3.7
    二〇二二年仏大統領選。極右・国民戦線マリーヌ・ル・ペンと、穏健イスラーム政党党首が決選に挑む。しかし各地の投票所でテロが発生。国全体に報道管制が敷かれ、パリ第三大学教員のぼくは、若く美しい恋人と別れてパリを後にする。テロと移民にあえぐ国家を舞台に個人と自由の果てを描き、世界の激動を予言する傑作長篇。
  • 新訳 ジキル博士とハイド氏
    3.7
    ロンドンに住むジキル博士の家に、ある時からハイドという男が出入りしている。彼の評判はすこぶる悪い。心配になった親友のアタスンがジキルの様子を窺いに行くと……。
  • 深い穴に落ちてしまった
    3.7
    北には山脈が横たわり、海ほどもある湖をぐるりと囲んでいる森。そのまん中に穴がひとつ、口をあけている。ある日、大きな兄と小さな弟がその穴に落ちてしまった。深さおよそ7メートルの穴からどうしても出られず、何か月も木の根や虫を食べて極限状況を生きのびようとする。外界から遮断された世界で、弟は現実と怪奇と幻想が渾然一体となっためくるめく映像を見はじめる……。どうして兄弟の名前と年齢が明かされないのか。なぜ章番号が素数のみなのか。文章に織り交ぜられた不思議な暗号が示すものとは。著者によって綿密に構成され、さまざまな寓意に彩られた物語は、読後、驚愕とともに力強い感動をもたらす。暗黒時代を生きる大人のための寓話。
  • ロビンソン・クルーソー
    3.7
    十九歳ではじめて船出をしたロビンソンは、数々の苦難に襲われたあげく、南米の無人島に漂着する。日記を付け、聖書を読み、煙草をくゆらす孤独な日々のなか、彼は安全な住まいを築き、農耕や牧畜を営む工夫をこらす。近代的人間の典型として、多様なジャンルに影響を与え続ける古典的名作を、抜群に読みやすい新訳で。
  • レモンケーキの独特なさびしさ
    3.7
    「種明かしをするわけにはいかないので、ここではただ、この本を書いているあいだ、感じやすい(sensitiveである)とはどういうことかについてたくさん考えていた、とだけいっておきましょう」――エイミー・ベンダー 9歳の誕生日、母がはりきって作ってくれたレモンケーキを一切れ食べた瞬間、ローズは説明のつかない奇妙な味を感じた。不在、飢え、渦、空しさ。それは認めたくない母の感情、母の内側にあるもの。 以来、食べるとそれを作った人の感情がたちまち分かる能力を得たローズ。魔法のような、けれど恐ろしくもあるその才能を誰にも言うことなく――中学生の兄ジョゼフとそのただ一人の友人、ジョージを除いて――ローズは成長してゆく。母の秘密に気づき、父の無関心さを知り、兄が世界から遠ざかってゆくような危うさを感じながら。 やがて兄の失踪をきっかけに、ローズは自分の忌々しい才能の秘密を知ることになる。家族を結び付ける、予想外の、世界が揺らいでしまうような秘密を。 生のひりつくような痛みと美しさを描く、愛と喪失と希望の物語。
  • これで駄目なら
    値引きあり
    3.7
    ジョークが笑えるのは何故か、人々は何故孤独なのか。 男が本当に欲しいのは何か、何故「情熱的に行動する人々」が人生を価値あるものにするのか。 芸術家がすべきこと、音楽の慰め。 自分のルーツの大切さ、何故言論の自由やその他多くの自由を守らなければならないのか。 ヴォネガットは若い聴衆に向けて、そういったことを語り明かします。
  • わが闘争(上)
    3.7
    世の趨勢につれ、亡霊のように消えては現れるヒトラー・ブーム。この無気味な現象は、いったい何を意味し、何を志向しているのか。その謎を解く鍵を秘めた本書、『わが闘争』。それは、独裁者ヒトラーの出現を許した混迷の政治風土と酷似する現代において、予想外の意味をもってわれわれに迫ってくる。ヒトラーが本書で語るその恐るべき政治哲学、魔術に近い巧妙な政治技術は、現代政治の虚構を見抜く有力な手掛かりとして、今なお多くの示唆を放っている。戦争体験のない世代が増えている現代において、若者はもちろんのこと、全国民にとって、批判的必読の書といえよう。ヒトラーが、世界制覇の戦略と思想とを自ら語った、世界史上稀有の政治的遺書を電子書籍で。
  • 新唐詩選
    3.7
    中国の詩は、世界の詩のなかでも最も美しいものの一つである。とりわけ唐代は、李白や杜甫をはじめとして、多くのすぐれた詩人が輩出した時代であった。中国の詩に親しもうとする若い世代のために、中国文学者と詩人の二人の著者が協力して、主要な唐詩の読解とその味わい方を懇切に説いた唐詩の世界への案内。

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  • アンティゴネ
    3.7
    戦争の死者とその弔い、国家と個人の関係を問うこと、服従か抵抗・自律か……。テーバイの王クレオンが仕掛けた侵略戦争で戦場から逃亡し殺されたポリュネイケス。王は見せしめに彼の屍を葬ることを禁じるのだが、アンティゴネはその禁を破って兄を弔い、伯父クレオンに抵抗するのだった。詩人ヘルダーリン訳に基づき、ソフォクレスのギリシア悲劇を改作し今日的意味を与えたブレヒトの問題作。
  • 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~
    3.7
    官能的な寓話「薔薇とハナムグリ」、眠り続けるモグラの怪物の夢に操られる島民の混乱を描く「夢に生きる島」。ほかに「部屋に生えた木」「ワニ」「疫病」「蛸の言い分」など、シュルで風刺のきいた世界が堪能できる20世紀を代表する作家モラヴィアの傑作短篇15作。「読まねば恥辱」級の面白さ!
  • 白夜/おかしな人間の夢
    3.7
    ペテルブルグの夜を舞台に、内気で空想家の青年と少女の出会いを描いた初期の傑作「白夜」。自殺を決意した男が夢から覚めた後、真理を発見し自殺をとりやめる幻想的な短篇「おかしな人間の夢」。作者本人のお気に入り「キリストの樅の木祭りに召された少年」とロシアの民衆への暖かい眼差しが心を打つ「百姓のマレイ」。どれも切ないながらも、そこはかとなく明るさが感じられる4作と資料的価値のある「1864年のメモ」を収録。
  • 東方見聞録 1
    3.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 十三世紀、全アジアを支配下におくフビライ・カーンの寵愛を受けて、マルコ・ポーロは二十歳そこそこから十七年間、使者として元朝諸方へ派遣され、各地を踏査する。未曾有の繁栄を誇るシルクロードを採った往路の様子から、現在のミャンマーあたりにまで至る雲南への使節行、さらには元朝の宮廷事情にまで及ぶ見聞記。
  • ジキルとハイド
    3.7
    ロンドンの高名な紳士、ジキル博士の家にある時からハイドという男が出入りし始めた。彼は肌の青白い小男で不愉快な笑みをたたえ、人にかつてない嫌悪、さらには恐怖を抱かせるうえ、ついに殺人事件まで起こしてしまう。しかし、実はジキルが薬物によって邪悪なハイドへと姿を変えていたのだった……。人間の心に潜む善と悪の葛藤を描き、二重人格の代名詞としても名高い怪奇小説。
  • 新訳 夏の夜の夢
    3.7
    貴族の娘・ハーミアと恋人ライサンダー。そしてハーミアが好きなディミートリアスと彼に恋するヘレナ。妖精に惚れ薬を誤用された4人の若者の運命は?幻想的な月夜の晩に妖精と人間が織りなす傑作喜劇。
  • 傍迷惑(はためいわく)な人々~サーバー短編集~
    3.7
    子どもの頃から不器用で、工作すれば傷だらけ、車は毎度エンストの「なんでも壊す男」。偶然手にとったシェイクスピアを読むミステリー小説マニアの暴走がおかしい「マクベス殺人事件」。思わずくすりと笑わせるイラストを、作者自ら大真面目に分析する「本棚のうえの女」。味のあるイラストと軽妙な文章で愛され続ける作家サーバーの縦横無尽の妄想力が炸裂。各種の笑いを取りそろえた短篇集。本邦初訳2篇を含む20篇を収録。
  • ビーグル号世界周航記 ダーウィンは何をみたか
    3.7
    1831年、英海軍の測量船ビーグル号に同乗したダーウィンが南米大陸沿岸や南太平洋諸島で目にした世界の驚異。進化論へと結実する着想を得た調査記録『ビーグル号航海記』はこの旅で誕生した。その記念碑的著作から動物・人類・地理・自然の記述を抜粋、細密な銅版画を豊富に交えて再編集。『航海記』のエッセンスを凝縮し、世界で愛された1冊。(講談社学術文庫)
  • 戦争と平和 (一)
    3.7
    1~6巻1,254~1,364円 (税込)
    1805年夏、ペテルブルグ。英雄か恐怖の征服者か、ナポレオンの影迫るロシア上流社会の夜会に現れた外国帰りのピエール。モスクワでは伯爵家の少女ナターシャが平和を満喫。だが青年の親友や少女の兄等は戦争への序走に就いていた。愛・嫉妬・野心・虚栄・生死――破格のスケールと人間の洞察。世界文学不朽の名作! 新訳。

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  • ストーリー・ガール
    3.7
    1~2巻770~814円 (税込)
    ベブとフェリックスの兄弟がプリンス・エドワード島で出会ったのは少し大人びた不思議な雰囲気の少女。美しい島の四季と共に成長する多感な少年少女たちの日々を描く『赤毛のアン』の姉妹編ともいえる人気作。
  • 悪魔とプリン嬢
    3.7
    「条件さえ整えば、地球上のすべての人間はよろこんで悪をなす」悪霊に取り憑かれた旅人が、山間の田舎町を訪れた。この恐るべき考えを試すために――。
  • 変身
    3.7
    ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    3.7
    「ある街角で、不安が私に襲いかかった。汚らしく、うっとりするような不安だ」エロスの狂気が神を超える! 戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子など球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。60年代末の日本文学界を震撼させ、三島由紀夫らも絶賛したバタイユ小説の白眉、スキャンダラスな原作の世界をすみずみまで再現する衝撃の新訳!
  • 雨の朝パリに死す
    3.7
    奔放な妻ヘレンとの生活に疲れはてて失意の酒に酔いしれていたチャーリイ。妻の死によって一人娘への愛情にめざめ、娘を取り返そうとパリに戻ってくるが、ふと出会った昔の女に過去が甦える。第一次大戦後のパリを背景に男女の愛情のもつれを描く。他に「カットグラスの鉢」「冬の夢」「罪の赦し」「金持ちの青年」を収める。

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